ビジネスパーソンインタビュー

「“承認”を褒めることだと思っているなら、あなたの言葉は部下に響いていません」

鴨頭嘉人YouTubeチャンネルより

「“承認”を褒めることだと思っているなら、あなたの言葉は部下に響いていません」

新R25編集部

2019/11/16

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部下のマネジメントをしていると、「叱る」というシチュエーションがやってきます。

まっすぐ指摘するべき」「オブラートに包んだほうがいい」など、人によって叱り方はさまざま。では、叱り方に正解はあるのでしょうか?

その問いを、かつて日本マクドナルドで“伝説の店長”と呼ばれ、自身の講演を発信するYouTubeチャンネルは登録者数87万人(2019/11/15現在)を誇る“炎の講演家”・鴨頭嘉人さんにあててみました。

しかしそれに対して鴨頭さんが出した答えは「叱り方」よりも、もっと根本にあるものでした。それは一体…?

【鴨頭嘉人(かもがしら・よしひと)】高校卒業後、東京に引越し19歳で日本マクドナルドにアルバイトとして入社。30歳で店長に昇進。32歳の時にはマクドナルド3300店舗中、お客様満足度日本一、従業員満足度日本一、セールス伸び率日本一を獲得し最優秀店長で表彰される。その後も最優秀コンサルタント。米国プレジデントアワード、米国サークルオブエクセレンスと国内のみならず全世界のマクドナルド表彰もすべて受賞する功績を残す。2010年に独立。現在は組織構築・人材育成・セールス獲得についての講演・研修を行う「炎の講演家」として活躍している

「褒める」「承認する」はイコールではない

部下とのコミュニケーションに、「褒める」「叱る」という2パターンがありますよね。

この2つだったら、ほとんどの人は「褒める」という選択をするでしょう。「叱る」にしても、一旦褒めたあとに叱ったほうがいいっていう人もいます。

別にそれが間違っているとも思いません。ただ、僕はそれよりも大事なことがあると言いたい。

僕は「承認のリーダーシップ」という研修を年に何百回とやっています。

その研修を受けているリーダーたちに対して、僕はずっと「承認しろ」と伝えるんですよ。

すると、その研修を受けた人からは、「鴨頭さん、よくわかりました。部下は徹底的に褒めたほうがいいんですね」「指摘したり怒ったりするよりも、褒めたほうがいいですね」と言われるんです。

厳しいことを言うと、「承認」と「褒める」を一緒にしている人は、何もわかっていません

僕が考える「承認」とは、「褒める」「叱る」の土台なんです。

部下からすると「上司が見てくれている」という感覚です。

どういうことなのか、詳しく説明しましょう。

承認があれば、部下にはどんな言葉も響く

たとえば、まったく見てくれていない上司から叱られたとします。

そうすると、部下は「現場のことなんか、全然わかってねえくせに…」と思って、口だけで「すいません」と言うだけです。

叱っても響かない。

逆にその部下が成果を出したときに褒められたとしても、「結果だしたときだけ調子いいこと言いやがって」と考えるんです。

褒めも響かないんですよ。

つまり、どんな「褒め方」だろうが「叱り方」だろうが、受け取ってもらえないんです。

では反対に、入社したときからずっと目をかけてくれた上司がいたとしましょう。

その部下は、全然成果が出ないし、組織の足を引っ張ってしまうような存在でした。それでも、上司は「最初から成果が出る人がいない。責任は俺が取るから、とにかくチャレンジしろ」と言いつづけます。

そして、何カ月もかけてようやく成果が出て、上司が「やればできるじゃねえか」と褒めてくれた。すると部下は、やっと「恩返しができた!」とめちゃくちゃ喜ぶはずです。

今度はその部下が気を抜いて失敗してしまったとしましょう。

そしたら、その上司が「なんでこんなミスするんだ!こんなミスお前らしくねえじゃねえか!!」と厳しく叱った。

すると、部下は愛を感じるんですよ。「そうだった…僕は初心を忘れていました。ありがとうございます…!」ってね。

日常的に「ちゃんと見ているぞ」と部下に感じさせられる上司だったら、どんな言葉でも響くんですよ。

会社の理不尽を部下に伝えるために、上司は承認を怠るな

だから、正しい「褒め方」「叱り方」を学ぶことよりも「毎日ちゃんと見ているぞ」という承認の土台をつくることを優先してください。

なぜなら、「褒める」と「叱る」は特別な場面のコミュニケーションでしかない。「成果を出したとき」「失敗したとき」なんて、毎日は起きないでしょう。

それに対して「承認」は、日常のコミュニケーションなんです。それが信頼関係になる。

ほとんどの会社では、部下に理不尽な要求をしないといけない場面が出てきます。そして、それを伝えるのは上司です。

そのときにのために、部下との信頼関係を築く必要があります。だから、すべての上司は「承認」を怠らないでください。

鴨頭さんのYouTubeチャンネルには、仕事に役立つ話が満載です!

鴨頭さんのYouTubeチャンネルでは、今回の動画のような「日々の仕事に役立つ情報」が毎日更新されています。

人間関係を円滑にするコミュニケーション」や「人生をよりよくする習慣」など、幸せに働くためのノウハウが詰まった鴨頭さんのYouTubeチャンネルを、ぜひチェックしてみてください!

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