ビジネスパーソンインタビュー
『ポケモン GO』は、世界を再発見する補助線だ
GO三浦崇宏「『ポケモン GO』は、日常を面白くするのは自分次第なんだって教えてくれる」
新R25編集部
世界的大ヒットとなり、熱狂を巻き起こしつづけているスマートフォン用ゲーム『ポケモン GO』。
GPS機能とAR技術を活用することにより、現実世界を舞台にポケモンの世界観を楽しめ、2016年の配信開始から3年以上経過した今なお、世界中で遊ばれ続けている同ゲームですが、このたび『新R25』では、さまざまな角度から『ポケモン GO』の魅力を再発見する特集を展開することになりました!
第1回「ポケモン GO×脳科学」では脳科学者・茂木健一郎さんに、第2回「ポケモン GO×コミュニティ」ではオンラインサロン「箕輪編集室」を主宰する箕輪厚介さんに登場していただきました。
第3回となる今回のテーマは、「ポケモン GO×旅行」。
登場していただくのは、三陽商会と手がける新しいパーソナルオーダースーツのブランド『STORY&THE STUDY』や、30万円という価格も話題になった次世代のクリエイティブディレクター育成のための塾『GO Fight CLUB』など、広告やPRの枠を超えた注目のプロジェクトを手がけるThe Breakthrough Company GOの代表取締役でPR/CreativeDirectorの三浦崇宏さんです。
【三浦崇宏(みうら・たかひろ)】TheBreakthrough Company GO代表取締役兼PR/CreativeDirector。早稲田大学第一文学部を卒業後、博報堂入社。マーケティング、PR、クリエイティブ部門を経て独立、2017年にTheBreakthrough Company GOを設立
三浦さんのTwitterを見てみると…
第二の故郷、多すぎない…?
やたらと旅行に行っている模様の三浦さんに、「旅行」がビジネスパーソンにどんなメリットをもたらすのか?という話を伺いました。
1月22日には著書『言語化力ー言葉にできれば人生は変わる』を出版する三浦さんのパンチラインを、ぜひご覧ください!
〈聞き手=福田啄也(新R25編集部)〉
クリエイターとして『ポケモン GO』に嫉妬していた
今日は、『ポケモン GO』のタイアップ企画として、三浦さんにお話をききにきました!
よろしくお願いします!
三浦さん
『ポケモン GO』ねえ…
あれ…? いつもの元気はどこいった?
福田
どうされました? まさかポケGOに興味がないとか…?
三浦さん
違うよ、その逆。クリエイターとしてポケGOに嫉妬しているんだよ!
ポケGOは、多くのユーザーの生活を一変させたじゃん。
リリースされた日、俺は映画を見てたんだけど、劇場から出たらみんなが立ち止まってスマホを見ていたの。
「俺が映画見ている間に、世界に何が起こったんだ!?」って思ったね。
福田
リリース当時のインパクトはかなり大きかったですよね。
僕も仕事の打ち合わせ中にリリースされてて、興奮して取引先の担当者と一緒にその場で始めました。
三浦さん
あのときほど、クリエイターとして悔しいと思ったことはないね。
自分たちのサービスで街の景色を一変させるって、クリエイター冥利に尽きるじゃん。
「俺もあんな企画をつくりたい」って思ったよ。
GO三浦「自分の価値観を壊すために旅行に出ている」
福田
気を取り直して…今回のテーマは「ポケモン GO×旅行」なのですが、三浦さんって年にどのくらいの頻度で旅行しているんですか?
三浦さん
毎週末は、必ず遠出するようにしてるよ。
先週は仙台でしょ、その前は沖縄、さらにその前には福岡・熊本に行って…
それに最近京都支社をつくったから、京都にもちょいちょい行ってる。
めちゃくちゃマイルが貯まってそうだな…
福田
おお…すごい。どうして毎週末旅行しているんですか?
三浦さん
東京じゃできないインプットがしたいから。
たとえば、タピオカミルクティーって春夏にかけて渋谷や原宿の店はどこも大行列だったけど、今はどう思う?
福田
気温が下がってきたので、夏のときよりもブームが落ち着いてきた気がしますね。
行列もあまり見かけなくなりました。
三浦さん
でしょ? でも先日、名古屋に行ったら、今まさにタピオカミルクティーのブームが来ていたんだよ。
一時期の渋谷みたいに、どの店にも長蛇の列ができている。
福田
へええ! まだまだタピオカミルクティーは全国的なブームになっているんですね。
三浦さん
そう。
そういう物事に対しての「世の中の平均気温」みたいなものって、いろんなところに実際に行かないとわからないんだよね。
ふむふむ…
自分の使命に気づくこともある。旅行が自分の成長につながるワケ
福田
ただ、それって三浦さんが広告会社にいるからで、別に僕らビジネスパーソンには関係ないような気もするのですが…
三浦さん
…それ、本気で言ってる?
僕は三浦さんを失望させる天才なのかもしれない
三浦さん
これは俺の持論なんだけど、どんなビジネスをしていても、普通じゃない成果を出したかったら、普通じゃない過程を経ないといけないんだよ。
だからこそ、普通だったら起きないような偶然を、自分の人生に意図的に取り入れる必要がある。
「クライアントもいないのに、京都支社をつくってみるとかね」
福田
実際に三浦さんが旅行に行って、変わったことってあるんですか?
三浦さん
いっぱいあるよ。
たとえば熊本って地震の被害からもう復興したと思うでしょ? でも実際に行ってみると、震災当時からまだ変わっていないところも多い。
そんな現状を知りもしなかったから「俺はわかったつもりになってただけなんだな」って痛感した。
だから俺の会社のプロジェクトで熊本復興を手助けする仕事をすることになったんだ。
福田
そうなんですね…!
ニュースで取り上げられないので、てっきり復興はかなり進んでいるのかと思ってました。
三浦さん
俺の大好きな芸人さんの言葉で「行った先に何かある」というのがあるんだけど、まさに「旅行に行ったことで人生が変わる」ってあると思う。
旅行は、“意図的に”自分の人生に変化を起こす手段なんだよ。
だから、ビジネスマンで成長したいという人は積極的に旅行したほうがいい。
『ポケモン GO』は「世界を再発見する補助線」だ
福田
でも、三浦さんのようにしょっちゅう旅行に行けない人だったら、どうやって“意図的に”自分の人生に変化を取り入れたらいいんでしょう?
三浦さん
そういうときは、日常に「どんなことも面白がれる視点」があったらいいね。
福田
それって簡単にできるものですかね?
三浦さん
それこそ、ポケGOを使えばいいと思うんだよ。
ポケGOの一番すごいところって何だと思う?
福田
えっ、ゲームの世界だけだった「ポケモン」を実際に捕まえているような気分になるとか…?
なんですかその表情…。合ってるの? 間違ってるの?
三浦さん
間違ってはないけど…一番は「自分の生きている世界を再発見できる」ことなんだよ。
ポケGOには、いろんな場所に「ポケストップ」があるじゃん。
※「
ポケストップ
」とは、世界中のさまざまな場所に点在するスポット。ポケモンを捕まえるための「モンスターボール」や、ポケモンのHPを回復する「キズぐすり」など、さまざまな道具が手に入ります。
三浦さん
その「ポケストップ」があるところには、ちゃんと地名があるよね。
それってポケGOを通さないと気づけなかったものも多いでしょ?
福田
ああ…! 僕も近所にあったオブジェが「ポケストップ」になっていて、初めてそのオブジェの名称を知りました!
三浦さん
そう。そういう普段だったら見逃しちゃうものに気づかせてくれるツールなんだよ。
だから俺は、ポケGOは「世界を再発見する補助線」だと思うね。
「世界を再発見する補助線」…めちゃくちゃかっこいい
三浦さん
イギリスのドレス・レッシングという作家が「学びとは、人生のなかで理解したと思っていたことを新しい形で突然、理解しなおすことだ」って言っていて。
たとえば、俺はいつも赤坂の自宅から六本木のオフィスまで自転車で行くんだけど、タクシーで行くのと、自転車で行くのだと、世界の見え方がまったく変わるんだよ。
「この交差点って意外と車が通るんだな」とか「信号って意外と多いんだ」とかね。
福田
そんな日常的なところにも、まだまだ新しい気づきがあるんですね…!
三浦さん
逆に言うと、人間って思っている以上に世界をちゃんと見てないわけ。
俺は旅行で意図的に人生に変化を取り入れているけど、それ以前に、日常の見方を変えるだけでも、新しい発見をできるんだよ。
福田
なるほど…その日常の見方を変えることをポケGOが補助してくれると。
三浦さん
そう。ポケGOで、自分の歩いている道を見てみると、いつもは見逃していたオブジェや建物が「ポケストップ」になっていて立ち止まることがある。
「このビルの名前ってこんな名前だったんだ」とか「あんなところにもポケストップがあるんだ」ってね。
ポケGOは、日常的で凝り固まった自分の視野を広げるいい練習になるんだよ。
世界の視点を増やせば増やすほど、人生は何倍でも面白くなる
三浦さん
これはおさらいとして聞きたいんだけど、「冒険」って何だと思う?
福田
ここまでの話からすると…日常でも「冒険」になると言うことですよね。
違う視点を持って街を歩くとか。
今度こそバシッと答えられたはず…!
三浦さん
そう! 冒険って、日常を別の視点で非日常に変えることなんだよ。
たとえば六本木で外国の人だけに着目すると、歩いているだけで海外にいるような体験に変わる、とかね。
福田
うわ、それ楽しそう…今度やってみます。
三浦さん
人生はつまんないとか、面白いことがないって言っている人は、もっと「冒険」したほうがいいよね。
ポケGOで遊んでいると、街を歩いているときに「もしかしたらここにポケモンがいるんじゃないか」とか、今までなんとなく渡っていた川にも「水辺だから、みずタイプのポケモンが多いんじゃないか」とか考えるようになる。
それってすごく日常がわくわくするじゃん。
三浦さんの側にはカビゴンがいるんだろうな…とかですね
三浦さん
世界の別の見方を発見すればするほど、人生なんて何倍でも楽しめるんだよ。
ポケGOは、日常が面白いか面白くないかってことに気づくのは君次第なんだって教えてくれるんだ。
福田
おお…僕も早くポケGOで遊びながら、いろんな世界を見たいと思ってきました…!
三浦さん
でしょう?
「街に出たらいいことあるよ」なんて、みんなわかってるじゃん。
そして、それをより強く伝えるために広告はあるんだけど、ポケGOはコンテンツを使って実際の行動を生み出すのに成功したことに、俺はすごく嫉妬しているんだよ。
『ポケモン GO』は「世界を再発見する補助線」。
日常のあらゆるところに『ポケモン GO』というフィルターを通すことで、世界の見え方が変わる話には納得しかありませんでした。
クリエイターとしての目線だけではなく、サービスに対する深い階層まで分析できている三浦さんには脱帽です。
僕も三浦さんのようなビジネスマンになるために、『ポケモン GO』で積極的に外に出て、自分の視点を広げ、価値観をどんどん変えていこうと思いました…!
〈取材・文=福田啄也(@fkd1111)/撮影=中澤真央(@_maonakazawa_)〉
©2019 Niantic, Inc. ©2019 Pokémon. ©1995-2019 Nintendo/Creatures Inc. /GAME FREAK inc.ポケモン・Pokémonは任天堂・クリーチャーズ・ゲームフリークの登録商標です。
ビジネスパーソンインタビュー
またスゴいことを始めた前澤さんに「スケールの大きい人になる方法」を聞いたら、重たい宿題を出されてしまいました
新R25編集部
【不満も希望もないから燃えられない…】“悟っちゃってる”Z世代の悩みに共感する箕輪厚介さんが「幸せになる3つの方法」を伝授してくれた
新R25編集部
「実家のお店がなくなるのは悲しい… 家業を継ぐか迷ってます」実家のスーパーを全国区にした大山皓生さんに相談したら、感動的なアドバイスをいただきました
新R25編集部
「俯瞰するって、むしろ大人ではない」“エンタメ鑑賞タスク化してる問題”に佐渡島庸平が一石
新R25編集部
社内にたった一人で“違和感”を口にできるか?「BPaaS」推進するkubell桐谷豪が語るコミットの本質
新R25編集部
【仕事なくなる?そんなにすごい?】“AIがずっとしっくりこない”悩みへのけんすうさんの回答が超ハラオチ
新R25編集部