ビジネスパーソンインタビュー

1000人超のコミュニティを率いる箕輪厚介が分析する『ポケモン GO』が飽きられない理由

「ポケGOやれば、コミュニティとは何かわかるよ」

1000人超のコミュニティを率いる箕輪厚介が分析する『ポケモン GO』が飽きられない理由

新R25編集部

Sponsored by 株式会社ポケモン

2019/12/05

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世界的大ヒットとなり、熱狂を巻き起こしつづけているスマートフォン用ゲーム『ポケモン GO』。

GPS機能とAR技術を活用することにより、現実世界を舞台にポケモンの世界観を楽しめ、2016年の配信開始から3年以上経過した今なお、世界中で遊ばれ続けている同ゲームですが、このたび新R25では、さまざまな角度から『ポケモン GO』の魅力を再発見する特集を展開することになりました!

前回、脳科学者・茂木健一郎さんによる、「ポケモン GO×脳科学」では、「ポケGOは脳のジム」という驚きの発言がありましたが、第二回目の企画は…

オンラインサロン「箕輪編集室」を主宰する編集者・箕輪厚介さんによる、「ポケモン GO×コミュニティ」

というのも、最近の『ポケモン GO』はゲームとして遊べるだけではなく、“コミュニティ”としても機能しはじめているらしいんです。

〈聞き手=宮内麻希(新R25編集部)〉

【箕輪厚介(みのわ・こうすけ)】1985年生まれ。2010年に双葉社に入社。広告営業などを経て2014年より編集部に異動し、『たった一人の熱狂(見城徹)』『逆転の仕事論(堀江貴文)』などを担当。2015年幻冬舎に入社した後は、NewsPicks Book編集長として『多動力(堀江貴文)』『人生の勝算(前田裕二)』『お金2.0(佐藤航陽)』『日本再興戦略(落合陽一)』などの話題作を生み出しつづける一方、自著『死ぬこと以外かすり傷』が6万部を超えるヒットに。好きなポケモンはゼニガメ

「ポケモン GOって1人でやるゲームじゃないの?」

宮内

今回のテーマは「ポケモン GO×コミュニティ」なんですけど…

箕輪さん

え、ポケGOって1人でやるゲームじゃないの?(笑)

完全なる休眠ユーザーだった男。最近のポケモン GOを理解してない可能性が高い

宮内

えーっと…

箕輪さんがポケGOをダウンロードされた当時から機能がアップデートされて、他のトレーナーと一緒にボスポケモンを倒すレイドバトルや、トレーナー同士がフレンドになる(※)ことでギフトを贈りあえる機能など、人とつながりながらプレイすることができるようになったんです。

※フレンド機能
トレーナー同士がお互いをフレンドリストに追加できる機能。フレンドと、一緒にプレイすると、さまざまなボーナスが発生するようになる。どれだけ冒険を共にしたかを5段階で表す「仲良し度」という指標がある。

「ウンウン」

宮内

ほかにも、「Pokémon GO コミュニティ・デイ」(※)といったイベントを通して新しいトレーナーに出会うことができるなど、最近はポケGOが“コミュニティ”としても機能しはじめてるんです。

※月に1度開催される、対象のポケモン1種(複数の場合もあり)が数時間の間に大量発生するイベント。新しいトレーナーたちに出会ったり、地域のコミュニティをより強く感じられるような機会となっている。

箕輪さん

ふむふむ。ポケモンをゲットするだけじゃない楽しみかたも増えてるんですね!

今の話を聞いて思ったのは、ポケGOのコミュニティは、「自分を俯瞰するツール」として使えそうだなってことですね

宮内

…!?

手軽にコミュニティに所属する手段としての『ポケモン GO』

箕輪さん

最近よく考えてるんだけど…「オンラインサロン」(ウェブ上で展開される月額会費制コミュニティ)みたいに、会社以外のコミュニティに所属する価値ってなんだと思う?

宮内

面白いプロジェクトに関われたりとか、人脈が増えたりとか…?

「まあそれはそうなんだけど…」

箕輪さん

一番の価値は、普段の仕事とは違う行動基準を持っている人と接することによって、自分の価値観が相対化されて、俯瞰した視点が身につくことなんだよ

家と職場の往復みたいにコミュニティが固定化してると、価値観も固定化されて、視野が狭くなっちゃう。

そうなると、自分の人生を俯瞰して見られなくなっちゃうんだよね。「これって意味のない仕事なんじゃない?」とか「本当にこんなことやりたかったっけ?」っていう本質的な視点が持てなくなる。

宮内

たしかに、違う価値観に触れることで自分の思考がクリアになることはありますよね。

箕輪さん

思い詰めちゃう人、成長が止まっちゃう人は、大体視野が狭くなってるんだよ。

成長したいなら、人間関係のつながりをいくつか持って、もっと自由に軽やかに生きることが大事だと思う。

会社以外に3つくらい見つけられたらいいと思うな。

そんなに!?

『ポケモン GO』の“ゆるさ”が、多様な価値観に触れるきっかけになる

宮内

でも、複数のコミュニティに所属するのって絶対疲れると思うんですよね…

箕輪さん

だからこそ、ポケGOくらいのゆるい場所がいいなと思ったの。

ポケモン集めるにしても、バトルに参加するにしても、散歩に使うにしても、「プレイする目的を自分で選択できる」でしょ? このゆるさがいいよね。

コミュニティって、ゴールありきになると機能しなくなるんだよ。

箕輪さん

ゴールを目指さなきゃいけないって、“疲れ”の原因になるじゃん。

僕がやってるサロン「箕輪編集室」って、最初のころは「次の時代の出版社をつくる」という目的の、超意識高い集団にしようとしてたの。

でも、あるとき佐渡島さん(※)から、「コミュニティはゴールがないから機能的になる。箕輪編集室は熱狂させないほうがいい」って言われてさ。

(※佐渡島庸平=編集者。『週刊モーニング』で『バガボンド』『ドラゴン桜』『働きマン』、『宇宙兄弟』など人気作の編集を担当。2012年に作家のエージェント会社、コルクを設立)

宮内

あ、箕輪さんちょっと前までやたら「熱狂しろ」みたいなことを言っていたような…

箕輪さん

そうだっけ?(笑)

熱狂って継続しない。コミュニティのメリットを享受しようと思ったら、ゆるさが必要なんだよ

まったくやる気がない普通の人、大企業で働く人、スタートアップで働く人、学生だっていてもいい。ゆるくいろんな人が集まるコミュニティだからこそ、いろんな価値観に触れられるわけ。

箕輪さん

ポケGOって幅広い年代がやってるところがすごいと思うんだよね。街中で集合してるのを見ると、若者からお年寄りまでいるじゃん。

でも、このくらいゆるい方が、コミュニティが自然に活性化されて結果的に続くんだよね。

ゲームは世の中の反映だ」って塩田さん(※)が話してたんだけど…

(※塩田元規=『八月のシンデレラナイン』などを手掛ける株式会社アカツキの代表取締役CEO。箕輪さんの編集で著書『ハートドリブン 目に見えないものを大切にする力』を上梓)

「さっきから人の発言ばっかだわ(笑)」

箕輪さん

世の中に明らかな課題があってそれを達成しようという時代には、「レベルを上げて、仲間を増やして、モンスターを倒す」って明らかな目的があるRPGが流行った。

そこから、みんなの生活がなんとなく満たされるようになって「自分が何をやりたいかをゆっくり考えよう」というのが今の時代。

だからこそ、人それぞれ楽しみ方を持って自由に遊べるポケGOが世界が熱狂するレベルまで浸透したんじゃないかな

宮内

めちゃくちゃ説得力ある分析ですね…

多様性とは“なんでも受け入れる”ことではない。同じマインドでどれだけ自由にいられるか

宮内

“ゆるい”空気にすることで、コミュニティとしての結束力が弱まったりしないんですか?

箕輪さん

“ゆるさ”っていうのは、とにかくいろんな人をごちゃ混ぜにしようということではないんだよね。

それは、コミュニティではなくてフラットな羅列になっちゃうから。

箕輪さん

たとえばさ、フードコートに行ったらピザ屋もステーキ屋もあったほうがうれしいじゃん。

でも“ラーメン横丁”にピザとかステーキの店があったら、なんかガッカリしない?

宮内

ええ…? そりゃあ残念な気持ちになりますけど…(なにこの話?)

箕輪さん

そこなんだよ。多様性って、“いろんな人を受け入れる”ことじゃなくて、同じマインドという土台のうえで、どれだけ自由にいられるかどうか

だから、「ラーメンを食べたい」というマインドのラーメン横丁にピザ屋があるのは間違った多様性なんですよ!!

箕輪さん

たまに「箕輪編集室って箕輪さんの信者みたいな人しかいないですよね~」って皮肉っぽく言われるんだけど、当たり前だよね(笑)。

「なにかしら箕輪に興味がある」って土台のうえに多様性がないとコミュニティにならないもん。

箕輪さん

ポケGOだってポケモンが好き、外に出たい、っていうマインドのうえで自分の遊び方を自由に選択できるでしょ?

マインドこそ、コミュニティの旗印になるんですよ。

宮内

なるほど…!

箕輪さん

だからこそ、ポケGOは単なるゲームの域を超えて“コミュニティ”として機能してるんだと思うよ。

現代のコミュニティは、「オンラインとオフラインの掛け合わせ」が重要

ポケモン GOをプレイしだした箕輪さん

箕輪さん

ポケGOってギフト交換とかオンラインでゆるく繋がる機能と、レイドバトルとかオフラインで実際に集まる機能の掛け合わせで、コミュニティが活性化されてるんだろうね。

箕輪さん

最近、匿名掲示板があんまり盛り上がってないじゃん。今ってオンラインとオフラインの往復がないものはつまんないんだよね。

宮内

オンライン、オフラインの掛け合わせが重要なんですね。

箕輪さん

そう。だから箕輪編集室もここ(メンバーが自由に出入りできる「みのオフィス」)を作って、リアルな場を意図的に確保してる。

どんなサービス、ゲーム、コミュニティでも、オンラインとオフラインとの掛け算がレバレッジを効かせるために必要なことなのかもしれないね。って考えるとさ…

宮内

はい。

箕輪さん

ポケGOとみの編って、同じじゃない

う~ん、どうでしょう?

箕輪さん

ポケGOをやれば、良質なコミュニティがどう成り立ってるのかわかるよ!

「コミュニティに所属する」というと、ちょっと大げさに感じてしまう人もいると思います。

でも、今回の取材で分かったのは“どんなコミュニティに属するか”よりも“自分と違う価値観に触れること”の大切さ。

そう分かっていても、「新しい人に会うのが苦手…」「初対面の輪に入れない…」という人こそ、外に出ないとプレイできない『ポケモン GO』を使って、新しい世界に触れる、小さなきっかけにしてみるのはどうでしょう。

『ポケモン GO』コミュニティで「脱・出不精」。筆者も心に決めました。

箕輪さん、ポケ活楽しんでください!

〈取材・文=宮内麻希(@haribo1126)/撮影=長谷英史(@hasehidephoto)〉

©2019 Niantic, Inc. ©2019 Pokémon. ©1995-2019 Nintendo/Creatures Inc. /GAME FREAK inc.ポケモン・Pokémonは任天堂・クリーチャーズ・ゲームフリークの登録商標です。

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