ビジネスパーソンインタビュー
西野亮廣エンタメ研究所Voicyより
ビジネスには「単利型」と「複利型」がある。あなたの仕事はどっちだ?
新R25編集部
お笑い芸人、絵本作家、オンラインサロンの運営…数々の仕事をこなしながら、コンスタントにヒットを飛ばしつづけているキングコングの西野亮廣さん。
西野さんは、自身のvoicyで「仕事をする上で、自分の仕事の特性を理解することは非常に大切」と話しています。
仕事の特性を知るカギは、「利子」なのだとか。
そこで今回は、「西野亮廣エンタメ研究所voicy」のなかから、「単利型の仕事」と「複利型の仕事」についての解説をご紹介します。
そもそも「単利」と「複利」ってなに?
僕が日々お仕事をする中で、「これは絶対に把握しておいたほうがいいな」と思っていることがあります。
それは、「“単利型の仕事”と“複利型の仕事”を理解する」ということです。
まずは最初に、「単利」と「複利」という言葉の意味を、ざっくり説明します。
銀行にお金を預けると利子がつくのですが、利子には「単利」というものと「複利」というものがあります。
「単利」は、はじめの元本に金利がつく仕組みです。
つまり、元本が100万円で単利が1%だとすると、1年後には100万円に元本100万円の1%が足されて101万円になり、2年後には102万円になり、3年後には103万円になり…と、1万円ずつ増えていきます。
じゃあ「複利」はなんなのかというと、「元本プラス金利」に金利がつく仕組みです。
たとえば、元本が100万円で複利1%だとすると、1年後には101万円ですね。で、2年後にはその101万円に1%の利子がつくので、102万100円になっているんですよ。3年後には102万100円に1%の利子がついて、103万302円になる。
ざっくりいうと、時間がたてばギュイーン!って増えるってことです(笑)。
単利は毎年コンスタントに1万円ずつ増えてくのに対し、複利は、増える額がどんどん大きくなっていくってことですね。
つまり、単利の増え方をグラフに書くとまっすぐの直線になるんだけど、複利は途中からギュイーン!と曲線を描きながら増えていきます。
まあ、単利っていうのは「ズドーン!」で、複利っていうのは「ギュイーン!」だと把握していただければいいと思います(笑)。
仕事にも「単利型の仕事」と「複利型の仕事」がある
でね、僕は仕事でもまったく同じように、「単利型の仕事」と「複利型の仕事」があると思っています。
これは「どっちの仕事のほうがいい」という話ではありません。自分がやっているお仕事は、そもそも単利型なのか、複利型なのかを、把握しておいたほうがいいなと思っているんです。
たとえば、タレントという仕事の元本は、自分の1日24時間なんですよ。自分が24時間稼働して、ようやくお金をいただいている。
元本が自分の身体なので、働いても働いても元本は増えない。そうですよね? 1日が25時間や26時間にはならないので。どれだけ頑張って働いたところで、1日は24時間のままなんですね。
これをずっと切り売りしていくっていうのがタレントです。つまり、タレント仕事っていうのは「単利型」であるということです。
じゃあ、ビジネス書を書く仕事はどうでしょう。
僕はビジネス書も書くんですけれども、売れているビジネス書はオススメされて、どんどん売れやすくなりますよね。ということを考えると、複利型な気がします。
でも、5年前にヒットしたマーケティングの本ってあまり読まれないじゃないですか。時代の旬を切り取った本は、古くなればなるほど売れなくなる。
そうやって考えると、5年前10年前に頑張って書いたところで、売上が永遠に伸びていくわけではありません。そのためビジネス書も、どちらかといえば「単利型」だと言えると思います。
「複利型」 でわかりやすいのは、絵本です。
絵本というのは、だいたいお母さんが買いますよね。でも、お母さんって基本的にお金と時間に余裕がないから、本屋さんに並んでいる絵本をいちいち吟味できないんですよ。
じゃあどういう基準で買うのかと言うと、「自分が子どものころに読んでもらって、面白かった絵本」を自分の子どもに買い与えるんです。
本屋の絵本コーナーを見ていただけるとわかりやすいんですけど、いまだに何十年前の絵本が平積みされているんですよ。『はらぺこあおむし』とか、『100万回生きたねこ』とか。
こんな現象は、絵本だけです。30年前の本がいまだに平積みされているっていうのは、ビジネス書でも漫画でもなく、絵本だけですね。
じゃあ、絵本の元本はなんなのか。
それは、安心・安全なんですよ。つまり、信用なんです。
つまるところですね、長い年月をかけて売れれば売れるほど、また売れやすくなるのが絵本なんです。売れれば売れるほど、安心・安全の割合、つまり元本が増えるから。
というわけで絵本は、「複利型」ということになります。
大切なのは、その仕事の特性を把握できるかどうか
ここまでのお話は、決して「単利型が目先の仕事で、複利型が先をみた仕事」と言っているわけではありません。
それぞれ、仕事には特性があると思うんですよ。たとえば絵本は、売れれば売れるほど売れていくけれど、スタートダッシュは遅い。
一方でビジネス書はスタートダッシュが速いです。一気に10万部とか20万部とかバーンって売れるので。
つまり、それぞれの仕事の特性を理解して、自分の仕事のバランスを考えることが重要だなということです。
自分の仕事が単利型であるのか複利型であるのか理解し、その仕事を自分の人生の適材適所で使い分けていくっていうのが非常に重要だと思います。
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