ビジネスパーソンインタビュー

「給料を上げるには、“株式会社自分社長”の視点を持って会社という市場に向き合おう」

クリス・モンセン著『そろそろ、大好きなことで生きていこうよ!』より

「給料を上げるには、“株式会社自分社長”の視点を持って会社という市場に向き合おう」

新R25編集部

2019/08/27

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そろそろ、大好きなことで生きていこうよ!

タイトルが強いメッセージになっている同書を執筆したのは、教育系YouTuberとして活躍するクリス・モンセンさん

自身のYouTubeチャンネル「クリスの部屋」では、「『やる気』が出ない時に5秒で動き出す方法」「メンタルが強くなる話」など自己啓発系の動画を投稿しており、チャンネル登録者数は30万人を超えています。

クリスさんが一貫して主張しているのは、「大好きなことで幸せに生きよう」ということ。

ただ、「そんなことをいわれても…」と思っている人もいるはず。そんな人のためにクリスさんはこの本を執筆したと言います。

クリスさんが考える「大好きなことで生きる方法」を、同書のなかから3記事にわたってお届けします。

自分のスキルとお金と市場の関係

“大好きなこと”を仕事やキャリアにして、実際にお金を稼いでいくための“マインド”として、お金の流れと市場の関係を理解するってことはとても重要なんだ。

これはすごく基本的なことなんだけど、「嫌いでやりたくないことを仕事にして、超辛い環境」で働いていても、「大好きでやりたいことを仕事にして、ワクワクしながら」働いていても、そういうことはお金の流れとは一切、関係がない。

あなたが仕事を好きでも嫌いでも、どれだけ努力をしたか、逆に楽をしたかも、市場はまったく気にしない。

お金を得るために問題になるのは、あなたに“市場が認める価値”“お金を生み出すスキル”があるのかっていうことなんだ。

家具を売っているふたつの店があったとき、お客さんはその家具のクオリティと値段を考えて、どちらの店で買うか決めるよね。

家具を作った人が辛い思いをしながら仕事をしていたか、楽しみながら仕事をしていたかなんてことは、99パーセントのお客さんは気にしない。

もちろん、それがブランドイメージと直結しているような場合は別だよ。だけど、基本的に市場に価値があると認められるものを提供すればお金は入ってくるんだ

これは好きなことを仕事にしても、嫌いなことを仕事にしても、同じようにお金を得て生きていくことができるということだよ。これをちょっと頭に入れておいてほしい。

ここでスキルと収入の関係を説明するために、またちょっとたとえ話をしよう。

マッサージ師になりたいという人が勉強をして資格を取って仕事を始めることができたとする。料金は1時間で1000円という格安料金に設定した。

もうひとり、同じくマッサージ屋を開業した人がいる。でも、こっちは中国の整体学校で技術を本格的に学んで、その後も10年間、現地でみっちり修行をした。

この人は自分の技術と経験に自信があるから1時間1万円という強気な料金設定をした。

ふたりとも商売として成り立って、毎日仕事に励んでいる。

この場合、どちらも同じマッサージ師という仕事をしているんだけど、市場が認める価値に10倍の差があるということだよね。

1時間1000円のマッサージ師が1万円稼ぐためには10時間仕事しなきゃいけないけど、みっちり修行してスキルが高いマッサージ師は1時間で1万円稼げる。

これは「市場に提供する価値が高くなれば、収入と時間が増える」ということ。

当たり前のように思うかもしれないけど、これをちゃんと意識していない人が意外と多いんだ。

この市場と価値の関係はあらゆる仕事に当てはまる真実で、もちろん会社に雇われているサラリーマンだって同じ原理でお金を得ている。

サラリーマンのケースについて整理してみよう。

まず、会社はどこからお金を得ているか。

さっきのマッサージ師は“マッサージ市場”からお金が入ってくるわけだけど、これと同じように会社はそれぞれの業界の市場で競合している他の会社との競争の結果、お客さんやユーザーから選ばれることでお金が会社に入ってくる。

そのお金は社員に給料という形で分配されるわけなんだけど、このときに給料の金額を決めるポイントは、「会社に対してどれだけの価値を提供しているか」っていうこと。

この場合、社員にとって会社が市場ということなんだ。そして、社員が会社に価値を提供することによって、会社はそれを利用して市場に新しいモノやサービスという価値を提供して、またお金を得る。

こういう流れで市場にお金はたえず回り続けているんだ。

高度経済成長期からつい最近までは、終身雇用とか年功序列なんていう制度があって、長く会社に在籍していたり、上司から気に入られたりすることが給料アップのポイントになっていた会社もある。

実際、今でもそういう会社はまだ残っていると思う。でも、今はもうそういう時代じゃないということはみんなもわかっているよね。お金は常に市場から入ってくる。

だから、サラリーマンも給料を上げたかったら、会社という市場で自分が提供する価値はなんなのか考えて、それを高めていかなくちゃいけないんだ

つまり、個人で開業しているマッサージ師でも、サラリーマンでも、お金を稼ぐためには「市場で認められる価値を提供する」ということに変わりはない。

これは新入社員でも一緒だ。

「かかってきた電話を取る」とか「エクセルでデータ入力をする」とか、お金に直接つながっていないように思える仕事でも、会社がその価値を認めることで、“新卒就職市場”のなかで選ばれ、給料を払ってもらっているんだ。

“株式会社自分社長”という視点で考える

会社で働いていると“社員”として「決められた時間の仕事をすれば給料がもらえる」みたいに考えがちなんだけど、実際はあなたが提供する価値と交換で給料が発生しているということ。

これを理解するためには、自分のことを“株式会社自分社長”みたいに意識するといいと思う。

つまり、会社をあなたの“クライアント”として考えてみようっていうこと。

フリーランスで仕事をしている人や自分で起業して会社を経営している人は、自分たちにどんなスキルがあって、それをどう使ってどんな価値を市場に提供しているのか、常に意識していかなきゃいけないんだけど、それは実はサラリーマンでも同じぐらい重要なことなんだ。

会社から給料をもらうっていうことは、あなたの提供する価値=サービスを会社が購入していると考えることもできる。

実際、会社とあなたの間には労働契約が結ばれていて、どんな仕事をどのぐらいの時間やるのか、その場合の給料はいくらなのか、何をしたら契約がキャンセル(クビ)になるのか、そういうことが全部書いてある。

普段、サラリーマンとして働いている人は、ほとんど労働契約のことを意識することはないと思うけど、これはまさしく“ビジネス”の契約なんだ。

“株式会社自分社長”っていう意識を持つことは「この会社は自分にどんな価値を求めているのか、自分はそれにどう応えて、どれだけの報酬を得ているのか」という視点を持つことにつながる。

それによって「社員だからお金をもらう」から「価値を提供しているから報酬を得ている」と明確に意識できるようになるんだ。

そして、自分のスキルと価値を知ることで、「会社に頼る」のではなくて「自分に頼る」ことができるようになる。

そうすれば「仕事が終わったけど上司の機嫌が悪そうだから帰れない」みたいな意味不明な習慣にちゃんとNGを出せるようになるんだ。

物事の判断基準が会社じゃなくて“自分の価値観”になっていれば、組織としての会社がおかしなことになっているときに、そこから抜け出すという判断もすぐにできる。

それで自分たちの成長を止めてしまうようなバカバカしいマネージメントやハラスメントのようなひどい環境を防ぐことができるようになる。

自分のスキルと価値をしっかり把握することは、結果的に自由に生きることへとつながるんだ。

そして市場に提供できる価値とスキルを知るということは、もちろん就職、転職にも有利になる。

就職活動や転職活動は、株式会社自分社長として自分の“営業”をしているということになる。

うまくいけば“ビジネス”の契約書を交わすことになるし、もちろん仕事となれば“黒字”を出さなきゃいけない。

“大好きなこと”で生きていこうとしたら、まずこういうマインドを持つことが大切なんだ。

人を幸せにするエネルギーがお金に還元

もうひとつ、“大好きなこと”をビジネスにして収入を増やしたいというときに、絶対に意識してほしいことがあるんだ。

それは、ビジネスは“人をより幸せにする”ことで成立しているっていうこと。

あらゆるビジネスは、誰かをいい気持ちにさせてあげたり、痛みや苦しみを取り除いてあげたり、問題を解決したり、他人を助けて幸せにすることで、お金を生んでいるんだ。

これはグローバルな大企業がやっている事業でも、フリーランスで個人でやっている仕事でも、サラリーマンでも一緒だよ。

エネルギー会社が石油の資源開発しているのも、エンドユーザーまで見れば電気を生み出したり、車を走らせたり、さまざまな面で人々の生活を豊かなものにしているといえる。

精神的な不安を抱えていて辛いという人に、どんなマインドセットが必要なのか、ジョギングや瞑想を取り入れるとか具体的な習慣づけと合わせてプログラムを用意するのも人を幸せにするものだよね。

これはまさに僕がやっているライフ・キャリアコーチっていう仕事。

サラリーマンだって、上司にいわれたことをやっている時間分だけの給料をもらっているわけじゃない。仕事をすることで、誰かの問題解決の手伝いになるから、お金が生まれているんだ

つまり、ビジネスでお金が流れてくる仕組みっていうのは、他の人の幸せのために自分が使ったエネルギーが、お金になって戻ってくるということだ。

ここを理解すると、自分の“大好きなこと”が仕事にできるっていうことが感覚的につかめるんだよ。

どんなアイデアであっても、そこに“人を幸せにできるポイント”があれば、「それはビジネス化できる」っていう前提が生まれるでしょ?

自分のやりたいことを見極めるときに、「お金だけを目的にしない」「誰かを助けたときに感じる心の動きを大切にしてほしい」と僕がみんなに伝え続けている理由もここにあるんだ。

“大好きなこと”=誰かを幸せにすること、が成立すれば、ビジネスになる。そこがうまくいったとき、まさに“イノベーション”が生まれるんだよ!

そういうことを考えるのが、ビジネスで一番面白いところだと僕は思う。

どんな分野でも同じなんだけど、より多くの人を幸せにすることができて、よりニッチなものが収入アップにつながるんだ

だったら、自分の“大好きなこと”はどの方向に向かってスキルアップさせればいいと思う?

それを考えていけば、自然と大好きなことが収入につながっていくはずだよ。

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「働くのが辛い」「仕事を辞めたい」を救う一冊

「大好きなことで生きる」ことを主張するクリスさんも、実は20代のとき非常に厳しい環境の下で働いた経験があったといいます。

みんなには辛い思いをしてほしくない」という一心で、人の人生をコーチングすることを学んだクリスさん。『そろそろ、大好きなことで生きていこうよ!』はその集大成とも言えます。

今が一番辛い」と思う人にこの書籍が届いてほしいです。

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