ビジネスパーソンインタビュー
休み方で人生が変える『休み方改革』より
仕事の評価も上がる。人間関係もうまくいく。「休み方改革」がもたらす3つの価値
新R25編集部
「働き方改革」の一環で、有給休暇消化が義務付けられました。
ただ、「休む」ことを推奨されても、結局その休みを“体力回復”にあててしまいがちな僕たち。
しかし、「そんな休み方はもったいない!」と主張するのが、「リーマントラベラー」を名乗る東松寛文さん。
東松さんは、大手広告代理店に勤務していながら、おもに土日を活用して「働きながら世界一周」を成し遂げました。さらには、旅で人生を豊かにするオンラインサロン「リーマントラベラーサロン」を主宰しています。
そんな彼の新著では、「休みを会社のためではなく、自分のために使う」「自分のために休みを使うと、人生の主体性を手に入れられる」という「休み方改革」を提唱しています。
今回は、同書のなかから「休み」の価値観が変わる3本の記事を紹介します。
休み方改革の価値① 人生の幸福度が上がってしまう
僕は、休み方改革を通じて、自分で決めることを、楽しく習慣づけることができました。
その結果、人生に主体性が生まれて、社畜寸前時代には考えることができなかった、幸せな毎日が待っていました。
そうです、毎日がめちゃくちゃ幸せなのです。
実はこの考え方、正しいうえに、誰にでも当てはまることが、すでに証明されていました!
京都大学の西村和雄名誉教授と同志社大学の八木匡教授の共同研究論文「幸福感と自己決定─日本における実証研究」(2018年9月)のなかに、こう記されていました。
「幸福感と自己決定─日本における実証研究」(2018年9月)幸福感を決定する要因としては、健康、人間関係に次ぐ変数としては、所得、学歴よりも自己決定が強い影響を与えることがわかった。
なんと、「所得や学歴よりも自己決定」、つまりは「自分で決めること」が幸福感を決定する大きな要因であると証明されていたのです。
また、続けて、こうも述べられています。
「幸福感と自己決定─日本における実証研究」(2018年9月)自分で人生の選択をすることで、選択する行動への動機付けが高まる。そして満足度も高まる。
そのことが幸福感を高めることにつながっているであろう。
僕が、休み方も、働き方も自分で決めるようになったことで、行動に主体性が生まれて満足度が高まり、さらに幸福度も高められていたことは、学術的にも証明されていたのです。
たしかに、思い返してみると、僕が幸せになる前のサラリーマン時代は、自分で決められることなんてひとつもないと思い込んでいましたし、自分で決めることから意図的に逃げてもきていました。
でもそれは、幸せから逃げているのと同じだったのです!
働き方改革は、会社が決めることであって、やはり今までの働き方同様、自分で決めることがなかなかできないので、個人の幸せには直結しません。
しかし、休み方改革は違います。
休み方改革をすればするほど、自然と自分で決めることに慣れてきます。
休み方改革の価値② 刺激を取り入れることで、1年を長く感じられる
大人になると、1年ってあっという間に感じませんか?
僕も、休み方改革をする前は、驚くほどあっという間に1年が過ぎていました。
かつての僕は、毎日同じように過ごして、それを1週間、1カ月、1年と繰り返すだけの日々でした。
あまりにすごい勢いの時の流れに、最初は自分自身流されないように必死に食らいついていましたが、いつしか、その流れに身を委ね、ただ過ぎ去る日々を淡々とこなしていくことしかできないようになっていました。
そんな生活を変えたのが休み方改革です。
今まで、休日をダラダラとしか過ごしてこなかった僕にとって、主体性をもって過ごす週末は、どれも「非日常」。
そんな「非日常」に身を置くと、常に五感が刺激されつづけるため、そうでない週末と比べると、圧倒的に充実した気持ちになりました。
さらに、そんな「非日常」から「日常」に戻ってくると、「日常」すらも色濃く映ります。
普段気がつかないことにも気がついたりして、日常でも五感が刺激されました。
そうやって、日常と非日常を行ったり来たりすることで、日常でも五感を使えるようになり、たくさんの気づきを得られるようになって、充実を感じることが多い人生が待っていました。
実はこの考え方も正しいし、誰にでも実践できることが、すでに証明されていました!
千葉大学の一川誠教授が認知科学の視点から、大人になるとなぜ1年が短くなるのか証明しています。
著書『大人の時間はなぜ短いのか』(集英社新書)で、こう述べられています。
『大人の時間はなぜ短いのか』(集英社新書)感情の状態によっても、時間の長さは異なって感じられる。
何かしらの感情が起こっている状況のほうが、時間の長さは長く感じられるというのです。
また、同書で、こうも述べられています。
『大人の時間はなぜ短いのか』(集英社新書)(略)時間の経過を気にしながら待つという行為は、時間がなかなか経たないと感じることにつながる。
ここにも、大人の時間はなぜ短いのか、という問題を解くカギがありそうだ。
つまり、子供と大人との時間の感じ方の違いに関して、子供のほうが待ち遠しい行事(あるいは時間が速く経過してほしい事柄)が多いこと、それに対して、大人では日常の多くの出来事がルーチンワークとなっており、待ち遠しいことも子供ほど多くないことが関与している可能性もある。
たしかに、子どものときは、待ち遠しいことが定期的にありました。
運動会や文化祭、遠足や修学旅行など、さまざまなイベントが毎月のようにあり、年齢や学年に応じて、その内容も変化して、毎日が新しいことの連続でした。
だから、「認識をする時間」が長いので、1年を長く感じます。
一方で、大人になると、人生で起こる出来事の多くが“体験済み”になります。
それゆえに、無意識のうちにやれてしまうことがどんどん増え、「何も認識をせずに過ごしている時間」が増えていきます。
ですから、1年のなかで記憶に残っている場面、出来事がみるみる少なくなっていき、1年があっという間に感じるようになってしまうのです。
確かに、今、僕はめちゃくちゃ充実した人生を過ごせているのですが、思い返してみると、僕が充実する前のサラリーマン時代は、毎日、終わりの見えないルーティンワークに追われ、どんどん「認識している時間」が減っていき、歳を重ねるごとに、どんどんどんどん1年が早くなっていきました。
しかし、この気づきは、全大人にとってのチャンス!
これを逆手に取ることで、人生のなかで感じるスピードをどんどん遅らせていき、充実を感じることができるのです。
その方法は簡単で、今すぐルーティンワークを減らして、定期的に非日常を感じるような“刺激的な人生”を過ごすようにすればいいのです。
休み方改革の価値③ 仕事の効率も評価も上がる
休み方改革が最高の効果をもたらすことは、ご理解いただけたことと思います。
え、それでもまだ始められない?
その理由は、職場の上司やまわりの目が気になるからでしょうか。
でも、ご安心ください! 休み方改革がもたらすのは、幸せで、充実した休日だけではありません。
ふざけているように見えて、実は、本業の仕事においても、大きな成果をもたらすのです!
1. 仕事の効率も評価も上がる
休み方改革を行い、週末の休み方を変えると、どんどんどんどん、おのずと働き方も変わってきます。
その結果、僕は、休み方を変えて旅行に行きまくったにもかかわらず、仕事の評価が上がっていったのです。
まずは、週末まで仕事を絶対に残さないと、みずから決めるようになるため、仕事に対して、より主体性をもち、優先順位を意識して取り組むようになります。
だって、週末に海外旅行に行くと決めたら、絶対にチケットは無駄にしたくないですよね。そうすることで、仕事の効率がぐんと上がるのです。
また、休日を全力で過ごすようになるので、仕事以外のインプットを多く得られるようになります。
これは平日も同様です。
休み方改革が進んで、仕事の効率が上がると、平日も仕事が早く終わるようになるわけなので、休日だけではなく、平日も読書をしたり、映画を見たり、友人に会ったりと、インプットを得る時間を多く取ることができるようになります。
仕事で学べるインプットとはまったく異なるインプットをたくさん得て、それを仕事に生かせば、あなただけのアイデアや仕事が生まれ、仕事の評価にもつながるのです!
2. 自分に自信がつく
“成功体験”から自信は生まれてきますが、仕事では、年次が上がるにつれて、どんどん成功体験を味わいにくくなります。
年次が上がって、大きなプロジェクトになればなるほど、もちろん成功したときの達成感は大きくなりますが、簡単には成功体験を味わうことができないので、仕事から自信をつけるのは簡単にはできません。
しかし、休み方改革は違います。本業じゃないからこそ、小さな成功体験をたくさん得やすいのです。
とくに旅なんかがそうですが、地元の人に道を聞いてホテルにたどり着いただけでもレベルアップした気になりますよね?
旅の間は小さな成功体験をたくさん得ることができると思います。
旅じゃなくても、仕事ではないことを始めてみると、同じように「できた!」と感じるタイミングは、仕事に比べて多々あると思います。
その積み重ねが自信につながっていくのです。
3. 人間関係がうまくいく
仕事以外の軸をもつようになることで、人間関係もうまくいくようになります。
仕事だけの人生であれば、職場の人間関係が人生の満足度に直結します。嫌いな上司がいたりした日には、毎日、愚痴や不満しかこぼれてこないでしょう。
しかし、休み方改革で仕事以外の軸をもっておくと、会社から帰りさえすれば、自分が没頭できる「休み方」が待っているので、そちらに没頭することで嫌な上司を忘れることができます。
そうやって、自分の居場所を会社以外にももつことで、心のバランスを保ちやすくなるのです。
それができれば、嫌いな上司にももっと優しくすることができたり、割り切って接したりすることができるようになります。
また、会社以外の軸ができることで、自分に武器ができます。
飲み会や大勢が集まる場でも、仕事の話となるとまわりの目も気になりますが、プライベートの話であれば、自信をもって話すことができるようになるでしょう。
僕は元々は仕事の飲み会がめちゃくちゃ苦手で人見知りな性格でしたが、その性格が治るくらい、コミュニケーションを取ることが好きになりました。
結果、人間関係がうまくいくようになっただけではなく、仕事はもちろん、趣味のネットワークもどんどん広がって、人生がワクワクするようになったのです。
今までの「休み方」から抜け出したい方はこちら!
マイクロソフトやヤフーが週休3日を導入するなど、積極的に休むことが推奨されるようになりつつありますが、全会社員が休みやすくなっているわけではありません。
人の顔色を伺うばかりで、会社を休むことも出来なかった東松さんが、勇気をふり絞って休んだことからはじまった「休み方改革」。
仕事ばかりで自分の時間がない…と少しでも思ったことがある方にこそ読んでほしいです!
ビジネスパーソンインタビュー
またスゴいことを始めた前澤さんに「スケールの大きい人になる方法」を聞いたら、重たい宿題を出されてしまいました
新R25編集部
【不満も希望もないから燃えられない…】“悟っちゃってる”Z世代の悩みに共感する箕輪厚介さんが「幸せになる3つの方法」を伝授してくれた
新R25編集部
「実家のお店がなくなるのは悲しい… 家業を継ぐか迷ってます」実家のスーパーを全国区にした大山皓生さんに相談したら、感動的なアドバイスをいただきました
新R25編集部
「俯瞰するって、むしろ大人ではない」“エンタメ鑑賞タスク化してる問題”に佐渡島庸平が一石
新R25編集部
社内にたった一人で“違和感”を口にできるか?「BPaaS」推進するkubell桐谷豪が語るコミットの本質
新R25編集部
【仕事なくなる?そんなにすごい?】“AIがずっとしっくりこない”悩みへのけんすうさんの回答が超ハラオチ
新R25編集部