ビジネスパーソンインタビュー
「性の話をしていい相手」をどう見極める?
TENGA広報が教える、飲み会でまわりを不快にさせない「下ネタの話し方」4カ条
新R25編集部
飲みの席で、お酒がまわると皆が徐々に話しだすことといえば「下ネタ」。
上手に活用すれば皆が笑顔になれる楽しい話題だけど、失敗すれば相手を不快にしてしまうこともある諸刃の剣…。
そんな“飲みの席での下ネタ”でまわりを不快にしない方法について、株式会社TENGAで広報を務める、工藤まおりさんがコラムを執筆してくれました。
【工藤まおり(くどう・まおり)】東京都出身。津田塾大学数学科を卒業後、リクルートグループの派遣事業に入社。2015年に株式会社TENGAに入社し、現在広報を担当している
「ねぇ、いつもどんなオナニーしてるの?」
「週何回オナニーしてるの?」
名刺交換のあと、鼻息荒げに身を乗り出してマスターベーションについてズケズケと質問してくる初対面の男性。
ここは、バー。
色鮮やかなお酒とともに、ちょっとエッチな話…いわゆる下ネタをお酒のアテとして楽しむことは決して悪くないでしょう。いやむしろ、「お酒」と「下ネタ」の組み合わせは、お寿司と日本酒くらい最高の相性だと思います。
遅くなりましたが、自己紹介をさせてください。
私は、TENGAというアダルトグッズメーカーで広報を担当している工藤まおりと申します。
「お前は、セクシュアルな話をしている時に一番目が輝いているなー」という、前職の上司に言われたさり気ない一言をキッカケに、TENGAに入社しました。
入社したキッカケから安易に想像つくと思いますが、皆様のご想像の通り「下ネタ」は、わりと好きです。
人のSEXやマスターベーション事情は十人十色といってもいいほど個性あふれるものですし、仲よくなりたい方と、ちょっと深い仲になるにはいいネタだと思っています。
しかしながら、「TENGAの広報」と聞くと、冒頭のようにマスターベーションに対して一方的に聞かれる状況が、結構な確率で発生します…!
それに対して私の心情を率直にお伝えすると、「不愉快極まりない」という言葉が一番しっくりきます。
自分の存在が、彼らの好奇心を満たすためだけの「おもちゃ」と化したようで、搾取されているような気持ちになるのです。
彼らは普段聞けない女性のマスターベーション事情を聞けて大いに楽しいかもしれませんが、“搾取”されている私はまったくその場を楽しめない。彼らからも「一緒に性の話を楽しもう」という思いやりが微塵も感じられないからです。
しかしながら、不愉快にさせている彼らや彼女らも、人を傷つけようとして話しているわけではないでしょう。彼らだって、自分自身も楽しみたいし、できることなら相手にも楽しく話してほしいと願っているはず(と思いたい)。
では、楽しく性の話をするにはどういったことに気をつければいいのか?
ちょうど先日、TENGAプロデュースで「BAR AGNET(逆さから読むと「TENGA」!)」というバーを企画した際に、お酒を扱う職業の方にインタビューを行い「性のカジュアルトークを楽しむための心得」を考えたので、その内容をご紹介しましょう!
1. 相手はこちらの“フリ”を断れるか? 乾杯する前に考えよう
性の話は、デリケートな話題。いくらそういった話が好きな人だって、話す相手は選ぶべきです。
まずは乾杯する前。お酒が入って判断力が鈍る前に、相手と自分がどんな関係性なのか今一度考えてみてほしいなと思います。
初対面なのか、親しい間柄なのか、上司や部下なのか、取引先なのか、今までセクシュアルな話をしたことがあるのか…。
くわえてポイントになるのは、「自分がこの話題を振ったとき、相手がNOを言える立場かどうか」。
たとえば、部下だったり取引先だったり、立場上、自分の話題に対して「嫌」だと言えないような相手であれば、性の話は控えたほうが無難です。
2. 自己紹介と同じ。コミュニケーションの基本は「自分から」
相手の名前を聞くときは、まずは自分から名乗るというのはコミュニケーションにおいて基本ですよね?
それと同じで、相手と下ネタを話したい場合は、まずは「自己開示」。自分はどういったことが好きなのかを、自分から話してみてはどうでしょうか?(もちろん関係値と内容によりますよ。好意もない人に性癖をいきなり自己開示されても困ります…)
相手の下ネタを聞きたい場合は、まずは自分の下ネタから話したほうが相手側も話しやすくはなると思います。
冒頭で、私が「自分を搾取されているよう」と感じたのは、「一方的に私の下ネタを聞き出そうとされた」ことも関係しているはずです。
3. 心だけでなく、「身体の距離感」も絶対キープ
そして、絶対に忘れてはならないのは「距離感」。心だけでなく「身体の距離感」が大事です。
(私のように)いくら下ネタが好きな人だからと言って、お触りOKというわけではありません。好きでもない人に身体を触れられるのは、誰であれ嫌悪感を抱きます。
ちょっとエッチな話になって、うっかり気分が高揚してしまうことはあると思いますが、あなたはSEXパートナーでもなければ好きな人でもなく、単なる「性の話を楽しく話せる相手」なのです。その辺をお酒の力でうっかり勘違いしないように気をつけましょう。
貴方に対して好意があることが明確にわかっている異性であれば問題ないと思いますが、そうでもない限り、身体に触れることは控えましょうね。
4. 「性の話=エロ」だけではない。多様な話を心がける
下ネタというと「普段どんなSEXしているの?」とか「どんなオナニーしているの?」というような直接的な質問ばかりをする人が多いですが、「性に関する真面目な話」もできる人だと、私はうれしいです。
TENGA社の公式サイトで、「月刊TENGA」という性にまつまる情報発信を毎月しており、「性に効く食材」や「性活運が向上する手相や顔相」等も紹介しているので、ぜひ話のネタに活用してみてください!
そういった話が弾んでから、ちょっとずつ深い話になっていくのは、とても心地いいものです…!
【番外編】下ネタが嫌だと思ったら“時間”と“距離”を置こう
最後はちょっと番外編ですが、相手の下ネタについていけなくなった場合の対処法もこちらで紹介させてください。
「そういう話やめてください」と言えたらいいものの、空気を壊しちゃう気がしてうまく伝えられない方も多いのではないでしょうか。
相手の下ネタアタックを回避したくなったときは、“時間と距離”を置いて、半強制的にトークしない方向に持っていくのがベスト。
具体的に言うと、スローペースでお話したり、お手洗いを理由に席を立ったりすることをオススメします。時間的、空間的にちょっと間を置くことにより、相手のペースを落とすとよいと思います。
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さて、今回は楽しく性の話をするために心がけるべきことをまとめてみました。
これを書いていて心底思ったのですが、特に難しいことを伝えているわけではなく、単に「相手の嫌がっている行為はやめよう」と小学生のときに親や先生から教えられるような基本的な相手への思いやりを認識しておくことが大切だよ、って簡単なお話です。
食事が好きだからと言って、なんでもいつでも出されたものを食べたいわけじゃないのと同じように。
エロい話が好きだからといって、誰とでもいつでもエロい話を楽しめるわけでもないのです。
せっかく、お金を支払っておいしいお酒を飲むのであれば、まわりの人も心地よく過ごせる空間を作って性の話を楽しみませんか?
皆様が、よりよい性生活が送れることを祈っております。
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