ビジネスパーソンインタビュー
目先の年収よりも「ライフタイムバリュー」
藤田晋が10年前から学生に「成長産業に身を置くべき」だと伝えつづけている3つの理由
新R25編集部
記事提供:FEATUReS
いよいよ本格的に2020年入社の新卒採用がスタートしました。そこで、サイバーエージェントの代表取締役社長 藤田より、学生の皆さんへのメッセージをお届けします。
10年前から変わらぬ「成長産業に身を置くべき」という想い
今から10年以上前、当時の学生に向けて熱く語っていたことで、本当に間違っていなかった、今もまったく同じことが言えると思うことがあります。
それは、就職するのであれば「成長産業に身を置くべきである」ということ。これは今も10年前も変わらず、本当に重要なことだと思います。
さらに会社選びにおいては、その成長産業の中でも、成長していく企業を見極めるべきだと思いますが、現代において1回就職したら一生そこにいるとは限らないので、仮にその会社がうまくいかなかっとしても、成長産業で働いていればなんとでもなります。
目先の年収よりも「ライフタイムバリュー」を徹底的に意識すべき
僕が「成長産業に身を置くべきである」だと考えている最も大きな理由は、「ビジネスマンとしての生涯価値を高められる経験が積める」ということです。
”就職”というと目の前の、給料はいくらもらえるんだというところがまず気になる人も多いかもしれませんが、若いうちはそれ以上に「ライフタイムバリュー」の考え方が大事です。
ビジネスマンとしての生涯価値を高めるためには、目先の収入より、高い価値のあるキャリアを積むことの方が重要だからです。
そして「ビジネスマンとしての生涯価値を高める」には成長産業が最適です。サイバーエージェントのようなIT業界で例えると、パソコン、携帯電話、スマートフォンの普及によって、その時代に合ったサービスが出てきては流行り、産業自体が広がって行きます。
そして、産業が広がれば広がるほど、新しい事業が立ち上がります。これを誰かがやらなければならず、その最先端で働くチャンスが得られるというのは非常に重要なことです。
キャリアというものは市場価値があり、値段が付く
逆に成熟産業はどうか?
そこにワクワクする仕事も存在することは確かですが、すごい実績があり経験も豊富な人たちが多いぶん、最初の数年は下積みだとみなされることも多いでしょうし、それだとキャリアも積めず、実は大きな損をしています。
なぜ損になるかと言うと、「キャリアというものは市場価値があり、値段が付くもの」だからです。
サイバーエージェントは新卒採用に力を入れていて、一緒に働きたいと思った人を1から育成することを最重要視しているのですが、そうなった理由の1つとして、キャリアがある人の採用は難しいからです。
キャリアがある人を採用しようとすると、これはビッディングみたいなもので、より高い報酬・待遇を提示したところが有利になります。これがグローバルな競争になるとより顕著です。
サイバーエージェントが身を置くIT業界は成長産業にあたりますが、たとえばメーカーなど、そうではない産業でもテクノロジーとの融合が日進月歩で進化しており、IT人材や優秀な技術者を欲しいと思っています。
つまり成長産業で積んだキャリアというのは、高い市場価値があるのです。だから、もしそのような企業に行きたいと思っているなら、新卒で入らなくても十分なキャリアを積んだ上で転職することも可能です。
繰り返しになりますが、若い世代にとって何より重要なのは “価値あるキャリアをちゃんと積ませてもらえるかどうか”だと思います。
成長産業は注目を浴びやすいから、やりがいも実感しやすい
「キャリアが積める」「そのキャリアに価値がある」ことが重要であるとお伝えしてきましたが、もう1つ大事なことがあります。それは「働いていて面白い、やりがいがある」ということです。
どういうことかと言うと、会社というのは、利益を出して、それを再投資して、また利益を出して、社員の待遇を良くしたり組織を強化したりする繰り返しで、営利組織です。
そうすると何にやりがいを感じるかと言うと、自分のやった仕事が会社の成長に寄与したとか、収益につながったとか、これが何よりも面白い。
これはもう経営者だけじゃなくて、どんなにその会社の端っこにいようが、注目を浴びている成長産業にいれば、自分が携わった仕事が社会的に影響を与えた瞬間に立ち会えたり、会社に貢献した実感を持てます。
これは大学の研究室で研究をする面白さとはまた全然違います。
「面白さ、やりがい」を求めるうえでもう一つ非常に重要なことに、同世代が多い環境で働くことも挙げられます、IT業界は少なくとも20年は経っていますが、それでもプレイヤーが若い。
特にエンジニア・クリエイターは、20代〜30代が大多数を占めます。僕はもう45歳ですが、それでも経営者の中では若いほうです。
わかりやすく言うと、皆さんは大学のゼミで何日も徹夜をして研究をしても、特に苦にならないと思うんですよ。なぜかと言うと、そのチームに年配の偉い人があまりいないから。要は同世代ばかりでやっていると、自分たちのアイデアを試しやすい。
これから就職活動を始めるみなさんに伝えたいことは、社会人になったら人生の大半の時間を会社、もしくは働いて過ごすわけですから、やはり日々生き生きと働ける場所というのを選ぶべきであると考えています。
「キャリアが積める」「そのキャリアに価値がある」「働いていて面白い、やりがいがある」この3つをぜひ胸にとめて、これからの就職活動を楽しんでください。
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