ビジネスパーソンインタビュー

「僕のために頑張って働いてね(笑)」イケダハヤトに学ぶ“アンチ活用法”

「アンチは妖精です」

「僕のために頑張って働いてね(笑)」イケダハヤトに学ぶ“アンチ活用法”

新R25編集部

2018/11/05

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ネット上で有名人が叩かれ、炎上するというのはもはや日常茶飯事のこと。

どんなに善良な人にも、少なからずアンチはいるものです。

とはいえ、自分の発言を見ず知らずの人に叩かれることに傷ついたりしないのか…? そんなことを思っていたら、こんなツイートを見つけました。

…傷つくどころか、利用している。

というわけで、今回はそんなアンチたちに屈しないどころか「養分」にして「働かせている」と公言する、最強のアンチマスター・イケダハヤトさんにアンチ活用法についてお聞きしてきました!

〈聞き手:いしかわゆき(新R25編集部)〉

「アンチを働かせる」ってどういうこと?

いしかわ

イケハヤさんはいつからアンチたちと戦っているんですか?

イケハヤさん

ツイッターを始めたのが2009年なので、もうかれこれ10年近く戦っていますね。

当時はサラリーマンでマーケティングを担当していたので、その界隈のおっさんに「この若造が、何を偉そうにマーケティングについて語っているんだ!」って言われたりね(笑)

最初は耐性もないので「なんだなんだ」と思って相手にしていましたが、いい気分はしませんでしたよ!

いしかわ

なるほど。そんなアンチたちをどうやってエネルギーにしていったんですか?

イケハヤさん

こちらから茶化すことによって、アンチとの適切な距離を作るようにしたんです。

アンチに対するメッセージを発信することで、彼らにちゃんと餌を与えるというか。「頑張って働いてね」って(笑)。

いしかわ

アンチが働く…それってどういうことなんですか?

イケハヤさん

例えば今、YouTubeをやってるんですけど、皆さん一生懸命「低評価ボタン」を押してくれるんですよ。

これは感覚値なんですけど、どうもYouTube側は低評価だろうが高評価だろうが、全体のクリック数を見ているみたいなんですよね。

イケハヤさん

これ、僕にとってはマジでプラスですよ。たくさんポチポチしてくれるんですよ!!

いしかわ

アンチサイドからは皮肉なことに、イケハヤチャンネルの評価を上げてしまっている…!?

イケハヤさん

ふふふ…。ブログも同様に、リンクを貼ったり、話題に上げたり、勝手に宣伝したりしてくれているわけです。勤勉ですよね〜。

いしかわ

ちょっとアンチが不憫になってきました。

でも、それって逆説的にアンチがいないとイケハヤさんが成り立たない、ということになったりするんですかね。

イケハヤさん

いや、正直どっちでもいいですね。

別にアンチがいようがいまいが売上の数字はほぼ変わらないんですよ。アンチが低評価を押してくれているのも、すごいプラスかといわれたら微々たるものです。

いしかわ

なるほど。アンチを働かせるといってもそこまで働いているわけじゃないんですね。

そんななかで、「ありがとうアンチ!」みたいな出来事ってありました?

イケハヤさん

一時期僕が偉い人に叩かれていたときに「あの人に叩かれていたイケハヤ君ね! 俺も実は叩かれていたんだよ〜」と共通の敵を持った仲間ができました。

アンチによって勝手に仲間が増えたんですよ(笑)。

イケハヤさん

あとは同じように叩かれている経験があると、共通の意識が芽生えやすいので交友関係が広がりました。

共通体験は、いろんな人と繋がる理由になったりするんです。だから、決してマイナスなことだけじゃないとは思いますね。

そもそもなぜイケハヤにはアンチが多いのか?

いしかわ

イケハヤさんはよく炎上しているイメージなんですけど、これ、意図的にやっているんですか?

イケハヤさん

摩擦を起こすのが好きなんですよ。

自分なりの正解というのがあって、それが常識とめちゃくちゃズレてる瞬間ってエキサイティングじゃないですか!!

エキサイティング!!

イケハヤさん

2014年ごろなんて、「高知に移住しました!」ってだけで炎上したんですよ。

こんなの、ただのお引越しじゃないですか。自分にとっては合理的な選択なのに、そこに対してすごくディスられる、その距離感と摩擦には興味深いものがありますよね。

これは作るのが難しいんですよ。アート作品を作るような感じで、常識との摩擦ポイントは常に探しています。

いしかわ

高尚すぎる趣味だ…。炎上の美徳みたいなのがあるんですかね?

イケハヤさん

例えば、堀江貴文さんがよくTwitterでやっている、世間の常識との乖離で燃えるタイプの炎上は美しいですね〜。

炎上させようと思ってやっているわけではなくて、自然にできるのがすばらしいです。

アンチ活用メソッド1:個別に対応せずにまとめて煽ろう!

いしかわ

具体的にアンチを活用していく方法もお聞きしたいです。

イケハヤさん

まず、個別に相手にしないこと。僕は基本的に「アンチの皆さん!!」というふうにひとくくりにしちゃいますね。

実はこれには理由があって、昔、「死ね!」と突っかかってくる人がいたので、ブログで公開問答をしたんですよ。

そうしたら、相手が「イケハヤにストレス受けた」と自傷行為みたいなことをした写真をアップしたんです。

イケハヤさん

それで、これは皮肉や偏見ではなく「あぁ、リアルに病気である可能性が高い」と思いました。これは救いようがないな、と。

その人が死んでも困りますし、触らないのが基本なんです。

いしかわ

それはトラウマになりそう…

でもなんだかんだ、イケハヤさん全力で触りにいっているじゃないですか!悲劇が繰り返されないか心配です…

イケハヤさん

そうそう、だから全体的に煽れば大丈夫!特定の人に対してやりとりをしなければ実害はないと思うんですよね。

まぁ本当にどうしようもないな、という人は晒しますけど(笑)。

いしかわ

イケハヤさんってすべてのクソリプに一応目を通していたりするんですか?

イケハヤさん

いや、全然です。ツイッターなんてIDで捨て垢だってわかるじゃないですか。なのでIDとアイコンを見て中身を精査せずにスルーします。

そんな一次フィルタリングで目に入れるか入れないかを判断し、変なことを言っていたらブロック、それらを脳みそを使わずに瞬時に行います。

いしかわ

イケハヤさんにまでなると、スピーディにアンチを駆除する能力が身についているんですね。

巷では「イケハヤにブロックされた!」「養分にするならYouTubeのコメントを削除するな!」という意見が飛び交っていますが…

イケハヤさん

いや、だってYouTubeとかってコメント欄を含めてアートじゃないですか。そりゃアートにゴミを捨てられたら消しますよ。

ツイッターに関しても、まぁ普通にウザったいじゃないですか。なのでブロックします、以上。

いしかわ

清々しい…(笑)。

アンチ活用メソッド2:アンチパターンを把握して攻撃を回避しよう!

生き生きと語るイケハヤさん

イケハヤさん

アンチに負けないメンタルは、アンチのパターンを理解することがポイントですね。

どんなゲームでも、敵の攻撃パターンさえ読めればダメージを負わずに生きていけるでしょう?

いしかわ

なるほど。どんなパターンがあるんですか?

イケハヤさん

まず、「死ね」「馬鹿」みたいな罵詈雑言パターン。「イケハヤランドってゴミだらけじゃない?」っていうのもこれにあたります。小学生みたいな悪口ですね。

次に、「本文読んでないじゃん」パターン。タイトルだけに反応して、自分の言いたいことを言っているだけですね。読んでないのに批判しているんです。

そして、「俺のほうが賢いぞ!」というマウンティングパターン。これは、こちらがすでに理解していることを追加で指摘してくるめんどくさいパターンです。

いしかわ

マウンティングパターンがよくわからないんですけど、具体的にどういうことなんでしょうか?

イケハヤさん

例えば、「優秀な若者は会社をやめるべきだ!」というと、「そんな生き方はリスクがあるぞ!」と返ってくる。でも、僕にしてみればそんなのわかっているんですよ。

リスクがあるなんて当たり前じゃないですか!それを前提とした発言なんですよ。僕はその前提を飲み込んだうえで議論がしたいのに。

いしかわ

なるほど、ということは最近イケハヤさんが炎上した「大学に行かなくていい」発言も…

イケハヤさん

そう、僕らみたいな起業家やインフルエンサーはリスク前提に何かを語るんです。ただ、ほとんどの人はリスクがあることを批判要因にしちゃう。

だから、そりゃ人生の決断にリスクはあるでしょ!という前提で言っているのに「そのリスクは大きすぎる!」って言われちゃうわけなんです。

いしかわ

特にツイッターは140字しかないからその前提という文脈が抜けちゃいますよね。

イケハヤさん

そうなんです。仕方ない部分ではあるんですけどね…

とにかく、大まかに分けて大体この3パターンでしか批判は来ないので、これらを押さえておけば不用意に傷つかないで済むと思いますよ。

アンチ活用メソッド3:みんなバトルが大好き。コンテンツにして盛り上げよう!

イケハヤさん

ツイッターでもブログでもいいですけど、何かしら発信の場を持っている人は、ぜひコンテンツにするのがオススメですね!

いしかわ

えぇ、そんなことをしたら余計アンチが湧いちゃうんじゃないですか…!?

イケハヤさん

人ってバトルが好きなんですよ。ゲームとか漫画とかもそうじゃないですか。対立軸があり、敵が出てくると盛り上がる。実際に書くと読まれるし、読者もそういうのを求めているんでしょうね。

実際に攻撃的なものを受けたら何かしら感情が動くじゃないですか。それは何かを生み出すいいチャンスなんですよ!なので、刺激しないような形でうまくネタにしていきましょう。

いしかわ

確かに。どんな物語でも敵がいなくなったら最終回ですもんね。

イケハヤさん

そうそう。でも、最近どんどん敵が弱くなってきているんですよ!!

もっと骨太にディスってくる人がほしいですね。

いしかわ

数あるディスりのなかでもイケハヤさんがコンテンツにするポイントはなんなんですかね?

イケハヤさん

僕がどれだけイラッとするかですね。

いしかわ

一応イラッとするんだ!!

イケハヤさん

メンタルが強いのとイラッとするのはまた別の話ですね。

メンタルに関しては、攻撃されるたびに自分の防御力と攻撃力が上がってくるんですよ。最初はスライムが出てきてコテンパンにされても、そのうち鼻息でフッと飛ばせるようになります。

このアンチ界隈では、敵のレベルは一定なんですよ。大体出てくるのはスライムなので、慣れの問題です。

ただ、そんなスライムでもやっぱりウザく絡んできたらそれなりにイラッとする。だからコンテンツにする。それだけです。

アンチ活用メソッド4:アンチは良質なバロメーター。アンチで自分のレベルをチェック!

いしかわ

以前に、「影響力を高めるためにアンチを増やさなきゃ!」とおっしゃっていたんですが、これはどういう意味ですか?

イケハヤさん

アンチの絶対数っていうのはその人の認知度と相関性が高いんですよね。めちゃくちゃ有名な人はアンチの絶対数が多い。これは、人類の法則です。

みんなに知られれば知られるほど、絶対に嫌われていく。だからアンチの絶対数が少ないということは、まだ自分は小さい存在なんです。

いしかわ

なるほど。でもそれって全体として見るとファンの数も増えているってことですよね?

イケハヤさん

そうなんですけど、アンチの数を見るのはわかりやすいバロメーターなんですよね。僕の場合、ファンの意見はできるだけ見ないようにしているんですよ。

自分にとってプラスの評価を見ることのメリットをあまり感じられなくて…。「うれしい」みたいな感情的なのはあるかもしれないけど、次に何か活かせるようなものは得にくい。

イベントでファンレターをもらっても、非常に申し訳ないけど絶対に読まないです。

いしかわ

そこまでバッサリ!?

イケハヤさん

うーん、それよりかは、アンチの数のほうが把握しやすいし、アンチの声を見ることはマイナスにもなりにくい感じがするんですよね。

自分のスコアをチェックするときに、アンチの存在は健康的なバロメーターになるんです。

いしかわ

じゃあ最近アンチが少ないな、と思うとちょっと危機感を覚えたり…?

イケハヤさん

そう、ファンが少ないよりアンチが少ないほうが焦りますよ! もっと有名になって、もっと生み出さないと、と思いますね。

だから、アンチが増えてきたなぁと思ったらかなりいい状態にあると捉えてます。

アンチは「創作の妖精」である

なぜか位置がだんだん下がってきたイケハヤさん

イケハヤさん

散々アンチ活用の話をしてきてアレなんですけど、結局アンチというのはそこまで大きくプラスにもマイナスにもならないので、あまり気にしてはないですね。

いしかわ

えぇ、ここにきて!?

イケハヤさん

はい。総じて割とどうでもいい存在です。

僕、アンチは「創作の妖精」だと思っているんですよ。

いしかわ

よ、妖精…?

イケハヤさん

妖精にもいろいろいると思うんですけど、まぁイタズラしてくる妖精みたいなイメージですね。

でも、その妖精はうまく使おうと思えばちょっとエネルギーをくれるし、うるさいなぁ、と思えば無視しても大丈夫。

いしかわ

なるほど。本当にどうでもいい存在だ。

イケハヤさん

はい、そのくらいのイメージで日々とらえていますね。

アンチは、自分がどのくらいのレベルの人間になったのかを教えてくれる妖精です。ちょっと迷惑だけどね(笑)。

そんなふうにとらえれば、アンチともうまくやっていけるんじゃないでしょうか。

最後まで飄々と語ってくれたイケハヤさん、ありがとうございました!

〈取材・文=いしかわゆき(@milkprincess17)/撮影=福田啄也(@fkd1111)〉

まだ東京で消耗してるの?

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