ビジネスパーソンインタビュー
YouTuberになるハードルが一気に下がる!?
LINEで動画を送ったら編集されて返ってくる!「撮るだけユーチューバー」をやらせてもらった
新R25編集部
突然ですが、これをご覧ください。
こちらは、ワタクシ福田が新R25の紹介をしている動画です。メディアの魅力は伝わりましたでしょうか?
…まぁ、ビミョーですよね。精一杯話してみましたが、ちゃんと“伝わる”動画にするためにはやはり編集が必要です。
そこで今回紹介したいのは、「撮るだけユーチューバー」という動画自動編集サービス。撮影した動画に自動でテロップや効果音を付けてくれるサービスで、誰でもカンタンにYouTuberみたいな編集ができちゃうんだそうです。
2017年の「Yahoo! JAPANHackDay 10th Anniv. ハッカソン」で最優秀賞とHappyHacking賞をダブル受賞したことでリリース前ながら大きな話題になり、製品化を期待する声も多いんだとか。
※ハッカソンとは、「ハック(hack)とマラソン(marathon)」を組み合わせた造語で、短期間(1日~1週間程度)でサービスやシステム、アプリケーションなどを開発し、成果を競う開発イベントのこと。
さっそくこの動画をYouTubeに上げられるレベルにしてもらいましょう! 開発者である「つくるラボ」の衣斐秀聽さんと小川博教さんにお願いしてきました。
小川博教さん(左)/衣斐秀聽さん(右)
LINEに動画を送るだけで“YouTuberっぽい動画”が返ってくる!
編集部・福田
さっそくですが、僕の動画もイケてる感じに加工してください!
小川さん
分かりました。今回編集したいのはどんな動画ですか?
編集部・福田
僕が新R25の紹介をしている動画です。
小川さん
なるほど。ちなみに、特定の言葉を認識してロゴを表示することもできますよ。
編集部・福田
おお! じゃあ、「新R25」っていう言葉に合わせてこのロゴを表示したいです。
小川さん
分かりました。
今は動画をLINEに送るだけで編集された動画が返ってくるような機能を実装しているので、それを試してみましょうか。
編集部・福田
え!? そんなことできるんですか?
小川さん
はい、可能です。誰でもカンタンに使えるようにしたいと思っているので。
テロップは「エンタメ」「かわいい」「シンプル」のどれにしますか?
編集部・福田
えーと…ポップなイメージがいいので、じゃあ「エンタメ」で。
小川さん
では、「エンタメ」を選択して動画を送ります。
小川さん
ちょっと待ってくださいね。
…はい、終わりました。
編集部・福田
早っ!?手軽すぎる!
小川さん
うまくできてるかな? 再生してみましょう。
編集部・福田
すげぇ! 何もしていないのに、それっぽくなってる!!
音声認識機能でテロップを自動生成。効果音も勝手につけてくれる
編集部・福田
これはどんなシステムで動いているのでしょうか?
衣斐さん
動画の中の音声を認識して文字化して、テロップを生成しているんですよ。
GoogleCloud の Speech API や、東芝コミュニケーションAI「RECAIUS™(リカイアス)」の音声認識APIなど、複数の外部サービスを組み合わせて活用しています。
テロップは顔の位置によって出す位置を最適化して、画面の上か下に表示しています。
顔がフレームの上の方だったらテロップは下に、逆に下のほうに顔があれば上に表示される…という感じです。
編集部・福田
「ジャジャーン」みたいな効果音も勝手に入れてくれるんですね。
衣斐さん
そうですね。言いはじめか言い終わりのタイミングをシステムで判断して、自動で入れています。
編集部・福田
でも十分それっぽくなっている…。誕生日や結婚式のプレゼントムービーにも使えそうですね。
「撮るだけユーチューバー」を使えば、プロのYouTuberも編集時間を激的に効率化できる
編集部・福田
しかし、「Yahoo! JAPAN Hack Day 10th Anniv. ハッカソン」の動画には驚きました。かなり反響があったんじゃないですか?
衣斐さん
イベントの後にはメディアの取材が来ることもありましたし、プロのYouTuberの方からもご連絡をいただきました。
編集部・福田
でも、プロのYouTuberは「撮るだけユーチューバー」を使う必要はないのでは?
衣斐さん
実は言葉に合わせてテロップをゼロから打ち込んだり、動画の不要な部分をカットしたりするのってすごく大変なんですよ。
ヒカキンさんは、7分の動画を編集するのに6時間もかけているみたいなことを言ってましたね。
編集部・福田
その記事は僕も見ました。
衣斐さん
でも、「撮るだけユーチューバー」を使えば、自動で入れたテロップをあとから自分で編集するだけでいいので、かなりの時間短縮になります。
現在は不要な部分を自動でカットする機能も準備中です。
編集部・福田
なるほど。プロ向けには編集可能な動画データを渡す機能にすればいいんですね。
…ちなみに、この「撮るだけユーチューバー」はいつから使えるようになるんですか?
小川さん
本業とは別に有志で集まって開発しているチームなので、計画が立てづらくて…。いつ頃になるかはまだ決まっておりません。
なぜハッカソンに出場しているのか?「つくるラボ」にはアツい野望があった
編集部・福田
そもそも「つくるラボ」というのは会社ではないんですよね?
衣斐さん
そうですね。社会人サークルです。私は東芝デジタルソリューションズという会社に勤めておりまして、はじめは東芝グループの社員だけで作ったサークルだったんです。
現在は東芝グループ外の人も参画しており、アクティブに活動しているのは20名程度ですが、80名以上が「つくるラボ」のコミュニティに参加しています。
小川さんも東芝グループ外のメンバーでして、新世代家庭用ロボット「LOVOT(ラボット)」を開発しているGROOVE Xというスタートアップ企業に所属しています。
編集部・福田
けっこう大規模ですね。何のために集まっているんですか?
衣斐さん
「つくるラボ」の大きな目的は、東芝グループ内に「メイカースペース」を作ることです。
編集部・福田
メイカースペース? 初めて聞きました。
衣斐さん
まず、自分の手でモノを作る人のことを「メイカー」と呼んでいます。メイカースペースというのは、そのメイカーたちがプロダクトを作ったり、交流したりできる場所を指します。
国内では、ソニーさんが「クリエイティブラウンジ(3Dプリンターや工作機器などを設置し、新規事業に向けたアイデアをその場で試作する場)」を作り、社外の人にも開放しています。パナソニックさんやリコーさんなども似たような取り組みをしていますね。
いろんな人と交流してモノを作る場は、新しいイノベーションにもつながるので、私は絶対東芝のなかにも設けたほうがいいと考えています。
編集部・福田
それを実現させるために「つくるラボ」でハッカソンに出場しているってことですか? あまりつながっていないような…?
衣斐さん
東芝にメイカースペースを作るためには、実績が必要だと思ったんですよ。
ハッカソンは短期間で、いろんな人が集まってものづくりをする、いわば期間限定の“疑似メイカースペース”。
そこで有意義なプロダクトを生み出すことで、東芝にもメイカースペースの必要性をアピールできると考え、私たち「つくるラボ」はハッカソンに出場しています。
編集部・福田
なるほど、そういうことだったんですね。
それを実現させるためにも、「撮るだけユーチューバー」の完成と成功を心待ちにしております!
見た目に似合わず(?)熱い思いを語ってくれた衣斐さん
これからは個人がメディア化する時代。動画編集にハードルを感じている人でも、これならYouTuberデビューできてしまうのではないでしょうか?
アツい志を持つ「つくるラボ」の活躍に期待しましょう!
※RECAIUSは、東芝デジタルソリューションズ株式会社の日本またはその他の国における登録商標または商標です。
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