ビジネスパーソンインタビュー
「連絡」に対する価値観が変わる?
“即レス”以外のこだわりは? ビジネス賢人たちの「メールの掟」
新R25編集部
日々の仕事の多くを占めるもののひとつが「連絡」。特にメールなどは、すべての仕事の基本ともいえるだろう。
ビジネスの世界で才覚をあらわす“賢人”たちは、そんな「仕事の基本」に対し、どのようなルールや価値観を持っているのだろうか?
今回は、以下2つの質問を投げてみた。
「仕事上の連絡で心がけているルール」
多忙を極める賢人たちが自らに課しているルールとは?
「こういう連絡をする人は仕事ができる」
連絡の仕方で思わず仕事の評価が上がることも?
箕輪厚介「贅肉が増えると、コミュニケーションが淀む」
【箕輪厚介(みのわ・こうすけ)】2010年双葉社に入社し、『ネオヒルズジャパン』与沢翼 創刊。2015年7月に幻冬舎に入社し、堀江貴文『多動力』、与沢翼『ネオヒルズジャパン』、藤井健太郎『悪意とこだわりの演出術』の3冊でアマゾン総合ランキング1位を獲得
✔︎箕輪厚介の「仕事上の連絡で心がけているルール」
箕輪厚介
短文。敬語使わない。
贅肉が増えるとコミュニケーションが淀む。
✔︎箕輪厚介の「こういう連絡をする人は仕事ができる」
箕輪厚介
Q&A方式など答えやすいフォーマットで聞いてくる。
佐渡島さんは「箕輪くん敬語やめよ」って言ってくれて、さすがだなと思った。
ホリエモンも「おけ!」とかだけ。
金泉俊輔(NewsPicks編集長)「世界的エリートの基本も“即レス”だった」
【金泉俊輔(かないずみ・しゅんすけ)】『NewsPicks』編集長。立教大学経済学部卒業後、扶桑社に入社。『週刊SPA!』『日刊SPA!』編集長を務める。2018年4月、株式会社ニューズピックスに移籍し、現職
✔︎金泉俊輔の「仕事上の連絡で心がけているルール」
金泉俊輔
グローバルエリートことムーギー・キムさんのベストセラー『最強の働き方』(東洋経済新報社)の第一章の冒頭が「【メール】即リプライは『すぐできる仕事を後回しにしない』姿勢の象徴」です。世界的なエリートの基本も「即レス」ということですね。
実際にムーギーさんとメッセンジャーなどしていると、世界のどこにいても即レスです。
ただし、飲酒中は危険ですね。気が大きくなっていて、安請け合いしがちです。即リプライも、夜間飲酒中はやめておきましょう。
✔︎金泉俊輔の「こういう連絡をする人は仕事ができる」
金泉俊輔
同じく「即レス」ということですが…ベストセラーを連発していた頃の勝間和代さんに取材依頼のメールをしたら、数秒で取材NGの返信がありました。
そのときのベストセラーのタイトルが『断る力』(文春新書)。担当者と苦笑しました。
はあちゅう「メールのやりとりが丁寧な人は、仕事も丁寧」
撮影=長谷英史
【伊藤春香(はあちゅう)】ブロガー・作家。「ネット時代の新たな作家」をスローガンに読者と直接つながって言葉を届ける未来の作家の形を摸索中。著作に『半径5メートルの野望』『「自分」を仕事にする生き方』などがある。noteの月額課金制マガジン「月刊はあちゅう」も好評
✔︎はあちゅうの「仕事上の連絡で心がけているルール」
はあちゅう
とにかく早く返す。
仕事を受けられるかどうかだけでもその場で打ち返します。
返事が早い人という印象がつくと、誰かのところで断られた仕事も回ってくるのでお得。
✔︎はあちゅうの「こういう連絡をする人は仕事ができる」
はあちゅう
仕事の依頼時に、条件や謝礼、拘束時間など、こちらが仕事を受けるにあたって必要な条件が全て書いてあるメールを送ってくれる人。
そして、こちらの手間が減るように先回りして動いてくれる方だと安心します。
たとえばインタビューの希望場所を「渋谷でお願いします」と伝えた時に、普通の人は「こちらで場所を手配しましょうか?」とただの質問メールを返してくるのですが、そういう時に「この場所かこの場所でいかがでしょうか。でももし、はあちゅうさんのほうでご指定の場所があればそちらにお伺いします」と質問以外に提案がある人がとても好きです。
また、その時に確定した仕事の日程が先の場合、前日や日程が近づいてきた時に、時間と場所を送ってくれる人は丁寧だな、と感じます。
やりとりが丁寧な人は仕事も大抵丁寧に仕上げてくれます。
ただ、丁寧すぎて細かいことまで全てこちらに確認を取る人も苦手なので、そのバランスが合う人とだと仕事がしやすいです。
#はあちゅうサロン - CAMPFIRE(キャンプファイヤー)
応援してくれる人が常にいる環境の中で、自分の強みを見つけ、磨き、まずは小さなコミュニティの中でスターになる。そこから、どんどん外へ出て行き、
4月1日にスタートした「はあちゅうサロン」。随時入会者募集中
えとみほ「丁寧にしすぎない。自分から返信を切る」
【江藤美帆(えとみほ)】Jリーグ栃木SCマーケティング戦略部長。スナップマート創業者(現顧問)。高収入リモートワーク求人サイト「コデアル」アンバサダー
✔︎えとみほの「仕事上の連絡で心がけているルール」
えとみほ
丁寧にしすぎないこと。
日本人は「丁寧であればあるほど良い」と考えている人がまだ多いと思うのですが、「お願いします」「こちらこそよろしくお願いします」「いえいえこちらこそ…」の応酬になるのは逆に相手の時間を奪う行為なので、適当なところで自分から返信を切るようにしています。
✔︎えとみほの「こういう連絡をする人は仕事ができる」
えとみほ
忘れた頃に定期的に連絡してくる人。しかも、たいした用事じゃないのに。「元気?」とか「ちょっと近くに来たから」とか。
この真逆が、困ったときとかお願いごとがあるときしか連絡をよこさない人ですね。
佐野恭平(MTRL編集長)「返事は早く。お礼メールは送らない」
【佐野恭平(さの・きょうへい)】株式会社MTRL代表取締役。16歳からモデル活動を始め、雑誌や広告などで活躍後、一般企業に就職。働きながら大学院で経営学の知識を学ぶ。2015年5月にWebメディア『MTRL(マテリアル)』をローンチ
✔︎佐野恭平の「仕事上の連絡で心がけているルール」
佐野恭平
連絡は、寝かせないでスグに返す。基本的には「即レス」を心がけています。
あと、「お礼メール」はめんどくさいんで基本送らないです(笑)。
✔︎佐野恭平の「こういう連絡をする人は仕事ができる」
佐野恭平
仕事ができる、でなく逆に仕事できないなと思う人のメールの共通点として、「無駄に丁寧で長いメールをよこす人」という法則があるような気がします。
メールの文面より他のことにMORE労力を...と思います。メールの印象も大事ですがね。
佐野恭平(@kyohei_sano)さん | Twitter
佐野恭平 (@kyohei_sano)さんの最新ツイート MTRL(マテリアル)という月間300万PVのメンズファッションWEBメディアを運
藤井大輔(R25創刊編集長)「“あなたが必要”とちゃんと伝えてほしい」
【藤井大輔(ふじい・だいすけ)】大阪大経済学部を卒業後、リクルート入社。『ゼクシィ』『ダ・ヴィンチ』などの雑誌編集に携わったのち、フリーマガジン『R25』を創刊。2005年4月~2008年3月まで編集長を務める。現在は富山で介護事業に携わる
✔︎藤井大輔の「仕事上の連絡で心がけているルール」
藤井大輔
こちらが一方的に決めつけるような内容になってないか、かなり注意しています。
特に面識が浅い人には、お互いの前提がちゃんと揃っているかどうかの確認のため「私としては××だと認識していますが、大丈夫でしょうか?」「私は××だと考えておりますが、齟齬があるようでしたらご指摘ください」みたいな一文を添えるようにしています。
✔︎藤井大輔の「こういう連絡をする人は仕事ができる」
藤井大輔
「いま私はあなたを必要としているんです」ということを端的に伝えてくれる人。
逆に「私はあなたに気を遣っていますよ」をアピールするための文章がやたら長くて、肝心な要件については、こちらから質問しないとわからないような連絡はカンベンしてもらいたいです。
高木新平「メッセンジャーでは、相手が忙しい人ほど自分でボールを持っちゃダメ」
【高木新平(たかぎ・しんぺい)】コンテクストデザイナー、NEWPEACE代表。“20世紀をぶち壊す”をビジョンに掲げ、社会課題からストーリーを組み立てる新しい形のブランディングを実践。小泉進次郎委員会アドバイザーも務める
✔︎高木新平の「仕事上の連絡で心がけているルール」
高木新平
反射。
考えてから返事するのではなく、まず返事してから考えるスタイル。レストランでボタン押してから注文考えるのと一緒です(笑)。
メッセンジャーでは、相手が忙しい人ほど速度とタイミングが大事なので、自分でボール持っちゃダメなんです。メールは苦手なので、ほぼ会社のメンバーに任せてますね…
✔︎高木新平の「こういう連絡をする人は仕事ができる」
高木新平
仕事できる人ほど、素早く論点だけのミニマムメッセージ。「おお! OK!」「やろう!」「なんで?」「無理」みたいな(笑)。
一方、仕事できない人ほど、一度にいろんな情報を詰め込んだ長文メッセージを送ってきます。そしてスルーされる。
相手の時間や考えるコストを計算できない人は嫌われますね。
ゆうこす「“自分らしさ”を必ず入れる」
撮影=森カズシゲ
【菅本裕子(ゆうこす)】2011年7月にHKT48に加入後、2012年8月にグループから卒業。2015年に「ミスiD 2016」準グランプリを受賞。現在はモテるために生きてる「モテクリエイター」として、InstagramやYouTubeで紹介した商品が完売するなど、20代女性を中心にカリスマ的人気を誇る
✔︎ゆうこすの「仕事上の連絡で心がけているルール」
ゆうこす
スピード感と、「ゆうこすらしさを絶対に入れること」です!
絶対にぶりっ子する!!印象付ける!!
✔︎ゆうこすの「こういう連絡をする人は仕事ができる」
ゆうこす
言葉が簡潔な人。
丁寧な文章なんだろうけど長すぎると、結局何を返信したらいいの? ってなっちゃいます…
こちらが何を返すのかるーくコントロールされてるくらいがありがたいです!
鈴木涼美「笑いとチャーミングさ。読むに値する文章を書く」
【鈴木涼美(すずき・すずみ)】慶應義塾大学、東京大学大学院卒。AV女優、日経新聞記者を経て作家として活動。著書に『おじさんメモリアル』(扶桑社)、『オンナの値段 鈴木涼美のオンナの現代資本主義論』(講談社)など
✔︎鈴木涼美の「仕事上の連絡で心がけているルール」
鈴木涼美
相手のスケジュールが関係していたり、納期が遅れたりする場合に迅速に返信するのはもちろんですが、それにプラスして心がけているのは、読むに値する文面を書くことです。
簡潔なものはいいのですが、相談ごとや久しぶりの連絡だと、何の情報価値もエンタテイメント性もないのにダラダラと長いメールを送っては、相手につまらない時間を過ごさせることになりますから、
できればひとしおの笑いとチャーミングさを込めてメールをしたいものです。
✔︎鈴木涼美の「こういう連絡をする人は仕事ができる」
漫画にもなった堀江貴文さんの『多動力』の影響なのか何なのか、「電話は逆に相手の時間を奪うし非効率的だからあえてメールで連絡しました」なんていう屁理屈をこねる若者が多くなりましたが、少なくとも若干の謝罪が入るような連絡、キャンセルや欠席の連絡、緊急時や遅れますというような連絡は、必ず文面だけではなく電話や直接会って言われなければ私自身は謝罪する力がない人とみなします。
なぜなら、相手が不機嫌になったり相手を困らせたり怒らせたりした場合に、その反応を生で受け取る勇気がないように思えるから。
メールやLINEは「言い逃げ」の側面があるので、悪い反応が返ってきそうと思える場合は特に、相手の言い分を聞けるような連絡手段を取るべきだ、と思っています。
多くの人が「即レス」という回答。やはりスピードはビジネスにおいて大きな武器になりそう。
たかが連絡、されど連絡…。どのような連絡を心がけるべきを頭に入れてメールするだけで、今日からの仕事が一段レベルアップするかもしれない!
〈構成・文=天野俊吉 (@amanop)〉
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