ビジネスパーソンインタビュー
ビジパの悩みインサイト
「結婚に焦っているけど、本気の恋愛が億劫です…」ハヤカワ五味さんに相談したら、初めて聞くアドバイスが返ってきた
新R25編集部
「複雑なはずのビジパの悩みを、単純化して取材していた」 「本質的じゃない悩みをでっちあげていた」
という反省のうえ、「個人のリアルな悩みにひもづいた取材」を改めてしていくことを方針とした新R25編集部。
今回は、女性が結婚に焦りを感じ始めるとも言われる28歳、編集部員・三宅の「恋愛にまつわる悩み」について。同じような悩みを抱えている人も多いと思いますが、これを読んだら少し心が軽くなるかもしれません。
まわりは結婚ラッシュ…でも自分は「恋愛モードになれない」
三宅
今、恋愛と仕事の両立で悩んでて。
彼氏ができても、優先度は圧倒的に仕事が上というか。
森久保
結婚ラッシュだもんね、俺たちのまわり。
まだそんなモードじゃなくても「しなきゃいけないの?」っていう圧力を感じない?
中村
そういう時期って、まわりに勝手に急かされるような空気感あるよね。
三宅
でも、正直「恋愛モードになれない」っていうのがあって…
仕事にばかり向いちゃって、この人は今の私に必要ないってなって別れちゃう。
森久保
一方で、インスタには「結婚しました」って毎週のように流れてくる。
三宅
本当にそう! 自分もそうなっていてもおかしくはなかったな…と思うことはあるんだけど。
森久保
今は仕事に注力して、それを尊重してくれる人がいたらOKって感じ?
三宅
それがいい。自分と同じ熱量で仕事を頑張ってる人がいいし、尊敬できるから。私にとっては、尊敬=好きなんだよね。
仕事のことを理解してくれて、会わなくてもお互い頑張れたらそれでいい、というスタンスなんだけど…どうもマイノリティーな考え方っぽくて、「そんなんじゃ結婚は無理だよ」ってめちゃくちゃ言われる。
森久保
なるほどな~。
結婚して、仕事も頑張ってる女性の話が聞けたらよかったりするのかな。
男を見る目がない…恋愛迷子の28歳・三宅の悩み
三宅
私は今年28歳なんですけど…周囲では結婚・出産という波が来ていて。
事実婚をされたと発信されていたハヤカワ五味さんに相談させてもらいたいなと…
ハヤカワさん
私も今年29歳なので、わかる。そういう時期ですよね。
【ハヤカワ五味(はやかわ・ごみ)】18歳で起業後、ランジェリーブランド「feast」を立ち上げ、多数の事業を展開。2024年、株式会社メルカリに生成AI関連の社内推進担当として転職。一方で「同棲8回のセミプロ」を自称し、SNSなどを通して自身の恋愛遍歴を発信。2024年マッチングアプリで出会ったお相手との事実婚を発表
三宅
いよいよ焦ってきた一方で、どうも恋愛に本気になれない部分もあって。
ハヤカワさん
話を聞いていて、一番気になったのは「仕事できる=好き」っていう話ですね。
そういう人けっこういるけど、私わかんなくて…
「仕事できる人が好き」って、どういう感覚なんですか?
三宅
もともと何かに熱中している人が好きで、社会人だとそれがわかりやすく出るのが仕事だと思ってるんですよね。
マッチングアプリで知り合っても自分と一緒にいるときのことしかわからないけど、仕事をしている姿が見えるといろんな面を見られるし、いいなと。
共感してる女性読者の方も多いかもしれません…
ハヤカワさん
うーん…仕事ができる人が好きっていうよりは、「安全」で、かつ何かに熱中してる人がいい、ということなんですかね。
アプリで会う人は与信がないけど、会社や仕事で会う人は与信があるから信頼しやすいという話も入ってますよね。
三宅
そうかもしれません。
友達や家族に「男を見る目がない」ってずっと言われてきてるから、自分で「この人」だと決断するのが怖くなっている部分があるんですよね。
ハヤカワさん
だから「与信」をほしがっちゃうんですかね。
完全に持論ですけど、私はぶっちゃけ「人を見る目がシャープな人ってほとんどいない」と思っていて、「私は人を見る目がある」って思っている人の方が地雷だと思うんですよね。
むしろ、人に対して「見る目がない」って言えちゃう人のほうが、センスないなと思っちゃう。「よう言えんなぁ」みたいな。そんな自信あるなら起業したらいいのに。
よう言えますよね
ハヤカワさん
人って二面性があるから、誰も正解はわからない。
「やっぱり別れると思ってた」とか、後から言うなら誰でもできますよ。
たとえば、つぶれてしまった会社を見て、外野から「やっぱりうまくいかないと思った」みたいなの、ズルくないですか?
三宅
ですよね…
ハヤカワさん
だから気にしないでいいと思うけど…三宅さんは、過去に嫌なことがあったんですかね?
何か嫌なことがあると、その後って過剰にそういう人を避けようとするじゃないですか。
私もモラハラっぽい人の後に女性的な人と付き合って、その後またモラハラっぽい人と付き合って…という経験があるんだけど、行ったり来たりしてると、視野が狭くなっちゃう。
三宅
まさしく、この人になかったものを次の人に求めてっていう感じで、極端な人と付き合い続けてきちゃったのはあります。
ハヤカワさん
黒の次は白、その次は黒みたいな。
三宅
いい塩梅の人を攻めればいいのに、180度違うとこ行っちゃって、「あれ、また違った…」っていうのを行ったり来たりしてますね。
ハヤカワさん
逆に言うと、いい塩梅の人のイメージが湧かないんじゃないですかね。
恋愛モードになれないときはどうすれば…?
三宅
実はここ半年ぐらい片思いしてた人がいて、結果、実らなかったんです。そのダメージが大きいのもあります。
ハヤカワさん
男は無限にいるから大丈夫!
そりゃあポジティブにはなれないですよね。でも、別に落ち込んでいいんじゃないですか。
落ち込む期間は、落ち込み切ったらいいと思う。
三宅
無理にがんばらなくてもいいですかね?
ハヤカワさん
そうそう。私が過去、noteで書いた表現で言うと「嵐が過ぎ去るのを待つ」みたいな時期はあるから。
そういうときにまわりの人が結婚したとか、会社EXITしたとか聞くとすごい落ち込むし、焦るけど、そんなときに嵐のなかに出ると大変なことになるから、とにかくやり過ごす。1回お休みしてていいんじゃないですかね。
そもそも人ってタイミングとか相性とかいろんな要素があるから。うまくいかなくても条件が合わなかったんだなって消化すればいい。もしくは、相手が「見る目ねえな、以上。」でいいと思うんです。
「相性の見抜き方は2つあります」ハヤカワ流の恋愛指南とは
三宅
相性って、具体的にどういうところで良し悪しを判断できるんでしょう?
ハヤカワさん
大きく2つあって。
まず1つめは、同棲。
ハヤカワさん
これまでのパートナー、けっこうずっと「同棲」をしてて。
同棲の動画をYouTubeにも上げて、「そうやってどうせすぐ別れて…」みたいにめちゃくちゃ批判されるんですけど(笑)。
でも、パートナーのコアって、「生活をともにすること」だと思うので。
三宅
なるほど…
ハヤカワさん
逆に同棲を挟まないと、自分的には交際“にわか感”がある。
一緒に暮らしていて不快じゃないかっていうのがプライオリティとしてあるんですよ。
生活してると「顔がタイプじゃないと、ケンカしたときに『なんでお前ここにおんねん』とか思っちゃうな…」とか気づくんです。
共感してる女性読者の方も多いかもしれません(2回目)
三宅
生活の相性って大事ですよね。
ハヤカワさん
2つめは、「お互いがお互いの人生にいたほうがいいか」を考えてみる。
私はマッチングアプリで最終的に3人ぐらい話が続いて、そのうちの1人と結婚したんですけど、残り2人とは友だちになったんですよね。
それはそれで素敵な出会い
ハヤカワさん
友達とパートナーの違いが何かっていうと、「友達」は、別に私がマストでその人の人生にいなくても幸せになれる人。
パートナーは、自分がいたほうがいいだろうな、とお互いに思える人。
三宅
必要な存在って言い切れちゃうのがすごいと思うんですが、相手の人生において、自分が必要だって思えるポイントは何ですか?
ハヤカワさん
お互いの役割がマッチしてるか、ハマってるかってことですかね。
私は20代前半のころ、「男性は社会的にこういう人がいいよね」というイメージに結構とらわれてたんですよね。
でも世間的なステレオタイプで見たときに、明らかに私の考え方や振る舞いって“男性側”だなと気づいて。それだと、自分がイメージしていた像と価値観が合わないんですよね。
三宅
そもそも自分がステレオタイプじゃないから。
ハヤカワさん
そうです。でもその固定観念を手放したらめちゃくちゃ楽になったし、そこから恋愛もスムーズにいくようになった。
具体的にいうと、私はフロントに立って家を守る、みたいなタイプなんですけど、夫はどっちらかというと家庭的、いわゆる女性的な感性が強くて。
そこがマッチしたっていうのが大きいですね。
その“マッチする人”はどうやって探せばいいんですか?
三宅
私が相手に何を与えてあげられるか、ということの解像度を上げると、マッチする人が見つけやすかったりするんですかね?
ハヤカワさん
そうかも。「好きな人」と「合う人」って必ずしも一致しない。
オタクワードで言うと「性癖」。萌える人と生活として合う人って別だと思います。
私、基本的にクズが好きなんだけど、途中で「これは絶対に幸せにならないやつだ」って気づいた(笑)。
三宅
ときめきで選んじゃって、あとから、「あ、やっぱりクズだった」みたいな?
ハヤカワさん
そうそう。「ですよねー」みたいな(笑)。
そういうときに、周囲から「だから言ったじゃん」って言われる。
三宅
うわー、同じかも。
ハヤカワさん
ただ、それはそれでいいと思う。
胸キュンはドラマでとかキャラクター見て、とかで補給できるから、胸キュンと自分にとっての心地よさは分けて考える。
あと、交際前の旅行、おすすめです。
三宅
付き合う前にですか!?
ハヤカワさん
旅行だと日頃の人への接し方とか、長時間一緒にいるなかで、いろんなキャラクターが見えてくるんですよね。歩き疲れた相手への対応とかね。
私は今回のマッチングアプリ(結婚相手)でそれをして、すごくよかったなと思いました。
三宅
確かに、交際前に旅行に行くのは、私の“仕事をしている彼を見たい”とちょっと近いかもしれないですね。
で、仕事と恋愛の両立ってうまくいくの…?
三宅
仕事と恋愛って、両立しなきゃみたいな気持ちってありましたか?
ハヤカワさん
両立ってあんまり考えたことなくて。
そもそも別に、暮らしのパートナーであればそんなに連絡取らないという人も多いですけどね。私と夫の間もそうですよ。スタンプやアスキーアート送って終わり、みたいな。
三宅
(アスキーアート…?)
暮らしのカテゴリーに恋愛も仕事も入れちゃえば、切り替えをそもそもしないっていう感じですか?
ハヤカワさん
そうかも。三宅さんは、恋愛が特別なものすぎるんですかね?
相手も大人なんだし、勝手に暮らしとけみたいな感じでいいと思いますよ。もちろん、やり取りのバランスは大事だと思うけど。
三宅
最後に、結婚についてもお聞きしたいです。
結婚は30歳までにしたいなという気持ちもありつつ、漠然と焦ってるだけで、ただまわりがしてるからしなきゃみたいな感じなんですけど…
ハヤカワさんは、結婚前後の変化とか、結婚後に思ってたのと違うことってありますか。
ハヤカワさん
特にないですね。
ハヤカワさん
私の場合は事実婚っていうのもあるけど、本当に何もないです。
ただ、焦る気持ちはわかります。劣等感も感じるし。漠然とした不安はあると思う。
そういうときは、「これだけは絶対にこうしたい」というとこだけ押さえて、あとは手放してもいいのかな、と最近思ってます。
三宅
手放す?
ハヤカワさん
結婚したらしたで、新しいプレッシャーが出てくるものなんですよ。家を買うとか、子どもがほしいとか。
でも、今の自分が持ち家を欲していなければ、その欲は手放していい。
だから、何が一番重要なのかを整理できるといいですよね。それに合わせて、そこだけは絶対守ろうとか、ここはまあいっか、とわけて考えられるようになれれば。
ハヤカワさん
人間にとって、変化はすべてストレスなんですよね。そのストレスが一定値を超えると、ガタガタになっちゃう。
だから全体のストレス値を見て、「今はやらない」っていう決定は結構重要だと思っていて。
“3カ月後にやる”で1回置いておくのもありですよね。作戦として後回しにしたり手放したりすると、少し“余白”ができるので、楽になるかも。
三宅
…ちょっと、しばらく恋愛お休みしようかなあ。
ハヤカワさん
オフでいいと思いますよ。意外にそういうときに限っていい人と出会ったりするし。
三宅
結構いろんな友達とかアドバイスくれるんですけど「今はいいんじゃない」って言ってくれる人っていなくて。何だかんだみんな焦らせてくるっていうか。
ハヤカワさん
急いだほうがいいよって(笑)?
でも別に、焦っても何も返ってこないですからね。
1回ストレス値を平常にしてからの方が、落ち着いて考えられる。さっきの話にあった、「極端な人にいっちゃう」って、平常じゃない状態で判断してる感じがあるじゃないですか。
三宅
確かに…! 自分を“平常の状態”に戻すためにも、休憩時間って絶対に必要ですね。
「恋愛と仕事は分けて考えない」「胸キュンと生活は別」「恋愛モードになれなかったらお休みしてていい」など、恋愛の先輩からは参考になるアドバイスをたくさんいただきました。
なんだか勝手にまわりを気にして、難しく考えすぎていたのかもしれません。
同じように焦りを感じている皆さん、まずはストレスを整理して、“最優先したいこと”と“一旦手放す”ことを見直してみませんか…!
〈編集=天野俊吉/古川裕子/文=吉河未布〉
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