ビジネスパーソンインタビュー
ビジパの悩みインサイト
【不満も希望もないから燃えられない…】“悟っちゃってる”Z世代の悩みに共感する箕輪厚介さんが「幸せになる3つの方法」を伝授してくれた
新R25編集部
「複雑なはずのビジパの悩みを、単純化して取材していた」 「本質的じゃない悩みをでっちあげていた」
という反省のうえ、「個人のリアルな悩みにひもづいた取材」を改めてしていくことを方針とした新R25編集部。
今回は、編集部にインターンとしてやって来たZ世代・りんたろうの「熱狂できない」という悩みについて。
成熟しきった社会に生まれ、 ガツガツ熱狂できない。悟りきったZ世代に求められる生き方とは?
「成熟しきった現代」に生まれた僕ら、どこに向かえばいい?
渡辺
りんたろうって、話してることが達観してるんだよね。
でも、その達観してるキャリア観が今のZ世代を象徴してる感じがするんだよ。
りんたろう
僕は2001年生まれなんですけど、理想を追求するような生き方が純粋に目指せなくなっちゃってるみたいなところがあって。
昔の人たちは、社会がまだ成熟しきっていないから、「頑張って日本を豊かにしよう」とか、インターネット黎明期だったら「僕たちがここを開拓する」みたいな。
藤田(晋)社長もそういうモチベーションでやってたんじゃないかと思うんです。
渡辺
ゴールドラッシュ感があったということだよね。
りんたろう
はい、金脈を当てることに燃えられた時代だったのかなと思うんですけど、僕らは生まれたときから社会が成熟しきっちゃってたんで、目指すものがないみたいな。
渡辺
「駆り立てられたい」って言ってたよね。
りんたろう
金稼ぎたいとか、日本を良くしたいとか、何かの理想に燃えて突き進んでた人たちに、憧れがあって。
僕は、冷めた目で見ちゃうところがあるんです。たとえばタワマンに憧れる人がいても、何で住みたいのかが本当に分かんない。
でもその人はそこに野望があるし、熱量を持って働くわけで…
渡辺
純粋に突き進める力がうらやましいと。
りんたろう
「日本を豊かにする」といった目標があれば、僕が頑張って働いたら日本が良くなるんだって思えるからいいけど…実際、日本は経済も停滞しているし、落ちていっている気がするんです。
そうなったときに、自分の経済活動は日本の成長に大きなインパクトをもたらしていないし、みんなで(同じ目標に向かって)進んでいく感もないので、「なんでこんなことやってるのかな」って思っちゃう。
でも大きな変化がないから抵抗するモチベーションもなく、ただただ、どこに向かえばいいのか“正解”がわからなくて、ずっと考えているという。
渡辺
そうだよね。解決したい社会課題が大きく見えるわけでもないし。
りんたろう
成田悠輔さんの「日本はゆっくり沈んでいく船だから、総理大臣とかはどれだけゆっくり沈ませられるかの勝負なんだよ」っていう話が結構刺さってて。
日本が好きだし、世界で見たらそこそこまともな国だっていうことは分かってるので、この船から降りたくない。でも沈んでいくわけじゃないですか。
「え、じゃあどうすればいいの、そこに生まれちゃった僕らは…」って。
根が深すぎるZ世代の悩み…副編集長天野も伴走し、箕輪さんに取材してみることに
どう生きたらいいのか、かつて「熱狂」をつくった箕輪厚介さんに聞いてみた
天野
最近「箕輪さん、病んでるな」と感じてるんですけど、新R25編集部にも最近“病んでるZ世代が入りまして…
りんたろう
人生初取材です。よろしくお願いします。
箕輪さん
あ、そうなんだ、頑張って(笑)。
【箕輪厚介(みのわ・こうすけ)】 ベストセラーを次々に生み出してきた幻冬舎の名物編集者。2018年、自身の著書『死ぬこと以外かすり傷』を発売し大ヒット。2023年には『かすり傷も痛かった』を発表し、前書の内容を反省・否定。今年10月には ReHacQで生き方への悩みを吐露し話題に
りんたろう
『死ぬこと以外かすり傷』(マガジンハウス)を高校生のときに読ませていただいて。
ガムシャラに仕事を頑張ることの意義みたいなものを感じたんです。
そんな箕輪さんが最近、YouTubeで「あれって幸せだったのかな?」みたいなことを…
箕輪さん
たしかに! よくないね(笑)。
りんたろう
今の社会って、そういう言論や風潮があふれてるじゃないですか。
そんな状況で社会に出ていく僕らは、何を目指せばいいのかなと。箕輪さんに僕らがどう生きたらいいのかを一緒に考えていただきたいです。
箕輪さん
それ大体、今の俺の悩みと同じだもん。
一定満たされている。そこをあえて「そんなのはおかしい」と自分に問うて火をつけるって、やる必要があるのかと思うよね。
りんたろう
そうなんです…
箕輪さん
以前の俺は、満ち足りていなかったから。
お金もなかったし、作りたい本も作れてなかったし、「もっとこうなりたい」が、めちゃくちゃあった。でもそれを達成するとコンフォートゾーンになっちゃって。
ただ、りんたろうさんの世代は、最初の状況から俺の今の状態だから…困るよね。
りんたろう
もちろん能力的には、箕輪さんのような編集力を身につけたいとは思うんですよ。
でも「身につけたから何なの?」って…
そう思ってるものに対して、どういうモチベーションを抱いても頑張れないんです。
天野
能力を身につける前に、もうそっちの心境にいっちゃってるんだね。
箕輪さん
わかる! 身につけたときに得られる金、人脈、達成感の気持ちよさは、大体このぐらいだろうってわかってるから、「わざわざやる必要ある?」と思うんでしょ?
りんたろう
そうそう、そうです。
箕輪さん
わかるー。
Z世代の悩みに全共感する箕輪さん
天野
俺は、Z世代の「もう知ってる」って本当なのかって疑問なんです。
箕輪さんが一回熱狂して飽きたというのは、“本当”だと思う。でも、SNSとかでそういう先人の姿を見て「知ってる」っていうのは、まだ“バーチャル”だし。
箕輪さん
言ってることはわかるよ。
…俺、2017年に『モチベーション革命』(尾原和啓著/幻冬舎)って本をつくって。そこで、“人間の幸福を感じる5条件”を書いたの。
それが、「達成」「快楽」「人間関係」「意味合い」「没入」。
高度経済成長時代は、まだそんなにモノがないから、達成と快楽にすごく幸せを感じるんだよね。
でもZ世代は、生まれたときに社会がある程度成熟している。
そうすると、もう達成と快楽では幸福を感じなくなって、仕事に対する意味合い、いい感じの人と仕事してる人間関係、どっぷりハマるという没入という3つに重きをおくようになる。
箕輪さん
達成と快楽って単純なのよ。他人より寝ないで、競争に勝ち抜いて、お金を稼いで…って、みんなと同じレールを誰よりも頑張って走るだけだから、そんなに悩まない。
でも意味合い、人間関係、没入は、それぞれ自分で見つけなきゃいけない。ルールも正解もわかんないところで幸福をみつけなきゃいけないから、うねうね悩むのは当たり前だと思う。
どんなビジネスでも功罪あるじゃん。サイバーエージェントで儲かった事業があったとして、でもその裏では不幸な人たちも生まれてない? みたいに、意味合いを考えると絶対の“正解”ってなくて。
そう思うと、「まあ、やる必要ねえか」って思っちゃう。
「向き合いつづけるしかないけど、つらい…」には、プレイとして悩め
りんたろう
そういう「何のために頑張るのか」という疑問と、ずっと向き合いつづけなきゃいけないじゃないですか。
箕輪さん
まったくそう。それが人生だからね。
りんたろう
僕、哲学書を読んだりするんですけど、どれを読んでも結局向き合いつづけるしかないし、アップデートしつづけるしかないって書いてあるんです。
箕輪さん
そうだよ。悩んでること=生き方だからね。
りんたろう
でも、どう考えても、それはつらすぎる。それをしないと貧困から抜け出せないとか、生活が良くならないんだったらやるけど。
箕輪さん
まあ、Z世代は生まれた瞬間からボーナスステージじゃん。だから、正直悩むこともエンタメ。
…はっきり言って、本当に苦しんでる人たちから見たら、クソふざけてない? 中世の哲学者のプレイと同じだよ、「生きるとは…」って。
天野
貴族だから言えるやつだ。
箕輪さん
明日戦争が始まったら、すべて吹き飛ぶよ。だから、プレイとして悩めばいいんだよ。
昔の人たちが、プレイとしてサラリーマンをやって、毎年ボーナスが上がっていくのを楽しんだように、今の人たちはプレイとして「生きるとは何か」って言ってるのが合ってるんじゃないのかな。
「選択肢が多すぎてつらい」人生ゲームを生きるコツは3つ
箕輪さん
…ただ、そんななかでも、今の人生ゲームを生きるコツは、すごく単純化すると3つだと思ってるの。
「背負っちゃう」「推し活」「出家」。
りんたろう
背負っちゃう?
箕輪さん
会社とか家族を持つとか、責任を背負っちゃうってこと。
それこそ藤田さんは、ある程度成功しているのに、なんで頑張りつづけられるんですか?という質問に「もう背負っちゃってるからです」って答えてて。
ABEMAも、すごい金と人を巻き込んで自分で立ち上げた以上、「もうやめるわ」とは言えない、と。
だから常に言っちゃって背負っちゃって、頑張らざるを得なくなって…を繰り返しつづけることによって、命を燃やしてるパターンだよね。
りんたろう
なるほど…
箕輪さん
多分、藤田さんや幻冬舎社長である見城(徹)さんの世代は、背負っちゃう人が多い。達成・快楽寄りの人は、背負うことの負荷に興奮を覚えやすいし、そこに生きてる意味を見つけ出す。
でも、その「背負っちゃう」人が減って、最近は「推し活」が増えてきたよね。
自分でやりたいことは見つからないけど、会社のビジョンには共感できるから、自分の時間を使って貢献する。
対象は会社じゃなくて、NPOやオンラインサロン、アイドルでも良いわけ。仕事は決められたことだけやって、給料を好きなものに注ぎ込むことをモチベーションにするのでもいい。
りんたろう
たしかに。
箕輪さん
つまり自分じゃなくて、共感できる“他者”に生きがいを委託して、命を燃やしているということだよね。
で、あとは「出家」。
りんたろう
え?
箕輪さん
俺も今年の年始にちょっと鬱っぽくなって、毎日散歩して、神社に行って、お布団を畳んでとかやってたのよ。
お布団…
箕輪さん
お布団をきれいに畳んで、瞑想してみたいな、丁寧な生活をしてたの。
2、3カ月しか続かなかったけど、救われた。
要はルーティン。やることが決まってるっていうのは、ラクなんだよ。
りんたろう
それはわかるかも。
箕輪さん
今りんたろうさんが悩んでつらいのは、無限の選択肢と自由があるからじゃん。
でも、やることを決めていればラクだよね。
まあ、俺みたいに2カ月ぐらいで「くだらねえー!」ってなるかもしれないけど(笑)。
りんたろう
(笑)。
箕輪さん
結局、これも単なるプレイ。家に大仏が3体増えただけ(笑)。
でもこの3パターンだと思うんだよ。
りんたろう
3パターンを意識して、自覚しながら選択すれば、「違うな」って思ったときに戻ってこれるということなんですか?
箕輪さん
でもねぇ…
りんたろうさんは、早くにこっちに来すぎたの。それぐらい俯瞰しちゃうと、何をやってても入りこみきれない気がする。
りんたろう
それ僕、実は昔からなんです。小学校の卒業式でも、部活の引退試合でも泣いたことなくて。
箕輪さん
冷めてんなぁ…
りんたろう
熱狂しなくていいんですかね?
箕輪さん
いいんじゃない?
一定バカじゃないと、熱狂するのは無理だよ。冷静に考えちゃ駄目なんだよ。人生を合理的に考えたら、熱狂とかしないんだろうと思う。
「背負っちゃう」のも「推し活」も「出家」も、全部合理的ではないもの。まわりから見たら「何やってんだアイツ」っていう。
スタートアップ起業家とか、飲みの場になると、毎回みんな自分が何に熱狂してるかのプレゼンになるわけよ。「次これ仕掛けてて…」みたいな。
俺は正直、「なんでそこに熱狂できるの?」って思う。でも、そいつらが羨ましいの。
りんたろう
そうなんです、彼らのほうが輝いてるなって…
箕輪さん
物事を相対化させたり多面的に見たり、ゼロベースで考えたりシニカルに見たりする癖がある人は、火がつきにくいんだよね。
俺『死ぬこと以外かすり傷』を出したころは、そういう人がすごく嫌いだったの。いろんなことを冷笑的、皮肉的に言ってきたりして。内心「お前ら、口だけで何もしていないじゃん」とか思ってたけど…
でも俺の根っこはこっち(俯瞰)側だったから、急激に戻った。
俺は多面性があるから起業家にはなれない。でも編集者には向いてると思うんだよ。
天野
そこの複雑さが、箕輪さんの面白さですよね。熱狂や没頭とはまたちょっと違う。
箕輪さん
そもそも俺は「やる意味あるの?」でスタートする。じゃないと面白いコンテンツってつくれないから。
だから、りんたろうさんもそのままでいいんじゃない? そういう複雑性をもった人がつくるコンテンツが、同じように思ってる人たちを救うから。
クリエイターとしてものをつくる素質はあると思うよ。
りんたろう
…そうですか?
箕輪さん
ものづくりは達成や快楽とは違うから、夢中になれるんじゃないかな。
りんたろう
たしかに僕、7〜9月は新R25の新規事業のマーケティングをやってて、業務としては楽しめたんですけど、心からそこに向かう感じではなかったんです。
ただ、コンテンツづくりに関しては結構ずっと考えちゃってて。
箕輪さん
あっ、それいいじゃん。没入してたってことじゃん。
りんたろう
そういうことか…
箕輪さん
俺、今回のお悩み相談の企画書「解像度高!」と思って。
これは、新R25のレギュラーメンバーではつくれないんだよ。デビュー作だからできる濃度。手慣れちゃったら絶対作れない。要点だけ書いて、あとは現場でどうにかなるって思っちゃう。でしょ?
天野
そうですね(苦笑)。
箕輪さん
りんたろうさんは上に向かうというよりも、下に掘るようなもののつくり方が向いているのかもしれない。悩みつづけているからこそ、それができるんじゃない?
そのうえで、面白いコンテンツをつくったら、没入していくと思うよ。
りんたろう
ああ…
箕輪さん
たとえ15分の短い動画で、まったく再生数がとれなかったとしても、1人から「すごいうれしかった」というめっちゃ長いDMが来たとか。
そんな積み重ねが自分の成功体験になって、ハマることがあると思う。
りんたろう
…僕、もともと事業責任者とか社長とかになりたいと言ってたんですけど、そっちではないんですかね?
箕輪さん
わかんないけど、今頑張れるものがあるなら、それを深く掘ってみるのが大事よ。
それに、本当に優秀な人は、基本的に全部が優秀。コンテンツをつくるのがうまい人って、マーケティングや経営もちゃんとできたりするのよ。
だから今、変に自分はどっちパターンって気にしなくていいと思う。目的は、自分がつくったものが届くべき人にできるだけ多く届いて、深く刺さることじゃん。
そのために手段を選ばず全部やること。
りんたろう
今、僕には何の武器も実力もないっすもんね…
箕輪さん
コンテンツづくりがいいのは、武器なんていらないところ。
武器は自分の悩みだったりするわけだからさ。自分みたいな人間のモヤモヤを解決しよう、届くものをつくろうと思えばいいの。
箕輪さん
社会人の最初は、悩むよ。だって基本的に全員ウソついてるんだもの。
フレンチ食べに行くときにジャケット羽織るみたいな最低限のマナーと同じように、みんな面白くなくても笑ったり、すごいと思ってなくてもすごいって言ったり、やりたくなくてもやりたいって言ったりするじゃん。
でも大学までは、そんなやつはひとりもいないから、最初はそのギャップに悩むよね。「あれ、どうしてみんな急に大人になったの!?」って。
りんたろう
まさに就活のとき、みんな第一志望じゃないところを第一志望って言っていて、「お前ら本気かよ?」って思った…
箕輪さん
俺も思った! ウソつくなよって(笑)。
コンテンツはウソつかないっていうのが強みだから。ウソは見抜かれるからね。
自分の心に正直なことを活かして、ずっと自分を見つめつづけることだよ。
りんたろう
それを人から引き出す技術を磨いていけば、力になる…?
箕輪さん
その前に、自分の感情に自分自身が一番敏感であることが大事。
自分のなかにない感情を人から引き出すのは難しいよ。たとえば1個の「うれしい」しか持ってない人は、相手の「うれしい」も1パターンしか引き出せないわけ。
でも自分のなかに「うれしい」が20個あることを解像度高く理解していれば、どのタイプなのか引き出せる。
「この『うれしい』は本当に喜んでるんじゃなくて、自分に言い聞かせてるパターンだな」とか。それがわかると、もっと相手を深掘りできる。
だから、自分を観察するっていうのはめちゃめちゃ活きてくるよ。
りんたろう
それは結構やってるかもしれない。
天野
内省してるんだね。
箕輪さん
やりまくると、制作者としては強くなるよ。自分はあくまでメディアで、“自分という媒介を通して伝える”存在になれる。
ずっと、うだうだ考えてていいの。そのかわり、面白いコンテンツをつくってねということよ。
自分と向き合って、酒飲んで考えて、すごく解像度が高いコンテンツがつくれたとき、それを一生懸命働いている人がふっと見て「ああ、たしかにな」って思ってくれる…みたいなことよ。
りんたろう
なるほど。
箕輪さん
極めな。自分を俯瞰しつづけて、感情の解像度を高めつづけることを。
人の気持ちがわかると、あとで「才能なかったな」と思っても、ビジネスで活きるよ。
りんたろう
たしかに、僕は「人の気持ちがわかんない」って言いつづけてたんですけど、意外とわかるんですよ。
箕輪さん
まわりが浅すぎて、「違うだろ」と思ってるんじゃない?
りんたろう
多分…
箕輪さん
いいと思う。もっと気持ち悪くなったほうがいいよ、グツグツ自分の感情を煮込んで、それを一方で俯瞰してるっていう。
蛇行こそ、個性。いつか仕事に活きてくる
天野
どう? ハラオチした?
りんたろう
しました。あと、「友達ができない」っていう悩みがあって。
箕輪さん
できなそうだよね(笑)。ただ自分が成長したらできると思うけどね。
りんたろう
じゃあ今は孤独に耐えて…
箕輪さん
俺も新卒で入った出版社時代、マジ孤独だった。
飲み会なんかで、みんな一丁前のことを言うんだよ。言うのはいいんだけど、なんか浅いなって思ってて、俺は毎回途中でトイレに行くふりして帰ってた(笑)。
今になって、やっぱりあの人たちは口だけだったなって。
ただし、「浅いな」と思って、あとから「やっぱりまわりは浅かったな」と振りかえるためには、結果を出さないとね。
りんたろう
そうですね。
箕輪さん
代表作をつくればいいと思う。それがいちばん自分を救ってくれるよ。
だって、りんたろうさんが『死ぬこと以外はかすり傷』を読んで…とか言ってくれることが、今の俺の救いになってるもの。何もなかったらヤバいおじさんよ。
天野
当初の話とは方向が変わったけど、結構たどりついたのでは…?
りんたろう
はい…!
最後に、僕の同世代のためにも、この時代どう生きたらいいのかというアドバイスをいただければ。
箕輪さん
正解はないからね。
つまり蛇行の仕方がその人の生き方であり個性だから、それを変に否定しなくていいってこと。
蛇行は仕事に活かせるし、悩んでることもプラスになるから、そこを見つめていいんじゃないのかな。
…昔の俺だったらズバってアドバイスを言ってたけどね。
りんたろう
パンチラインを。「考える前にやれよ!」みたいな。
箕輪さん
今は、アドバイスを求められたときに「わかんない」って言うおじさんになりたいのよ。
糸井重里さんとか、みうらじゅんさんとか、リリー・フランキーさんとか。「わかんないね…」って言いそうじゃん。
天野
で、それが深いみたいな。
箕輪さん
そう(笑)。
ズルいポジション目指そうとしないでください
りんたろう
自分にとっての“正解”は、自分で探すしかないんですね。僕はコンテンツクリエイターになって、のめり込んで背負いたいと思います。
箕輪さん
頑張ってください!
蛇行を否定しない、というのは、自身もいろいろな蛇行(?)を経て現在の境地にたどりついた箕輪さんらしい言葉かもしれません。
正解がわからない時代だからこそ、上ばかり見ようとするんじゃなくて、深く内側を見つめることが自分の武器になるという話には、大きな勇気をもらえました。
みんな悩んで、うねうね生きていくしかない。
ということで、新メンバーりんたろうの「うねうね蛇行したコンテンツ」にこれからご期待ください!
〈取材=渡邊倫太郎/取材・編集=天野俊吉/編集=鳥山可南子〉
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