勝負どころは、「0か100か」でいい。
“大穴”じゃなきゃ、勝負になってない。「ミッドナイト競輪」が紐解くオダギリジョーの勝負哲学
新R25編集部
毎日夜8時30分〜夜11時30分に全国で開催されている「ミッドナイト競輪」。
スマホで手軽に競輪を楽しめる「WINTICKET」によると、この「ミッドナイト競輪」が新しい夜のトレンドになりつつあるそうなのですが…みなさん「家での夜の過ごし方」、お困りじゃないですか?
コロナ禍で外出自粛が続いたあの時期、「家での夜の過ごし方」の選択肢が意外と少ないことに気づいた方も多いはず。もう二度と、“帰宅後難民”にはなりたくない…!
そこで新R25は、こんな企画を考えました。
「新夜あそび論 知ってる?ミッドナイト競輪」。さまざまなキャストと一緒に、 “夜あそび”や競輪の楽しみ方を掘り下げていく連続企画です。
全4回の本連載、第3回の堀江さんに続きラストを飾るのは、俳優・オダギリジョーさん…!
「WINTICKET」のCMにご出演されているオダギリさん、私生活はかなり謎に包まれているイメージですが、コロナ禍でいったいどのような「家での夜の過ごし方」を送っていたのか…
今回はオダギリさんの「夜の過ごし方」を聞きつつ、最後には「ミッドナイト競輪」のお話から「オダギリ流・勝負の哲学」をお話してくださいました。
〈聞き手:サノトモキ〉
【オダギリジョー 】1976年2月16日生まれ、岡山県出身。アメリカと日本でメソッド演技法を学び、2003年に第56回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品された「アカルイミライ」で映画初主演を果たす。今年の映画出演作に「名も無い日」「アジアの天使」「花束みたいな恋をした」「茜色に焼かれる」。TVドラマにNHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」。俳優業の傍ら監督業にも進出し、初の長編監督作である『ある船頭の話』(19)は、その年の唯一の日本映画として、ヴェネツィア国際映画祭に出品。今年は NHK ドラマ「オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ」(全3話)で脚本・演出・出演・編集を手がける。主人公(池松壮亮)のバディ、警察‟犬”のオリバーを演じ話題となる。待機作に『大怪獣のあとしまつ』(監督:三木聡、2022年2月4日公開予定)、『サタデー・フィクション』(監督:ロウ・イエ)がある
オダギリジョーの「家での夜の過ごし方」は、まさかの…
サノ
というわけで今日は、家でのエンタメに飢えている「帰宅後難民」の選択肢を増やすべく…
オダギリさんの「家での夜の過ごし方」を聞かせてください!
オダギリさん
えっ、なるほど。おお~…大丈夫かな。
サノ
大丈夫って、何がですか?
オダギリさん
いや僕、基本「ダメな夜の過ごし方」をしちゃってるんですよ。
毎日、ただお酒を飲んでいるだけなんです…
想定外すぎるスタートダッシュを切ったオダギリさん
サノ
オ、オダギリジョーの日常、そんな感じなんですか…!?
毎日晩酌してるってことですよね。何時ごろから飲みはじめてるんですか?
オダギリさん
晩酌っていうと聞こえはいいですが…晩酌前からっていうか。
夕方5時から寝る直前まで…ですね。
想定外の親近感が湧いてきました
オダギリさん
コロナに関係なく、もともとそういうロクでもない生活をしがちなので、「こんな夜の過ごし方してて大丈夫なのかな」ってしょっちゅう感じてるんですよね。
だからどちらかというと、僕が教えてほしいくらいです…家での夜の過ごし方。
サノ
今日だいぶ緊張してたんですけど、たった今完全に肩の力が抜けました。
オダギリさんでも、家ではダメな時間を過ごしてしまうもんなんだな…
オダギリさん
ただ僕、家で過ごす「ダメな時間」を悪いものだとは思ってないんですよね。
「ダメな時間」って、じつはけっこう仕事に生かされていると思うので。
サノ
どういうことですか?
オダギリさん
「ダメな時間」を過ごしたあとだからこそ、頑張れることってありません?
たとえば、脚本を書かなきゃいけないときに…お酒を飲みながら書いちゃうと、最後には本当にダメなモノができあがるんですよね(笑)。
でも翌日、その「ダメな脚本」がまたスイッチを入れてくれたりするんですよね。ダメすぎて、めちゃめちゃ反省するので。
サノ
ああ、セルフ反面教師ということか…すごくわかります。
オダギリさん
「ダメな自分」も、自分の一部ですから。
なので、夜遅くまでお酒飲んでる自分も含め、否定しないようにはしてますね。
否定せず受け入れて、もっと伸びる方向に生かせれば、これも無駄ではないのかなと。
気づいたらカッコいい話になってた
コロナ禍で、「エンタメ」が人生に必要だったと多くの人が感じ取った
サノ
ちなみに今回の企画は、コロナ禍で暮らしが一変したことで「家って案外することないな」と気づいた人も多いという背景もありまして。
オダギリさんご自身は、コロナ禍でどのような気づきがありましたか?
オダギリさん
やっぱり…自分の仕事は「必要のない仕事」なのかもしれないと強烈に思わされた部分はありますね。
オダギリさん
当時、“不要不急”という言葉とともにいろんな芸術やエンタメが規制されるようになって。
僕個人も、予定されていたすべての作品が先延ばしになったり中止になったりして、半年近く仕事がまったくゼロになりました。
そうした状況を突きつけられるとやっぱり…ね。
サノ
…たしかに思ってしまいそうです。
オダギリさん
普通の職業だったら、まったくゼロになることってあんまりないと思うんです。
震災、パンデミック…国難と呼ばれる状況でも必要とされる職業がたくさんあるなか、自分の存在価値に疑問を抱いてしまうんですよね。こういう職業を選んだ自分を否定する気持ちにもなりました。
芸術やエンタメを生業にしている多くの人たちが、少なからず同じような気持ちになったんじゃないかな。
オダギリさん
ただ同時に、あのネガティブな空気のなかで生きるひとりの生活者として気づいたのが…
「“芸術やエンターテインメント”って、やっぱり生きるうえで大きな助けになるもの」なんじゃないかってことで。
サノ
…!
オダギリさん
ネガティブな情報しか更新されない生活って、本当に苦しくて残酷だったじゃないですか。世界中が落ち込んでいく負のスパイラルですよね。
「明るい気持ちにしてくれる」「前を向こうと思わせてくれる」…そういう存在って、電気や水道のようなインフラと同じように、生きるうえで必要なものだったんじゃないかと。
それをすごく多くの方が…感じ取ったと思うんですよね。
サノ
すごくわかります。
映画館にも外食にも行くこともできず、ただ家に籠ってコロナ禍が終わるのを待つしかできなくて…めちゃくちゃエンタメに飢えていた気がします。
オダギリさん
なので今は、「いつでもアートやエンタメに触れられる」ということにすごく価値を感じるんですよ。
ひとりの作り手として、人を前向きにしたり、明るい気持ちになったりできるアートやエンタメを提供しつづけられたらなと今は思えています。
エンタメ不足な「帰宅後難民」に向け…ミッドナイト競輪を紹介!
サノ
オダギリさんがCMにご出演されている「ミッドナイト競輪」も、まさに「“夜でも”エンタメに触れられる」を実現しているサービスだと思っていて。
毎日夜8時30分~夜11時30分に全国で開催され、ユーザーは自宅からスマホで手軽に競輪を楽しむ「宅ガケ」ができる。
夜暇を持てあました「帰宅後難民」にとって、「新しい夜の選択肢」になるのではないかと。
オダギリさん
「夜に自宅で遊べるエンタメ」がまたひとつ、新しく生まれたということですから。素晴らしいことですよね。
ちなみにサノさんは、朝型です? 夜型です?
サノ
完全な夜型です。
オダギリさん
僕も、完全に“夜型”の人間なんですよ。
夜から本当の力が出るタイプというか(笑)、撮影とかでもナイターのほうが役に立てるんですね。
で…夜型の人にとって、「夜にテンションを爆発させられるエンタメ」ってすごく貴重じゃないですか?
ああ〜〜、超わかる!
オダギリさん
日中できる遊びはたくさんあるけど、夜できる遊びって案外少ないので。
なので、いいんじゃないですか、「ミッドナイト競輪」。
まあお酒飲みすぎてエンジンかかっちゃうとアレですけど。
「夜ってね、エンジンかかりやすいですからね」
サノ
ちなみにオダギリさんご自身はギャンブルをされないそうですが…
もし「ミッドナイト競輪」をするなら、どういうスタンスで挑むんでしょうか?
オダギリさん
僕は、「無難な選択肢」は避けます。
「勝負どころ」であればあるほど、結末が見えるものは選ばないですね。
サノ
それは…なぜですか?
いわゆる“大穴”って、「とんでもない失敗をしちゃうんじゃ」みたいな怖さがあってなかなか選べない気がするんですけど…
オダギリさん
これは仕事も同じだと思うんですけど…
普段だったら、「自分50・相手50」の妥協点を探す、勝ちでも負けでもない“アイコ”狙いのような仕事の仕方も必要だと思うんです。
ただ、ここぞ! という「勝負どころ」って、やっぱ絶対に“勝たなきゃいけない局面”なんですよ。
オダギリさん
僕、2年ぐらい前に、初の長編映画監督として作品を発表したんです。『ある船頭の話』という映画で。
明らかに勝負どころ。このとき、やっぱり一瞬頭をよぎるんですよ。
デビュー作は一般ウケするようなわかりやすいエンタメ作品をつくるほうが、その後の監督人生はやりやすくなるよなって。
サノ
一作目で少しでもお客さんを入れておかないと、そのあとが続かなくなる…ある意味当然の戦略ですよね。
オダギリさん
ただそこで無難で媚びたものをつくってしまうと、その後「自分がつくりたいもの」がつくれなくなる気がして。
はじめに妥協した作品を出してしまったら、その後もそんな仕事しかできなくなると思ったんです。
一作目って所信表明みたいなものですからね。自分の歩むべき道を強く押し出す必要があると思ったんですよね。
今ビジネスパーソンとしてめちゃくちゃ大切な話を聞いている気がする
オダギリさん
世の中が想像できる範囲の答えを出しても、それは“勝ち”ではない。
だったらもう「今の日本映画界で、誰も手を出せない作品をつくってやろう」と、エンタメ要素ゼロの、芸術性や作家性を重要視した作品をつくりました。
サノ
自分のつくりたい作品に振り切ったんですね。
オダギリさん
そもそも「勝負どころ」って、「“100の勝ち”が必要なタイミング」だと思うんですよ。
そこそこの結果じゃなく、大きく勝ちきらなくちゃいけないタイミングが誰しも人生にあると思うんですけど。
そこで60とか70を狙いにいくのは、そもそも「勝負してない」ことと一緒なんです。
オダギリさん
だから、勝負どころは「0か100」でいい。
僕は、「ここ一番の大勝負」であるほど「難しいほう」を選びます。そのほうが気持ちも上がるし、負けられないと自分を追い込めるので。
だからもし僕が競輪をやるとしたら…そういう戦い方になるのかもしれないですね…!(笑)
ちなみに取材中はずっとこの “静かなカッコよさ”に圧倒されていました。ありがとうございました!
「アイコ狙いは、そもそも勝負ですらない」。オダギリさんの勝負論、突き刺さりました。
4回にわたってお送りした「新夜あそび論 知ってる?ミッドナイト競輪」。4人4通りの切り口で話してもらった「夜の過ごし方」の新提案、いかがだったでしょうか。
何かと漫然とした時間になってしまいがちな「家での夜の過ごし方」…みなさんもぜひ家で体験できる「大勝負」に挑んでみては…!?
〈取材・文=サノトモキ(@mlby_sns)/編集=福田啄也(@fkd1111)〉
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WINTICKETにミッドナイト競輪が開催中の夜8時30分〜夜11時30分にログインするだけで、ポイントがもらえる夢の大企画です。
ぜひこの機会をきっかけに、ミッドナイト競輪の魅力を体験してみてください!
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