ビジネスパーソンインタビュー
狙うべきは「アートとフットサルの中間」!?
鈴木涼美講師によるマッチングアプリのプロフ講座。編集部が学んだ5つのポイント
新R25編集部
皆さんこんにちは! このたび本創刊した『新R25』では、新しい出会いにちょっと億劫になっているR25世代の恋愛についても応援していきたいと思っています。
そこでフォーカスしたいのが「マッチングアプリ」。最近の恋愛にはマストなアイテムになっているようですが、われわれ男子に必要な情報が少なすぎると思いませんか? ということで、素敵な女性にマッチングアプリの「正解」を教えてもらおうという本連載。
今回のテーマは、アプリを使った出会いの第一段階である「プロフィール画像」と「プロフィール文」。編集部から選抜された以下の5人が、ガチで熟考を重ねた「プロフィール」を美女のもとに持参します!
渡辺(新R25編集長)
みんなを出し抜いて申し訳ないですけど、俺は“権威”をアピールさせてもらいます。趣味が少ないのがネックだけど、「仕事頑張ってる男」をプッシュする作戦で
天野
いやいや…モテようとして仕事をアピールするって相当サムいでしょう。僕は仕事以外もちゃんと充実してますから、リアルな高評価を狙ってます
葛上
僕はおそらくアートや映画、読書など興味の幅が広めなので、女性にアピールできるのは、新しい体験をさせてあげられるかもしれない、ということかな。「一緒にいたら楽しい体験ができるよ」的なことを暗に伝えられたら興味を持ってもらえるのでは、と考えてみました
福田
(長いな…。)自分は逆に、あまりアクティブじゃないんですよね。マンガとかゲームが好きだし。でもたまにドライブとか行くので、そのへんをアピールします
東田
俺は俺でしかないので、俺の等身大を表しました
今回5人のプロフィールをジャッジしてくれる美女は…鈴木涼美さん。
肩書きは「元日経新聞記者にして元AV女優」。現在多数の媒体にコラムを連載し、2017年12月には『オンナの値段』(講談社)を上梓されました。
そんな鈴木さんに、「プロフィール」について教えを乞います。鈴木さん、よろしくお願いします!!
鈴木涼美さん
お願いしま~す
ヒッ!! めっちゃいいニオイがする…
【先鋒】福田(25歳)
年功序列(?)ということで、とりあえず若いメンバーから見てもらうことに。まずは最近入社したばかりの福田。
「YouTubeをずっと“見ちゃってます”」。この気になる言い方とか、なんか…変なクセがありますね
それは俺も思った
なんか「マンガとゲーム」「ランニング」とか、書かれてることが全部、「1人でやってる」感じがするのがキモイのかも。そんなことひと言も書いてないけど、「友だちいないのかな」って思っちゃう。
“週刊誌がオススメする最近の休日の過ごし方”をコピペしましたって感じ。本当にカーシェアなんてやってんのかなって(笑)
やってますよ! それに休みの日なんて皆だいたい1人じゃないですか!?
男の人は、やっぱり同性からもモテてるべきなんですよ。女子も「男からモテる男」が好きです。逆にモテる女子って、女友達いなかったりするんですけど。
男なら「いつも野郎だけで飲んでます!」ぐらいのほうが好感度高いと思います。マンガを読んでてももちろんいいんだけど、「友だちにすすめられたマンガにドハマりしてます」とか、人との関係性を感じさせてほしい
「友だちからすすめられたYouTuberの動画を見てます」とか
どんな休日なんだ…。いいところはないですか?
茨城県出身ってところには惹かれますね。私ヤンキー好きなんで
「茨城県民への偏見にあふれている」
写真もイマイチかな…。1枚目の写真は盛れてるので、これだけでいいかも。
顔は正直「可もなく不可もなく」というか、ちょっとひ弱そう。「男としての戦闘能力」がなさそうなので、あんまりアピールにはならないかな
いきなり辛らつな言葉が飛び出しまくったが、鈴木さんの総評は?
「ひ弱で友だちいないの?」
(これは勝ったッ…!)
【次鋒】葛上(26歳)
続いては、最近なぜか金髪にした葛上。
「基本的にはインドア派」って、あえて自分で言うのはいいと思う。自分の性格に対する分析ができてる。
えー、「近日中にやりたいことリスト」? これは面白いかも! 「夜しかやってない文具店」行ってみたいもん。これはなに? 電脳…?
「電脳九龍城」です。香港にあった廃墟のような巨大ビル「九龍城」を模したゲームセンターが川崎にあるんです
行きたーい!!
すごいウケてる…。でも確かに楽しそうだね
(…ニヤリッ)
この3枚目のキノコみたいな写真はちょっと謎…。これは…?
六本木の「21_21 DESIGN SIGHT」で行われていた、「デザインの解剖展」っていう展示の一部ですね。「キノコの山」が2つに割れてるんです
性的な何かのメタファーなのかと思った
なんでこの写真を選んだんだろう?ちょっと面倒くさい感じが出てきましたね…。
「読書や映画鑑賞が好き」って書いてあるけど、『スター・ウォーズ』とか一緒に観てくれないのかな。「アップリンク」(東京・渋谷にあるオシャレ映画館)しか行かないみたいな
いや、『スター・ウォーズ』は観ますよ!
アート系ばっかりじゃなくて、「やりたいことリスト」のなかに1つぐらい「撮りためてた『アメトーーク!』を観る」とか入れといてほしいかな。大衆っぽさが足りなくて不安になる
『アメトーーク!』は観ないですね
あと、女の子に「好き」とか言わなそう。あんまり誉めてくれなそうって思っちゃう
「うっ…」
あと、普通の量販店で買った服を着てたらディスられそう。ファミレスとかも行かなそうだし
「………」
文化系女子が狙えそうだけど、でもそういう子も意外と、「アート系男子面倒くさい」って言うんですよね。「オザケンは好きだけど、付き合いたいわけじゃない」みたいな。文化系女子ほど、生活能力を求めてますよ
出だしは好調だったが、徐々に面倒くささが鼻についたと思われるこちらのプロフィール。総評は?
「アート臭プンプンします」
アート臭男(くさお)
あだ名にしないでください
【中堅】天野(30歳)
ここからは30代の編集部員に突入。「リアルな高評価」を狙ったという天野のプロフィールは?
「自分としては、色んなところでビールを飲んでて、リアルが充実している感じがテーマです。というか、実際そうですし」
これも写真は好感度高いんですけど、文章になんか違和感がありますね…。「好きなフェスはフジロックです」ってわざわざ言わなくても…。
ベタすぎるでしょ。音楽好きの人はだいたい行ってるので、「好きな飲み物は水です」みたいな感じ(笑)。「意外とa-nationです」とかだったら面白かったんですけど
天野さん、本当はもっとサブカル野郎なのにそれ消してきてますよね?
自分の明るい部分を打ち出したいんですよ。絶対そのほうがモテるじゃないですか
それが不自然な感じになっちゃってるんですよ。フットサルでフジロックでビールって、日本のザ・大衆男子すぎる。『アラサーちゃん』に出てくる「大衆くん」かと思った
「自分からは細かいことは話さないけど、聞かれたら答える」ぐらいの自分でいたいんですよ
クセを消したい自意識が過剰だな
女子ってほどよくクセとかニオイがある男子のほうが好きだから、それをにおわせたほうがいいと思うんですよね。
「マニアックな音楽を聞いた結果、一周してGLAYが好きです」とか「色んなビールを飲んだけど、一周して一番搾りが好きです」とか
一周してYouTuber好きですとか
(この人YouTuber好きだな…)
私もめぐりめぐって、結果普通になってるサブカル男子って好きだし、広くウケたいなら、そういう「一周した感」をもっと出していったほうがいいと思います
狙いを大幅に外し、鈴木さんにアピールできなかったプロフィール…総評はいかに?
「消臭スプレーかけすぎ」
消臭じゃなくて、香水をかけたほうがいいんじゃ?置きにいってモテないという、一番微妙なパターンでしたね
やかましい
【副将】東田(34歳)
続いては、マッチングアプリ経験者だという東田。男性陣からは批判が殺到したプロフィールだったが…?
写真は今まででベストかも! 友だちもいそうだし
そうなんですよ! それ、わざと右下に友だちをチラっと写りこませてるんですよ
さわやかな笑顔だし、絶妙に盛れてる写真だな…
(プロフィール文の最後に)「というのは全てウソです」!? そういうことか…
「これは以前、僕が実際に使っていたプロフィール文ですね。これまでいろいろなマッチングアプリを見てきていて、ありがちなプロフィール文に腹が立ってたんですよ。それに対するアンチテーゼというか…」
「私はアリだけどなぁ。深みもあるし、シニカルな笑いがわかってそう」
マジすか!? 卑屈な印象ですけど…
「ガチでやってない感」がいい。
「とりあえず友だちがやってるから登録してみた」みたいな女子も多いので、「私も別にガッツいてるわけじゃないし」ってテンションで行きたいと思うんですよね。「『全て嘘です』、めっちゃ笑いました~」みたいな感じで連絡しやすいと思いますよ。
これが流行ったら意味ないけど(笑)
「ちゃんとプロフィール文を読了した人だけがこの“仕掛け”に気付くわけですよ。その時点でかなりふるいにかけている。さらに、この笑いを理解してウケてくれるコということで、そこでももう一段ふるいをかけてて…」
なんでこっちからふるいにかけるスタンスなんですか?
でも私は嫌いじゃないです。ちょっとズルイ感じはしますけどね。
マッチングアプリって、もちろん真剣にやってるコたちもいるけど、“半分お遊びの場”ってところもあるじゃないですか。さすが34歳にもなるとシャレが効いてますな、と思いました
これが34歳のマッチングアプリでの生きる道ですね。でもあんまり「いいね」は来なかったです
でしょうね。スタンスが面倒くさいもん
男性陣からは不評だったものの、なぜか鈴木さんのツボにハマったと思われるこちらのプロフィール。総評は?
「ズルイ男」
東田さんのこんな顔初めて見た
【大将】渡辺(34歳)
最後は、編集長の渡辺。妙に自信満々で他メンバーのプロフィールを批評していたが…?
「ちょっとイヤらしいですけど、仕事での実績を押し出して、絶妙に『仕事できるヤツアピール』をしてます。鈴木さん、こういうの好きじゃないですか?」
え…。
好きな言葉は「憂鬱でなければ、仕事じゃない」。なんか名言好きのおじさんみたいですね。ジョブズとか好きそう(笑)。
写真もいかにも“成功者”って感じ。マイクを持ってる写真はなんですか?
これはライブハウスでの写真です。数少ない趣味が歌(アカペラ)なので、仕事とのギャップというか多面性をアピールしました
スピーチ中の写真かと思いました。ヒカリエとかでやってるセミナーの登壇者っぽい。「憂鬱でなければ、仕事じゃない」っていうタイトルで「スタートアップなんとか塾」みたいなのやってそう
「うさんくさい講師」感がありますね
私も慶應なんですけど、悪い意味で“慶應感”がすごい。女子はこの人とデートしたとしても、周りの女友達には「コイツに行った」ってことを言わないです。ちょっと恥ずかしいんですよね
言ってくれよ
あと、仕事をやたらとアピールする男の人って、女子に対しても要求が高くて、めっちゃ“選びそう”なイメージですね。「細くて巨乳じゃないとやだ」とか「23歳以下じゃないと」とか。それで「港区女子」みたいなモデル崩れと付き合ってそう
発言がリアルすぎて敵を作りそう
それでいうと、モデル崩れでもいい
あんまりキラキラさせるより、ちょっと自虐が入ってるぐらいがちょうどいいと思いますよ。「独り言多いっす」「仕事が恋人でした(笑)」とか
自虐は得意なんで、このあと速攻修正します!
無理にかもし出した“慶應感”“キラキラ感”が裏目に出た編集長への評価は?
「は○ちゅうと付き合ってそう」
なんでだよ! これ、炎上しないよね? はあちゅうさん、なんかすみません!
全員のプロフィールを見たうえで鈴木さんが選ぶ「1位」と「最下位」は?
鈴木さんが一番好きなプロフィールと、ダメだと思ったプロフィールを教えてください!
好みでいえば、やっぱり「ズルイ男」が1位ですっ!
「トゥッス!」
ウソだろ?
ヒネリのある感じが余裕があってイイです
俺の“深み”が鈴木さんには伝わっていてうれしい
では最下位は…?
最下位はやっぱり最初の…
「ウワーー!!何がそんなにダメなんですか?」
話聞いてた?
出会いがマジでなさそう。マッチングアプリって出会いがないから始めるものだとは思うんですけど、とはいえまったくモテてないことが伝わる人はアプリでも“気持ち悪い”と思われて、モテないはず
全体的に、僕たち男子はどういうところに気をつけたらいいんですかね?
カッコいいアピールをしたら自虐を入れるとか、そういう客観的なバランス感覚がほしい。「アート臭とフットサルの中間」のバランスを目指してみたらいいんじゃないですかね。ちょっと笑えるところもないと気持ち悪いですね
鈴木さん、マジでありがとうございました!!
そして、いただいたアドバイスをもとに、それぞれがブラッシュアップしたプロフィールがこちら!
「友だちいる感」をプラス!
アート臭のなかに大衆性がチラリ!
「いろいろ通ったけど、一周してここにいます」
仕事自慢の合間に自虐をプラス。慶應っぽくない画像も!
どうでしょうか? グッとモテ度が上がった気がします!
最後に、今回学んだポイントをまとめると…
・友だちがいる感じを出す
・アート臭のなかにもほどよい大衆感を
・クセは消しすぎず、「一周回った感」をチラつかせる
・「ガチでやってない」という余裕をかもし出す
・仕事アピールするときは自虐をプラス
こちらの5点を頭に入れて、自分のプロフィールを修正してみるといいかも。R25男子に素晴らしい出会いがありますように!
〈取材・文=天野俊吉(新R25編集部)/撮影=長谷英史〉
↓鈴木涼美さんの文章が読めるのは…
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