ビジネスパーソンインタビュー
メンタリストDaiGo著『最高のパフォーマンスを実現する超健康法』より
DaiGo が教える「25分で暴飲暴食をチャラにする方法」と「15分で食欲を抑える方法」
新R25編集部
英国発祥のメンタリズムを日本のメディアに初めて紹介し、日本唯一のメンタリストとして注目を集めるDaiGoさん。
『ストレスを操るメンタル強化術』『一瞬でYESを引き出す 心理戦略。』など、日常でもビジネスでも役立つメンタリズムに関する書籍を執筆しており、その多くがベストセラーになっています。
そんなDaiGoさんの新著が『最高のパフォーマンスを実現する超健康法』。
研究論文やあらゆる文献を調べたうえで、DaiGoさん自身が実践している健康法が同書にはまとめられています。
そこで、「我慢できずに食べすぎた」「なんとなくカラダがだるい」といった若手ビジネスパーソンに多い問題の解決法を抜粋。
日々のちょっとしたカラダの悩みについて、学術的観点からアプローチします。
食べすぎ、飲みすぎを繰り返す原因は?
暴飲暴食をした次の日には、「やってしまった! 自分はなんて自制心がないんだ」と嘆いたり、お酒を飲みすぎて二日酔いでしんどいときは「もう二度とあんなに飲まないようにしよう」と誓ったりします。
でも、こういう反省は往々にしてうまくいかないものです。
なぜかというと、人は自分を責めれば責めるほど、そのストレスを発散するために、かえって誘惑に身をまかせるようになるからです。
つまり、食べすぎた、飲みすぎたと後悔しても、そのストレスを発散するために、また食べすぎたり、飲みすぎたりを繰り返してしまうのです。
似た症状に、「どうにでもなれ効果」というものがあります。
たとえば、脂っこいものは食べないようにしていたのに、「少しだけ…」と、つい手を出したとします。
そうすると、「もういいや」という気持ちになり、そのまま食べつづけてしまうという状況が起こるのです。
そもそも、人間が自分の誘惑に打ち勝つ確率は50%しかありません。つまり、コインを投げて、偶然表が出る確率程度にしか、誘惑に勝つことはできないのです。
そのため、自分を責めて、そのストレスから好ましくない行動を繰り返すのではなく、自分を許すことも大事だといえます。
ところで、暴飲暴食をしていると太るというイメージがあると思いますが、2、3日暴飲暴食をしたくらいでは、それほど太りません。
自分を責めて繰り返すことで太っていくのです。
でも、太るよりも危険なことがあります。それは暴飲暴食が「炎症」のもとになることです。炎症が慢性的に起こると、細胞を傷つけ、老化を早めることになります。
私もお酒を飲む機会が多いので、ふだんから運動や食生活に気をつけて、できるだけ炎症を抑えることを意識しています。
また、暴飲暴食によりカロリー過多の状態が起こると、脂肪細胞がダメージを受けます。
脂肪はないほうがいいと思われるかもしれませんが、脂肪細胞は食欲をコントロールするホルモンを分泌しているので大事なものなのです。
暴飲暴食をチャラにする方法
アメリカのミシガン大学の研究によると、1週間の暴飲暴食によるダメージは少しのエクササイズでチャラになることがわかっています。
この研究では、21~26歳の健康な成人を二つのグループに分けて、1週間、いつも食べ
ている量に30%程度プラスした食事を続け、次のような行動をとってもらいました。
*一つのグループは、1週間で最低でも150分程度(まとめてではなく、1日20~25分程度)の散歩や軽いランニング、スクワットなど、マイルドな有酸素運動をしてもらう。
*もう一つのグループは、1週間、食べるだけで何もしない。
実験終了後、全員の糖代謝と体脂肪のサンプルを分析し、炎症のダメージがどの程度起きているかを調べると、次のことがわかりました。
*エクササイズをしながら暴飲暴食をしたグループは、脂肪の炎症がまったく確認できなかったうえ、糖代謝のダメージもゼロだった。
*エクササイズなしで暴飲暴食をしたグループは、体内の脂肪の炎症レベルが上昇した。
つまり、プラス30%のカロリーで暴飲暴食をしたにもかかわらず、1日わずか25分程度のマイルドな運動をするだけで、ダメージを防ぐことができたのです。
また、2012年に行なわれた、810人を対象にした大規模な実験でも、定期的な有酸素運動でメタボの症状が消えたという結果が出ています。
この研究からも、軽い定期的な運動が食べすぎのダメージを防ぐと考えていいのではないでしょうか。
ほかにも、やせている運動不足の人と、太っているけれど継続して運動している人を比較すると、後者のほうが健康的だという研究もあります。
やせているか太っているか、つまり、食べないか食べるかよりも、運動することが大事なのです。
1日少しの時間、軽い運動をするだけで暴飲暴食の悪影響をリセットできますから、食べすぎた、飲みすぎたと自分を責める必要はまったくありません。
食べるのが好きな人、暴飲暴食がどうしてもやめられない人は、朝の通勤時間を利用して、少し早歩きをする習慣を身につけてはいかがでしょうか。
食欲を抑える科学的方法
みなさんは、食欲がとまらなくなることはありますか?
ついついお菓子などを食べすぎてしまう人は、タンパク質の量が足りていないのではないか、という仮説があります。
イギリスのオックスフォード大学のシンプソン博士が2005年に提唱した「プロテインレバレッジの仮説」で、食欲とタンパク質の摂取量は逆相関関係(一方が増加すると他方が減少する)になっているという、とても興味深いものです。
人間はそもそも生きていくために食欲が必要です。人間の食欲はいつとまるのかを考えると、必要な量のタンパク質をとるまで、いくらカロリーをとろうが食欲はなくならないのではないかといわれています。
昔は、脂質や糖質は大変貴重であり、摂取するのが難しかったため、タンパク質を満たすことができれば、それで問題はありませんでした。
でも、現代では、タンパク質がほとんど入っていないジャンキーな食べ物やお菓子があふれています。
そのため、プロテインレバレッジの機能がうまく働かなくなっているのではないかと考えられています。
食欲を増やしてタンパク質をもっととろうとするものの、実際には糖質や脂質ばかりをとることが起きてしまうのです。
プロテインレバレッジについては、さらに研究が進んでいます。2013年に、過去38件のデータから、タンパク質の摂取量と摂取カロリーの相関を調べた文献があります。
この研究では、タンパク質の摂取量が増えれば増えるほど、総摂取カロリーは減る傾向にあることが確認されています。
タンパク質が満たされると食欲が減るということは、無駄に糖質や脂質に手を出す可能性も減ると考えることができます。
また、別の研究(2013年)では、79人の男女に、タンパク質の比率をいろいろと変えた食事をとってもらったところ、高タンパク食のほうが自然と食欲が減って、食べる量を減らしたり、ダイエットするようにと伝えていないにもかかわらず、摂取カロリーが減ってきたりしていました。
これらの研究から、無駄な食欲を減らすためには、タンパク質の摂取量を増やすほうがいいのではないかと考えられたのです。
休日の暴飲暴食をストップ!15分で食欲を抑える方法
ダイエット中だからスナック菓子を食べないとか、健康的なものを食べるという場合、意志力が重要になります。
日常的にポテトチップスやチョコレートを食べている人は、基本的には意志力が崩壊しているのだと思います。
このような人たちはどうすれば意志力を高めることができるのか、食欲を抑えることができるのかについて、オーストリアのインスブルック大学で研究が行なわれました。
この研究によると、「あること」をするだけで、食欲をかなりのレベルで抑えることができると報告されています。
そして、女性の場合は平均で97%、男性の場合は平均で67%の確率で食欲を抑える効果が確認されたのです。
その「あること」とは、15分間、早歩きをすることです。この早歩きを行なうだけで、食欲をかなり抑え、間食を減らすことができたのです。
実際の研究は、日常的にスナック菓子などを食べていて、食べすぎに悩んでいる肥満ぎみの男女47人を集めて実験が行なわれました。
まず、参加者に3日間のお菓子断ちをしてもらいます。それまではお菓子ばかり食べていたわけですから、食欲はかなり高まっていると想像できます。
そして、彼らを二つのグループに分けました。
*15分間、早歩きをしてもらったグループ
*何もせずに座っていてもらったグループ
その後、脳を疲弊させるために若干難しい心理テストを受けてもらい、自制心を発揮しづらい状態にします。
つまり、食欲を極限まで高めて自制心を発揮しづらい状態にして、ジャンクフードの誘惑にさらすわけです。
その結果、早歩きをしたグループは、ジャンクフードの誘惑に勝つ確率が明らかに上がりました。
3日間も好きなお菓子を食べることができず、さらに難しいテストで脳が疲弊している状態にもかかわらず、15分間の早歩きをしたグループは、前述したように、女性で97%、男性で67%もの確率で食欲を抑えることができたのです。
これは、エクササイズをすると気分がよくなり、ストレス性の食べすぎがおさまることが理由ではないかと考えられています。
ですから、適度な運動を行なうだけでも食欲は抑えられるという結果になります。
DaiGoが教える「ダイエット」「筋トレ」を試して効果を実感しよう
ビジネスマンにとってカラダは資本。
ただ、それがわかっていても健康に関する情報はあふれかえっているし、本当に効果を実感できるかわからないものも多いですよね。
そんななか、DaiGoが提唱する健康法は、DaiGoさん自身が実践しているもの。『最高のパフォーマンスを実現する超健康法』のなかには、きっと僕らのカラダでも効果を実感できるものがあるはずです。
〈撮影=巣山サトル〉
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