ビジネスパーソンインタビュー

リモート会議の効率改善できるGoogleの“仮想ホワイトボード”とは

平塚 知真子著『Google式10Xリモート仕事術』より

リモート会議の効率改善できるGoogleの“仮想ホワイトボード”とは

新R25編集部

2021/06/25

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多くのビジネスパーソンは、毎日Googleのサービスを使っているでしょう。

Gmailはもちろんスプレッドシートやドキュメント、スライドなど、ビジネスを進める基礎ツールとして活用しています。

しかし、これらのGoogleのサービスをすべて使いこなせているか?と聞かれて、自信を持って回答できる方は少ないはず。

実はGoogleにはこれらのサービス以外にも、会議を円滑にすすめるためのツールや、タスク管理にうってつけなメモツールもあります。

そんなGoogleのツールを使いこなすための指南書となるのが、昨年11月に発売してから現在第4刷まで決定している『Google式10Xリモート仕事術』です。

Google認定パートナーの平塚知真子さんは、同書のなかで「ツールを使いこなせば、リモートワークでも劇的に生産性が向上する」と語っています。

今回は同書より、Googleサービスを使いこなすためのノウハウを複数記事でご紹介します。

リモート会議は、かゆいところに手が届かない!?

多くのビジネスパーソンが、モニターごしのコミュニケーションを強いられながら、リモート環境でも以前と同じ生産性を求められています。

その中で最も悩ましいのが「リモート会議」。

私のまわりでも、対面よりリモート会議のほうが疲れるという人が多いです。

では、リモート弱者の最大の悩みとは何でしょう。

ひと言で言えば、かゆいところに手が届かない歯がゆさだと思います。

(対面しないので)「意見がまとまりにくい」(移動がないので)「会議の回数だけは増えたけれど、内容が充実しない

もしマネジャーとして部下をサポートし、チーム全体で目標達成に導きたいなら、そろそろリモート弱者を卒業しましょう。

強力なのに存在を知られてない「Jamboard(ジャムボード)」

会議の肝心要の「〇〇」とは何でしょうか。

「収束」です。

明日の一歩をどう踏み出すのかが決まらないと、会議の意味がありません。

しかし、現状では、メリットもデメリットも、意見も感想も空中戦

チャット上の発言も文字の羅列でどんどん流れていくので、会議を収束させるのは至難の業。

どうやって会議を収束していけばいいのでしょうか。

これが、リモート会議の最大のアキレス腱といえるでしょう。

出された意見、ひらめいたアイデアを実行に移し、成果を出すには取捨選択が必須。

そんなときのお役立ちツールが、ポスト・イットⓇ、つまり付せんです。

付せんなら、貼ったりはがしたりと、場所を自由自在に変更できます。

優先順位を決めるときなども、位置を移動させることで、思考が集中していきます。

対面会議では、一堂が会する会議室のホワイトボードを使って、付せんによる整理法でうまく収束できました。

しかし、リモート会議では非常に難しい状況です。

こんな状況では、目には見えない情報整理の達人・リモート強者でも、もしやお手上げ?

いえいえ、ご安心ください。

Googleには、デジタルホワイトボードツールがあるのをご存じでしょうか。

敏腕経営コンサルタントも絶賛!サクサク動くJamboardを紹介しましょう。

リモート会議の最難関「合意形成」もラクラク

Jamboardは、共同作業に最適なデジタルホワイトボードです。

リモートからでも、リアルタイムでカンタンにアイデアを形にして共有できます。

Jamboardの「Jam」とは、ジャム・セッションなどで使われる「即興的」という意味。

そしてJamboardでは、ファイルのことを「Jam」と呼び、1枚1枚のページに相当するものを「フレーム」と呼んでいます。

一つのJamにつき最大20フレームを作成できます。

Jamは「共同編集者」を指定でき、一つのJam上で最大25人が同時に作業できます。

従来は、会議前に紙の付せんを各色準備する必要があり、終了後は付せんを捨てていました。

「時間切れ、続きは次回」というときも、付せんをそのままにしておくわけにはいきません。

一つでも付せんがなくならないように気を遣いました。

一方、Jamboardは動作が軽く、スマホでも低スペックなノートパソコンでも、サクサク動きます

離れた場所でも同じホワイトボードを見ることができます。

また、Jamは保存できるため、会議が中断したとしても、すぐに再開でき、アイデアが途切れることはありません。

PDFや画像としても保存できるので、共有や管理のストレスがゼロです。

ホワイトボードの写真を撮って、後から送り合うようなことも不要になります。

あなたの[ランチャー]にも、Jamboardのアイコンが隠れていませんか?ぜひ、開いてみてください。

【図1】のとおり、画面左にタテに表示されているアイコンから、ペン、消しゴム、付せん、画像、ポインタなどが使えます。

付せんは正方形のみ、4種6色という制約があるからこそ、デザインの詳細にとらわれず、参加者の意識がコンテンツに集中します。

Jamboardのシンプルさ、軽量さのおかげで、ブレストやまとめの「作業に集中」できるのです。

【図1】Jamboardの基本操作

また、Jamboardの付せんは、後からでも色を変えられるので、最終的に意見やアイデアをグルーピングするときにも、きれいに表示できます。

リモートでも同じ景色を見ているからみんな納得

さて、会議の場面に戻りましょう。

Jamboardを立ち上げ、画面共有したら、こんなふうに声をかけて始めます。

チャットで出された意見の中から、対策が必要なことやお悩みだけを拾い上げていきます

まず、参加者の目の前で、チャットに出された意見を絞り込み、Jamboardの四角い付せんに短い言葉で改めて「見える化」していきましょう。

こうすれば、リモートでも画面共有されたJamboardに参加者全員の意識を集中させることができます。

【図2】のように、カメラでホワイトボードを映すよりも断然見やすいです。

【図2】Jamboardに意見を付せんで書き出す(順不同で見える化)

この状態で、会議で出された意見をもう一度、全員で振り返ることができます。

このように、あえて同じ色の付せんでどんどん書き出します。

この後、収束のテクニック、「分けて、捨てる」を実践していきましょう。

①2分法と②マトリクスの2つの技法で「収束」をアシストしていきます。

①2分法

真ん中に、ペンを使ってタテに一本線を引きます【図3】。

【図3】2つに分けて、付せんをドラッグで移動する(分けて、捨てる)

このとき、「付せん」の存在は気にしなくてOK。

付せんを移動させるとわかりますが、付せんの上に線を引いても、色はつきません。

これで画面が2つに分かれました。

ここで、たとえば、左側を「お金も時間もかからないこと」、右側を「お金も時間もかかること」に分けます。

そして、参加者の目の前で付せんを「これは、右」と「これは、左」とマウスの「左ボタン」を押したまま、マウスポインタを目的の場所まで移動させ(ドラッグ)、移動できたら「左ボタン」を離す(ドロップ)という操作で、分類していきます。

目の前にある付せんが動き、分類されていく様子は、視覚で確認できるので、わかりやすく楽しいものです。

2つに分けただけなのに、分けた瞬間に参加者の頭の中が整理され、一つ上のレベルで優先順位が見える化されるのが、Jamboardのすごいところです。

賛成と反対、理想と現実(現状)、メリットとデメリットなど、対立軸を明らかにし、議論の中で出てきた意見を付せんにして、フレームの中を移動させます。

付せんの色は、クリックでカンタンに変えられますし、色に意味を持たせ、さらに絞り込んで分類することもできます。

その意見がどちらに入るのかわからない場合は、あえて参加メンバーに問いかけましょう。

メンバーを巻き込むこのひと手間も、議論の収束をカンタンにするコツの一つです。

②マトリクス

テーマによっては、単純に意見を2分できないものもあります。

そこで有効になってくるのが、マトリクスです。

マトリクスは、次のようにタテ軸とヨコ軸に矢線を引きます【図4】。

【図4】マトリクスは2軸で分類する

比較検討の目的に応じて重要となる要因を考え、参加者にも伝えます。

ここでは、タテ軸を「重要度」、ヨコ軸を「緊急度」にしてみました。

付せんを移動しながら配置していくときには、どちらかの軸の度合が明らかに大きい/小さいものから順に取り上げていくとやりやすいです。

これまでの会議でもやっていた「分けて絞る体験」が、クラウドを使うとまったく新しい体験として生まれ変わることに、参加者たちも新鮮な驚きを感じるはずです。

ここまでにどんな意見が出たか。

そしてそれらの意見に対し、結論はどうなったか。

会議で堂々巡りをしないためにも、参加者に確認を取りながら、視覚的に情報を共有し、スマートに収束させていきましょう。

Googleで効率化

誰もが一度はGoogleを使ったことがあると思います。

ですが、今回紹介した方法の中でも、“便利なのに知らなかった知識”があったのではないでしょうか。

同書では、そんな誰もが知らないGoogleの底知れぬ実用法がたくさん紹介されています。

IT化が進む今だからこそ、ぜひ同書を手にとってGoogleをフル活用してみてはいかがでしょうか。

あなたの生活にイノベーションが起こるはずです。

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