けんすうさんが実践してきた「なんかズルい」テク
「早稲田とリクルートに入ったのは…」“錯覚資産の使い手”けんすうが教える「デキる人に見せるテク」
新R25編集部
「新R25ワイドショー」がリリースされました。
「ビジネスパーソンの知見が集まるスマホ版ワイドショー」をコンセプトにしたサービスで、構想から約1年近くかけて開発を進めてきたもの。
編集部が毎日1~2個更新するこだわりの「テーマ」に対して、会員登録したユーザーが自由に自分の知見を回答することができます。
新R25では、そんな「ワイドショー」のテーマを著名なビジネスパーソンの方にぶつけ、深掘りインタビューさせていただく企画をスタート…!
本日登場するのは、起業家のけんすうさんです!
【けんすう】起業家。1981年生まれ。19才で学生コミュニティ「ミルクカフェ」を立ち上げる。2009年にリクルートを退職し、nanapi代表取締役に就任。2018年にアル株式会社を設立し、マンガコミュニティ「アル」やクリエイターの作業中のライブ配信サービス「00:00 Studio」を展開している
かわいいイラストのSNSアイコンで誰も傷つけない発信をしつつも、さまざまなサービスや世の中の風潮に対して本質的な一言をグサリと放ったりする…
勝手ながら“錯覚資産”を非常にうまく使っている印象がある方です。
そんなけんすうさんに、直接深掘りしたいお題、そしてその回答はこちら…
けんすうさん
・「クオリティ」よりも「スピード」
・キャリアは「辞めるとき」を逆算して選ぶ
・見た目をコントロールして「得する序列」に入る
若手の仕事の仕方から、“キャリアの選び方”まで、けんすうさんが実践してきたという「ちょっとズルい」テクニックを教えてくれました。
〈聞き手=天野俊吉(新R25副編集長)〉
っぽく見せるテク① 「スピードを偽装して、平均値を超える」
天野
けんすうさんにききたいテーマは、「仕事がデキる人に見せるテクニック」です。
けんすうさん
はあはあ、なるほど!
そもそも「仕事がデキるように見せる」とは何かをひもとくと…、基本的には「期待値を超える」ことです。
たとえば孫正義さんが投資で1億稼いだとしても「仕事デキるな」って思わないじゃないですか。それぐらいは普通だと思われてるから。というわけで、期待値を超えると仕事がデキるように見える、というのが前提です。
天野
はい。
けんすうさん
で、期待値とは何か?という話なんですが、知っている人の場合は、「自分の仕事の平均値」が基準となります。そして、知らない人の場合は「一般的な人の仕事の平均値」が基準となる。
テクをロジカルに分解していくけんすうさん
けんすうさん
そして第一印象はなかなかくつがえらないということを考えると…
結論は、「初手で、スピード」で、一般的なビジネスパーソンの期待値を上回る。
…が一番いいと思います。
天野
クオリティじゃなくスピードで超えるんですか?
けんすうさん
なぜなら、「クオリティは超えづらい」からです。
期待値を超える方法って「クオリティ」か「スピード」のどちらかですが、たとえば『新R25』の記事みたいなクオリティを求められる仕事だと、めちゃくちゃバズらないと「クオリティ高いな」って評価されないじゃないですか。
さらに、どれぐらいのものを作ればいいのかもわかりにくい。
天野
ほう…ありがとうございます…
けんすうさん
それに比べると、スピードは超えやすいし、基準が明確。平均で3日かかるものを1日で出せれば、基準を超えられるので。
だから、「そこまでクオリティが求められない仕事を見つけて、トップスピードを出す」っていうのをやるといいんじゃないですかね?
天野
なるほど…。でも、スピーディーに仕事をするっていうのも向き不向きありますよね…?
誰でも手早く仕事ができる方法があるんですか?
けんすうさん
ありますね。
『HERO』のあの人みたいになんでも答えを出してくれる
けんすうさん
たとえば打ち合わせのときに、自ら「資料まとめておきますね」「メンバーの予定を調整しますね」みたいな仕事を発生させて、それを自分のタスクにしちゃうんです。
僕もリクルートに新卒で入ったころは、書きやすい議事録のフォーマットを事前につくっておいて、上司が席に戻るまでに送りつけて、「けんすうは仕事が早いな!」って言われてましたよ。
そんなテクニックで信頼を勝ち得てきたんですね…
けんすうさん
もっと言えば、打ち合わせ前からアウトプットを用意しておけばいいんです。
天野
そんなことできますか?
けんすうさん
「どうせこれ作れって言われるだろうな」っていう資料を事前に作っておくんです。
で、打ち合わせ中にさも“タスクに気づいた”みたいな感じで「あっ、これは資料が必要ですよね! まとめてすぐ送りますね」って誘導する。
そして会議が終わった3分後とかに出すだけで「仕事早い認定」される。どうでしょうか?
こんな新卒入ってきたらめっちゃ怖い
天野
なんかズルいような…
けんすうさん
でも、これちゃんといいこともあるんですよ。
「発生する仕事を予測する」「打ち合わせに準備ナシで臨まない」といったクセがつくので、結果的に普通に仕事がデキる人の所作になるんです。
たしかにそうか…皆さんも「あれっ、これ資料必要ですね」戦法、使ってみてください
っぽく見せるテク②「キャリアは、“辞めても得なほう”を選ぶ」
けんすうさん
中長期的な“印象”のテクニックでいうと、僕はキャリアを「最悪でもブランディングに使えるか」の観点で逆算して選んでて。
リクルートに入社したのも、「3年ぐらいで辞めちゃっても、ブランディングとして悪くないな」っていう…
天野
そんな理由で…!?
けんすうさん
だって、もし三井住友銀行を3年で辞めたら、同じことしてるはずなのに「合わなかったのかな…」とか思われちゃうじゃないですか。
リクルートなら、すぐ辞めても「そういう系の人ね!」で許される。絶対得ですよね。
大学もそうです。「早稲田は中退したほうが一流」って話があるんです。
天野
村上春樹とか。(※調べたら、7年間で卒業されていました)
けんすうさん
そうそう、タモリとか。早稲田は「中退一流、留年二流、卒業三流」みたいな言葉があって。
僕も「中退する可能性あるな…」って思ってたけど、「最悪、それでもポジティブに働くな」っていう感覚で選びました。
いやらしい話、「どの大学」「どの企業」を出てるかで、その人のイメージってついちゃうじゃないですか。
天野
「中退してもブランディングになる」って考えて志望校選ぶ高校生、怖すぎる。
でもたしかに、転職するときに「○○から××に渡り歩いた人」っていうイメージがつくれるっていう考えはアリかもしれないですね…
っぽく見せるテク③「見た目は、“加わりたい序列”から考える」
天野
ちなみに、「デキそう」といえば“見た目”についても何かありますか?
けんすうさん
めちゃくちゃ恥ずかしい話なんですけど…
今クリエイター向けのサービス(「アル」)をやっているので、クリエイターっぽい服を着るようにしてます。
ただ、僕は服にくわしくないので…ZOZOに5000円くらいでコーディネートしてくれるサービスがあるから、「クリエイターっぽい服を選んでください」ってお願いしてて…
たしかに、以前より髪型がクリエイティブで素敵なけんすうさん
天野
それは、どういう意図があるんでしょうか?
けんすうさん
服装って、「どういう序列に加わりたいか」で選ぶといいと思ってるんです。
たとえば、スーツを着てればなんとなく仕事がデキそう…っていう感覚はあると思うんですが、それは「スーツを着た、ちゃんとしたビジネスパーソン」という序列に加わるということ。
それが自分にとって得かどうか考えるべきですよね。
クリエイター向けのサービスやってる人がパキッとスーツ着てたら、「お金のためにクリエイターを搾取してそう」みたいに見えません…?
まあ…そうかも
けんすうさん
逆に、グリーの田中良和社長っていつもスーツなんですけど、それは「若いIT社長」という序列の外に出るために、ナメられない格好をしてるらしいんです。
サイバーエージェントの藤田(晋)さんも20代のころはずっとスーツ着てたんですけど、最近はあえてTシャツ着たりラフな格好してる。それもきっと“どういう序列にいたいか”っていう意図があるんですよね。
天野
なるほど。
けんすうさん
これは自分がどう思われるかだけの話に思えるかもしれないんですが、「相手がどういう感情になるかまで考えて服や見た目をコントロールしたほうが、相手にとっても接しやすい」というのがあります。相手目線で考えたときには、ちゃんと印象を考えたほうがいいかなと。
会社員の皆さんも、何を着ててどう見られたいか、ってことを考えてみるといいかもしれないですね。
Q&Aサービスを運営してきた観点から、「新R25ワイドショー」のお題を考えてもらった
天野
ちなみに、けんすうさんが「いろんなビジネスパーソンにこれを聞いてみたい!」っていう“テーマ”があったら教えてほしいんですが…
けんすうさん
え~、なんでしょうね?
なんだろう…
天野
なんでもいいですよ。
けんすうさん
あんま思い浮かばないですね。ごめんなさい、ないです。
天野
ないのか~…!!
けんすうさんぐらいになると、知見がほしいっていう感覚はもうないんですか?
けんすうさん
いや、あるんですけど…。まわりにすごいプロフェッショナルの方がいたりするので、直接ヒアリングしちゃうんですよ。
だから、Q&Aサービスとして“問い”を集めたいなら、「人脈はないけどギラギラしてる2年目社員」みたいな、ちょっとバカっぽい若者とかにきくといいと思いますよ。サイバーエージェントとかにいる…
何か言いましたか?
けんすうさん
僕もかなりQ&Aサービスを運営してきたんですけど、この類のサービスには「パケット型」と「グルーミング型」の2つがあって。
「パケット型」は質問に対して必要な情報が返ってくるサービス。一方で「グルーミング」は“毛づくろい”っていう意味で、コミュニケーションによる「癒やし」を目的としたもの。
以前運営していた「アンサー」っていうサービスでは、「グルーミング」だけに振り切って運営して、けっこう利用者が増えたんですよね。
悩みって、話を聞いてもらうだけでも癒やされるじゃないですか?そういう場を提供できたのがよかったのかなと思ってます。
天野
新R25ワイドショーも、知見が集まりつつも、ちょっとした癒やしが生まれるような場所にしたいですね…
今日はありがとうございました!
「すごくポジティブなので、人生常に楽しいし幸せだけど…基本は自己肯定感低いし、自分がデキる人だなとは、そこまで思わないです」
とけんすうさん。
自己肯定感の低さがあるからこそ、自分を俯瞰して分析でき、イメージをコントロールすることに長けているのかもしれません。
・「クオリティ」よりも「スピード」で“仕事デキる認定”される
・キャリアは「最悪でも…」から逆算して選ぶ
・見た目をコントロールして「得する序列」に入る
やってみると「仕事がデキる人」に見える、けんすうさん流テクニック…。
バレない範囲で、今日から取り入れてみてください!
〈取材・文・編集=天野俊吉(@amanop)/構成・文=山田三奈(@l_okbj)/サムネイル写真撮影=長谷英史(@hasehidephoto)〉
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