ビジネスパーソンインタビュー
ファクタリングって…怪しくないんですか?
資金調達手法のサードドア。事業の成長を加速させる“ブリッジファイナンスとしてのファクタリング”活用術
新R25編集部
会社の創業や個人事業主になった人がぶち当たる壁の一つ「足元の資金不足」。
「売り上げはあるが手元に資金がない」「急な受注増加での運転資金不足」「新しい案件に挑戦したいが、融資に頼れない」「融資は入金までに時間がかかる」など、さまざまな悩みを抱える経営者や個人事業主の方におすすめなのが、即日・オンライン完結で資金調達を行うことができる「ファクタリング」という手段。
ただ…「ファクタリング」と聞くと「なんだか怪しく感じる」「そもそも仕組みをよくわかっていない」という人もいるのではないでしょうか?
そこで今回は、即日・最安、オンライン完結のAIファクタリング「PAYTODAY」事業責任者・取締役の田中さんにファクタリングの実態と使いこなすためのポイントに聞いてみました。
〈聞き手=宮内麻希(新R25編集部)〉
そもそも「ファクタリング」ってどんな仕組みなの?
宮内
「ファクタリング」という言葉は聞いたことがあるのですが、正直詳細までは理解しきれていません…。
田中さん
言葉がなんだか難しく聞こえますよね(笑)。
ファクタリングとは、売掛債権(お金を受け取る権利)をファクタリング会社に売却する事で早期に請求書を現金化するサービスです。
ファクタリングという言葉がわかりづらいこともあり、「請求書買い取り」や「先払いサービス」という言葉でお客さまに訴求することもあります。
田中さん
ファクタリングを活用すると3日以内での資金調達が可能になるので、「売上増加に繋がるチャンスがあるにも関わらず、資金不足で着手できない」という場面や「予期せぬトラブルで一時的に資金繰りが必要」などの場面において非常に有効な資金調達方法の1つなんですよ。
宮内
すぐに資金調達できる点がメリットなんですね。
ただなんとなく、ファクタリングと聞くと怪しいイメージがあるのですが…
田中さん
それは「融資と比較して手数料が割高」「悪徳業者も一定数存在する」などで変なイメージがついているのかもしれません。
特に手数料に関してはそもそもファクタリングという仕組みを融資と混同されている方も多く、よく誤解されてしまいます。
たしかに融資に比べると手数料は割高ですが、資金調達にかかる期間は融資が1カ月〜3カ月であるのに対し、ファクタリングは即日~数日。
この期間の短縮にどれだけ価値があるフェーズであるのかがファクタリングを利用する上でのポイントでもあります。
田中さん
悪徳業者については、多くの場合ファクタリングを装った闇金業者です。
有名なところだと「個人の給与債権」を担保にお金を融資する「給与ファクタリング」があります。これは融資にあたるので、貸金業登録をしていないファクタリング会社が行うと違法となってしまいますね。
ファクタリング業界はまだまだ新しいこともあり、業界法が存在せず回収方法の規定がなく、貸金業登録は義務化されていません。
ですが弊社では、コンプライアンスを厳守するためにあえて貸金業登録を取得し、安心感・透明感のあるサービスを心がけています。
宮内
まだ新しい市場だからこそ活用する側も不安に感じる部分はあるのかもしれませんね。
田中さん
そうですね。
ただ昨今は国も民法改正を行ってファクタリングを後押ししていることもあり、現在市場が伸びている分野の1つでもあるんですよ。
「PAYTODAY」が推奨する“ブリッジファイナンス”としてのファクタリング
宮内
資金調達手段でいうと、真っ先に思い浮かぶのは「融資」ですが、ファクタリングとの違いをお伺いしたいです。
田中さん
まず、ファクタリングは手数料の利率が融資と比べて高いです。
なので私たちも融資を受けられる会社は融資(デットファイナンス)の活用をオススメしているんですよ。
ただ、融資は1カ月〜3カ月の期間が必要なほか、貸借対照表(BS)がしっかりしてないとなかなか受けられず、創業初期の会社やスタートアップとの相性はよくないというデメリットもあります。
宮内
なるほど。そこでファクタリングが活躍するんですね。
田中さん
はい。
ただし「PAYTODAY」で推奨しているのは、あくまで売上を上げるための「一定期間の前向きな資金調達」。「ブリッジファイナンスとしてのファクタリング」です。
田中さん
ブリッジファイナンスとは「ある一定の限られた期間の資金調達」の事を指します。
将来的なキャッシュインフロー(増資やシニアローン)は見込めるが、足元では資金が不足している企業や個人事業主が、将来のインフローまでの期間をつなぐための資金調達です。
ファクタリングは融資と比較して手数料が高めではありますが、そのかわりに短期間(即日~)で資金調達できるというのが大きなポイント。
この特性を活かして、広告や新規事業への投資など「売上増加に繋がるチャンスがあるのに手持ち資金不足で着手できない」という場合に活用すると非常に有効な手段になります。
宮内
すでにブリッジファイナンスとして「PAYTODAY」を活用して成功された方もいるんでしょうか?
田中さん
わかりやすい事例が2つあります。
1つ目が人材派遣・コンサルティング業を行う企業様の例。春先に売上が上がっていくのが見えていた状態で、仕込み(営業を外注、システム化、広告)のためにファクタリングを活用されました。
結果として売り上げは前年と比較して倍になっています。
【お客様の声】人材派遣業の事業拡大の為のファクタリング活用術
融資とファクタリングの2種類の資金調達を上手に使い分け、売上増加に伴う運転資金の増加/広告費の投下のための資金をファクタリングで調達された人
田中さん
2つ目の例が、ベンチャーキャピタルからの資金調達完了までの約2カ月をファクタリングで補うという活用方法をされたSaaS事業会社様。
ベンチャーキャピタルからの資金調達は、一般的に約3カ月でクローズできるのですが、クローズまでに時間を要したため、資金調達までのつなぎ資金としてファクタリングを利用されました。
田中さん
売上を20分割(月50万円)で受け取るSaaSのビジネスモデルのため、キャッシュフローの積み上げに時間がかかり、初期に赤字が続きます。そのため、PL/BSを重視する銀行融資では資金調達が困難だったそうです。
その点ファクタリングは「売掛債権があるかないか」で判断するので、今回のような繋ぎの資金調達として適しており、うまく活用いただけました。
「PAYTODAY」の立ち上げ背景とビジョン
宮内
ファクタリング=ポジティブな手段というイメージがあまりなかったので意外でした。
ファクタリングサービスの中でも「PAYTODAY」ならではの強みはどんな点にあるんでしょうか?
田中さん
AIによる審査を導入したことで「即日に拘る最短30分の入金スピード」「オンラインで全てのやり取りが完結」「手数料上限も業界最安(※)の9.5%」を実現した点です。
※2社間ファクタリングの手数料の一般的相場は10~25%
田中さん
前向きな資金調達を応援しているからこそ、マーケットが大きく育ってほしいという意味も込めてファクタリングを実施する際のハードルを低くすることを意識しています。
実はここまでハードルを下げることにこだわっているのは、ファクタリング事業を始めたころの衝撃がきっかけなんです。
宮内
“衝撃”ですか?
田中さん
もともと、弊社では個人事業主の資金調達の選択肢を増やしたいという想いでファクタリング事業をスタートさせました。
ところがサービスを運営するなかで、そもそも中小企業やスタートアップ経営者からの“ファクタリング”という手段の認知度がとても低いことを痛感したんです。
私たちはファクタリングを売掛債権の流動化と捉えていたのですが、この流動化という言葉すらもなじみがありませんでした。
宮内
まだまだ成熟していない市場だったんですね。
田中さん
今も“ファクタリング”という手段を知らずに売り上げを増加させる機会を損失している企業も多くあるかもしれないと思うんです。
だからこそ、“ブリッジファイナンスとしてのファクタリング”を啓蒙していくこと、そして誰もが使いやすいよう手数料や審査などさまざまな面でサービスをアップデートしていくことを両軸で行っていきたいと考えています。
田中さん
今年の4月には、将来の売上の一部を先に現金化するRBF(レベニューベースドファイナンス)サービス「RBF by PAYTODAY」もローンチしました。
田中さん
デッドやエクイティだけではなく、ファクタリングやレベニューベースドファイナンス(RBF)といった資金調達もあるということを広め、あらゆる手法を通じて経営者の資金調達の選択肢を増やすサポートをしていきたいです。
まだまだ知られていない“ファクタリング”という資金調達手段。
手法自体がもっと広まり、利用のハードルが下がることで会社規模や実績にとらわれず“攻めた”挑戦ができる企業が増えるかも。
そうして日本初のすばらしい商品やサービス、事業が生まれてスタートアップ市場が盛り上がっていく未来のために「PAYTODAY」の今後のサービス展開にも目が離せません。
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