ビジネスパーソンインタビュー

緊張、ストレス、疲れ…精神科医が教える実は私たちに“味方”なマイナス要素

樺沢 紫苑著『行動最適化大全』より

緊張、ストレス、疲れ…精神科医が教える実は私たちに“味方”なマイナス要素

新R25編集部

2021/07/10

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しっかり休憩を取っているのに疲れが取れない

工夫しているのに集中力が続かない

毎日の仕事を効率よくしたいのに、なかなか思うようにいかない人がほとんどなのではないでしょうか。

もしかしたら、あなたのアプローチが合っていないのかもしれません。

日々を最適化することによって、あなたの仕事や人生は、もっと楽に、もっと楽しくなる」と精神科医でSNSでも信頼を集めている樺沢紫苑さんは言います。

私たちが取るべき最適な行動とは一体…。

著書『行動最適化大全』より、脳科学・心理学の観点から意外と知らない体事情をお届けします。

①緊張は私たちの味方

多くの人は、「緊張するとパフォーマンスが下がる」と思っていますが、それは脳科学的に間違いです。

適度な緊張によって、集中力を高め、脳を研ぎ澄ます脳内物質、ノルアドレナリンが分泌されるので実は私たちのパフォーマンスを高めるのです。

つまり、緊張は私たちの「敵」ではなく「味方」なのです。

だから「緊張してきた」=「パフォーマンスが高まってきた」ということで、喜びましょう。

そこで、「緊張してきた」場合は、「ワクワクする!」「ワクワクしてきた!」と言ってください。

言語情報は、緊張の発生源である「扁桃体(へんとうたい)」を鎮静します。

この時、絶対に「緊張してきた」と言ってはいけません。

ある研究によると、カラオケの前に「ワクワクする!」と言うと得点が15%上がり、「緊張する」と言うと得点が5%下がりました。

つまり、言葉を換えるだけで、パフォーマンスは20%も変わるのです。

「緊張してきた」と言うほど、自らの緊張に注目してしまい、余計に緊張を高めるのです

おまじない的な言葉は、実際に効果があるのです。

緊張したら、「ワクワクする!」を口ぐせにしてください。

②ストレスは健康に悪くない

ストレスは健康に悪くないというと驚く人も多いでしょう。

「ストレスは健康に悪い」というのは、社会の常識のように思いますが、アメリカのスタンフォード大学の最新の研究では、ストレスが健康に悪いという思い込みが強い人ほどストレスの影響を受けやすく、「考え方」でストレスホルモンの分泌が変わるということがわかっています。

ストレスは、仕事や人生において必ず生じるものです。

多少のストレスがあっても、心配することはありません。

これを理解するだけで、ストレスの影響はかなり減らせます。

重要なのはストレスの大、小ではなく、夜間にストレスがかかっているかどうかです。

日中、ブラック企業のようなところで働いていたとしても、帰宅してから、仕事のことは忘れて、のんびりとリラックスして過ごす。

そうすると深い睡眠に入れるので、ストレスの大部分と身体的な疲労は解消されます。

しかしながら、多くの人は「会社での失敗」を引きずり、不安や心配事を抱えながら、緊張した状態で眠りにつきます。

すると交感神経(昼の神経)が優位になり、睡眠も深まらず、身体の疲れがとれません。

このように、夜間にストレスがかかることが最も健康に悪いのです。

昼はバリバリ働き、帰宅してからリラックスして過ごし、グッスリと眠る

これが「ストレス」の最適化の基本です。

③疲れがアイディアを作る

アイデアが出やすい場所というのがあります。

それは、「創造性の4B」といわれるBathroom(入浴中、トイレ)、Bus(バス、移動中)、Bed(寝ているとき、寝る前、起きたとき)、Bar(お酒を飲んでいるとき)の4つです。

この4つの場所での共通点は、「何もしていない」「リラックスしている」ということ。

つまり、必死にアイデアを絞り出そうとするのではなく、ボーッとしているときに、意外とよい発想は生まれるということです。

アメリカのアルビオン大学の研究では、疲れているときの方が創造力のエネルギーが20%増えているという結果が出ました。

アーティストやテレビ業界の人は、夜中にアイデアが出やすいといいますが、それも疲れているときだと思います。

疲れると脳の「論理的縛り」が外れ、「常識」や「こうあるべきだ」から外れた、奔放で自由なアイデアが生まれやすくなるのです。

また、「発想力」「創造性」の源となる脳内物質アセチルコリンは、昼よりも夜に活発化します。

だから昼に会議室でアイデア出しをしても、ちっともよいアイデアが出ないのは当然なのです。

④疲れたときに運動は効果的

疲れているときに運動すると身体によいのです。

というと、「そんなバカな」と思う人も多いでしょう。

しかし、最近は「積極的休養」(アクティブレスト)が注目されています。

疲労した状態で、積極的休養群(運動)と消極的休養群(横たわる)の血中乳酸量を調べたところ、積極的休養群の方が、疲労回復のスピードが2倍も速くなったという研究結果があります。

運動するとなぜ疲労が回復するのでしょうか。

その答えは以下の5つです。

1.成長ホルモンが分泌される

2.睡眠が深まる

3.血流が改善し疲労物質が押し流される

4.ドーパミン、セロトニンが整い精神的疲労が回復する

5.コルチゾールが低下しストレスが発散される

行動最適化大全

このような機序で、脳と身体の疲労回復が進むのです。

サラリーマンの場合、デスクワークによる疲労は、肩まわり、首まわりの筋肉の局所的な疲れです。

しっかりと全身の筋肉を使った有酸素運動をすることで、成長ホルモンが分泌されたり、血流改善効果が得られたりと、局所の疲労が回復します。

アスリートは、毎日ハードなトレーニングをしますが、翌日に疲れを残しません。

なぜならば、たっぷりと成長ホルモンが分泌されるので、バッチリ疲労回復をするためです。

運動強度としては、やや強度の高い(中強度)有酸素運動を30~45分

筋トレと組み合わせると、さらに成長ホルモンが分泌されます。

ほどよい疲れと、気持ちの良い汗が流れるくらいの運動がいいでしょう。

仕事帰りにジムに寄って汗を流す。

そこには、運動による気分転換、運動不足解消、ダイエット効果だけではなく、「疲労回復」という極めて重要な効果が隠されていたのです。

ただし、寝る前2時間以内に運動すると、交感神経を優位にするのでよくありません。

パフォーマンスが上がる行動がわかる

本書は、人生をもっと改善し、うまく進めたいのに「どうしたらいいかわからない」人たちに対する、「行動指針」であり「答え」でもあります。

行動最適化大全

と樺沢さんが語っている通り、同書には日常生活の悩みが解決するノウハウが分かりやすく紹介されています。

何かストレスを感じた時うまくいかないと悩んでいる時に、ぜひ手にとって欲しい一冊です。

同書から、とりあえずできそうな行動を実践してみてはいかがでしょうか?

最大限のパフォーマンスを発揮できるようになるはずです。

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