ビジネスパーソンインタビュー

【診断テストあり】凡人が天才に勝つための「クリティカル・シンキング」の磨き方

メンタリストDaiGo著『悩む力』より

【診断テストあり】凡人が天才に勝つための「クリティカル・シンキング」の磨き方

新R25編集部

2021/04/27

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仕事は決断の連続です。

リーダーが決断をすることで、初めてチームや組織が前に進みます。

そんな重要な意思決定ですが、「これが正解だ」と、自信を持って答えを出すことは難しいですよね…。

メンタリストDaiGoさんは、質の高い情報を自ら選び抜かねばならない現代において、思考力を高めるトレーニングや「悩む力」をつける習慣が大切だと言います。

今回は、DaiGoさんが「もっとも重要視している」と語る究極の思考法を紹介する著書『悩む力ー天才にすら勝てる考え方「クリティカル・シンキング」』から、「悩んだときに合理的に考える方法」を抜粋してご紹介。

最新のエビデンスから導かれた、「自分の選択が正しかった」と思える思考法を身につけませんか?

生まれつきの天才を“後天的なトレーニング”で出し抜く方法は一つだけ

私たちの知性は遺伝の影響が大きく、成年期のIQは90%が生まれつきの問題に左右されると考えられています。

生まれつきIQが高い天才に、後天的なトレーニングで勝つのはかなり難しいわけです

かつてプリンストン大学が、音楽、ゲーム、勉強といった分野から過去の研究データを集め、「練習にはどれぐらい意味があるのか?」というテーマで大規模なメタ分析をおこないました。

メタ分析は過去のデータをまとめて大きな結論を出す手法で、そこで得られた結果はおのずと信頼性が高くなります。

その結果わかったのは、「練習が能力に与える影響は思ったよりも小さい」という事実でした。

もちろん、これは「練習は無意味」といった意味ではなく、「個人が持つスキルの差は練習では説明できない」ことを示した結論なので誤解しないでください。

というと、なんだか絶望的な気もしてきますが、生まれつき知性(IQ)が高い人を、後天的なトレーニングで出し抜く方法がひとつだけ見つかっているのをご存じでしょうか?

じつは、それが「クリティカル・シンキング」なのです。

凡人が天才に勝てる唯一のスキル「クリティカル・シンキング」

クリティカル・シンキングとは、直訳すると「批判的思考」となり、正しい証拠をもとに合理的な結論を導き出すスキルを意味します。

「批判的思考」は、大きく2つの考え方で成り立っています。

(1)目の前の問題に関する証拠と論理の流れを正しく把握し、そこに関わる人たちの感情も適切に解釈する

(2)自分が考える論理や証拠の集め方に偏りがないかを確かめる

悩む力

相手の感情を思いやり、自分の知識について謙虚な態度を保つことまでがふくまれます。

クリティカル・シンキングによって、生まれつきIQが高い人に勝てるようになるのはなぜでしょうか?

IQが高い人は合理的な思考も得意なように思えますが、そうではないのでしょうか?

答えをひとことでまとめると、こうなります。

どれだけ知性が高くても、思い込みには勝てない

人間が「思い込み」に弱い生き物なのは、あなたもよくご存じでしょう。

いかなる天才だろうが、一時の激情に飲まれて相手を口汚くののしったり、間違った判断をしてしまうケースはよくあります。

人間である以上は仕方ない話です。

一例として、トロント大学の研究を紹介しましょう。

実験では約500人の被験者のIQを調べたうえで、以下の文章を読ませました。

「リンダは31歳、独身でとても頭がよく、はっきりとものを言います。大学では哲学を専攻し、人種差別や社会正義の問題に関心を持ち、反核デモに参加していました」

その後、全員に「リンダの現在の職業は次のどちらが正しいと思うか?」と尋ねました。

(1)銀行員

(2)銀行員で、女性解放運動もしている

悩む力

言わずもがな、合理的な答えは(1)の「銀行員」です。

「銀行員」のほうが「銀行員+女性解放運動」よりも広い概念なので、それだけ正解率は高くなるためです。

ところが、実験では約80%が(2)と答えたうえに、正答率の高さはIQの数字とはまったく関係していませんでした。

つまり、IQが高いからといって合理的な答えを出せるわけではなかったのです

このような結果が出たのは、「思い込み」のせいです。

問題文を読んだ瞬間に、「リンダは社会問題に熱心だから、女性解放運動にも関わっていると考えるのが自然だろう」といった思考が生まれ、たいして考えずに答えを返してしまったのです。

高い知性の持ち主でも「思い込み」の罠にハマってしまう現象は、複数の心理実験で確認されています。

“思い込みレベル”のテストで「クリティカル・シンキング」の得意/不得意がわかる

試しに次の問題を考えてみてください。

【問題1】

「清掃人が高い建物の窓を拭いていたところ、20メートルのハシゴから足をすべらせてしまい、コンクリートの歩道に叩きつけられました。しかし、奇跡的に彼はケガひとつ負っていませんでした。なぜでしょうか?」

【問題2】

「古代に生まれたもので、いまも使われており、壁の向こう側を透かして見ることができる発明品とはなんでしょうか?」

悩む力

それぞれの答えは次のとおりです。

問題1「ハシゴの1段目から落ちた」

問題2「窓」

悩む力

すぐに正しい答えを出せたでしょうか?

これらの問題は、心理学の実験で「思い込みのレベル」を判断するために使われるものです。

無意識の「思い込み」をかき立てるように設計されており、知性の高さと正答率にはほとんど関係がないことがわかっています

逆にすぐ答えられた人は「思い込み」の罠から抜け出しやすいタイプであり、クリティカル・シンキングも得意だろうと推測されます。

天才を出し抜く“合理的な思考”は、トレーニングで鍛えられる

生まれつき知性が高い人たちでも意外と合理的な思考が苦手なのは、彼らはクリティカル・シンキングを高めるモチベーションが低いからです。

生まれつき知性が高い人たちはデータ処理が得意なので、クリティカル・シンキングがなくてもある程度まで人生に成功しやすい点があります。

IQが高い人ほどクリティカル・シンキングを鍛えようとしません

これが、後天的なトレーニングでクリティカル・シンキングさえ鍛えれば、知性が高い人たちをも超えられる可能性がある理由です

合理的な思考がトレーニングで鍛えられることは、過去に何度も実証されています。

代表的なのはボストン大学の調査で、研究チームは約200人の男女に「人間の不合理性を解説した動画」を見るように指示しました。

この動画は、人間がどれぐらい思い込みに弱い生き物かを説明した内容で、

・「13日の金曜日」に悪いことが続いたせいで、「13日の金曜日は本当に呪われた日なのだ」と信じ込んだ男性の例

・「他人のラップトップを持って部屋を出た人」を目撃しただけで、その人物を泥棒だと決めつけた男性の例

悩む力

といった事例をいくつか紹介し、どんな人でも不合理な思考にハマってしまう事実を解説しています。

要するに研究チームは、不合理性について学べば、どんな人でも合理的な思考が可能になるのではないかと考えたわけです

2カ月後、研究チームが全員に「合理性テスト」をおこなったところ、果たしてすべての被験者は合理的な思考のレベルが改善していました。

解説動画をほんの30分見ただけでも、私たちの合理性は高まるようです。

生まれつきの知性はどうにもならないが、正しい判断を下すための合理的な思考力なら後天的に高められます

これぞ、クリティカル・シンキングを学ぶ最大のメリットなのです。

「ググって終わり」はもったいない。自らの頭で思考すれば、ベストな結論に近づける

世の中にあふれる情報を「へえ、そうなんだ」と受動的に受け入れるのではなく、「なぜ? それはどういう意味? 自分はどうすべき?」とつねに疑問を持つこと。

ググって終わり」ではなく、さまざまな角度から検討し、自らの頭で思考し続けること

ぱっと見で説得力を感じたとしても、いったん距離を置いて検討してみること。

これらの態度を維持できれば、あなたはつねにベストな結論に近づくことができる

と、メンタリストDaiGoさんは言います。

悩んだときに試すことで合理的な解決策を出せる究極の思考法「クリティカル・シンキング」

その使い方が丁寧に解説されたメンタリストDaiGoさんの著書『悩む力』を、ぜひ読んでみてください!

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