ビジネスパーソンインタビュー
“楽しい下ネタ”と“セクハラ”のボーダーラインとは…!?
「女性から下ネタを振られたらどうしたらいいですか?」猥談バー店長に“正しい下ネタ”を相談した
新R25編集部
猥談で盛り上がりたい人たちが集まり、会員数は1000人にも達するという「猥談バー」。
店長・佐伯ポインティさんは、フォロワーから寄せられた「エロにまつわるあるある」を発信するなど、SNSでも人気のお方です。
【佐伯ポインティ(さえき・ぽいんてぃ)】1993年生まれ。株式会社ポインティCEO(チーフ・エロデュース・オフィサー)。早稲田大学文化構想学部を卒業後、株式会社コルクに漫画編集者として入社。2017年に独立し、エロデューサー活動を始める。2018年、日本初の完全会員制「猥談バー」をオープン。体型は赤子、精神はギャル。最近は自分の顔がツボ
ただ、下ネタや猥談は一歩間違えば“セクハラ”になってしまうもの。意識すべきマナーやTPOがたくさんあるがゆえに、「職場で下ネタなんて絶対言えない」と禁じ手にしている人も多いはず…。
今回は、「セクハラを気にしすぎて、女性社員とまともに話せない」と悩む新R25屈指の堅物編集員・福田が、「“楽しい下ネタ”と“セクハラ”のボーダーライン」をガチ相談。
ポインティさんに「“正しい下ネタ”講座」を開講していただきました。
〈聞き手=福田啄也/文=サノトモキ〉
ポインティさん
今日はよろしくお願いします、ポインティです~!
ミニオンコーデ、かわいい~~!
福田
今日はもう、取材っていうか…
僕の悩み相談に乗ってほしいんです。
ガチ相談開始
福田
僕、セクハラを気にしすぎて職場の女性とほぼ話せない状態になってまして…
「髪切った?」もよくないと聞いたので、明らかに髪を切ってきた同僚女性がいてもスルーしています。そうこうしてるうちに、なんか距離を感じちゃって。
「何がセクハラなのか」をきちんと理解して、楽しいコミュニケーションを取れるようになりたいんです…!
ポインティさん
なるほど、わかりました!
やっていきましょう~!
正しい下ネタ講座①「合意が取れている場所で言う。“下心同士”は楽しい」
福田
まず、容姿や年齢のことを悪く言うとか、そういうセクハラは当然ダメとして…
「髪切った? 似合ってるね!」みたいな“褒め言葉”もセクハラになってしまうんでしょうか?
ポインティさん
セクハラになることもあると思いますね。
セクハラって、要は「合意の取れてない下心」なんですよ。
ポインティさん
下心のある会話って、「下心同士」だったらめちゃくちゃ楽しいんです。
お互いフリーの男女が飲んでて、いい雰囲気になって、「明日仕事あんの?」「ないよ…」「ふーん…」「「…」」みたいな(笑)。これは絶対楽しいじゃないですか!
こういう関係性で「髪切った?」って言ってもらえるのは、イヤな気持ちはしないですよね。
福田
はい。すごく楽しそうです。
ポインティさん
でも、「一方通行の下心」って全然楽しくならないんですよね。っていうか、地獄でしかない。
「髪切った?」みたいに“容姿を見ている”ことを伝えるのも、その内側にある「いきなり自分に興味を向けられてる感」が気持ち悪さにつながってると思っていて。
なるほど…わかりやすい
ポインティさん
だから、仕事の場で「いい下ネタ」とか言おうと思わないほうがいいんです。
福田
?
ポインティさん
僕が猥談バーを始めたのって、「下ネタを楽しみたい人だけで盛り上がりたい」と思ったのがきっかけだったんですよ。
僕も以前は、「これは絶対ウケる!」と思って飲み会で下ネタを話したら、全然ウケなかったことがあって。
それは、“下ネタを話したい”と思ってる人以外も混ざってる環境で話してしまった、僕のTPOがマズかったんです。
ポインティさん
職場って当然、いろんな人が混ざってる環境だから、みんなの合意を得るのは難しい。
どれだけ配慮ある「いい下ネタ」だったとしても、誰かを不快な気持ちにさせてしまう可能性はあると思うんですよ。
福田
間違いない…
ポインティさん
だから、「会社で使えるいい下ネタを…」みたいな考え方はちょっとズレてるかも。
大前提として、会社で「下ネタ」を言う必要はないと思います。
正しい下ネタ講座②「“俺とだったら…?”はNG。話だけをターゲットにする」
ポインティさん
それを理解したうえで…
下ネタを楽しむ合意が取れてる場でも、「相手をターゲットにせず、話をターゲットにする」意識が重要だと覚えておいてください。
僕が運営している「猥談バー」のルール5カ条では、「猥談バーでは、“猥談だけ”を楽しむこと」と掲げてるんですよね。
福田
「話をターゲットにする」…?
ポインティさん
下ネタを話してると、「すぐ相手に興味を向けちゃう人」っているんです。
「それ、俺とだったらどうなの?」みたいに、「面白い話」を急に「俺の箱」に入れちゃう。
ああ、これすごくわかるかも…
ポインティさん
下ネタでまわりを楽しませられる人は、「話題に興味持つのはOKだけど、相手に興味持つのはNG」ってラインをしっかりわかってるんですよね。
福田
なるほどなあ…
ポインティさん
だから、猥談バーでは連絡先交換も禁止にしています。
匿名の猥談ネームを使ってもらって、本当に猥談だけして帰ってもらってるんです。
徹底してる!
正しい下ネタ講座③「女性のほうから下ネタを言ってきたら反応できないんですけど…」
福田
「下ネタを話す合意」が取れてたとしても、立ち回りってむずかしいですよね…。
たとえば、飲み会で女性のほうから下ネタを言ってくるときあるじゃないですか。
あれにどう反応していいかわからない。女性が自分の体験談とか話してるとき、僕はもう、「アッ、ハッ…」ってなっちゃうんです。
何もリアクションできない。
※既婚者です
ポインティさん
「猥談・下ネタとなると途端に笑えなくなる」「すべてを禁じ手にする」っていうのも、ちょっと意識しすぎなのかなと思うんです。
笑える話なら、普通のエピソードトークと変わらず楽しめばいい。
ポインティさん
「女性が下ネタ話してる…!」って思いすぎてるから、ギクシャクしちゃうんじゃないですかね。
たとえば、同性が同じ話をしてたらリアクションは?
福田
…できると思います。
ポインティさん
ならそれはちょっと…異性を、意識しすぎてるのかな?
保健室の先生と思春期の子どもの会話か?
ポインティさん
若干、興味が話じゃなくて、人に向いてるかもしれません。そこが違和感として相手に伝わってる気がします。
変に特別扱いせず、敏感になりすぎず、話自体を楽しんでみるといいかも。
福田さんはまず、女性に下ネタを言われても「身体の構造が違うだけで、同じヒューマン」と考えてみてください。
福田
そうか…僕は女性を意識しすぎて“同じ人間”と思えてなかったのか…
正しい下ネタ講座④「面白い話ができなかったら、相談でも失敗談でもいい」
福田
でもなあ~~、やっぱり苦手なんですよね…とくに、飲み会で“下ネタを振られる”のが苦手です。
僕も盛り上がりたいけど、面白い話をできる気がしなくて…
ポインティさん
したくないならしなくてもいい気はしますけど…(笑)。
でも、盛り上がりに参加したい気持ちはわかります。
福田
ネットで公開されている猥談バーのコンテンツを見ていても、すごく面白い話ばっかりで、あんなふうにとても喋れないなって。
話を振られても、普通のことしか言えないんです。俺にはないんですよ、特殊性癖とか!
「特殊性癖がない」という魂の叫び
ポインティさん
僕がSNSで紹介してる猥談は、伝わりやすいように編集してるので、そんな台本のようにスラスラ語れなくても大丈夫ですよ。
むしろ猥談バーでは、みんなが「どういうこと!?」ってツッコんだり質問したりして盛り上がるなかで、50%くらいの猥談が100%の力を発揮できる猥談に仕上がっていくんです。
福田
へえ…!
じゃあ…飲み会で話すとして、初心者はどんな下ネタから話すのがオススメですか?
ポインティさん
「相談」をしてみるのはありですね。
みんな、何かしら「猥」の悩みって抱えてるので。
福田
なるほど。
ポインティさん
悩みに対して、いろんな人が磨き上げてきたテクニックを聞くのは面白いですよ。
この前僕が聞いたのは、狙った相手を百発百中で落としてきた「渋谷でうまく終電を逃す女性の話」。すごかったですね。
タイトルの時点で気になる
ポインティさん
まず、代々木上原で飲んで、ちょうど終電なくなるタイミングで「代々木上原から渋谷まで歩くと気持ちいいから歩こうよ」と誘うんですって。
で、左側にいくと駅、右側にいくとラブホ街の分岐で、「右行くと何あるか知ってる?」って聞くらしいんですよ。
福田
え、えろお…
エッチな話聞いて「えろお」って言う人はじめて見た
ポインティさん
で、「知ってる」って返ってきたら間髪入れずに「なんで知ってるの?」ってそういう雰囲気に持っていく。「知らない」って返ってきたら「じゃあ見に行こうよ」ってラブホ街に行く。
それでも相手が踏ん切りつかないときは、「じゃんけんして、私が勝ったら帰ろう。あなたが勝ったら行こう」って言うんですって。
福田
へえ…負けちゃったらどうするんですか?
ポインティさん
負けた手で、そのまま相手の手を取ってラブホ街行くらしいです(笑)。
藤井聡太ばりの詰め力
ポインティさん
猥談って、経験豊富な人だから面白いんじゃなくて、掘り下げられる機会がないだけで、どんな人でも引き出し自体は持ってると思うんですよね。
福田
僕にもあるのかな…
ポインティさん
ありますよ。過激な、特別なエピソードだけが猥談じゃない。仕事も、全員武勇伝持ってるわけじゃないじゃないですか。
「USJ再建させたぜ!」みたいな話だけじゃなくて、「こんな失敗しちゃったんだよね」とか「こういう人って仕事できるよね」とか、盛り上がれるジャンルはいっぱいある。
しょうもない話や、失敗談でもいいんです!
福田
なるほど。
じゃあたとえば僕、いまだにTwitterで水着の女の子の画像が流れてくるだけでドキドキしちゃうんですけど…
これって猥談になりませんか?
「これってトリビアになりませんか?」みたいに聞くんじゃないよ
ポインティさん
いいと思いますよ!
「ドキドキラインが異常に低い28歳」っていうキャラもしっかり出ると思うし。
福田
おお…なんかちょっと、自信ついてきたかも。
じゃあ、こんなのはどうですか!? これは少し、怖めの猥談なんですけど…
(取材が終わるまで、福田は楽しそうに猥談を語っていました。よかったね、福田さん!)
ポインティさん
…いやあ、面白かった! すごくいい猥談でした。
ぜひ、猥談バーにも遊びにきてください。「楽しい下ネタ」の引き出し、もっと増えていくと思うので。
最近けっこう人気で、1カ月先くらいまで予約埋まって人気のお寿司屋さんみたいになっちゃってるんですけど(笑)。
楽しく学びのある1時間だった…今日はありがとうございました!
「性愛を、も~っと! 面白く」をスローガンに掲げ、面白いエロ・エンターテインメントを届けるポインティさん。
どうすればエロがイヤなものにならないか、徹底して言語化されている姿から、「エロを扱うプロ」としての本気を感じました。
・話題に興味持つのはOKだけど、相手に興味持つのはNG
・必要以上に意識しすぎず、同じヒューマンとして見る
・特別な話や、武勇伝じゃなくていい。誰にでも「楽しい下ネタ」の引き出しはある
マナーを身に着け、正しく楽しむ。禁じ手にしていた方も、向き合い方に迷っていた方も、ぜひ猥談バーで「正しい引き出し」を開けにいってみてはいかがでしょうか!
〈取材=福田啄也(@fkd1111)/文=サノトモキ(@mlby_sns)/編集=天野俊吉(@amanop)/撮影=中澤真央(@_maonakazawa_)〉
猥談バー店長・佐伯ポインティさんのエロ・エンターテインメントはこちらから!
日本に1つしかない「猥談バー」の店長のエロ・エンターテインメントは、YouTube、各種SNSでも展開中!
ぜひチェックしてみてください~!
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