ビジネスパーソンインタビュー

誠実性が減る、人生で失敗が増える…メンタリストDaiGoが語る「完璧主義の落とし穴」

メンタリストDaiGo著『究極のマインドフルネス』より

誠実性が減る、人生で失敗が増える…メンタリストDaiGoが語る「完璧主義の落とし穴」

新R25編集部

2020/09/21

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マインドフルネス」という言葉を聞いたことがありますか?

聞いたことはあるけれど、あまりピンとこない」という人も多いかもしれません。

メンタリストDaiGoさんは、自身の新著『自分を操り、不安をなくす 究極のマインドフルネス』(PHP研究所)のなかで、「他人の評価や意見、感情といったものにとらわれずに、自分の本質をありのままに見つめ、迷うことなく人生を全とうするというのが、マインドフルネスなのです」と語っています。

マインドフルネス」の本質を理解し実践することで、自分の「」を自由にでき、日々の幸せを一層実感できるそう。

「心」の自由を手に入れるにはどうすればいいのか。

DaiGoさんと、その答えを見つけにいきましょう。

完璧主義が人生にもたらす3つの危険

みなさんは、完璧主義ですか?

完璧主義にもいろいろあり、たとえば、みんなに好かれたいとか、誰にも嫌われたくない、というのも完璧主義です。

こうした完璧主義は、メンタルに非常によくありません。

全員と仲よくしようとか、すべてをそつなくこなそうとか、自分がやるからには完璧にしなければならないというのは、メンタルを病む考え方です。

完璧主義になったとき、みなさんの身に起こる恐怖には、大きく3つあります。

①ネガティブな感情に振りまわされやすくなる

自分の内側から湧いてくるネガティブな感情だけでなく、他人から言われたことにも敏感に反応しすぎて、非常に気にしたり凹んだりします

人に嫌われたくない、みんなから評価されなくてはならないといった思いが強すぎるために、ちょっと何かを言われるだけで極端に感情が振りまわされるのです。

②誠実性が減る

誠実性とは、コツコツと物事を成し遂げたり、計画的に行動したりできる性格特性ですが、完璧主義になると、この誠実性が減ります

完璧を求めているにもかかわらず、コツコツ物事を進めたり、計画的に何かを達成しようとがんばったりすることがなくなるわけです。

無計画で失敗しやすくなるので怖くなり、新しいことに挑戦することもできなくなります。

③人生で失敗が増える

新しいことに挑戦するのが怖くなり、そうした機会が減るため、時代の変化についていけなくなります

さらに、ネガティブな感情に振りまわされやすく、無計画になるため、大きいことができず、手近な仕事にばかり手をつけるようになります

にもかかわらず、自分はもっと評価されるべきだ、完璧な人間であるはずだからもっと自分のことをわかってくれるところにいなくてはならない、もっと自分に適している仕事につかなければならないと、ありもしない完璧を求める状態になるのです。

こうなると一生苦しむことになります。

これら3つの危険のほかに、自殺率も高まることがメタ分析によって明らかになっています。

プレッシャーを無駄に感じすぎるため、同じ環境で同じ行動をしたとしても、メンタルを病みやすくなるからです。

完璧主義者ほど失敗する確率が高くなる

こうした危険な完璧主義が、現代人に増えています。

カナダのダルハウジー大学の研究では、完璧主義者は1990年代から増えているとされています。

過去に行なわれた完璧主義に関する研究のなかから77件を集め、およそ2万5000人分のデータのメタ分析を行なったところ、とくに若者に完璧主義が増えていることがわかりました。

なぜかというと、社会の競争が激しくなり、若い世代でも、同世代ですでに大きな成功を成し遂げている人が出てきているからです。

昔は、学生のころの競争といえば学校の授業や部活くらいで、人生を決めるような大きな差は生まれませんでした。

ところが、いまはたとえば、Twitterのフォロワー数、SNSなどで披露される個人の生活の差、さらには大金を稼ぐ子供や学生のユーチューバーの存在など、若い世代間での競争が激しくなっています。

こうしたことが、とくに不満もないし、ある程度好きなこともできて、暇つぶしになるエンターテインメントがいくらでもある状況にもかかわらず、なんとなくもやもやした不安を感じる状況を引き起こしているのではないかともいわれています。

この研究では、完璧主義者がその後、どうなるのかについても調べました。

結論としては、完璧主義者は年齢を重ねるほど失敗しやすくなることがわかっています。

若いうちに対策をすればいいのですが、そのまま年をとると、そのぶんチャンスを逃すということです。

年をとればとるほど挑戦もできなくなり、脳が萎縮して認知症になりやすくなったり、人間関係まで損なわれたりするといったことが起こりやすくなります。

完璧主義には「自覚がない」場合も

自分には関係ないと思っていても、気づかないうちに完璧主義になっている人もいますから、注意が必要です。

たとえば、旅行に出かけるときにはすべての準備をしないと不安だったり、スポーツを始めるときにも必要な道具がすべてそろってからでないと怖くて始められなかったりと、すべての条件が整わないと行動できないというのも完璧主義です。

完璧主義とは、異常に失敗を恐れる状態です。

物事を完璧にしよう、仕上げようというだけではなく、完璧でないとやる気がしない、完璧でないと行動するのが怖い、失敗が怖いので完璧にわかっていないと挑戦することもやめてしまう、というものです。

極端に失敗を恐れ、新しいチャンスが恐怖でしかなくなります

実際には完璧などありえないので、未知なるチャンスがすべて怖くなります。その結果、新しいチャンスをつかめなくなり、どんどん完璧とは程遠い人生になっていくわけです。

では、どうすれば完璧主義を直せるのでしょうか。

まず、なぜ、自分が完璧主義になったのかという根幹の部分を知ることが大切です。

完璧でなくていいとか、8割程度でいいと考えるようにすればよいのではないかという人がいますが、なぜ完璧主義に陥ったのかを理解したうえで対策しないと、いつまでたっても改善されません。

完璧主義は、使い方を少し変えるだけで現実的な力に変えて成功につなげることも可能ですから、まずは自分が完璧主義になった根幹を理解することから始めてください。

自分を変えたければ「10パーセントルール」を意識しよう

「自分を変えたい、生活を変えたい」と思っても、結局、変えられなくて挫折する人は多いようです。

なぜ、変えられないのでしょうか。

それは「大きく変えようとする」からです。

自分を変えようとか、新しい生活習慣を身につけようとするとき、ほとんどの人は自分の生活スタイルや習慣を大きく変えようとします。

たとえば、やせようと思うと、体重を10キログラム減らすことを目標にしたり、食べる量を半分にしようとしたりするなど、ハードルを高くしすぎるからうまくいかなくなるのです。

ハードルをぐんと下げて、自分の生活の10パーセントくらいを変えるような、わずかな変化を積み重ねることによって自分を変えていくのがベストなやり方です。

これを「10パーセントルール」と名づけましょう。

ふだん、なかなか勉強に集中できない、あるいは、毎日忙しくて資格をとるための勉強時間がとれないなど、時間の使い方を変えたい場合は、10パーセントならぬ「1日10分間」だけ、自分のために使うようにしてみてください。

その10分間だけは集中するのです。

また、運動してダイエットをしたいなら、いきなりジムに行って60分間体を鍛えるよりも、1日5分間だけ運動するようにすればいいのです。

もう一つのポイントは、もうちょっとできそうだと思っても決して変えないことです。

大事なのは続けることですから、1日5分間運動しようと決めたら、1カ月はそのまま続けてください。

10分間いけそうだな、15分間いけそうだなと思っても、1カ月はずっと5分間だけやるのです。

そして、5分間の運動が当たり前になったら、5分→7分→10分と少しずつ増やすようにします。大事なのは、「少しずつ増やしていく」ことです。

こうしたルールを守ると自分を変えやすくなりますから、ぜひ試してみてください。

自分の「ありのまま」を受け止める

自分を操り、不安をなくす究極のマインドフルネス』では、今回紹介した内容以外にも、脳科学、運動、呼吸法、そして瞑想など、あらゆる角度から「」の自由を与える方法を教えています。

「心」といっても観念的な概念に留まるものではありません。

DaiGoさんが同書で語っている通り、心と体はつながっています。

自分らしさを最大限に引き出せるマインドフルネス。ぜひ日常生活の中で実践してみてください。

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