ビジネスパーソンインタビュー

田端信太郎「接待会食には、島田紳助が語った『イケてる漫才師』の姿勢が重要になる」

タバラジVoicyチャンネルより

田端信太郎「接待会食には、島田紳助が語った『イケてる漫才師』の姿勢が重要になる」

新R25編集部

2019/11/20

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多くの会社では、そろそろ忘年会の話が出はじめてくるころでしょう。

ただ、若手のビジネスパーソンのなかには「飲み会」や「接待」は気を遣うイベントと捉える方も多く、乗り気になれない…という声もちらほら聞こえてきます。

そんななか、“新R25レギュラーズ”としてもおなじみの田端信太郎さんが、自身のVoicyチャンネル『タバラジ』で「接待が楽しければサラリーマンは楽しい!」という番組を放送しました。

これまで数多くの会食を経験してきた田端さんが、ビジネスにおける会食の重要性や、会食を開く際に気をつけるべきポイントを語るこの番組。

飲み会に対しての意識が変わる内容でした。

ビジネスパーソンはなぜ「会食」をするのか

あるとき新入社員から、「どうしてビジネスパーソンは接待会食をするんでしょうか」と質問されたことがありました。

これは本質を突いたいい質問ですね。

古今東西、人間同士が親睦を深めるにあたって「食事をともにする」というのは欠かせない行為だったんです。

以前、拉致問題の被害者の方が日本に帰ってきて、当時の小泉首相が北朝鮮で金正日総書記と会談をしたとき、僕はあることが興味深く感じました。

それは、午前中から会っていた彼らが、それぞれ日本側の部屋と北朝鮮側の部屋に戻ってランチを食べていたことです。

金正恩国務委員長とトランプ大統領が昨年シンガポールで会談したときは、ランチを一緒に食べていましたよね。

つまり食事をともにするというのは、敵でないことを表す最低限のシグナルだということ。

食べ物を分かち合うことは、人間同士の団結を深めるさいの基本中の基本なのです。

ビジネスというのも他人同士が協力しておこなうものですから、「接待会食」はビジネスへの影響抜きには語れません。

相手の日常生活を前フリにして、意外性のあるお店を選べ

接待会食において、お店選びはめちゃくちゃ大事です。

このお店選びをおざなりにする人は、絶対に上にはいけないでしょう。

ただ難しいのは、高級なお店に行けばいいというわけじゃないということ。

さらには、自分が行ったことのないお店に接待する対象を連れてくというのは、とても無礼なのも覚えておいてください。

適当にぐるなびや食べログで調べて、行ったことのない店を予約し、「僕、ここにくるの初めてなんです」なんてイケてない会話ですよ。

もしそこが、よくないお店だったらどうするんですか? そんな基本中の基本をわかってない人がいるんですよね。

だから、今度一緒にご飯を食べる相手がどういう人なのか、イマジネーションを巡らせたうえでお店を選ばなくてはいけません

たとえば、接待対象のオフィスが四谷で、家が中野だったとしましょう。

こちら側のオフィスは渋谷にあります。

この場合、順当に選ぶべき会食場所は「新宿」です。

この場合の「新宿」は、両者のオフィスから行きやすく、かつ接待対象の帰り道という条件を満たした場所。

逆にここで新橋を選ぶのは、どうしても連れていきたいお店がないかぎり不自然でしょう。

さらにお店選びでは、接待対象が何を好きなのか、本当はどんなキャラなのかということまで想像し、どうすれば相手の記憶に残せるのかを考えることが重要になってきます。

そして、相手の記憶に残るために必要なのが、「適切な意外性」なのです。

島田紳助さんの有名な動画のなかに、こんな話がありました。

M-1の予選の日、紳助さんたち審査員は何時間にもわたって、何百組ものネタを見ます。

だからこそ、「審査員の気持ちになって考えろ」と。

「自分の番までに出てきた連中を、全部前フリとして使うのがイケてる漫才師なんだ」と言うのです。

会食でもまた、相手の日常生活を前フリとしたうえで、「適切な意外性」をお店選びや接待に盛り込むことが重要になってくるでしょう。

忘年会の幹事を任せることで、見極められている

今年の春に入社した新入社員は、そろそろ忘年会の幹事を任されるころかもしれません。

忘年会の幹事というのは、そいつがどのくらいできるやつなのかを見極めるための宿題です。

テキトーに近くの和民とっときました」なんて人は、どんなに普段優秀ぶっていてもダメですね。

決して和民がダメというわけではなく、その投げやりな気持ちがダメなんです。

いま自分たちの部署がどんな状況なのか忘年会のビフォーアフターで自分が何を変えたいのか

そういうところを逆算したうえで、お店から何からすべて計画するのが、正しい幹事の態度でしょう。

正しく盛り上がる飲み会の幹事ができたら、その人は部署のマネジメントだってできると思います。

それくらい、飲み会の幹事は奥が深いです。

仕事の話なんて会議室ですればいい

会食でどういう話題を出すかというのも、日頃からの人間性、教養、雑学、人の幅が問われるポイントです。

会食で仕事の話ばかりするやつ、これはダメですね

仕事の話なんかするんだったら、普通に昼間の会議室で会えばいいんですよ。

わざわざお酒を飲みながら、ご飯を食べながら、仕事じゃないことをするというのは「人間どうしの付き合いをしましょう」ということ。

日頃どういう生活を送っていて、どういうことが好きで、どういうことが嫌いで、何を大事に思っているのかをお互いにシェアすることで、より人と人としてわかり合うことができる。

そうなってこそ、社内でも社外でも、よりよいビジネスができるんです。

ちなみに会食中にする仕事の話で一番ダメなのが、営業職の人がクライアントに「値段交渉」を切り出すこと。

そういうシビアな交渉は、なるべく接待会食の前までに済ませておくべきです。もしそれができなかったなら、最低限ごはん中はそういう話を切り出してはいけません。

それはそれ、これはこれとして、今日は楽しみましょう! というのが正しい態度なんじゃないかな、と思いますね。

あとは、2軒目に行くかどうかという問題もあります。

毎日会食をしている人同士の場合、お互い疲れるので行かないことが多いんですが、盛り上がったのであれば2軒目に行ってもいいでしょう。

たとえば、銀座で飲んでいて音楽の話ですごく盛り上がったときにだけ、「この近くなんで行きませんか、一杯だけ!」と、「GINZA MUSIC BAR」みたいなイケてるジャズ喫茶ところに行くのは粋ですよね。

でも、ダラダラしながら行く2軒目は俺も嫌いです。時間が無駄なので、偉いおっさんほどさっさと帰りますよ。

そんなわけで、「接待会食」というどんなに語っても尽きない深いテーマ、一度語ってみました。

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田端さんのビジネス論を学べるVoicyはこちら

出張接待といった、ビジネスパーソンにとって普遍的な話題について語られるVoicy『タバラジ』。約5分ごとにチャプターが区切られているので、手の空いた時間に少しずつ視聴することも可能です。

田端さんのビジネス論を学んでみたいという方は、ぜひこちらをチェックしてみてください!

▼田端さんがニュースの裏側をしゃべるYouTubeチャンネルもあります▼

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