ビジネスパーソンインタビュー
サッカー選手、小学校教師を経た異色の経歴
32歳でシェフに。料理業界の革命児・鳥羽周作「これができれば年齢なんて関係ない」
新R25編集部
大人気のレストラン「sio」のオーナーシェフ、鳥羽周作さん。
今、料理業界はもちろんのこと、異業種のトップランナーから注目を集めている人物です。
サッカー選手、小学校教師を経て、32歳でシェフに転身した異色の経歴に加え、眠気覚ましに自分の腕をオーブンで焼いたというようなクレイジーなエピソードがいくつもあるそう。
そんな鳥羽さんとご縁があったので、今回お話を伺ってきました。テーマは「仕事」。
特に、この春新しいことを始めたいと思っていたり、新しい環境でがんばろうと思っていたりする読者に読んでいただけるとうれしいです。
〈聞き手:川西龍之介(新R25編集部)〉
成し遂げたいことのゴールが明確に見えているかで、達成率が変わる
鳥羽さん
今日の取材、マジうれしいっす。とことんやりましょう。
【鳥羽周作(とば・しゅうさく)】1978年生まれ、埼玉県出身。サッカー選手、小学校の教員を経て、32歳で料理人の世界へ飛び込む。都内の超有名レストラン2店舗で計5年間の修行を積み、恵比寿のレストランでスーシェフを2年務める。その後、2016年3月より代々木上原「Gris」のシェフに就任。2018年7月、同店のオーナーシェフとして、「sio」をオープン
川西
よろしくお願いします!
さっそくですが、鳥羽さんはサッカー選手、小学校の先生を経て、シェフになったという珍しい経歴ですよね。
なぜ、キャリアチェンジをしようと思ったんですか?
鳥羽さん
実は教師になった後も、まだプロサッカー選手に未練があったんすよ。
そのころはテレビで同世代のサッカー選手がプレイしている姿を観るたびに「こいつより、俺のほうがうめえじゃん!」って、ずっと言ってたんです。
でもあるとき、そんな自分をすげえダサいと思ったんすよ! 頑張ってる人を応援できないかっこ悪さや居心地の悪さを感じたんでしょうね。
だからサッカー選手以外の職業でいいから、自分もやる側になろうと思って、キャリアを変えることにしたんです。
川西
活躍できる新天地を探す際に「料理」を選ばれた理由は?
鳥羽さん
選び方としては、まず最初に「やりたくないこと」を羅列したんすよ。「やりたいこと」をあげるんじゃなくて。
「スーツは着たくない」とか「定時に行きたくない」とか(笑)。
鳥羽さん
そのあとに自分が好きなことを考えたら、真っ先に「料理」と「北欧家具」が浮かびましたね。
それで「やりたくないこと」と「好きなこと」をすりあわせたら、「料理いいじゃん」ってなったんです。
川西
でも、それだけだと人生を大きく変える決断の根拠としては、ちょっと弱いですよね? 何か決め手というか…
鳥羽さん
決定打になったのは、コックコートを着て、厨房で料理している自分の姿が見えたことっすね。
何かをやりたいと思ったとき、きちっとゴールが見えているのか、成し遂げたいことに対するビジョンを鮮明に描けているのか。これで達成率はぜんぜん違うと思うんですよ。
川西
ゴールが見える…?
鳥羽さん
たとえば「何時に箱根の芦ノ湖に行きたい」って決めたら、何時何分に、この電車に乗って、どこの駅で乗り換えれば、芦ノ湖に着くってわかりますよね?
でも「なんとなく箱根」だと時間も決まってないし、箱根のどこかも決まってないから、たどり着かない。
それだと結構ぶれるんですよ。「なんで箱根、行くんだっけ?」みたいな。
川西
たしかに目的地は、ピンポイントじゃないとダメですね。
鳥羽さん
料理はビジョンがくっきり見えたから、これはいけるなと。
逆にサッカー選手を目指しているときは、浦和レッズあたりで活躍している自分の姿が頭に浮かんでなかったんですよね。
「だから、サッカー選手にはなれかったんだろうな」
年齢のハンデは“3倍の思考量”で埋められる
川西
鳥羽さんがシェフになろうって決めたのは、32歳のときですよね。
年齢的なハンデを意識することはなかったんですか?
鳥羽さん
そりゃ、めちゃくちゃ意識しましたよ!!
料理業界は、みんな20歳ぐらいから修行を始めるんで、俺は12年も遅れてるわけですよ。
当然、ガムシャラにやるだけではダメだと思ってたから、時間的なハンデを埋める方法を考えましたね。
川西
その方法とは?
鳥羽さん
ひとつは、体でこなせる量にくわえて、思考量を3倍にして仕事をすることっす。
1日のうち、体は24時間しか絶対に使えないけど、頭は同時に3つのことを考えれば、3倍になるから72時間分、使えるでしょ?
なので当時、僕は物事を3つ同時に考える練習をめちゃくちゃしてたんですよ。
川西
ちょっと理解が追いつかないのですが…それ、頭のなか、おかしくなりません?
鳥羽さん
なりますよ。当時は人から会話が噛み合わないって、すげえ言われてましたね。
人と話しているときに、同時に違うことを考えているし、相手との会話も考えて、先読みしてしゃべっていたから、当然なんだけど。
川西
ものすごくアクティブな「ながら作業」みたいな?
鳥羽さん
そうっすね。基本、ながら作業。
ランチを作りながら、前日の課題に対するアイデアと明日のメニューを同時に考えるとか、常にやってました。
川西
1時間に対する思考量をほかの人の何倍にもすることで、差を縮めていくんですね。
鳥羽さん
今のが頭脳的な部分。
もうひとつは、やっぱり環境で自分を追い込むことが圧倒的に大事だと思いましたね!
川西
おお…激しいですね。
鳥羽さん
僕、最初の4年間ぐらいは死ぬほど量をこなしてましたよ。
普通の人が寝てるところ、寝ないで仕事していたし。鬼気迫るものがあったと思いますよ。
そんな余裕のない環境のなかでも、思考量を増やす。これさえできれば、年齢なんて関係ないと思う。
部分的な勝ち負けを気にするな。ゴールにたどり着くための文脈として捉えろ
鳥羽さん
量をやりきるときは、やられ上手になったほうがいいすよ。
川西
やられ上手?
鳥羽さん
仕事って、若いうちは絶対ボコボコにされるんですよ。
同じ相手と3回喧嘩して、3回とも負けちゃう。それは仕方ないから、昨日よりいいやられ方をするっていうのが大事っすね。
最初は丸腰で突っ込んで、ボコボコにされるけど、次回はクッションを持って殴られにいくみたいな。
この過程で思考してることが大切。
川西
次はやられる瞬間にクッション引くぞっていう「思考」がありますよね。
鳥羽さん
そうやって積み上げると1日ごとに成長できるんで。3カ月ぐらい経てば、意外と楽になりますよ。
そうしたら、またボコボコにされにいくと(笑)。
川西
負けてもいいから、必ず何かを持ち帰ってきて、改善していくんですね。
鳥羽さん
そういうことっす!
だから勝敗や良い、悪いという一時的な結果にフォーカスせず、広い視野で自分を見つめて、ゴールにたどり着くための文脈として捉えることが必要ですね。
その都度100%の力を注ぐのは大事なんだけど、ひとつひとつの結果は重要視しなくていい。
最終的に何かを成し遂げるために、次は何をすべきか考えることのほうが大事なんです。
川西
点ではなく、線で見るってことですよね。
たしかに一個の結果にこだわりすぎている人が多いかもしれません。
鳥羽さん
成し遂げたいビジョンがあって、そのために覚悟を決めて100%やりきっていれば、最後は意外とゴールにたどりつきますから。
ゴールに辿り着けば、その過程はなんでもいいっしょ。
川西
覚悟と圧倒的な思考と行動量があるからこそ、「意外と」が成立するんでしょうね。
やりたいことを実現できる原動力は、想いの強さ。相手が折れるまでやる
川西
鳥羽さんは、働きたいレストランに何度も断られても、「働かせてくれ」と毎日頼みに行ったそうですね。最終的にその方法で働けなかった店はなかったとか…
自分がやりたいことを実現する秘訣ってなんでしょうか?
鳥羽さん
「想いの強さ」と「相手の心が折れるまでやる」ってことかな。
何でも一緒だと思うんですけど、想いの強さは行動を導いていくじゃないですか。
だから方法論よりも、他人より熱量があるかどうか、どれだけ好きかが大事。
あとは自分が折れるか、相手が折れるかのガマン比べ。だから、相手が折れるまでやり続ければ、必ず実現できるんですよ。
川西
「好き」という気持ちと熱量をエネルギーにして、相手が折れるまでやり続けると?
鳥羽さん
そうっすね。逆に折れるまでやれなかったら、そこまで好きじゃないってこと。
でも、それでいいと思うんすよ。「心が折れちゃった、ということは自分がやりたいのは料理じゃない」って気づけたんだから。
折れることが悪いと思っちゃダメですよ。この結果に、成功も失敗もないんです。
僕の場合は、折れなかったから料理を今も続けているというだけです。
満席にこだわる理由は「勝ち癖をつける」ため
川西
鳥羽さんのTwitterを見てると、満席にすごくこだわっている印象です。
その理由って、たぶん利益だけじゃないですよね?
鳥羽さん
マインドの問題ですね。
勝ち癖つけるためにやってるんですよ。その効果って、利益よりもずっと大事で。
「sio」は20席あるんですけど、たとえば今日の予約が16名だとするじゃないですか。
それは何がどうあれ、世の中で自分の料理を食べたい人は16人しかいないし、自分の料理が世の中にいらねえよって突きつけられた結果なんです。
でも満席だったら、食べたいと思ってくれている人は22人かもしれないし、100人かもしれないですよね。
川西
世の中に求められている可能性を感じますよね。
鳥羽さん
そう。だから満席じゃない状態に慣れると、どんどん世の中から必要とされなくなるんですよ。
そうなると以前は16人で「やべえな」と思ってたのが、12人になっても「まあいいか」ってなってくるんです。
川西
それは負け癖になっちゃいますよね。
鳥羽さん
そう。朝起きて、歯を磨かないと気持ち悪いのと同じように、満席じゃないと気持ち悪いという状態を習慣化させるのが大事っす。
勝者のメンタリティみたいなもんですよ。
鳥羽さん
だから常に満席を意識して、戦略的に動く。
キャンセルが出たらすぐTwitterでお客さんに予約を呼びかけるのも、そのひとつの手段です。
満席にするために、自分で金払って両親を呼んだこともありましたからね。
川西
そこまでするんですね…
鳥羽さん
そうやってでも、満席になったという事実を作ることが大事。
だから満席じゃなかったら「ああ! もう俺はいらねえヤツだ!!」って店でずっと叫んでますもん。
何のジャンルでも勝ち癖つけるのは大事っすよ。
損得で人を巻き込むことはできない。大事なのは「愛」
川西
鳥羽さんは、巻き込み力がすごくあると思うんです。
sioは、店舗のロゴデザインに水野学さん、音楽のセレクトに沖野修也さんといった各界の著名クリエイターが関わっていらっしゃいますよね。
仕事をする上で、人を巻き込むために意識していることを伺いたいです。
鳥羽さん
愛とリスペクト。それだけっすね。
川西
この人は大物だから、抑えておこうみたいなことはないんですか?
鳥羽さん
この業界の人脈が欲しいから、この人を狙い撃ちする!みたいなことは一切ないです。
そういうのって、部分的には役に立っても持続しないし、スケールしないんですよ。
だから、俺がその人のことを好きになったらGO。その相手と、誠心誠意向き合う。それで響かなかったら、合わなかったと思って諦めますね。
川西
なるほど…
鳥羽さん
たとえば、水野さんの場合は「デザインがかっこいいし、水野さんの生き方も好きだな」と思ったんですよ。
つまり、ただのファンっす。これが、すげえ大事。
ビジネスだから、もちろんロジックや戦略も必要だろうけど、そんなことより相手のファンになれるかのほうがよっぽど重要ですね。
ファンは圧倒的な愛がありますから!
鳥羽さん
僕、想いには物理的な重さがあると思うんですよ。
その重さによって、振り切ったときの遠心力は大きくなるから、想いの強さがまわりの人を巻き込む力を大きくするとは思います。
川西
鳥羽さんは、どうやって想いの強さや愛を相手に伝えてるんですか?
鳥羽さん
会うことでしょう。行動する以外ないっすよ。
動物と一緒で、求愛行動に限りますね。
川西
求愛って(笑)。
鳥羽さん
マジだよ!? これ超大事だよ!!!
急に「鳥の求愛の動き」をする鳥羽さん
鳥羽さん
相手の事務所に行ったり、電話をかけたりして、会いにいくんですよ。
沖野修也さんのときはメールを送りましたね。沖野さんはイベントで一緒になったんですけど、「沖野さんの選ぶ音楽を聴きながら、料理を作った時間が最高でした。感動したから、お店の音楽やってもらえませんか?」って。
そうしたらすぐにOKの返事をくれて。
川西
そういう鳥羽さんの姿勢と気持ちに動かされた人たちが、一緒に仕事しているってことなんですね。
鳥羽さん
ですね。あと勘違いしがちなのが、僕のほうだけを見ると、色々な人を巻き込んでるようだけど、僕だって巻き込まれている。巻き込んでるし、巻き込まれているんですよ。
一昨日も、中川政七さんという人がやっているサッカークラブのために深夜に車を走らせて、奈良まで行ってハンバーガー200個作ったんですよ。これは僕が中川さんに巻き込まれてますよね。
「中川さんがやりたいことなら、僕は全部、投げ出してもやりますよ!」って思うから。これが、愛ですよ。
そうすると中川さんも「僕だって、そうですよ!」と言ってくれる。こういうときに僕が巻き込まれるからこそ、中川さんも僕に巻き込まれてくれるんですよ!
川西
そういうことだったんですね! 必ずしも鳥羽さんが中心にいて、色々な人が巻き込まれているわけではないと。
鳥羽さん
結局、巻き込みって渦だから、中心なんて誰でもいい。中心が自分である必要ないんですよ。
大きな渦になったら、自然といろいろな人が入ってきて、中心なんてなくなりますし。
だから損得を考えず、自分が本当にいいと思ったり、一緒に仕事をしたいと思ったりした人に求愛していくんですよ。
「好きだよ」って、きちっと表現する。
川西
愛とリスペクトが、だんだんわかってきました。
鳥羽さん
今の仕事の現場って、いろいろなビジネスモデルやフレームワークがあるけど、「大事なのはそういうことだけじゃない」って、たぶん一部の人は気づきはじめてると思う。
もっとシンプルだし、本質的なことを考えたときにたどり着くのは「愛」っすよ。
自分が応援してもらった分、他人を応援する
鳥羽さん
sioのオーナーシェフになってから、いろいろな人に支えられて今の僕があります。だから、今度は自分が誰かをサポートする役割もやりたいなと。
特に、自分の店で働いている若手を応援したい。
料理業界には「若手を打席に立たせられてない」という課題があるので、sioは客単価が高いけど、コース料理の9割を20代前半の若手に作らせてるんです。
川西
それは、かなり珍しいことでしょうね。
鳥羽さん
お金で買えない経験だから、そういう機会を僕らが増やしていくのが大事なんですよ。
川西
とはいえ、高いお金を貰うコース料理を、経験の浅いシェフに任せるのって怖くないですか?
鳥羽さん
これまでの経歴で相手を評価するような人には絶対できないすよ。
愛を持って、若手を信頼しているという一点だけで、ギリギリできている感じすね。
信頼しないとまず無理。
川西
すぐに打席に立たせてもらえて、水準より高いお給料がもらえるレストランだったら、働きたいって志願してくる人がたくさんいますよね?
鳥羽さん
そう、いっぱい来てくれる。今、9人も雇ってるんですけど、これ以上は入れないんすよ。
だから、今度新しい店を作るんですよ。丸の内の商業施設の一角に「osio(オシオ)」って名前で9月にオープン予定っす!
自分より、若手が活躍する店のほうが大事だから、大事という意味を込めて「sio」に丁寧語の「お」をつけて「osio」なんすよ。
川西
つまり、若手のために店を出すんですか!?
鳥羽さん
自分がしてもらったことを、後輩たちに返していくことが大事っすからね。
これがうまくいって、ほかの人も同じようにやってくれれば、さらに若手のチャンスが増えるわけですし。
川西
応援されたことで、自分ができるようになったことを活かして、応援する側にも回るんですね。
鳥羽さん
そういうこと!
あとさ、今度「カレーマン」と「ハンバーガーマン」を作るんすよ!(笑)
川西
なんですか、それ?
鳥羽さん
カレーやハンバーガーのスペシャリストになりたい若い人を募集して、超有名な店へ修行に行かせるプロジェクトっす!
給料を出して若手を育てる余裕はなかったとしても、無料で修行するならば受け入れてくれる店はある。そのために給料をみんなで出すんですよ。
たとえば月給が30万なら、1万円を出資してくれる人を30人集める。
みんなでお金を出して、そいつを一人前に育てて、世の中に送り出すと。
川西
すごくいいアイデアですね。素敵だと思います。
鳥羽さん
昔は「人を育てる」ことって当たり前だったけど、最近は少なくなったと思うので、色々な応援の形を考えていくつもりっす。
人と会って成長する「現代のわらしべ長者」になれ
川西
お話ししていると、鳥羽さんのようになりたいと思ってきました。
僕はどうすればいいでしょうか?
鳥羽さん
現代のわらしべ長者になるといいっすよ!
僕、現代のわらしべ長者だから!
川西
どういうことでしょう?
鳥羽さん
物々交換で成長するのが、わらしべ長者でしょう?
情報を相互変換して、自分を成長させるのが現代のわらしべ長者。
誰かにもらった情報をそしゃくして、アウトプットする。これを繰り返すうちに、自分がブラッシュアップされていくんですよ。
川西
おもしろいですね!
鳥羽さん
これを意識すると、人は「会うこと」を大事にするようになるんすよ。
ネットで簡単に情報が手に入る時代だからこそ、とにかく人と会って、質がよかったり、オフラインにしかなかったりするような情報をもらえって話ですね。
リアルな場で得るものは大きいですから。
川西
この時代だからこそ、重要性が増しているんですね。
鳥羽さんは人と会うときに、どんなことを心がけているんですか?
鳥羽さん
目の前の人との出会いを必然だと思うことっすね。
だから僕は会う人、全員と全力で向き合うんです。相手から真摯に何かを受け取って、それを自分に落とし込んで、アウトプットしていく。
そうしたら気づかぬうちに、自分のステージがどんどん上がっていくんです。
鳥羽さん
戦略や方法論ではなくて、目の前にいる相手に、愛とリスペクトを持って全力で向き合う。
それだけっすよ? でも、このシンプルなことをキッチリやれている人が意外と少ない。
だから、これができれば頭一つぐらい、すぐに抜けるんじゃないですかね。
実は、鳥羽さんとお会いするのは、この取材の日が2回目でした。初めてお会いしたのは、僕が客として「sio」を訪れたとき。
帰り際に鳥羽さんが厨房から出てきて、寒空の下、半袖姿で約50分、自分のやりたいことをアツく語ってくれました。僕が記事を書く人だと、まったく知らないのに。
そこで聞いた話がとてもよくて、読者のみなさんにも知ってもらいたいと思い、今回の企画が立ち上がりました。
鳥羽さんとの“必然の出会い”によって生まれた記事が、少しでも読者のみなさんに役立つものになっていれば、うれしいです。
〈取材・文=川西龍之介(@ryunosuke_k124)/撮影=いしかわゆき(@milkprincess17)〉
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