ビジネスパーソンインタビュー
男性2人が語る“きたりえ”の魅力とは
「貯金が全然できない」映画『サニー』で共演する3人にR25世代の悩みを聞いてもらった
新R25編集部
仕事に慣れはじめる一方で、転職や結婚などの悩みも顕在化してくる「R25世代」。
そんなときは、誰かに話を聞いてもらいたいもの。アドバイスによって悩みはなくなるわけじゃないけど、少しでも心がスッと軽くなるならいいじゃないか!
ということで、今回はこの御三方にR25世代の悩みを聞いてもらった。
左からピエール瀧、北原里英、リリー・フランキー
なかなか見ることのない組み合わせの3人だが、実は、2月17日(土)より公開の映画『サニー/32』で共演するのだ。
今作で主演を務め、今春にはNGT48からの卒業コンサートを控える26歳の北原里英さんと、50歳を過ぎ、ますます大人の余裕が見られるピエール瀧さん、リリー・フランキーさんに率直な回答をもらった。
「貯金が全くできない」という悩みに…「いまのままでいいけど、絶対人のせいにしないように」
――まず私(30歳・男)の悩みなのですが、貯金が全然できません。ギャンブルもしないのですが、クレジットカードも資産だと考えてしまい、あればあるだけ使ってしまいます。
リリー:俺も以前はかなり借金していたけど、サラ金で借りられるうちは収入だと思っていましたよ。
北原:ふふ。
瀧:いったい何に使ってるの?
――飲み代や洋服代などが主です。
瀧:まあ使っていても、ここでインタビューするような仕事ができているのなら大丈夫じゃないですか。本当にヤバい人だったらそこに座っていないはず(笑)。
北原:ご結婚はされていないのですか?
――はい。
北原:それもひとつ理由にありそうですね。
瀧:別にいまのままでいいんじゃないですか。だけど、もし将来キツくなっても人のせい、世の中のせいにしないように。すべて自分のまいた種なので。
――改めて身につまされます…。
「仕事が私生活に影響してしまう」という悩みには、「名指しで仕事が来るほど愛情をぶつければいい」
――次の悩みですが、「エンタメ業界にいるため芸能人の方と会う機会が多く、以前から大ファンだった俳優さんの前では、緊張して仕事にならないどころか、彼氏を愛せなくなってしまうぐらい引きずってしまう」(28歳・女性)とのことです。
リリー:それ悩みっていうの? 照れてるだけじゃない。
北原:(笑)。でも私はわかるなあ。立派な「悩み」だと思いますよ。
リリー:まあでもそれは、女の人特有のファン心理ですよね。男からすれば「どうにもならない」という前提で会うから。
俺もファンだったのりピー(酒井法子)をインタビューしたとき、あまりにも神々しくて「これで生きていける!」って思うほどエネルギーをもらった。
女性の場合は、「一回抱かれたい」とか「どうにかしたい」という思いが根底にあるから悩んで苦しくなるんじゃないですか。
――瀧さんも何かアドバイスはありますか?
瀧:他の多くのファンに比べて、置かれている状況は明らかに良いわけじゃないですか。カジノで一人だけ賭けるチップがあるようなものだから、会ったときに「ダブルベッド」するか否かですよね。
「仲良くなりたい」と思って仕事の範ちゅうを超えていくのか、ファンの人を考えて引いたスタンスでいるのか。
リリー:まあスタッフがタレントと付き合うって話は珍しいことではないですけどね。
『スターウォーズ』のグッズコレクターだった新聞記者がルーカス・フィルムの広報になったように、その愛情を仕事で見せていけばいいんじゃないですか。名指しで仕事したいと言ってもらうほどに。
リリー「若いころも『これ以上悪くなるのが想像できない』という気持ちで不安は全然なかった」
――なるほど。いままさにR25世代でもある北原さんからも、お二方に相談などありますか?
北原:リリーさんには以前「卒業したら休みが増えそうで不安になるかも…」っていうことは相談しましたね。
リリー:10年間ずっと働いている印象だったからね。女優さんになったら休みもあるし、現場では“待ち”の時間も長くなるだろうし、不安になるのもわかります。
北原:でも「恐れなくても大丈夫だよ」とお答えいただいて、本当にラクになりました。
――瀧さん、リリーさんが北原さんぐらいの年齢のときは、将来への不安などありましたか。
瀧:もともと仲間との楽しい遊びが仕事になったようなものなので、特に不安はなかったですね。
まあ忙しかったはずだとは思うんですけど、「お金のためにやろう」とかは考えてくて、「自分ができることをやろう」というスタンスだったので。充実感はありましたね。
リリー:自分はさっきも言ったけど、当時は借金もあったし、仕事も月にイラスト1枚っていうひどい状況でした。
だけど、不安に思うことは全然なかった。「これ以上状況が悪くなるのが想像できない。だからもう上がるしかない」という気持ちでいたので。
ピエール瀧「北原さんからは『骨一本ぐらい折れてもいい』くらいの覚悟が伝わってきた」
今作で女優業を本格始動させる北原さんだが、その最初の作品が『凶悪』『日本で一番悪い奴ら』など、ハードボイルドな実録映画でメガホンを取ってきた白石和彌監督によるもの。
暴力シーン、過酷なロケーションでの撮影(真冬の新潟が舞台!)が多くあったため、音を上げてもおかしくなかったが、相当な覚悟が感じられたとリリー、瀧は感心する。
リリー:正統派アイドルとして10年やってきて、女優への一歩目が個性的な芝居を求められる白石作品でしょ。もう何でも出来ちゃうんじゃないですか。
先にキラキラした映画に出ちゃうと、この作品、断らなきゃダメになっちゃうから。
北原:(笑)。
瀧:そう、正統派な青春作品をやってからだと「アイツ行き詰まったな」感があるからね(笑)。
もともと北原さんのことはアイドルとして認識していたぐらいで、詳しい人となりは知らなかったけど、共演してみて「この子、肝がすわっているなあ」と感じました。
北原:白石監督作品に出て、AKB48グループを卒業できるのは本当にありがたいことですね。
雪の中、家の二階から飛び降りるシーンなど、何度か「死ぬかも」と思ったことはありましたが、お二人が現場で壁なく接してくださったおかげもあって、終始楽しく撮影することができました。
瀧:もうちょっと泣き言言ってもいいと思うんですけどね。大きなグループにいたわけですし、「キツい」と助けを求めたっていい。だけど一切そんな素振りを見せなかったので。
リリー:「演技をしたい」という思いがすごく伝わってきましたね。芸能界で場数も踏んできているはずなのに、真摯な気持ちで演じていて「真面目な人」という印象を持ちました。
瀧:だから僕は「何かと引き換えに撮影しているんだな」と思っていました。多少の凍傷ならしょうがない。なんなら骨一本ぐらいなら折れてもしょうがないくらいは思っていたんじゃないですか。
北原:はい(笑)、それの覚悟で撮影に望んでいました!
これからもいろいろな悩みにぶち当たるであろう「R25世代」。そんなときは、北原さんのように覚悟を決めてどっしりと構えているか、リリーさんや瀧さんのうに、“なるようになる”のスタンスでいるか、自分に合った心構えで乗り越えていこう!
〈取材・文=新R25編集部/撮影=長谷英史〉
【あらすじ】冬の新潟のとある町。仕事も私生活も振るわない24歳の中学校教師・藤井赤理が二人の男たちに監禁される。男たちは「ずっと会いたかったよ、サニー…」そう赤理のことを呼んだ。“サニー”とは、14年前に起きた「小学生による同級生殺害事件」の犯人の通称だった。そう、二人は加害者女児・通称“サニー”のカルト的信者だったのだ…。
【監督】白石和彌
【出演】北原里英、ピエール瀧、門脇麦、リリー・フランキーほか
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