ビジネスパーソンインタビュー
アメリカ全土を狙える飛距離に…!
前回は「いつものやつ」じゃなかった!“迎撃も難しい”北朝鮮のミサイル最新事情
新R25編集部
11月29日、久しぶりに北朝鮮の弾道ミサイルが発射され、日本海に着水。
正直「ああ、またね」と思う人も多いニュース(いや、そんな呑気じゃいけないかもなんですけど)だが、じつは前回のミサイルは北朝鮮にとって「偉業」を実現したものだったらしい…。一体どういうこと?
過去最高の高度4500キロに到達。角度を変えて打てばアメリカ全土が射程距離となる技術が完成…!
ロイター/アフロ
過去最高の4500キロの高さに到達。韓国でも大きく報じられた
29日未明に発射されたミサイルは、「ロフテッド軌道の可能性がある」とみられている。
ロフテッド軌道ってなに…? というと、通常の弾道ミサイルの軌道より、角度を上げて高く打ち上げる方法のこと。落ちてくるときのスピードが速く、迎撃することが難しいのだ。この手法により、北朝鮮が発射したミサイルとして過去最高の4500キロの高さにまで到達したという。
さらに、「ミサイル技術専門家、デービッド・ライト氏の試算によると、通常の角度で発射した場合、射程は1万3千キロに及ぶ」(11月29日付『朝日新聞』より)とも。
高く打ち上げる技術があれば、角度を低くすることで遠くまで飛ばすことができる。北朝鮮から1万3000キロというと、アメリカ「全土」が射程距離に入ったということになるのだ。
空中で弾頭が3つに分離し、迎撃が難しい「複数弾頭」の技術をもっている可能性がある
また、最近「北朝鮮が有していると見られている技術」として、「複数弾頭(MIRV=マーブ)」も挙げられる。
これは、大気圏中で弾頭が3つに分離して、それぞれがバラバラに目標に着弾するという最先端の技術。迎撃することが難しくなる。さらに、「デコイ」と呼ばれる「おとりの弾頭」も有しているとの情報が。
8月29日に発射されたミサイルについて、「MIRV技術が使われているのでは」と見られているが、情報は錯綜。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201708/CK2017083102000136.html菅義偉(すがよしひで)官房長官は発射直後の記者会見で『ミサイルが三つに分離した可能性がある』と発表。同日夜になって、防衛省は『確認できない』と修正した。
8月31日付『東京新聞』より
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201708/CK2017083102000136.html外交関係者は『MIRVの可能性はある』との見方を示した。北朝鮮の軍事に詳しい同国関係者は『MIRV開発は最終段階』との情報を明らかにした。
8月31日付『東京新聞』より
さまざまな専門家が北朝鮮の技術レベルを推察しているが、現状は答えが出ていない。
最近では核兵器の小型化も進んでおり、複数の核弾頭をMIRVで打ち込める技術があるとなれば相当な驚異だ。
米国は「態度改めないと交渉行わない」。トランプの“暴挙”的先制攻撃を不安視する識者も
ロイター/アフロ
エルサレムをイスラエルの首都に承認するという“暴挙”に出たトランプ大統領。北朝鮮に対してもありえる…?
金正恩委員長は、11月29日に「国家核武力(戦力)完成の歴史的大業、ロケット(ミサイル)強国の偉業が実現された」と宣言。
かなりの達成感を感じるコメントだけど、今後どうなってしまうのか…?
米・トランプ政権の北朝鮮に対する態度はガチガチに硬化するなか、「クリスマス前後に米軍から北朝鮮への攻撃がある」という噂も持ち上がっている。
軍事ジャーナリスト・田岡俊次氏はダイヤモンド・オンラインの記事で、「今のところその動きは見られない」などとこれを否定しているが、一方で「米大統領は一存で戦争を始めることが可能だし、軍人は反対意見を述べても、命令には従うから国民の目を外に向けさせるために戦争もできる」といった見解も。
最近さまざまな問題で評価を落としているトランプが、人気回復のために先制攻撃をする可能性も否定できないということのようだ。
しかしそうなれば、日本も無関係ではいられない。平和な年末が迎えられるよう祈るばかりです…。
〈文=新R25編集部〉
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