ビジネスパーソンインタビュー
“収益世界一”にも輝いたゲーム『王者栄耀』が日本進出。異例の「女性比率54%」のワケ

中国ではゲームにハマる若者が社会問題化!

“収益世界一”にも輝いたゲーム『王者栄耀』が日本進出。異例の「女性比率54%」のワケ

新R25編集部

2017/11/18

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『パズドラ』『モンスト』以降も、数々のヒット作が続く世界のスマホゲーム。そのなかに、日本ではまだあまり知られていない超人気作があることをご存知だろうか?

中国ゲーム史上最大のヒット作と呼ばれる『王者栄耀(オナー・オブ・キングス)』がそれだ。先日、ニンテンドースイッチでの配信も発表され、日本でも注目され始めている。

登録者は2億人以上で収益世界一にも! 中国では“ゲーム廃人”が社会問題化し、プレイ制限も

ゲームの内容は、プレイヤー同士でチームを組み、敵陣地攻略を目的とする「マルチプレイヤー・オンライン・バトル・アリーナ(MOBA)」の一種だ。

『王者栄耀』のスクリーンショット

自分のチーム5人と相手チーム5人で対戦

そんな『王者栄耀』の中国での人気は、ボクらの想像を超えている。インターネットコンサルティング会社『極光』によると、登録アカウント数はなんと2億!(2017年5月時点)

『王者栄耀』を運営する中国の「騰訊(テンセント)」は、同ゲームの大ヒットにより、2016年にアプリ市場で世界一稼ぐ企業となった。また、『王者栄耀』単体で見ても2017年5月にはiOS&Google Play合計の収益ランキングで世界一に輝いた。(「App Annie」調べ)

さらには「40時間連続でプレイし続けた少年が意識不明に陥った」「17歳以下は1日2時間までのアクセス制限を設けている」など、中国では同ゲームにハマる若者が社会問題にすらなっているという。

54%が女性プレイヤーという異例の男女比率。支持されるワケは美形キャラの“着せ替え”

『王者栄耀』が特にユニークなのは、その人気を女性プレイヤーが支えている点にある。ゲームライターの牧野武文氏によれば、

「なんと、プレイヤーの54%以上が女性なんです。『ベイングローリー』のように世界的に大ヒットしたMOBAでも、女性はせいぜい全体の3割程度。『王者栄耀』の女性人気は、まさに異例といえます」

とのこと。いかにも男性がプレイしそうなゲームなだけに、『王者栄耀』の女性人気の高さはなんとも不思議。なぜここまで女性に支持されているの?

「いくつか理由は考えられるのですが、いちばんのポイントは、やはり“着せ替え”の楽しみでしょう。『王者栄耀』で使用できるキャラは、三国志の登場人物から宮本武蔵のような日本の英雄まで50種類以上。しかも、すべて美形として描かれています。そうしたキャラに、好みの服装やアクセサリーを“買い与える”ことができるんです」

『王者栄耀』のスクリーンショット

『王者栄耀』のスクリーンショット

『王者栄耀』のスクリーンショット

同じキャラでもこのようにさまざまな着せ替えができる!

実際、調査会社の企鵝智酷によると、女性プレイヤーが課金をする理由でダントツの1位(43.6%)は「キャラの見た目をよくするため」であった

チームを組んで戦うソーシャル要素が強いゲームのため、自分のキャラを見せびらかす機会が多いことも着せ替え人気に影響しているだろう。

勝つためよりも楽しむために課金する。キャラへの愛着を生む“pay to fun”構造がカギ

とはいえ、着せ替えだけで『王者栄耀』が、ここまでのヒット作になれたわけではない。牧野氏によれば、そのキーワードとなるのが“pay to fun”だ。

「『王者栄耀』の課金対象は、服装やアクセサリーが中心。アイテムや能力など、勝敗に関わる要素は、基本的に無料で獲得できます。つまりゲームの本筋となるバトルの部分は、無課金で十分遊べる。スマホゲームの多くが“pay to win(勝つために課金する)”構造であるのに対し、『王者栄耀』は“pay to fun(楽しむために課金する)”構造になっているんです」

『王者栄耀』のスクリーンショット

服装の選択画面

“pay to fun”の構造だと課金でゲームを進める時間をショートカットすることができないので、キャラクターの経験値を貯めるにも時間がかかる。長い間プレイすることになるのでキャラクターへの愛着も湧き、着せ替え欲求も高まるのだ。

”pay to win”ほど瞬間的な課金力はないものの、プレイヤーの参加障壁が低く、長い目で見ると”pay to fun”のほうが、収益性が高くなる傾向があるのだという。

どうやら『王者栄耀』の成功には、課金ビジネスの新たなヒントも隠されているよう。果たして日本ではどこまで話題となるのか? スイッチ版の配信開始が気になるところだ!

〈取材・文=片岡あけの(清談社)〉

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