「将来の不安は微塵もない」
「年収1000万超えの20代」って本当にいるの?実際に会って格差を見せつけられてきた
新R25編集部
はじめまして。2018年1月より新R25編集部に入った福田と申します。みなさん、お金稼いでますか?
僕は高年収を夢見るものの、大きな声じゃ言えませんが社会人3年目の給料なんてしょっぱくて、ヒイヒイ言う毎日。
たまにTwitterで「20代で年収1000万!」という転職サイトや転職エージェントの広告を見ますが、本当かよって思いますよね。…ということで、これが今回のテーマです!
なんともいえない表情。字も汚い
というわけでリサーチしてみると、見つかりました、年収1000万超え20代男子! 持つべきものは、顔の広い友人ですね。さっそくその生活を聞いてみましょう。
外資系証券マン・山本さん(仮)「1年目から年収1000万超えてました」
1人目は、外資系の証券会社に勤める、27歳の山本さん(仮)。
ネイビーのコートをサラッとはおり、スマートな身のこなしと香水の香り…。一瞬で「あっ、これ人生2周くらいしないとなれない人だ」って思いました。
編集部・福田
まさかこんなにすぐに20代で年収1000万を超えている人に会えるとは思ってませんでした。
山本さん
そうですか(笑)。結構いると思いますよ。
編集部・福田
さっそく生々しいんですけど、毎月の給料ってどのくらいです?
山本さん
月に50万以上はもらってます。ボーナスが大きくて、額面で1000万は超えてますね。
編集部・福田
ボーナス額が50万という人も普通にいるでしょ…。いつからそんなに高給取りなんですか?
山本さん
新卒1年目から年収1000万は超えてましたね。まだ社会人2年目ですが、生活には困ってないです。
編集部・福田
社会人3年目の私が言いますけど、金銭感覚は絶対におかしくなってる。将来の不安とかはないんですか?
山本さん
それは微塵もないですね。
編集部・福田
早くも言い切りましたね!
「東京カレンダーに載ってる店は基本的に知ってますね」
山本さん
でも、びっくりするくらい(お金が)貯まってないんですよね。前月のクレジットカードの請求額は130万円でした。何に使ってることやら(笑)。
編集部・福田
すげえ楽しそうに笑うじゃん…。やっぱり飲み歩いているんですか?
山本さん
いや、22時くらいまで働いているので、そんなに遊んでないですね。ただ、いい飯をひたすら食ってます。1回で1~2万円ぐらい使う。ご飯屋さんでの金銭感覚は狂ってきてます。
編集部・福田
出た!『東京カレンダー』に出てくる人の世界だ。
山本さん
『東京カレンダー』は流し見する程度ですよ。基本的に載ってる店は行ったことあるんです。だから「ああ~、ここ知ってる」って思います。
編集部・福田
『東京カレンダー』の先に行く人って初めて見たわ。ちなみに、家賃はどれぐらいの家に住んでるんですか?
山本さん
家賃は16万かな。中央区の1Rで、16畳ぐらいですかね。
編集部・福田
家賃も広さもウチの倍以上。格差、これが格差ですよ。
ふだんはどんなことをして遊ぶんです?
山本さん
銀座にいることが多いですね。ウィンドウショッピングするとかカフェに行くとか。
編集部・福田
銀座を生息地にする20代っているんだ。
山本さん
今日の仕事の後も銀座のジムに行く予定です。
編集部・福田
エネルギーの塊かよ。余すことろがない。
仕事へのモチベーションは「同期や先輩に勝つことが楽しい」
編集部・福田
20代のビジネスマンって、「いつか年収1000万に…!」みたいな夢があると思うんですよ。もうそれだけ稼いでる山本さんの目標ってなんですか?
山本さん
特にないですね。ない。
編集部・福田
えっ、それじゃあどんなモチベーションでハードな仕事をしているんですか…?
山本さん
この証券業界で生き残る戦いをしたいんです。生き残るといっても、しがみつくようなものじゃなくて、同期や年の近い先輩とかに勝っていくのが楽しいんです。
編集部・福田
…勝つことが好きなんですかね?
山本さん
そもそも金融という仕事自体には興味なかったんですよ。でも就職活動の時に、外資系の会社が大学に(説明会を開催しに)来ていて、そこで(給与とか)いいなって思って。
何よりいいと思ったのが、やっぱり外資系って、新卒採用の倍率がめちゃくちゃ高いんですよ。それって燃えますよね。
編集部・福田
戦闘民族か何かですか?
山本さん
ボーナスが大きいって言いましたけど、その額って社内の評価で順位づけされるんですよ。仕事の質で評価されて、ランキングみたいになっているんです。
編集部・福田
えっ、じゃあ露骨に仕事への評価が給与の差なんですね。
山本さん
そうですね。そこで同期や先輩たちの中で上位に立っていたい。
編集部・福田
だからそのモチベーションはどこから来るんだ。
「コンパなんて行かなくても、街中に出会いはあふれている」
編集部・福田
もう聞きますけど、ぶっちゃけモテますよね?
山本さん
モテなくはないですね。一応付き合ってる彼女はいます(笑)。
編集部・福田
否定しないんだなあ…。一応って、たぶんほかにもいますね。やっぱりお金目当ての女子が寄ってくるわけですか?
山本さん
というより、個人的な意見としては、コンパとか行かなくても街中に出会いはあふれていると思うんですよ。カフェとかでかわいい子がいても普通に声かけるし。
編集部・福田
稼いでるという自信があるからそんなことできるんですよ。もしかして、そのまま“夜”までイケることも多い…?
山本さん
そこまでは言えませんよ(笑)。
編集部・福田
濁された。
1人目の山本さん(仮)から聞いた話をざっくりまとめると、「年収1000万を稼ぐ20代は、他者に勝つことに喜びを感じ、自分に自信があるからめっちゃモテる」ということでした。
不動産系営業マン・大林さん(仮)「3年目で一気に年収1000万に」
続いては、不動産関係会社に勤める25歳の大林さん(仮)。
山本さんに比べると、そこまで“勝者のオーラ”は感じない。そんな彼が高収入を手にしている理由とは…?
編集部・福田
私と同い年で1000万越え。同じタイミングで社会人になったのに、こんなに違うっておかしいよ…。ずっとそんな高年収なんですか?
大林さん
いえいえ!1年目は400万くらいで、2年目も450万くらいじゃないですかね?
編集部・福田
えっ、じゃあ3年目から急に1000万!? 500万以上増えてるじゃないですか。
大林さん
うちの会社は成果主義で、年2回のボーナスの振り幅が大きいんです。少ない人は5万~10万くらい、多い人は300万~400万くらいもらえます。
編集部・福田
ボーナスで人生変わっちゃう。
大林さん
そうです。1年目と2年目のボーナスは30万くらいだったんですが、3年目でボーナスが300万になりました。
編集部・福田
10倍になってるじゃないですか! 何やったらそんな上がったんです!?
大林さん
自分の業務は「物件を安く買って、それを高値で売る」というものなんですけど、その物件をいくつ買えるかで評価されるんですよ。
編集部・福田
へえ…。それでは3年目になって物件をいっぱい買えたと?
大林さん
はい。2年目までは全く買えなくて、かなりくすぶってたんです。辞めようかなって思うくらい。
それでも地道に情報を集めたり、不動産を持っている人に会いに行ったりと行動を積み重ねて、3年目に開花したんです。社内で1番の成績を取って、主任→係長とスピード昇進しました。
編集部・福田
進研ゼミの漫画みたいなサクセスストーリーだ。
大林さん
月々の給料は2年目まで毎月25万くらいでしたけど、係長になってからは毎月40万円弱もらってます。
編集部・福田
仕事が上手く行ってボーナスが600万、係長にスピード昇進して月々40万。年収400万から上がったと思うと、夢があるなあ。
大林さん
額面での話ですよ。成績が下がるとボーナスも減るので、それは恐怖です。
これが「港区男子」誕生の瞬間? 芽生えはじめる物欲…
編集部・福田
年収が倍以上になって、何か変わりましたか?
大林さん
まだ全然ですが、これから生活を変えていこうかと思ってます。
編集部・福田
というと?
大林さん
時計とかスーツとか、いいものを身に着けようと思い始めましたね。この前時計を買いに行ったら、これまで興味なかった高級時計が格好よく見えたんですよ。
大林さん
じゃあもしかして、いま身に着けているのって…?
大林さん
60万のタグホイヤーです(笑)。もともと物欲はなかったんですけど、いまは150万とか200万の時計も欲しくなってきましたね。
編集部・福田
確実に物欲が芽生えはじめている。
大林さん
あとは、いま文京区の8万のマンションに住んでいるんですけど、赤坂あたりに引っ越そうかなと思ってます。港区デビューしようかと(笑)。
編集部・福田
えっ、もしかしてこれが港区男子の生まれる瞬間?
大林さん
後輩や新卒で入ってくる子に、夢を見せてあげるべきだと思うんですよ。仕事がうまく行けば、このくらいの生活ができるぞって。
編集部・福田
なるほど…。女性関係はどうですか? 彼女とかいないんですか?
大林さん
新卒の時に付き合ってたんですけど、仕事がうまくいかなくて腐ってるときに見限られちゃったんですよ。
いまはこんなに成功してて、ざまあみろって感じですよね(笑)。
編集部・福田
急にゲスさがでてきたな!
気になるモチベーションは「圧倒的な力がほしい」
編集部・福田
大林さんは営業で成果をだして、収入がグンと上がったわけですけど、もともと年収1000万以上稼げるとは思ってなかったんじゃないですか?
大林さん
いや、それは狙ってましたよ。
編集部・福田
即答!
大林さん
普通にやってりゃ1000万は行くでしょとは思ってました。就職活動では1000万以上もらえる会社を受けていたので。
編集部・福田
はあー、それで本当にできちゃうんだもんな。
大林さん
だからこの会社で、しっかり仕事をこなして認められたいとは思っています。バリバリ仕事をこなしていれば、最終的にはお金もついてくるんで。
編集部・福田
それならいまは満足しているんじゃないですか?
大林さん
仕事も収入もまだまだですね。誰にも負けないくらい、圧倒的な力がほしい。
編集部・福田
急にどうされました?
大林さん
それくらい仕事ができる人になりたいってことです(笑)。
編集部・福田
『ARMS』みたいな話になっててびっくりしました。
大林さん
だからもっと働いて、エラくなってやろうとは思いますね。
編集部・福田
そのモチベーションはどこからくるんでしょうか? 目標とかあるんですか?
大林さん
しっかりとした目標とかはないかな。社長になりたいわけではないし。
ただ、これまで受験でもスポーツでも与えられたことには一通り成果を出してきたので、仕事でも成果を出したいという気持ちです。
編集部・福田
ずっと勝ちつづけてきた人ってこういうことか。
2人目の大林さん(仮)から聞いた話をまとめると、「年収1000万稼げるようになると、物欲に目覚めて港区男子になって、圧倒的な力もほしくなる」ということでした。
おわりに
年収1000万を超える20代は、山本さん(仮)のように負けず嫌いだったり、大林さん(仮)のように異常な上昇志向を持ったりしていることがわかりました。家でYouTubeを見るのが大好きな僕からすると、とても同じ哺乳類には思えない…。
しかし、20代で年収1000万にたどり着くためには、このぐらいのストイックさが必要なのかもしれませんね。私も明日から家に帰ったら、スマホは1時間ぐらいしかイジらないようにしたいと思います!
〈取材・文・撮影=福田啄也(新R25編集部)〉
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