moto著『転職と副業のかけ算』より

本業の経験が「資本」になる。サラリーマンには“最もお金にしやすい”副業があります

キャリア
「なぜ、年収240万円の地方のホームセンター店員が、年収5000万円を稼ぐサラリーマンになったのか」

この強烈な一文から始まるのが、Twitterで6.6万フォロワーを誇るmotoさんの著書『転職と副業のかけ算』。

転職サイト転職エージェントを活用し、短大卒ながらリクルート、楽天などを渡り歩き、本業で1000万、副業で4000万の年収を得ているmotoさん。その経験に基づいた「これからの時代の稼ぎ方」をあますところなく公開した一冊です。

発売前の段階でAmazon書籍ランキング総合1位を獲得した本書から、今回は特別に3つの記事をご紹介します。

個人ブランドを活かした「サラリーマン副業」のやり方

人が集まれば、そこにビジネスが生まれる」という言葉があるように、自分のところに人を集められれば、個人でお金を稼ぐことができるようになります。

僕はTwitterでフォロワーを集めたうえで、自分が培った本業の知見を発信しています。

具体的にその展開方法とやり方についてご説明します。

① 時間を切り売りする「労働集約型」にしない

まず、大前提ですが、サラリーマンの副業は労働集約型にしてはいけません。

僕は「サラリーマンができる副業」には、大きく4つのパターンがあると思っています。

1つ目が「コンテンツ配信」、2つ目が「転売」、3つ目が「イベント」、4つ目が「投資」です。

どれも、すぐに始めることができます。

僕は、サラリーマンの副業において大切なことは「リスクが少ないこと」と「負荷が小さいこと」だと考えています。

副業で大きなリスクを背負ったり、働きすぎて本業に支障をきたしてしまっては本末転倒です。

できるだけ個人の持ち出しが少なく、手軽に始められる副業がいいのです。

この4つのなかで最もリスクが少なく、負荷が小さいもの、かつTwitterの個人ブランディングと相性がいいのは、ブログなどの「コンテンツ配信」です。

僕は中高生時代に転売をやっていましたが、転売は相場を調査したり、落札、梱包、配送などの手間がかかります。

そのため、サラリーマンがやるには効率が悪い。

作業を外注する手もありますが、それだと初期投資が必要です。

サラリーマンの副業は、使える時間とお金が限られます。

そのため、自分が手を動かさなくてもお金を稼げる仕組みをつくることが必要です。

副業を労働集約型にして時間の切り売りをしていると、大きな金額を稼げません。

副業はなるべく自分が手を動かさなくても「お金が入ってくる状態」にすることが理想です。

その点、ブログなどのコンテンツ配信はとても効率的に運用できます。

また、Twitterでのブランディングができれば、ブログへのアクセスも集めやすくなるため、手間がかからないという点でもおすすめです。

② 本業や過去経験をお金に換える

僕の経験上、サラリーマンがブログやコンテンツ配信でお金を稼ぐには、「本業で自分が苦労して得た知見」を発信するのが近道です。

副業の場合、本業と違い企業の看板がないため、「自分」を資本にするしかありません。

自分しか資本がない状態で利用できるものは「自分の持つ知識」や「自分が経験して得た知見」、そして「自分の時間とお金」です。

ただし、サラリーマンの場合、「自分の時間とお金」はそう多くないはずです。

少し話は変わりますが、人は「自分にとって有益な情報」にお金を使います。

「お金を払ってでも知りたい有益な情報」を分解していくと、「自分と同じ悩みを持った人が、それをどのように解決し、結果どうなったのか」という「自分と同じ境遇の人の体験談」に価値を感じることが多いのです。

こうしたオリジナル性の高い情報は、個人にしか発信することができないため、企業と競合することもありません。

自分にしかアウトプットできない情報にこそ、ユーザーが価値を感じ、お金を払ってくれます。

その観点で言えば、まさにサラリーマンは、本業で様々な苦労をして多くの知見を持つ存在です。

そして、同じような苦労に悩み、解決策を求めているサラリーマンは世の中に数多くいます。

サラリーマンの経験には、多くの需要と供給が潜んでいるのです。

実際、僕は新入社員が新規のテレアポを始める時期に、自分が経験して得た「新規アポの獲得術」をnoteで配信し、公開から12時間で約100万円の売り上げがありました。

自分が苦労して得た経験を余すところなくコンテンツにしたことに価値を感じてもらえたのです。

その際、以前からTwitterで「営業ができる人物だ」という認知を広げていたこともあり、短時間で大きな売り上げにつながりました。

自分を資本とする副業は「本業で得た知識や、実際に経験して得た知見」をコンテンツにすることが、最もお金にしやすいと個人的には思います。

③ 自分が稼ぐ「売り上げ目標」を決める

副業でお金を稼ぐには「稼ぎたい額=売り上げ目標」を決めることも必要です。

どの会社にも売り上げ目標があるように、副業でも目標を設定しましょう。

副業は、ただでさえ“サブ”の仕事なので「時間がなくてできなかった」とか、「気がついたらやらなくなっていた」ということになりがちです。

しかし、目標を立ててコミットしていかないとお金を稼ぐことはできません。

また、目標金額を決めることで、やるべき副業も決まってきます。

極端な例ですが、売り上げ目標を月間1000万円にしたとします。

「自分が得意なのは不動産の領域だから、この知識をnoteで有料販売しよう」と決めて、1冊500円で売り出した場合、2万人に購入してもらう必要が出てきます。

月間で2万人に販売するのは、ほぼ不可能。

それならnoteではなく不動産投資をしたほうが売り上げ目標を達成するには現実的です。

極端な例かもしれないですが「稼ぎたい額によって、やるべきことが変わる」ので、自分の目標を実現できるやり方を選ぶようにしてください。

この例の場合、時系列を絡めて「3年後にnoteで年間1000万円を稼ぐ」とすれば、SNSを通じた自己ブランディングなど、自分のやり方次第では十分実現できる目標になると思います。

これから副業をしようと思っているなら、まず自分の経験と知識を活かせるのはどの領域か、そのうえで自分はどれくらい稼ぎたいのかを明確にすること。

最初はそこから始めてみましょう。

④ 本業と副業の「時間の使い方」

僕は、本業も副業も平日にやっています。

仕事の割合はざっくり本業7割副業3割です。

僕のいる会社は、社長を含めて副業で自分の会社を持っている社員が3割ほどいます。

なかには「副業の延長で本業をしている人」もいるので、良くも悪くも、本業である会社への帰属意識がほとんどありません。

「稼ぐことが正義」という風潮のある会社なので、副業のアポイントでも、平日のスケジュールに入れて稼働しています。

就業時間中に、平然と副業をしてもとがめられないのが、ほかの会社との大きな違いだと思います。

僕は今の会社の考え方がとても気に入っています。

副業の売り上げが伸びれば、その経験が自分の市場価値を押し上げて、結果として本業の会社に還流されて売り上げも伸ばせる…。

まさに「本業の成果に副業をかけ算」する考え方で成り立っています。

ただし、自由にやらせてもらっているぶん、本業での成果は想像以上に高いものを求められます。

副業に力を入れすぎて本業の目標を達成できなければ、容赦なく評価が下がりますし、副業が社内で共有されているぶん、社員としての成果が出せなければ「副業があるんだし、キャリアを考えたら?」と、暗に退職をすすめられてしまいます。

そのため、本業と副業のバランスはとても大切にしています。

あくまで社員としてのパフォーマンスありきの自由である、という統制がなされているので、自分の市場価値向上のためにも、日々本業での成果を追い求めています。

ほかの会社よりオープンに副業できる環境である、という特徴はありますが、本業も副業も、平日に割ける時間にはやはり限界があります。

そのため、時間の効率化にも力を入れています。

まず、本業での時間の効率化ですが、僕はお金で買える時間はお金で買っています。

例えば「これは自分でやる必要はない」という仕事は、すべて外注しています。

同じように、一緒に働いているメンバーにもその判断をさせ、外注をよしとする文化をつくったのです。

時間だけでなく、「自分の時給」を上げる働き方を意識できる組織にすることが、僕の1つの目標でもあります。

ほかにも、「社員ミーティングで時間と場所をムダに縛ったりしない」、「行く必要のないアポは電話で終わらせて移動時間を削減する」など、できる限り時間をつくることを意識しています。

また、僕は移動時間を有効活用しています。

タクシーに乗って車内でコンテンツを作ったり、終日外回りであれば会社には出社せず自分の個人会社で借りているオフィスを拠点に行動したり、限りある時間を有効活用しています。

サラリーマンは「時間給」ではありませんが、いかに効率よく働くかが自分の「時給」を左右します。

時間は有限なので、いかに時間を生み出すか?という視点を持って効率化に励まないといけません。

次に、副業における時間の効率化ですが、僕が副業をするうえで最も大事にしているのが「自分がかけた時間に対する売り上げ」です。

例えば、3時間をかけて書いたnoteの売り上げが100円だったら、時給は約33円です。

コンビニでアルバイトをしたほうがマシです。

こうならないためには、「短い時間で、質の高いコンテンツを出す」しかありません。

質の高いコンテンツは、SNSなどで話題になり、そのコンテンツ自体が人を集めてくれるので、副業においては最大の効率化になります。

ダラダラと価値の低い内容を発信し続けるよりも、一球入魂で、毎回、脳みそに汗をかいていいモノを作ったほうが、自分の資産になります。

量が質を生むともいいますが、副業の場合は「ひとつのコンテンツで、いくら稼げるか」が自分の時給になるので、なるべく時間をかけず、「勝手にコンテンツがユーザーを連れてきて稼いでくれる状態」を目指すことが大切です。

僕は、短時間で質の高いコンテンツを作り出すために「事前リサーチ」を徹底しています。

例えば、メンバーとランチに行ったとき。その場で「noteでこういう話があったら、いくらで買う?」とか、「voicyでこんな話をするんだけど、具体的に何を聞きたい?」と、ユーザーヒアリングをします。

それによってハズれのないコンテンツを作るようにしているのです。

ブログやnoteを書き終わった後も、仲のいい友人何人かに内容を送ってフィードバックをもらい、「誰もが理解できる状態」にしてから出すようにしています。

こうした作業には同僚や友人の手伝いが欠かせません。

僕はnoteの売り上げで飲み代をおごったり、noteやTwitterには書いていない自分の経験を伝えたりすることで、手伝ってもらうことへのお返しをするようにしています。

「自分だけ儲かればいい」という発想でいると、「あの人は仕事よりも副業を優先している」ような見え方になり、別に悪いことはしていないのに、本業にマイナスの影響を及ぼす可能性も出てきます。

自分さえよければいいという働き方をしているうちは、周りの協力を含め、本業も副業も大きくならないと思いますので、バランスは大切にしてください。

また、寝る間も惜しんでブログを書くなど、過度な努力をして稼ぐのも本質的ではないので、くれぐれも無理をしないようにしてください。

もしどうしても時間をつくれない、という人は「意識のない時間」をつくらないようにするといいです。

家に帰って無意識のうちにテレビをつけて、特に何も考えずビールを飲みながらダラダラと見てしまう、というような「意識のない時間」は真っ先に削れます。

「時は金なり」という言葉があるように、時間をお金にしていく考え方を持ちながら取り組むと、日々の生活も変わってくると思います。

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転職と副業のかけ算 生涯年収を最大化する生き方

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副業を解禁する企業が増え、転職も一般的になった今、「個人の力で稼ぐスキル」は必要不可欠になってきています。

motoさんが言うように、企業が生き残る可能性と、自分がその会社で生き残る可能性は別問題。

自分の身を守るためにも、自分の市場価値を高める方法を学んでみませんか?

motoさんの取材記事はこちら

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