ビジネスパーソンインタビュー

「自分でサッカーチームもつくったよ」ホリエモンが考える日本サッカーの進化ポイント4つ

Jリーグは“世界一になれるポテンシャル”がある

「自分でサッカーチームもつくったよ」ホリエモンが考える日本サッカーの進化ポイント4つ

新R25編集部

連載

ホリエの視点

Sponsored by 富士ゼロックス株式会社

2020/01/31

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リンクのコピー

オフィスの複合機はもちろん、ソリューションや全国のセブン-イレブンに設置されているマルチコピー機なども提供している富士ゼロックス

(失礼ながら)普段生活しているなかで、企業名を意識することはあまりないかもしれませんが…実はサッカーファンなら知らない人はいないんだとか。

なぜなら、同社は毎年天皇杯の優勝チームと前年度のJリーグチャンピオンが争うサッカー大会「FUJI XEROX SUPER CUP」のメインスポンサーをしているんです!

富士ゼロックスは、Jリーグが発足する以前の1970年代からサッカー競技への協賛をスタート。

1970年の高校サッカーを皮切りに、「XEROX SUPER SOCCER」を1979年から開始しています。

その根底には、「世界中の人々と感動を共感しあえるコミュニケーションのひとつとして、日本のサッカーをもっと盛り上げ、文化、スポーツの発展に貢献したい」という思いがありました。

そんな日本のサッカーを、別の角度から応援している男がまたひとり。

2015年からJリーグのアドバイザーも務めている堀江さん

堀江さんいわく、ビジネス目線で見ると、日本のサッカーは世界にもひけをとらないポテンシャルを秘めているんだとか。

その理由が気になるので、今回は堀江さんに日本のサッカーについて思うことをとことん語っていただきます!

サッカーにはあまり興味がない」という方も、堀江さんの視点を通じて別の角度からサッカーに注目していただけたらうれしいです。

〈聞き手=渡辺将基/文=福田啄也〉

インタビューが始まる直前まで、80年代に開催されていた「XEROX SUPER SOCCER」の記念誌を懐かしそうに読んでました

「日本のサッカーは世界トップレベルのポテンシャルがある」

渡辺

今日はJリーグのアドバイザーも務められている堀江さんに、ビジネス視点でサッカーについて語っていただきたいと思ってます。

堀江さんは、かねてから日本のサッカーを評価してますよね。

堀江さん

総合的なレベルで言うなら、Jリーグは有名な海外リーグと変わらないポテンシャルがあると思うよ。

渡辺

なぜそう思うんですか?

堀江さん

まず日本って、サポーターのマナーがいいよね。

昨日までスペインにサッカーを見に行ってたんだけど、サポーターが相手チームの選手が乗っているバスに酒瓶とか投げるんだよね。

リーガ・エスパニョーラ(スペインのサッカーリーグ)でだよ?

あれ? 先日「臍ヘルニア」の手術を受けたばかりなのに、もう海外に行ってる…

堀江さん

それに、日本のクラブチームは地域に密着した経営がちゃんとできてる。

クラブチームの経営はそこが一番難しいんだよ。

たとえば松本山雅FCはOBの選手が広報をやっているから地元ですごく応援されてるし、FC今治は元日本代表監督の岡田さんが自身で営業もやって必死に頑張ってる。

堀江さん

ただ、まだまだビジネスが下手なんだよね

渡辺

今日はその点についてぜひくわしく教えてください!

堀江さんの提言①「都心にクラブチームやスタジアムをつくるべき」

堀江さん

まず、東京23区内にクラブチームがないのが致命的

エンターテインメント事業なんだから、たくさんの人が集まる都心にチームをつくるべきだよ。

渡辺

都心に一番近い東京ヴェルディでも、ホームは調布市ですからね。

堀江さん

そう。人口が多いところにクラブチームがあるだけで、集客は何倍も変わるはず。

サッカーをもっと身近なものにするには、主要都市の中心部に3チームぐらいはつくらないと。

堀江さん

スタジアムへのアクセスもすごく不便だよね。どこも駅から遠いし。

ガンバ大阪のホームスタジアムが、すぐ隣のららぽーととつながってなかったり。

そういうところで、ビジネスが下手だなって思う。

渡辺

おっしゃる通りですね。

ただ、なぜ都心部やアクセスのよい場所にスタジアムをつくれないんですか?

堀江さん

サッカー目的だけのスタジアムだと収益化が難しいんだよ。

サッカー場ってを大事にしないといけないから、気軽に張り替えたりできないの。

だから、サッカー以外のイベントがあんまり実施できない。

堀江さん

でも、たとえば芝をスタジアムの地下に格納して、LEDライトを照らして管理することならできる。

そしたら、昼はJリーグの試合をやって夜はライブイベントを開催するみたいなこともできるでしょ。

渡辺

そんなことができるんですね…参考になります。

堀江さん

そういうソリューションを考えれば、都心でも収益化できるスタジアムをつくれるはずなんだよ。

サッカーの試合がなくても人が集まる場所にできれば、もっとスタジアムに対して親しみを持ってもらえるはず。

堀江さんの提言②「VIP対応を充実させるべき」

渡辺

スタジアムに関しては、以前「VIP席の対応改善」にも言及されてましたよね。

堀江さん

うん。ライブビジネスって、一般客はそんなに売上に貢献してないことも多いんだよね。

アリーナ席をすべて埋めても赤字になることもある

だから、VIPにお金を落としてもらわないといけないの

でも、日本のスタジアムのVIP席はちゃんと整備されてない。

「昭和っぽい内装だったり、公民館レベルだったり、そんなんばっか」

堀江さん

一方で、ヨーロッパのサッカーってVIP席が充実してるんだよ。

田舎のスタジアムでもVIP席が地元の名士の社交場みたいになってるし、試合後にスター選手がそこを訪れるとか、サービスが行き届いている。

俺はそういうVIP待遇が、プロスポーツビジネスを支えてると思うけどね。

堀江さんの提言③「日本のチームはもっと海外企業に買収されるべき」

堀江さん

それに、Jリーグにはもっと海外資本が入ってくるべきだよね。

渡辺

なぜそう思うんですか?

堀江さん

だって、アジア市場はこれからさらに大きくなるじゃん。そのなかで、Jリーグはもっとも歴史がある

それに日本は治安もいいし、食べ物もおいしい。ヨーロッパのスター選手も、アジアに来るなら絶対日本が一番いいでしょ

渡辺

そういえばヴィッセル神戸にいるイニエスタ選手も、契約が切れても日本でプレーしつづけたいと話してましたね…

堀江さん

そう。そういうスター選手をどんどん日本に呼べたら、絶対に世界一のリーグになれるよ。

でも、今のJリーグにはそのお金がない。

だから俺は、日本のチームはアジア企業にもっと買収されるべきだと思う。

堀江さん

ヨーロッパの主要チームのスポンサーって、今はみんなアジア系の企業だからね。

そういうところに買収されれば、かなりクラブの財布は潤うはず。

渡辺

ただ、日本はチームが地域密着で頑張ってるからこそ、買収(されること)に抵抗があるんでしょうね。

堀江さん

でもチームがどんどん買収されるようになると、流動性が上がって買収額も高値になる

そしたらクラブチームの資本力はより強くなるから、チームにとってはいいことだらけじゃん。

堀江さん

それに、海外企業に買収されることは日本経済にとってもプラスになる。

彼らがオーナーになったら、きっとチームに自分の国の代表選手とかを招くじゃん。そしたらその国でも日本サッカーの注目度があがる。

海外から観戦に来る人も増えるから、観光業にとってもありがたいでしょ

渡辺

なるほど。

堀江さん

現に北海道コンサドーレ札幌にタイの代表選手がいるんだけど、タイでは中田英寿がセリエAにいったときみたいなムーブメントが起きてて、タイ人が札幌までサッカーを見にきてるんだよ。

堀江さんの提言④「Jリーグはアジアに放映権を売るべき」

堀江さん

あとはやっぱり、「放映料」の問題だよね。

Jリーグはメディアに放映権を売ってその金を各チームに分配してるんだけど、以前はそれが信じられないくらい安かったんだよ。

年間50億円とか。

「やっす~」って言葉が似合う表情

堀江さん

でも2017年に、DAZNが10年間の放映権を2100億円で買ったじゃん。

それでようやくクラブチームの採算が取れてきたんだよね。

イニエスタとかスター選手がJリーグに来てくれるようになったのも、DAZNマネーのおかげだよ。

渡辺

DAZNみたいな新しい収益源をこれからも増やしていくべきだと。

堀江さん

そう。もっと放映権を海外でたくさん売るべきなんだよ。とくにアジア。

最近、タイのケーブルテレビが放映権を買ってくれたけど、中国やインドみたいな経済発展している国に放映権を売れば、ドカンと金が入る。

そうすればもっとスター選手を獲ることができて、絶対に日本サッカーのレベルは底上げされるから。

「結局、ほとんどの問題は金で解決できるのよ」ってホントに言ってました

堀江さん

ちなみに、「FUJI XEROX SUPER CUP」の賞金っていくらなんだっけ?

渡辺

5000万円ですね。

堀江さん

5000万円かぁ…もういっそのこと、50億円ぐらいにしてほしいよね(笑)。

そしたら、日本のサッカーはめちゃくちゃ強くなると思うよ。

また極論言ってる…

仮説を実証するために、自分でサッカーチームをつくった

渡辺

50億…はなかなか大胆な提案ですが、日本のサッカーに対する堀江さんの視点はとても勉強になりました。

堀江さん

でも、俺は何年前からこういうことを言ってるのに、いっこうに誰も始めないんだよね。

だから今年、自分でサッカーチームをつくったのよ

渡辺

え!?

新しくチームをつくったんですか?買収ではなく?

堀江さん

プロスポーツチームの買収ってめちゃくちゃ大変じゃん。特に日本だと。

昔はいろいろありました

堀江さん

だから、もうつくったほうが早いなって。

すでにチームのエンブレムもつくったし、東京都社会人サッカーリーグに「Tokyo2020FC」というチーム名も登録した。

渡辺

「Tokyo2020 FC」…!

堀江さん

(アマチュア最下位の)4部リーグからのスタートだけど、そこで1部まで上がって成績を残せば、Jリーグにも参戦できる。

もちろん簡単じゃないけど、理論通りにいけば10年くらいでJ3になると思ってる

渡辺

プロリーグ入りまで見据えているんですね。

難易度はかなり高そうですけど。

堀江さん

『キャプテン翼』の高橋陽一先生が後援会会長をやっている南葛SCも、社会人リーグの1部からJリーグ入り目指して頑張ってるよ。

だから実証実験として、自分でもやってみる。もしホントにJリーグ入りしたら最高に盛り上がると思う。

俺も最初は、集客のために試合に出るつもり

渡辺

それは絶対に見に行きます(笑)。

プロスポーツは選手だけでなく、ビジネスパーソンが活躍できる世界である。堀江さんの話を聞いて、そんなふうにサッカーの印象が変わった人も多いのではないでしょうか?(毎度勉強になります…)

さて、今回の対談のなかでも話題に上がった「FUJI XEROX SUPER CUP 2020」が、2月8日(土)、埼玉スタジアム2002で開催されます。

2019年Jリーグチャンピオンの横浜F・マリノスと、第99回天皇杯優勝チームのヴィッセル神戸の一戦。盛り上がること間違いなしの大会を、ぜひ新たな視点で楽しんでみてください!

〈取材・編集=渡辺将基(@mw19830720)/文=福田啄也(@fkd1111)/撮影=長谷英史(@hasehidephoto)〉

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