

不動産業界に起きる“ゲームチェンジ”とは
「家は一生に一度の買い物」は“ネット不動産”の誕生で終わる。ホリエモンに不動産業界の未来を問う
新R25編集部
デジタル庁設置やマイナンバーカード等を活用した行政手続きのオンライン化など、デジタル社会の実現に向けて成立した「デジタル改革関連法」。
このデジタル改革関連法によって「不動産業界にパラダイムシフトが起こる」と提唱しているのが、オンライン不動産取引マーケットプレイス「RENOSY(リノシー)」の運営などをおこなう株式会社GA technologies代表取締役社長執行役員 CEOの樋口龍さん。
【樋口龍(ひぐち・りょう)】1982年東京生まれ。幼い頃より世界的なサッカー選手を目指し、ジェフユナイテッド市原(現J2)に育成選手として所属。24歳の時にサッカー選手としての夢を諦め、ビジネスマンへ転身し不動産会社へ勤務。”巨大なマーケットを形成しながらも極めてアナログな不動産業界にテクノロジーで革命を起こす”と志し、2013年に株式会社GAテクノロジーズを設立し、代表取締役に就任。創業時から中古不動産の流通事業を展開。現在はテクノロジーを活用したエンド・トゥー・エンドのオンライン不動産取引マーケットプレイス「RENOSY」の開発・運営を中心に、データドリブンでユーザー利便性の高い不動産取引を目指す。また社内業務においても、AI・RPAによる効率化やデータ活用による業務改善に積極的に取り組む
しかし、不動産リテラシーの低い新R25編集部では、「デジタル改革関連法による、不動産業界の変化をR25世代にも知ってもらいたい」という樋口さんの話をすべて理解できる自信がありません(お恥ずかしい…)。
そこで、今回もご登場いただきました。デジタルとあらゆる業界に精通するこの御方を。
ということで今回は、堀江さんと樋口さんで「今回の法改正で、不動産業界はどう変わっていくの?」というテーマで対談していただきました。
今回も実業家・堀江さんの視点が光ります。
変化の遅かった不動産業界で、ようやく「ネット不動産」が成立
ーー2022年は、不動産業界にとって大きな変化が訪れる年だと聞きました。まずはどのように変化するのか、教えてください。

樋口さん
今までって、不動産を売ったり買ったり借りたりするときには、必ず契約書類を紙でお渡ししなければいけなかったんですよ。
なぜなら、「宅地建物取引業法(宅建業法)」という法律によって、それが義務付けられていたからです。
ただ、「デジタル改革関連法」の成立によって宅建業法が改正され…「重要事項説明」や「契約」などの手続きが、すべてオンラインで完結できるようになるんです。もちろん、押印なども不要。
これによって、「ネット銀行」や「ネット証券」のように、オンラインで不動産の取引ができる「ネット不動産」が解禁されるんです。
ーーなるほど…「ネット不動産」が解禁されたことで、樋口さんはどのような構想を描いているのでしょうか?

樋口さん
今回の法改正を受けて、「RENOSY」では不動産検索から契約までを一元化していきます。

樋口さん
不動産業界って基本的に分業制なんですよ。
不動産情報メディアで物件を見つけて問い合わせたら、メディアの運営会社ではなく、不動産会社からの連絡を待つ必要がある…
このような顧客体験は、ユーザーにとっては決してよくありませんよね。

樋口さん
そこで我々は不動産情報メディアを運営するかたわら、宅地建物取引業免許(宅建免許)を取得しているので、自分たちで不動産流通ができるんですよ。
まずは、今まで分断されていた不動産検索から契約までを「RENOSY」上で一気通貫できる「ネット不動産」の実現を目指します。

堀江さん
なるほどね。でも、“融資”はやらないんですか?
ぶっちゃけ、今手続きがめちゃくちゃ面倒臭いのって、銀行が融資に絡んでるからじゃないですか。
そこをなくして、直接不動産会社がローンを組んでくれるのがユーザーとしては一番楽。そのへんはどうなんです?

樋口さん
今堀江さんがおっしゃったことが、まさに我々が目指している「ネット不動産」の理想形で。契約までオンラインで完結できるようになったのは、その一歩に過ぎません。
ゆくゆくは金融機関などと提携して「RENOSY」内ですべてを完結できればと考えています。
さらに将来的には、登記などもすべてオンライン化されていき、スマホ上で不動産を取引できるような世界を見据えています。

堀江さん
融資機能もメディアも持っていて、さらに物件も取り扱えたら最強じゃないですか。
そうなってくると、不動産業界も変わるんじゃないですかね。
「自分の住む家にも流動性を意識する時代がやってくる」
ーーこの「ネット不動産」が成立したことで、社会的にはどんな変化が生まれるのでしょう?

堀江さん
不動産業界に「メルカリ」みたいなのが誕生するんじゃない?
みなさん、おまたせしました。「ホリエの視点」のお時間です

堀江さん
「不動産のメルカリ化」が起きていくと思う。
「ネット不動産」が出てきて、いろんな物件が自由に売買されるプラットフォームができると、好きなタイミングで売れるようになる。
全国から買い手が集まるし、手続きもすぐにできるからね。
そうすると不動産の流動性が上がって価値も上がりやすくなる。

樋口さん
たしかにメルカリみたいな世界観かもしれないですね。

堀江さん
不動産の話になるといつも思うんですけど、日本人っていまだにマイホーム信仰が強いんですよね。
資産価値よりも、住み心地やスペックを重視していて。
これって、不動産を投資商品として見ると変な話なんですよ。
俺からするとまったく理解できない。
顔に出てますよ

樋口さん
30年前は「マイホーム=夢」が当たり前でしたからね(笑)。
買う前に“売る”ことを意識される方は少ないかもしれません。

堀江さん
でも今後は「自分の住む家」も流動性を意識しないといけないわけですよね。
だって、世の中やライフスタイルの変化のほうが、自分の寿命よりも早いんだから。

樋口さん
おっしゃるとおりだと思います。

堀江さん
今って都市のコンパクトシティ化が進んでるんですよ。
過疎地に住んでる高年齢者が自動車に乗れなくなったり、生活インフラが衰退しちゃったりして、都市部に集まってくる。
人口20〜30万人ぐらいの都市にデカいタワーマンションが増えている理由はこれです。
そういえば筆者の地元・茨城にも「なんでここに?」みたいなところにマンションが建ってました

堀江さん
つまり、田舎の戸建てよりも、都市部にある1Rや1LDKのコンパクトマンションのほうが、圧倒的にニーズがある。
みんな家を買いたがるのに、なんでこういう視点を持たないんだろう。

樋口さん
“家を買う”となると、ファクトベースよりも感情で判断される方のほうが多いですからね。「一生に一度の買い物」と思ってしまうこともあるので。
別荘とかも同様で、相場を逸脱した金額で売れることもありますから。

堀江さん
やっぱりそこですよね。
「家が売れる」ということが活発化しないと、その感覚は変わらない。
不動産のメルカリ、やるべきですよ。
不動産の流動性が上がれば投資も盛り上がる

堀江さん
ゆくゆく「RENOSY」がメルカリみたいになったら、流動性が上がるので不動産投資も活発化すると思いますよ。
たとえば自己資金100万円で、900万借りて1000万円の物件を買って、1年で価格が10%上がって1100万になったとするじゃないですか。
そのタイミングで売れれば、自己資本と合わせて200万円が手元に入ることになる。
もちろん手数料とか金利とかあるから一概には言えないけど、これ以上ないレバレッジ投資になりますから。

樋口さん
そうなるのが我々の理想ですね。
株式投資のように手軽にいつでも売買できるような世界観をつくっていくことが、「RENOSY」のテーマになると思います。

堀江さん
「100万円を銀行口座に入れて、『RENOSY』でポチってやったら、1年後には100万円増えてました」みたいな手軽さになるとか、いいですよね。

堀江さん
メルカリは1個何百円とか何千円ぐらいの商品がメインじゃないですか。
不動産はその一万倍だから、本格化すれば流通額は兆ぐらい余裕でいくでしょ。そのくらい大きい市場になると思います。

樋口さん
その規模にできたら、この業界に身を置くものとしてこの上ないです。
ユーザー同士がオンライン上のみで不動産を売買できるようになれば、間違いなくゲームチェンジが起こると思うので。
我々が「ネット不動産」のリーディングカンパニーとして、不動産業界を大きく変えていくつもりです。
正直、「契約事項がオンライン化することで何が変わるんだ…?」と思っていましたが…堀江さんと樋口さんのお話で「じつは市場が大きく変わるチャンスなのかもしれない…!」と気づかされました。
不動産が「メルカリ」のように売買できるようになる時代が来たら、僕らの住環境や資産形成は様変わりしているはず。
「ネット不動産」をリードする「RENOSY」の今後に注目していきましょう!
〈取材・文=福田啄也(@fkd1111)/編集=サノトモキ(@mlby_sns)/撮影=中澤真央(@_maonakazawa_)〉

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