ビジネスパーソンインタビュー
あのお方の推薦する人はどんな人?
「堀江さんに合わせるなんて、したことない」堀江貴文も認める女優・寺田有希の“大物対峙力”
新R25編集部
新R25では、これまで多くの著名人に取材してきました。
しかし一方で、「まだそこまで知られていない逸材」が、どこかにいるのではないか?という思いも常にあります。
そこで、さまざまなインフルエンサーに、“自分のまわりで、面白いと思う人”を推薦してもらうことに。
今回はどんな逸材が登場するのでしょうか?
紹介不要の大物インフルエンサー、堀江貴文さん。今回堀江さんが推薦してくれたのは…事務所に所属しない“フリー女優”寺田有希さん。
演技にMC、音楽活動まで幅広く活躍されている寺田さんは、YouTubeチャンネル「ホリエモンチャンネル」で、7年近く堀江さんの相方としてMCを務めています。
堀江さんからも、このように全幅の信頼を感じる推薦コメントをいただいているのですが…あの破天荒かつ自由な堀江さんと1対1で対峙するって、とんでもないことだと思うんです。
ビジネスの現場では格上の存在と対峙しなければならない場面がいくつもありますが、「大物を前にすると萎縮してしまう…」という人もきっと少なくないはず。
そこで今回は、「大物と対峙するマインド」のヒントを得るべく、寺田さんに堀江さんとの出会いも含め、「どうして堀江さんとあんなにうまくいっているんですか…?」と伺ってきました。
〈聞き手=サノトモキ〉
【寺田有希(てらだ・ゆき)】女優、明治大学出身。中学3年生のころ芸能事務所のオーディションを受けたことをきっかけに、芸能界デビュー。以来順調に女優業で活躍し、ヤングジャンプの「制コレ05」でグランプリを受賞。その後フリーの女優へと転身し、演技の仕事をつづけながらも「ホリエモンチャンネル」のMCや楽曲発売など、幅広い分野で活躍している
同級生が就職していくなか、自分だけ“クビ宣告”…女優・寺田さんの挫折
サノ
「寺田さんマジで何者なんだ」とずっと気になっておりました…
今日はなんとしても「堀江さんにビビらなくなるマインド」を持ち帰りたいと思っているので…何卒よろしくお願いします!
寺田さん
お、重い…っ!(笑)
すみません…新R25は堀江さんに取材することも多いので、パトスがほとばしってしまいました
サノ
さっそくですけど、寺田さんがホリエモンチャンネルのMCに抜擢された理由ってなんだったんですか?
寺田さん
そのお話をするには、私が大手芸能事務所をクビになった話からしなくてはいけないんですが…
サノ
えっ。クビ?
寺田さん
私、もともと事務所に所属して芸能活動をしていたんですよ。
中学3年生のときオーディションに受けたことをきっかけに芸能界デビューして以降、グラビアを中心にお仕事をいただいていたんですけど…
高校2年生のとき、『ヤングジャンプ』のオーディション企画「制コレ05」でグランプリを獲得しまして。そこからグラビアだけじゃなく、バラエティやお芝居の仕事もどんどん入ってくるようになったんです。
サノ
ほう…!
寺田さん
当時は、小池栄子さんみたいに「グラビアで実績作ってから、バラエティで知名度を上げて女優に転身する」というのが王道だったので、私、完全に女優街道の王道ルートに乗ったはずだったんですね。
サノ
おお、すごい!!
寺田さん
でも私は、憧れだったお芝居の仕事が入りだした途端、芝居以外の仕事を断るようになってしまったんです。
グラビアもバラエティも、せっかくたくさんオファーをいただけるようになったのに…
サノ
せっかくのチャンスなのに…どうしてですか?
寺田さん
真面目すぎて、「本気で女優を目指すなら、芝居以外のことはするべきじゃない」と思ってたんですよね。
結果的にどんどん仕事が減っていって、大学4年生になるとき、「1年時間をあげるから、就職活動をしなさい」と、大学卒業のタイミングでクビになることを宣告されました。
「お前は企業に入ったら絶対デキるタイプだから、ちゃんと大学卒業までに就職しろ」って。
サノ
厳しいようだけど、ある意味退所後の人生まで考えてくれてたわけですよね…めっちゃいい会社だ。
寺田さん
でも、7年間女優になることだけを考えて生きてきたので、それ以外のことをやろうとは思えなくて…結局就職もしないまま事務所を退所してしまったんです。
同級生が一斉に社会に飛び出していくなか、自分は無職。あのときがいちばんきつかったですね。1カ月で5kg痩せるくらい精神的に追い込まれてました。
サノ
自分だったら耐えられる気がしない…それからはどう過ごしていたんですか?
寺田さん
事務所を退所してすぐは、なんとか他の事務所に所属できないかと貯金を使い果たして役者向けのワークショップに通ったりしてました。でも、そううまくはいかず…
その後イタリアンのホールバイトで週6日勤務をはじめたんですけど、休日にはいつ芸能関係者に会ってもチャンスを逃さないようにプロフィールを持ち歩いてたし、「フリーになったので仕事ください」って片っ端から営業かけてました。
それでも結局、ほとんど何にもつながらなくて。
サノ
ダメだもう聞いてるのも辛い…誰かこの地獄を終わらせてくれ…
寺田さん
そんなとき、私に手を差し伸べてくれたのが堀江さんだったんです。
キターーー!!! ホリエモーーーン!!!
舞台をきっかけに知り合い、その後“面会”へ…
寺田さん
堀江さんと出会ったのは、堀江さんプロデュースの舞台「クリスマス・キャロル」(2010年12月)に出演させていただいたときで。当時私もまだ大学3年で事務所に所属してたので、普通にオーディションを勝ち抜いてはじめてお会いしたんですけど…
その舞台が終わった直後に、堀江さんの入所が決まったんですよ。
サノ
入所…?あっ、なるほど。
※堀江さんは2011年6月~2013年3月まで、長野刑務所に収監されていました
寺田さん
それで、私も堀江さんにごあいさつしに面会に行ったんです。
サノ
面会にですか…すごい…!
寺田さん
でもいざ行くと、刑務所に入ってる堀江さんに暗い話なんてできないと思って、自分の状況を言い出せなくて。
「手紙ちょうだいね」「はい、書きます」ってやりとりもしたけど、明るい言葉が一つも思い浮かばなくて結局書けませんでした。
ムショレターはやっぱり、元気が出るものじゃなきゃダメじゃないですか。
ムショレター書いたことないのでわかんないですけど…
寺田さん
それで、言えないままくすぶりつづけていたら、手当たり次第に営業していた甲斐あってか、セミヌードの仕事が舞い込んできたんです。
サノ
ほう。
寺田さん
で、“脱いだら何か変わるかもしれない”と思って引き受けたんですよ。
そうしたら、ムショ内に差し入れられた週刊誌で、堀江さんにセミヌードを発見されちゃって(笑)。
水着のグラビアですら断ってた私が脱いでたから、「えーーっ!!! 寺田どうした!!!」ってなったみたいで。
サノ
雑誌のセミヌードを通して、寺田さんの現状を知ったのか…
全エピソード、パンチが強すぎるな…
寺田さん
それで、2013年3月に出所されて半年くらいしたときに、突然声をかけてくれたんです。
「YouTubeを始める。お前がアシスタントをやれ」って。
なんだこの話…映画化できるぞ…
サノ
じゃあ、堀江さんが寺田さんを指名したのは、MCスキルとか知名度とか、何かを評価して抜擢したわけじゃなく…
寺田さん
単純に、私がくすぶってたのを助けてくれたんだと思います。私を選んでくれたのは、それだけだったと思う。
筆者のなかのホリエモン像が、今完全に崩れ落ちました
「堀江貴文ほどフラットに人を尊敬できる人間を、私は知らない」
サノ
堀江さんは合理的というか効率重視というか、正直「思いやり」とか「ご縁」みたいなエピソードからは一番縁遠い人だと思っていたので意外です…
寺田さん
いや、堀江さんは私が人生で出会ったなかで誰よりも「ご縁」を大切にする人だと思います。
寺田さん
堀江さんからは、「俺は人を大切にして生きてきたから」みたいな言葉を本当によく聞くんですよ。
それこそクリスマス・キャロルのことも、「この演劇は演出の湯澤(幸一郎)さんが俺にくれたプレゼントだから、大事にしなくちゃいけないんだ」って仰ってますし。
サノ
そうなんだ…!
寺田さん
堀江さんってよく「尊敬してる人なんていねーよ」とか言ったりしますけど、私から見れば堀江さんほどフラットに人にリスペクトを抱ける人、なかなかいないですよ。
寺田さん
「クリスマス・キャロル」の稽古中、堀江さんは当時21歳だった私に何度も「ダンス教えて」ってお願いしてきたんですよ。
私が「すごいですね」とか言っても、「俺は人の100倍努力しないとできないから」と言って部屋の隅っこでずーっとステップ踏んでる。
サノ
ダメだ、聞けば聞くほど脳内の「ホリエモン像」と一致しない。
寺田さん
堀江さんはとにかく新しいインプットが好きだから、相手にダメなところがあったとしても、自分より上回ってるところがあれば素直に尊敬して学びにいく人なんですよね。
ダメなところもまっすぐ言うから誤解されがちだけど、堀江さんは一つダメなところがあるからって、その人の持ってる「いいところ」を否定したりはしないんです。
でもたしかに、合理的がゆえに「公正」なイメージはあるかも
「堀江さんに意見を合わせようと思ったことなんて、ない」
サノ
それにしても、寺田さんはよく堀江さんに対してあんなスラスラ喋れますよね…
僕も取材することがありますが、機嫌を損ねないように言葉を選んで、毎回疲弊しちゃいます。
寺田さん
たしかに機嫌に波はありますけど…「怖い」とか言ってられないですよね、仕事だから。
すみません…
寺田さん
お仕事を任せていただいた以上、私のやるべきことはただ一つ、「動画のクオリティに貢献すること」。
機嫌が良かろうが悪かろうが、ホリエモンチャンネルはどう考えても「堀江貴文が話せば話すほど面白くなる番組」なんだから、話してもらうしかないんですよ。
サノ
間違いない…
寺田さん
だから、怒りそうかなと思っても、「今日テンション低いっすね!でも生放送なんで頑張りましょう!」とか平気で言っちゃいます。
機嫌損ねないように堀江さんの意見に合わせなきゃなんて、思ったこともないです。
大前提として、私の役割はあくまでも「世間代表として、堀江さんに意見を言うこと」だと思っているので。
「触らぬ堀江に祟りなし」と思っていたなど口が裂けても言えない
寺田さん
でも、世間目線を意識してMCをしてると、観てる人から「寺田はバカ」って叩かれちゃうこともよくあって。
一部の方には、堀江さんに的外れな質問や返答をする私の存在が「邪魔」に映ってしまうこともあるみたいで…堀江さんのメルマガにも、「寺田さんをやめさせてください」とか平気で送られてくるらしいですし。
サノ
ええー! それは…心が折れちゃうことはないんですか?
寺田さん
私が折れたら元も子もないですから。
あとから反省したりすることはありますけど、収録中は堀江さんの機嫌を損ねても視聴者に叩かれてもいいから、とにかくMCとして番組を盛り上げることに徹してます。それしか考えてません。
このお方、めちゃくちゃ強い
大物に気に入られようとしたら、絶対に失敗する
サノ
最後に、堀江さんとの共演経験から得た「大物と対峙するコツ」があれば、ぜひ教えてほしいです!
寺田さん
私自身は正直、人を大物とか小物って線引きする感覚はよくわからないんですけど…
「仕事相手に萎縮しないコツ」という意味なら、「“仕事を全うすること”を何よりも優先する」に尽きる気がするんですよね。
サノ
どういうことですか?
寺田さん
私が堀江さんに萎縮しないのって、正確に言うと「仕事を全うすることに必死で、萎縮する余裕がないから」なんですよ。
寺田さん
ホリエモンチャンネルに来るゲストの方を見ていても、堀江さんと話が盛り上がってるのって、自分のアイデアを実現することを最優先に考えてる人なんです。
最初から最後まで全部反論されて帰っていく方もいらっしゃいますけど、ご機嫌とって当たり障りない会話をして終わる人に比べれば、堀江さんも明らかに楽しそう。
そういう人って、相手にどう評価されるかなんて二の次で、やりたいことに対する熱量だけもってきてるんですよね。
サノ
なるほど…!
寺田さん
でも、萎縮しちゃう人って、「自分がどう評価されるか」ばかりに意識が向いてるんです。
「自分のこと面白いやつだと思ってほしいけど、嫌われたくないから逆鱗には触れたくない」みたいな。
うわ…わかりすぎてつらい
サノ
たしかに、とくに格上相手だといつも以上に「この人に認められたい!」って思っちゃうかも…
寺田さん
「評価されたい」が目的になっちゃうって、自分の仕事に本気になれてない証拠だと思うんですよね。
それを見抜かれた瞬間、相手にされなくなってしまう。気に入られようとしたら、その時点で絶対失敗すると思います。
サノ
「評価されたい」という気持ちを捨て、「仕事に対する熱量」だけもっていけば、どんな相手にも萎縮せず対峙できる…めちゃくちゃしっくりきました。
寺田さん
かくいう私も、根は人の目線や評価がめちゃくちゃ気になっちゃうタイプの人間なので、「そうあろう」と日々なんとか頑張ってる感じなんですけどね…(笑)。
でも、そういう人こそ「思い切って、いったん評価のことは忘れよう!」と自分に言い聞かせてみるだけでもけっこう心構えが変わると思うので…オススメですよ!
親身なアドバイスまで…今日は本当にありがとうございました!
「自分の評価を気にして萎縮してしまう=仕事に本気になれていない証」。
個人的にこの言葉はものすごく耳が痛かったし、こんな言語化をさらっとしてのけるガッツと聡明さにあふれた寺田さんが、これからどんな物語を描いていくのか…ひきつづき注目していきたいと思いました。
2020年、読者の皆さんも仕事で“大物”と対峙しなければいけない場面がきっとあるはず。そんなときはぜひ堀江さんに対峙する寺田さんを思い出して、「仕事を全うする」ことに集中してみてはいかがでしょうか!
〈取材=サノトモキ(@mlby.sns)/編集=天野俊吉(@amanop)/撮影=長谷英史(@hasehidephoto)〉
そんな寺田さんに“会える”!「ホリエモン万博2020」
2月1日、2月2日の2日間にわたっておこなわれる「ホリエモン万博2020~節分まつり~」。
堀江貴文さんと各界の著名人の好きを突き詰めた最新技術・トレンド・マル秘トークを中心にグルメやお酒を交えて楽しむ「ヒトの祭典」です!
寺田有希さんが出演するのは、2月1日@ベルサール六本木B1F
10:40~12:50 「怒涛のトークショー」
13:00~14:45 「ホリエモン万博×CRAZYWEDDING オリジナルウェディング」
15:00~16:00 「怒涛のトークショー」
となっております!
チケットは、下記リンクから購入できます。
寺田さんが活躍する「ホリエモンチャンネル」はこちらからチェック!
推薦! ワタシの逸メン
あらゆるビジネスパーソンをハッとさせる。GO三浦崇宏が感動した“極地写真家”の覚悟
新R25編集部
ゆうこすも「狂ってる」と太鼓判。“工場のシール貼り”だったももちが、SNSで成功をつかむまで
新R25編集部
「リクルートの表彰4冠も、コツがわかれば簡単」箕輪厚介も感服!須藤憲司の圧倒的“ハック思考”
新R25編集部
ホリエモンに“前科”ツッコミ!「ハート強い芸人」みのるチャチャチャ♪のイジり術
新R25編集部
“話の例に出やすい人”になれ。西野亮廣が惚れ込んだ大学生が語る「あやかりの極意」
新R25編集部
「堀江さんに合わせるなんて、したことない」堀江貴文も認める女優・寺田有希の“大物対峙力”
新R25編集部
ビジネスパーソンインタビュー
またスゴいことを始めた前澤さんに「スケールの大きい人になる方法」を聞いたら、重たい宿題を出されてしまいました
新R25編集部
【不満も希望もないから燃えられない…】“悟っちゃってる”Z世代の悩みに共感する箕輪厚介さんが「幸せになる3つの方法」を伝授してくれた
新R25編集部
「実家のお店がなくなるのは悲しい… 家業を継ぐか迷ってます」実家のスーパーを全国区にした大山皓生さんに相談したら、感動的なアドバイスをいただきました
新R25編集部
「俯瞰するって、むしろ大人ではない」“エンタメ鑑賞タスク化してる問題”に佐渡島庸平が一石
新R25編集部
社内にたった一人で“違和感”を口にできるか?「BPaaS」推進するkubell桐谷豪が語るコミットの本質
新R25編集部
【仕事なくなる?そんなにすごい?】“AIがずっとしっくりこない”悩みへのけんすうさんの回答が超ハラオチ
新R25編集部
情報はインターネットがベスト、という考えに異を唱える。学生発信「金沢シーサイドFM」の挑戦
新R25編集部
いろんな仕事をこなす「ゼネラリスト」は目立てない? サイバーエージェント2年目社員の悩みにUUUM創業者が喝
新R25編集部
スモールビジネスの課題“3つの分断”に挑む。freeeによるプロダクト開発の基盤「統合flow」を発表
新R25編集部