ビジネスパーソンインタビュー
箕輪さんが「すげ~頭いい!」を連発
「リクルートの表彰4冠も、コツがわかれば簡単」箕輪厚介も感服!須藤憲司の圧倒的“ハック思考”
新R25編集部
新R25では、これまで多くの著名人に取材してきました。
しかし一方で、「まだそこまで知られていない逸材」がいるのではないか?という思いも常にあります。
そこで、さまざまなインフルエンサーに、“自分のまわりで、面白いと思う人”を推薦してもらうことに。
今回はどんな「逸メン」が登場するのでしょうか?
人気凄腕編集者の箕輪厚介さん(写真左)が紹介してくれるのは、須藤憲司さん(写真右)。
リクルート時代は4種類ある全社表彰を総ナメにし(在籍時には『R25』にも参画されています!)、史上最年少で執行役員に。その後立ち上げた「Kaizen Platform」社では、国内外500社以上の経営課題解決に取り組んでいる、超優秀ビジネスパーソンです。
須藤さんの著書『ハック思考』発売を機に、須藤さんのすごさについて、箕輪さんが切り込みつつ紹介してくれることになりました。
~はじめに~「ハック思考とは?」
「エレベーターの待ち時間が長い」というクレームに対して、エレベーターを速くするのではなく、「ロビーに鏡をおけば、みんな身だしなみをチェックするから、待ち時間が気にならなくなるはず」という発想の転換を行うこと。
須藤さんの『ハック思考』のなかでは、
①「クレームが出る理由は、待ち時間が長いからではなく、待たされていると思う時間が長いからなのでは?」と因果関係を疑うこと
②「ひまつぶしになるものがあればそれを崩せるのでは?」とスキマに介入してハックすること
という2ステップをたどれば、誰でも「ハック思考」が身に付けられると解説されています。…それでは、本編をお楽しみください!
スドケンさんのすごいところ①「テストも会社の表彰もハックしてた」
箕輪さん
スドケンさんを紹介されたとき、「この人の発想はすごく時代に合ってるな」と思ったんですよ。
須藤さん
ありがとうございます(笑)。
箕輪さん
うまくいかないときに努力で突破するんじゃなくて、リーダーが「そもそもなんか違くね?」って発想になれないと、努力がムダになってメンバーを全員殺すことになるって、いろんなプロジェクトに入ってて痛感してたんですよね。
スドケンさんは、昔からそれがわかってたんですか?
須藤さん
そうですねえ。僕、学校の成績めちゃくちゃ悪くて…
箕輪さん
意外~。
須藤さん
そこで「問題を解けないなら、問題をつくる側になってみればいいんだ!」って考えたんです。
教科書のなかからテストを出すとしたらどういう問題を出すかを考えて、自分でテストをつくってみたんですよ。
須藤さん
そうすると、その問題だけやって丸暗記すればいいから、確実に点が取れる。
そこから「視点を変えれば、物事を解決するのは案外カンタン」って学んだんです。
箕輪さん
すげーなあ。リクルートで「全社表彰四冠」達成したって話も、元リクの人に聞いたら「ありえない! すごすぎる!」って言ってましたよ。
リクルートの優秀な人って、ワックスつけてシャキッとしたスーツ着てるイメージじゃないですか。スドケンさんはこんな雰囲気なのに…
どんな雰囲気ですか?
箕輪さん
めちゃくちゃ大きい成果を出してるのには、どういう秘訣があるんですか?
須藤さん
ああいう表彰も、申し訳ないけど超カンタンですよ。
箕輪さん
ほんと? そんなこと言ったらリクルートのやつ全員『ハック思考』買いますよ。
リクルートの人じゃなくても聞きたい「会社の表彰をハックする講座」開講です
須藤さん
人から評価されたければ、その評価の軸に合わせればいいだけなんです。
僕が考えたのは、会社の表彰って単純に数字がよければいいんじゃなくて、みんなに「こんなふうになれよ」ってマネさせたい人を会社が評価して、発表してるわけでしょ。
箕輪さん
ああ〜〜、なるほど…そこをハックしたんだ!
須藤さん
だから、「今会社はどういうケースが出てきてほしいのか?」を考えるんです。
当時のリクルートだったら、自社のWebサービスがいろいろ出てきてた時期だったんで、そのサービスで得られているデータを使った営業手法を取ってみたんです。
会社はそういう案件を評価したいだろうなって。
箕輪さん
スドケンさん、ほんとすげえこと考えますね。
須藤さん
リクルートの表彰争いなんて、ある意味化け物みたいに優秀な人がたくさん出てくる「天下一武道会」とかメジャーリーグの世界だから、真面目にやってたら勝てるわけないんですよ。
そこでちょっと発想を変えて、「エポックメイキングな仕事をする」っていうのがすごい大事。あとはちょこっと数字つくれば、表彰はイケます。
箕輪さん
なるほどね。戦闘力で戦わないんだ…
それで言うと、俺もこの前「ビジネス界隈がみんな『ドラゴンボール』の世界みたいにバトルしてるのに、箕輪さんは1人だけ両津勘吉ですよね」って言われたわ(笑)。
みんな真面目に戦ってるのに、1人だけ一話完結で楽しいことやってるみたいな(笑)。
出版業界を舞台にドタバタ騒動を繰り広げる箕輪勘吉さん
スドケンさんのすごいところ②「性格がいい」
箕輪さん
あと、スドケンさんのすごいところは「性格がいい」ところですよね(笑)。
めちゃくちゃ思うんだけど、ハック思考を身につけてる人は性格がいい!
起業家にもそういう人が多いんですけど、基本姿勢が「今ある問題をポジティブに解決しようとする」って感じ。
須藤さん
たしかに、それはあるかもしれない。
箕輪さん
『ハック思考』の本も、amazonの予約開始日がズレちゃったことがあったじゃないですか。
ああいうトラブルがあっても「わかりました、じゃあこうしましょうか!」って感じで。
普通の著者だと「誰の責任ですか」「どうやってオトシマエつけるんですか」みたいな話になっちゃうんですよね…
箕輪さんもいろいろ大変なんだな…
箕輪さん
課題を超ポジティブに「お題」だととらえてるんだなって思いました。
須藤さん
うん。「おっ、難しい知恵の輪来たよ」みたいな感じ。
ハック思考は、人の行動心理とか過去の経験とかを材料にして、知恵の輪を解いていくイメージなんですよね。
箕輪さん
あ~、「知恵」っていう言葉が一番合いますね。
今、「知識」だったら検索すれば誰でもアクセスできるから、知識勝負がなくなって、「知恵の勝負」な時代になってるんだな。
性格よく知恵の輪を解いていく時代が到来しているのか
スドケンさんのすごいところ③「Twitterもすぐハックした」
箕輪さん
あと俺、スドケンさんすごい頭いいなって思ったことがあって。
本が出るちょっと前ぐらいから、「#ハック思考」ってハッシュタグ付けてツイートしだしたじゃないですか?
ニヤリ
須藤さん
本の宣伝になるかなと思って、Twitterをいろいろハックしてみたんですよ。
箕輪さん
それで、目の付けどころが面白いツイートとかをハッシュタグ付けて引用して「あ、これはハック思考だね」って認定するみたいなツイートしていったでしょ。
それを見て、自分なりの考えを「#ハック思考」って付けてツイートする人も出てきて…
須藤さん
そうそう。
箕輪さん
つまり、自分の考えをツイートするだけじゃなくて、すでにあるツイートを「ハック思考」にしちゃったり、いろんな人から「ハック思考」が出てきたりする“器”をつくったんですよね?
「これ頭いいな~! もうハックしてんな!」って思ってました。
須藤さん
「140字という枠の中で面白いことを言う」のがTwitterのルールですけど、自分につぶやける面白いことなんて限りがあるから「自分で面白いこと言わなくてもいいんじゃない?」っていうふうに発想を転換したわけです。
Twitterやってる人って、いつもツイートしやすいネタを探してるんですよね。そのネタになったらいいなぁと思って。
箕輪さん
何かのプロモーションでハッシュタグつくる人はよくいるけど、頑張ってツイートしないと終わりになっちゃう。
すでにあるコンテンツを「ハック思考」に入れていくのはめちゃめちゃ面白いなと思いましたね。
レベル高いけどめちゃ面白い話…皆さんもぜひ自分の仕事に転用してみてください
「ハック思考」と「行動」を行き来することが最大の結果を生む
須藤さん
でも、僕みたいにアイデア出すのも大事だけど実行のスピードも大事じゃないですか。
それこそ箕輪さんとか、サッカーやってたり、わけわかんないことたくさんやってるでしょ(笑)。
(※箕輪さんは本田圭佑氏が立ち上げたクラブ「One Tokyo」のトライアウトを突破しています)
箕輪さん
そうなんですよ(笑)。
須藤さん
ハック思考の人と、そういう行動量のある人が組むと無敵だと思いますね。
「この前『アベプラ』でシリアスなニュースのときに名前のテロップで『サッカー選手・箕輪厚介』って出てて、笑っちゃいけないから大変だったのよ」(箕輪さん)
箕輪さん
僕が“行動できる”のは、行動した結果のうまみを知ってるからなんですよね。
須藤さん
うまみ?
箕輪さん
うまみっていうのは、ハック思考で言うところの「お題」が集まってくることなんですよ。
変な行動するとヤバい状況になって、「これどうしよう〜!?」ってハックするしかないから、面白い成果が出せるんですよね。
須藤さん
あー、なるほど。「行動」と「ハック」を行き来するのはめちゃめちゃ大事ですね。
箕輪さん
動かないとお題が集まらないし、予定調和な動きしかしてないと毎回同じお題しか来ないじゃないですか。
お題が毎回「ビジネス書のベストセラーつくれ」だと、ハックのしようがないから出す答えも同じになっちゃうんですよ。
毎回ホリエモンの本出しつづけてても、そりゃ売れて会社は喜ぶけど、俺に入る「ポイント」はゼロでしょ。
ハック思考を自分に定着させるには?
箕輪さん
でも、多くの人が「ハック思考」が持てずに、思考が凝り固まっちゃうわけじゃないですか。
そういう人はどうしたらいいと思います?
須藤さん
二つあるんですけど、一つは「人生を不真面目に生きること」。
すげー追い込まれてるときに「ウケる~」ってなればいいんですよ。
真面目に解決しようとしない。
「ウケる~」でいいのか
箕輪さん
ああ、僕もそういうタイプだからわかるんですけど、解決することよりも、みんなが「そんな答え方ありかーい!」ってズッコケることのほうがやりたいんですよね。
須藤さん
そうそう。
箕輪さん
しかも真面目に10万部の本出して会社にボーナスもらうより、不真面目な発想の売り方で面白い結果になったほうが、人が集まって、結果的に儲かるんですよね。
須藤さん
定量的に測れるものがありふれるようになって、価値がなくなってるんですよね。
たとえば野球って、『マネー・ボール』みたいに、選手の能力が超細かくデータ化されるのが当たり前になってきてるんです。
でもそういう時代だからこそ、昔長嶋茂雄が三振したときヘルメットまで吹っ飛んで見ごたえや迫力があるみたいな、そういう定量的に測れない部分を組み合わせないと差別化できないんです。今って。
(※『マネー・ボール』=統計学的手法で貧乏球団が強豪になっていくストーリーの書籍。2011年に映画化)
須藤さん
真面目に考えすぎると人生ってうまくいかない。
悩んで鬱屈としてると「自分が悪いんじゃないか」って方向に向いてきちゃうから、視点を外に飛ばして、「こんなので悩んでるのウケるな、全然違う問題に変えちゃおう」っていう姿勢が大事だと思います。
箕輪さん
なるほどなあ。もう一つはなんですか?
須藤さん
もう一つは、「テクじゃなくコツを覚えること」。
柔道とか茶道って、普通に道場に通うとマスターするのに30年かかるけど、後継者をつくるために急いでるときは、3年でマスターする方法があるんですって。
箕輪さん
へえ…
須藤さん
柔道で言えば、技を覚えたり形とかやってたりすると30年かかると。
3年コースはどうするかっていうと、柔道着をつかんで前後左右に引っ張って、揺らすらしいんですね。
箕輪さん
ふんふん。
須藤さん
そうすると倒れそうになって足を出すから、そこを払えば倒せるよね、っていう感覚を体に覚え込ませる。
「人ってどういうときに倒れるか」のコツだけを教えれば、めちゃくちゃ上達が速いらしいんですよ。
箕輪さん
なるほど〜!
須藤さん
ハック思考も、要はコツなんです。問題を解きやすいほうにぐっと変えるというコツ。
だから、テクニックを覚えるんじゃなくて「これってハック思考だな」と思ったことを抽象化して、その思考回路を定着させればいいと思いますね。
スドケンさんが今後目指すのはどんな存在?
箕輪さん
やっぱスドケンさんすげーなあ…
『ハック思考』も話題になってるところですけど、なんか今後どうなっていきたい、みたいなのはあるんですか?
須藤さん
よくきかれるんですけど、ハック思考の「お題」、とくに難問がどんどん来るような人になれたら面白いなって思いますね。
難しい知恵の輪が集まってきて、それを解きながら生きていきたい(笑)。
箕輪さん
やっぱそれが好きなんだなあ。
みんながシリアスに悩んでることを解決してくれる「ハック思考一休さん」みたいになりたいんですね。
ハック思考一休さん…
須藤さん
それこそ、『ハック思考』の本の最後にQRコードを載せた「みんなでハック思考」っていうオンラインサロンが、「お題」が集まる場所になったら最高ですね。
ハック思考
世界が変わる方法論をみんなで共有しよう!オープンに共有しづらいハックのネタを会員だけに共有する Twitter 連動型のオンラインサロンです
こちらが「みんなでハック思考」。ハックの引き出しを共有したり、相談したりできるオンラインサロンだそう
箕輪さん
「Yahoo!知恵袋」って今は「知識」が共有されてる場所だけど、それの“知恵を共有しあう”版ですよね。
須藤さん
僕は本当に“お題がもらえる存在”になれたら最高だと思ってるんですよ。
そのために、「この人と仕事すると面白いな」って思われるようにしてるし、過去の栄光にはすがらないようにしてるんです。
箕輪さん
いつもフレッシュでいようと。
須藤さん
そう。よくみんな「他人に利用されたくない」とかいうけど、僕は逆なんですよ。
お人好しで、利用される人になったほうが、お題がもらえるから面白いんですよね。
箕輪さん
まさにそうですね。
須藤さん
だから僕、あんまり知らないリクルートのOBに「スドケンは俺が育てた」って言われてても「ハイッ、ありがとうございます!」ってペコペコしますもん(笑)。
ビジネス的にめちゃめちゃ高次の話が飛び交った取材でしたが…。
どうでしょうか、読者の皆さんに「ハック思考」の神髄が伝わったでしょうか?
ハック思考を身に付けるために、スドケンさんがおっしゃっていた「みんなでハック思考」にもぜひ参加してみてください!
『ハック思考』を読んでいたり、スドケンさんの話を聞いてるときは「なるほど、これは自分の仕事に活かせそうだ」と思うんですが、気が付くとつい、いつもの思考回路で仕事しちゃってるんですよね…。
まだまだ訓練が必要そうです。
〈取材・文=天野俊吉(@amanop)/撮影=中澤真央(@_maonakazawa_)〉
『ハック思考』を読んで、発想の転換を訓練しよう!
SNSでも話題になっている『ハック思考』。
奇抜すぎるカバーデザインで、書店では上下逆に置かれてしまうという事態も発生しているとか…!
ぜひ書籍or電子書籍でお楽しみください!
一見くだらない方法で、成果が劇的に変わる。あなたを助ける「ハック思考」の身につけ方|新R25 - シゴトも人生も、もっと
須藤憲司著『ハック思考』より
こちらの記事では一部がお読みいただけます!
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