配偶者の反対で内定を辞退する人もいる

転職は一発逆転の手段ではない。プロが語る「転職に失敗する典型的な原因」

キャリア
「もう、転職したい!」

会社員なら、誰だって経験するであろうこの衝動。厚生労働省の調査によると、“新卒”の3年以内転職率は3割を超え、今や転職は当たり前といっても過言ではありません。

しかし、気持ち任せに転職した場合、年収が下がってしまうケースも少なくありません。失敗しないためにはどうすればいいのでしょうか?

5000人と面談してきた現役転職エージェントの山田実希憲さんは、著書『年収が上がる転職 下がる転職』のなかで、今より上のステージに行くための方法をレクチャーしています。

敵を知り、己を知れば、百戦殆からず。年収が上がる転職を実現するために、同書から「転職に失敗する原因」について書かれた箇所を抜粋してお届けします。
【山田実希憲(やまだ・みきのり)】1979年生まれ。法政大学を卒業後、入社したリフォーム会社で10年が経過し、生き方と働き方のズレを感じたことから、30代で初めての転職活動を経験。そこで自らの経験や市場価値を客観視する重要性などを実感。理想とするキャリア構築を支援するべく人材紹介会社(東証一部上場)JAC Recruitmentへの転職を経て、現在はジェミニキャリア(ジェミニストラテジーグループ)で経営、組織、採用に関するコンサルティング、個人の人生経営・キャリア支援を提供。累計5000名を超えるビジネスパーソンの転職相談を受ける。著書に『年収が上がる転職 下がる転職』(すばる舎)がある
今は年間で20人に1人が転職している時代です。周囲でも転職する人や、転職サイトに登録だけはしている人など、転職自体が身近なものになってきたと思います。

しかし、転職しようとする人の多くが自分に対する評価に不満があって転職を検討するのに、転職先の評価基準を確かめようとはしません

不満解消の手段として転職する場合は、あらたな不満が生まれる可能性を低くしながら、一方で不満を感じた自分に原因がなかったかという捉え方をしないと、また不満だから転職します、ということになりかねません。

なんでもかんでも自分の責任だと抱え込む必要はありません。

ただ、自分が出来ることはなかったのかという問いかけもせずに、問題を問題としてとらえない傾向が出てしまうのを避けましょう、ということです。

今の環境に不満があるが自分で解決に導く方法はなかったのか、という問いかけをしてみた時に、転職の前にやることがあった、という気付きにつながり、転職をしなかった人がいます。

転職する人は、なんらかの満たされていない要素があるから、次の機会を求めるわけです。

それらは、当然ネガティブなものが多いですが、それが悪いことではありません。基本的にしたいことよりも、したくないことのほうが明確になっているものです。

そうしたネガティブな転職理由は次のようにポジティブに言い換えられます。
・一方的な指示で業務をすることに疲れた→業務の幅を広げたい

・給与が低すぎる→実力主義で、やった分評価して欲しい

・人間関係に疲れた→お互いが尊重して助けあう環境で仕事がしたい
転職した会社での1年と、今の会社で続けた1年には、どんな違いがあるのか。今までの自分の視点と違う視点で捉えてみると、実現したい未来は今の会社の方が近道であることも十分に考えられるのです。

転職をすれば周りの人たちは見知らぬ人たちです。確かに、良くも悪くも人間関係はリセットされますが、同時に信頼関係もリセットされてしまいます

当然信頼を一から構築していくことになりますので、転職は一発逆転ではなく、結局自分次第でチューニングしなければならないキャリア構築の手段であることを忘れてはいけません。

社内の人に相談するのは要注意

当たり前のことですが、転職を考えるきっかけは、現在の仕事・職場への不満や不安がほとんどでしょう。そのため、現職に携わる人に転職について相談するのはあまりよろしくないことが多いです。

自分自身が状況整理がしきれないタイミングで、社内に「●●が転職を考えている!」という情報だけが独り歩きしてしまうと、転職させないための囲い込みや異動や昇格の話が飛び込んでくることがあります

また、会社に対する裏切りと捉える人が一定数いるのも確かで、情報が回らないように閑職へと追い込まれてしまったケースも残念なことに耳にします。

転職活動をなぜしているのか、という中身が伝わらず表面的な話が伝わることは、自分にとって良い状況にはつながりづらいです。

転職のブレーキになりうる「配偶者ブロック」

また、転職を考えたとき、家族という最小単位の社会、特に配偶者の協力や理解をもらえないのは転職者に相当なストレスを与えます

実際に、配偶者の反対で内定を辞退するという人は一定数います。企業人事からも頻繁に、「配偶者ブロックにあって決まっていた人が辞退した」という話を聞きます。

そうならないためにも、「配偶者が何を思うのか」というポイントを押さえておく必要があります

配偶者のタイプによるところも大きいのですが、なぜ転職しようと思ったのか、これは家族のための転職でもある、など悩んだ経緯も含めて、丁寧に相談を持ちかける方法がベターだと思います。

何を叶えるための転職なのかが、最初の段階で配偶者に伝わっていることはまずありません。信頼する家族とはいえ、言わなくてもわかって欲しいというのはエゴでしかないことはおわかりいただけるでしょう。

大切なパートナーだからこそ、しっかりと、丁寧に話し合いをする機会をもつことが大切です。

転職は生き方に働き方を重ねる手段

私自身は、元々はどう生きるか、どう働くかという問いかけを普段からあまり意識するタイプではありませんでした。

目の前の仕事に向かうことに精一杯でしたし、転職活動を始めたことで自分に向き合い、ラフではあるけれどもキャリアプランが立てられたことを覚えています。

社会構造もルールも変わっていく中で、5年先を見通すことはとても難しいことだと思います。ですから、キャリアプランも完璧なものである必要はありません

ある程度でいいので、しっかり考えたものを立てたら、予想を超えて変化していく環境に合わせていけばいいのです。

選択したキャリアが想定からいい意味でズレているのか、悪い意味でズレているのか、今の状況をチェックする意味でキャリアのチューニングと表現しています。

また、キャリアのチューニングは自分だけで行わず、客観的な目線で振り返るのが効果的です。

私たちの意識はいい加減なもので、ともすれば自分にとって都合のいい解釈をしてしまいます。健康診断のように行う定期的なチューニングの機会は、柔軟性を持てているかどうかのチェックでもあります。
・社会は今どのように変化しているか

・自分はその変化に気付いているのか

・変化を楽しめる自分でいるか
実はこの変化への対応ができる自分とは、結局楽しく仕事をして充実していることが重要だと思うのです。

目の前の仕事に一生懸命取り組んで、相手に喜ばれたり、あなたに紹介したい人がいると言ってたくさんの縁をつないでくれたり、そういうことこそ、生き方と働き方が重なっている瞬間だと思っています。

転職は生き方に働き方を重ねる手段のひとつでしかありません。

自分の生き方を自分で選択する自由を持って、自分がキャリアを選択していく世の中になったと捉えれば、選択基準は生き方に沿っていくものだと考えます。

転職を考える際に読んでおきたい一冊

年収が上がる転職 下がる転職

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身近な人が意外と転職の障害となりうるというご指摘は、多くの転職希望者をサポートしてきた山田さんだからこそできるもので、納得感があります。

本書ではこのほかにも、そもそもの「転職」に対する考え方から、面接に役立つ細かいテクニックの数々まで、実用的な教えが多数収録されています。

人生は一度きり。転職の成功哲学を頭に叩き込んで、数少ないチャンスをものにしましょう!

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