ビジネスパーソンインタビュー

“自分のことをつい後回しにして、がんばりすぎてしまうあなたへ”昭和の哲人、中村天風さんの言葉からはたらく幸せを考えてみた

はたらくあなたへ、読んでほしい一冊。

“自分のことをつい後回しにして、がんばりすぎてしまうあなたへ”昭和の哲人、中村天風さんの言葉からはたらく幸せを考えてみた

新R25編集部

連載

「“はたらくWell-being”を考えよう」

Sponsored by パーソルホールディングス株式会社

2024/03/01

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パーソルグループは昨年、一人ひとりの“はたらくWell-being”にみんなで向き合い、共に考え、行動するオンラインコミュニティ「はたらくWell-being Lab.」を開設しました!

「はたらくWell-being Lab.」には、年齢やセクシャリティはもちろん、はたらき方や職種も多様なメンバーが集まっています。

「はたらく幸せ」を、いろんな角度から考えるために。

「はたらくWell-being Lab.」では、ゲストをお迎えして“はたらくWell-being”を実現するためのコツを紐解いていくトークイベントを開催しています。

こちらの記事では、2月に出版されたばかりの中村 天風さんの言葉をまとめた本『またうっかり、自分を後回しにするところだった』の編集者、大西志帆さんをお迎えしたトークイベントの様子をお届けします!

あの、大谷翔平さんも感銘を受けたという昭和の哲人・中村天風さんの本が、なぜ今、多くのビジネスパーソンの心に響くのか。

自分の幸せを後回しにしないはたらき方のヒントを求めて、編集者 大西さんにじっくりお話を伺いました!

(聞き手:柴山由香)

早稲田大学法学部卒業後、プラントエンジニアリング会社で水事業のプロジェクト営業に携わる。その後、一念発起して編集者の柿内芳文氏が代表を務める株式会社STOKEに飛び込み、編集について学んだのち、2022年にアスコム編集部へ。担当書籍に『ぐっすり眠る習慣』『10年ぶりの英語なのに話せた! あてはめて使うだけ英語の超万能フレーズ78』『またうっかり、自分を後回しにするところだった』など。ビジネス・人文・実用などジャンル問わず担当している

没後50年以上が経つ今、中村天風さんの本を出そうと思ったわけ

柴山

私が中村天風さんのお名前を初めて知ったのは、数年前にSNSのタイムラインに流れてきた「大谷翔平さんが愛読書として天風さんの本を挙げている」という記事がきっかけだったと思います。

そのときは、どんな方なのかなーっとさらっと調べて、それで終わりになっていて。今考えたら、もったいなかったです…!

大西さん

私は、恥ずかしながら天風さんのことをまったく知らなかったんです。

あるとき、社内で「中村天風って知ってる?」という話題が出て「てんぷう…、日本人の方ですか?」というような的外れな反応をしてしまったんです。

でもそうしたら、その場にいた人たちがわっと盛り上がって、こういう人なんだよと口々に熱弁してくれて…。一人、熱狂的な人がいるというよりは、みんなが話している様子を見て、これは「何かある」んだろうなと思ったんです。

まずはなにか本を読んでみようと思い図書館に行ったら、天風さんの著書は軒並み借りられていて。たまたま読めたのがぶ厚い講演録で、話し言葉で書かれていたんです。

まるで、物知りのおじちゃんが自分に直接語りかけてくれているような感じでスッと入ってきて、すっごく面白くて。ご本人は1968年に亡くなっているのですが、今読んでも全然古くない!と衝撃を受けました。

自分の心が動いたのを感じて、天風さんの財団(公益財団法人天風会)にぜひ本を出させてほしいとオファーをしました。

柴山

なるほど…!私はまず、タイトルにめちゃめちゃ惹かれたんですよ。『またうっかり、自分を後回しにするところだった』って!

私もそういうところがあるんですけど、自分をうっかり後回しにしている人って、結構いるんじゃないかなと思うんですよ。このストレートなタイトルは、どうやって決めたんですか?

(発売から2週間経たずして、すでに3刷…!自分をうっかり後回しにしている人はやはり多い!?)

大西さん

財団の方は、「やるならば、今までの天風さんの本では届かなかった人に届くようにしてほしい」と言ってくださっていて。

それは私にとってもすごくありがたいことだったので、今の時代だからこそ響く表現を、天風さんの言葉をもとに探りました。

天風さんのメッセージの核には、「まず全肯定してくれる」ことがあります。自己啓発やメンタルについて書かれた本を読んでみると、妙に優しすぎるなと感じることがあって。

中には、割れ物を扱うような表現のものもあるかなと。そこまでではないんだけど、ちょっと背中を押して欲しいくらいのときに、天風さんは言い切ってくれるんですよね。

いやいや、あなたはまず素晴らしいから!」と言ってくれるところが、まさに今の時代に必要なんじゃないかなと思ったんです。

いろいろなことに追われて忙しかったり、まわりの人の様子に気がついてしまう人こそ、自分のことは後回しになってしまう。そこをそのままストレートに表現することで、必要な人に届くんじゃないかなと思って、このタイトルになりました。

柴山

いやもう、ばっちり響いちゃってます…!

天風さんって、ふんわり柔らかく「休んでいいよ。自分と向き合って、ゆっくりしていいんだよ」という感じでもなくて、「つまんないことで怒るやつは豚よりもまだ下等です」とかもおっしゃるんですよね(笑)

大西さん

そうなんです(笑)思わず笑っちゃうような言い回しもあって、勝手にだんだん元気になるというか。

会うだけで元気になれる人っていると思うんですけど、そんな感じで、教科書的な優しい言葉ではなくて、力強く肯定してくれるんですよね。

(つまんないことで怒る上司とかいたら、豚さん以下だなと思っておきましょう)

またうっかり、自分を後回しにしないために。今の自分に必要な言葉に出会える!

柴山

タイトルでぐっと持っていかれた後、読み進めていくと、本の構成がとても親切なんですよね。

まず、短いテキストとイラストでその節で書かれていることがぎゅっと飛び込んでくる。それから本文、そして、1ページにまとめられた解説へと読み進めていくようになっていて、これはサクサクと読めそうだなと思っていたんです。

そうしたら、とんでもない...!「石も磨けば玉になることがあるんだ。「私なんか」と捨てちゃ駄目だ」というメッセージから始まる一節を読んで、考え込んでしまいました。

シンプルに、誰もが磨けば光るんだよというお話かなと思ったら、「われわれがこの現象界にこうやって尊く、万物の霊長として生かされている所以のものは、この命を正しく使っていくためなんだ。」と。これ、まだ第1章の3つ目の言葉なんですよね。

大西さん

そうですね。

軽く話しはじめたと思ったら、すごく深い気づきを与えてくれるのも天風さんの魅力です。

ひらたく言ってしまうと、人間だから全員もう輝ける素質があるよと。

男性だから、女性だから、日本に生まれたから、この学校の人だからではなくて、「人間だから」というくくりの大きさが、大好きで。

柴山

いやー、この角度で言われたことない!と思いました。サクサク読めるかなと思っていたら、いい意味でここですごく考えさせられた。この命をどう使っていけば、万物の霊長として生まれてきた意味を果たすことができるんだろうと考えちゃいました…!

編集者である大西さん的、おすすめのフレーズが知りたいです!

大西さん

いいですか…?(笑)

さきほどの「つまんないことで怒るやつは豚以下」が大好きなのと、あとはここの帯のところに載せた言葉たちも大好きなんです!

(帯を見ているだけで結構元気出てくるのでおすすめです)

大西さん

読んでくれた方が、「ここが刺さったよ!」と教えてくれるのがすごく嬉しくて。

それが人によって違うし、私自身も読み返してみて「こんないい言葉ピックアップしてたんだ、私グッジョブ!」といまだに思うことがあります(笑)

タイミングによって刺さる言葉も違うのかなと思いますし、自分の今の状態がわかる本でもあるのが面白いなって。

柴山

確かに。

こうしてお話を聞いていると、大西さんは天風さんに会ったのかもしれないなと思いました。取材してきたのかもしれない、って。

大西さん

そう思ってもらえたらうれしいです。作っているうちに、天風さんのことがどんどん身近に感じられて。「自分なんて」とか言ってたら、「何言ってんだよ、お前は最高だよ」と言ってくれているおじちゃん、と思いながら作りました。

天風さんは、“稀代の哲人”と言われています。確かにそうなんだけど、もしかしたらそこに少し誤解もあるのかなと。古めかしくて、難しそうだなと思われていたらそれはもったいない。

天風さんは聴く人を選ばず、一般の方から皇族の方まで多くの人の前でお話をし続けた方なので、例え話も多くてわかりやすいし、自分を偉く見せようとかもされていないので、説教くさくもなくて。

亡くなってからもう50年以上経っていますが、むしろ今の時代のために書いたの?今の時代知ってるの?と思うぐらい響くことばかりでびっくりします。

自分を後回しにして我慢してしまう人に届いたら嬉しいですし、時間をおいてまた読んでいただけるような本になっていたらいいなと思っています。

イベントでは、天風さんの言葉をたくさん取り上げて深掘りしています!

気になった方は、ぜひ本を読んだり、コミュニティ内にあるアーカイブ動画をご覧ください。

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