ビジネスパーソンインタビュー
“自分らしく生きる”マインドセットを
令和はギャルがビジネスを救う!? 今身につけたいギャルマインドとは
新R25編集部
リモートワークの浸透などと相まって、「はたらき方改革」が世間の潮流となって久しい昨今。
現場ではたらくビジネスパーソンの中には、「本気で仕事に打ち込もうと思ったらはたらき方改革なんて無理」「自分らしいはたらき方なんて難しい」と感じている人もいるはず。
そこで、パーソルグループとのコラボでお送りする本連載「“はたらくWell-being”を考えよう」ではモヤモヤを感じているあなたへ「令和の新しいはたらき方」を提案していきます。
“はたらくWell-being”とは、はたらくことを通してその人自身が感じる幸せや満足感のこと。それを測るための3つの質問があります。
①あなたは、日々の仕事に喜びや楽しみを感じていますか?
②自分の仕事は、人々の生活をよりよくすることにつながっていると思いますか?
③自分の仕事や働き方は、多くの選択肢の中から、あなたが選べる状態ですか?
3つの質問すべてに「YES」と答えられる人は「はたらくWell-being」が高いと言えます。「“はたらくWell-being”を考えよう」では、日々、充実感を持ってはたらく方々へのインタビューを通して、幸せにはたらくためのヒントを探します。
みなさんは、「ギャル」という存在にどのようなイメージをお持ちでしょうか?
今回紹介するのは、合同会社CGOドットコムさん。名だたる企業や行政の会議にギャルが入り、硬直化した議論を活性化する「ギャル式ブレスト®︎」をはじめ、組織コンサルやマーケティング、地方創生の課題にギャルを掛け合わせた事業を展開しています。その活動が注目を浴び、日経クロストレンドによる「未来の市場をつくる100社 2024年版」にも選ばれました。
“はたらくWell-being”にも、実はギャルマインドが必須なのでは!?との見方から、パーソルグループ内でギャル式ブレストを行ったことも。今、なぜギャルがビジネスの場面で注目されているのでしょうか?
今回は総長バブリーさんと裏ボス/CSOのちっちこ🌟さん、そしてCGO(チーフギャルオフィサー)のLily Spacey(リリースペイシー)さんの御三方をお招きして、令和に身につけたいギャルマインドとは何か?、ギャルマインドがビジネスパーソンの“はたらくWell-being”に必要な理由を紐解いていきます!
(聞き手:飯室 佐世子)
2022年設立。ビジョンはギャルマインドで「世の中のバイブスをアゲる」。企業の硬直化した会議にギャルが入り、コミュニケーションを活性化する『ギャル式ブレスト』が主軸事業。総長のバブリーを筆頭に、バックオフィス業務や企業とのパイプ役を担うMG(マインドギャル)と、現場に赴きギャルマインドを用いてコミュニケーションを活性化するCGO(チーフ・ギャル・オフィサー)といった役職からなる組織
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平成のそれと違う!? 「令和のギャル」とは?
飯室
日経クロストレンドによる「未来の市場をつくる100社 2024年版」の選出、おめでとうございます!
今日は、令和のビジネスパーソンが身につけていきたいギャルマインドについて、教えてください!
バブリーさん
ギャルといえば、1990年代にさまざまなカルチャーを生み出した女の子たちというイメージが強いですよね。
令和の今はファッションの要素だけでなく、考え方、いわゆる「ギャルマインド」にも注目が集まっています。
私たち合同会社CGOドットコムは、ギャルマインドを誰しもの心にあるものだと考え、それを引き出すことで、企業や地域、ひいては社会の課題解決ができるのではと考えて活動しています。
飯室
「ギャルマインド」は誰しもが持っている…
性別、年齢も関係なくですか?
バブリーさん
もちろん!
私たちの主軸事業は「ギャル式ブレスト」といって、企業の会議にギャルを送り込んでコミュニケーションを活性化しているのですが、例えば大企業の偉いおじさんの中にも、ものすごいギャルマインドを持つ方がいらっしゃいますよ!
ちっちこ🌟さん
見た目はしっかりスーツなんだけど、心は「ギャル」。
「生き方がギャル」みたいな人ってたくさんいるよね。
バブリーさん
令和では、ギャルの概念もアップデートしています。
これまでは、「ギャルファッションが好きな元気な女の子」というイメージが一般的だったと思うんですけど、私たちが考えるギャルは「自分を貫く姿勢を持っている子、またはそのマインドを持っている子」のことを指します。
飯室
そう言われると、私の中のイメージは、ギャルファッションで止まってたかも…。
令和のギャルには、マインド的な要素も含まれているんですね!
バブリーさん
「自分らしく生きる」みたいなマインドセットを持つ子たちが増えてきた中で、韓国ではガールズクラッシュという言葉ができたんですけど、日本ではそうした子たちの呼称がなくて。
回り回って「ギャル」と呼ぶようになったんじゃないかなって思っています。
飯室
平成のギャルには社会をつくった力強さみたいな印象があって、それが令和では力強く生きる個人にリンクした感じですね。
Lily Spacey(以下:Lily)さん
確かに、ファッションだけで考えたら、Lilyは「The・ギャル」じゃない。
ギャル式ブレストに参加するようになって、「ギャルです」って紹介されることが増えたけど、それはあくまでその場の役割であって、私自身としてはギャルかどうかはどっちでもいいかな(笑)。
(あれ…今日ギャルの取材だったんだけどな…)
飯室
ちなみにLilyさんが思うギャルって、どういうものですか?
Lilyさん
Lilyが思う令和のギャルは、自分が経験に基づいた考え方を、表現にまで落とし込んで、恐れずにリリースしている子かなぁ。
いろんな人がいろんな考えを持っているのは大前提で、「うちはこう思うし、こう表現するから」って、他者の目線を入れずに表現できる子がいいなって思う。
ちっちこ🌟さん
それすごいわかる!
ギャルって自分を貫く分、悔しい経験もいっぱいするんだよね。
でもそれらを全部自分のバックグラウンドにして、それぞれの形で表現するじゃん。
その人にしか出せない味があるし、真似できないゾーンにいるからめちゃくちゃクールだよね。
Lilyさん
なんかでもさ、ギャルってだけで頭悪そうって見られることない?
馬鹿な発言を求められているなって感じる時があるというか…
「なんか違うんだよなー…」
ちっちこ🌟さん
わかる!
少しでも考えている風なこと言うと、「意外に色々考えているんだ!」とか言われる(笑)。
Lilyさん
ギャルこそ「自分の在り方を考えてる」気がするんだけどな。
飯室
実はめちゃくちゃ自分と向き合っているのか…!
ギャルマインドが今の時代に必要なものだと思えてきたのですが、ビジネスの場面で取り入れられる要素ってありますか?
バブリーさん
CGOドットコムが掲げているギャルマインドの定義は、「自分軸」と「直感性」と「ポジティブ思考」の3つです。
自分軸は自分の好きなことを貫く姿勢、直感性は論理的に考えすぎず、バイブスで動いたり発言したりすること。
ポジティブは単に「アゲだよね!」という話ではなくて、推進力を指す言葉ですね。
ギャルマインドの言語化がすごすぎる
飯室
へぇ…ポジティブは「推進力」なんですね。
ちっちこ🌟さん
Lilyもよくギャル式ブレストで出てきたアイディアに対して「とりま、やってみよ!」とか「やってこ!」って言うんだけど、やってみなきゃわかんないし、やってみた方が面白いよねと、背中を押していくんだよね。
Lilyさん
「やってこ!」は、「やりなよ」と大きく違って、「一緒に行こうよ」って感じなんだよね。
はたらいているフィールドが違うから必ず一緒にできるわけじゃないんだけど、Lily、「これやりたいんだよね」って言った時に「いいじゃんやりなよ」って言われるのすごく寂しくて。
バブリーさん
「やりなよ」って単なる許可で、突き放されている感じがするよね。
Lilyさん
私は私の、あなたはあなたのやりたいことを「やってこうよ!」って言ってくれた方が、一緒に進んでいける気がして孤独じゃない。
だから自分も言うようにしているんだ。
飯室
自分を軸に置いて考えること、自分の心の動きに敏感になること、自分で決めること。
自分軸を持って行動するのに、一緒に頑張ろうって言ってくれる存在がいるっていうのは、頑張りたい人にはすごく心強いことですよね。
バブリーさん
それが愛だよね。
ちっちこ🌟さん
愛だ(笑)。
Lilyさん
愛(笑)。
(はい!「愛」ということで話まとまりました‼)
バブリーさん
令和のギャルは、「多様化した」とか「ジャンルが分散している」とよく言われるけど、それぞれにスタイルがあって自分の世界を貫いているんですね。
なのに、言葉としては「ウチら」を使うんですよ。連帯感というか、それぞれ個で頑張っているからこその横のつながりみたいな、個と集団のバランスが面白いなと思いますね。
あなたも持っているギャルマインド、会社の中でどう引き出す?
飯室
あのー…
私も自分の中のギャルマインドを目覚めさせたいんですけど、どうしたらいいですか?
ギャル式ブレストでは、どんなふうに引き出しているのでしょうか?
ちっちこ🌟さん
ギャル式ブレストでは、「本当の自分らしさを取り戻す」ことを大切にしていて、Lilyはよく「あんたは何をやりたいの?」って聞くんですよ。
会社がやりたいこと、社会のトレンドは理解した上で、「で、あんたは何してみたいの?」なんだよね。
Lilyさん
この間は聞いても答えられなさそうだったからね、「Lilyはね、ダンゴムシとか丸めたいよ」って言った。
「ない?そういう感じの、やりたいこと」
ちっちこ🌟さん
そういうの、めちゃめちゃ大事だよね(笑)。
忘れちゃうよね、ダンゴムシ丸めたいっていう直感をさ。
バブリーさん
やりたいことって最初から大きなことである必要はなくて、Lilyが言うようにダンゴムシを転がしたかったら転がしたらいいし、今日マクドナルドが食べたかったら食べたらいいじゃんってくらいの自由さでいいんです。
自分の中に生まれた感情を無視せずに実現してみるっていうステップを、生活の中で1個やってみてください、それだけで変わりますって伝えていて…。
バブリーさん
でもそれくらい、自分の直感とか欲望に対して、小さいことでも忠実であるマインドセットが大事だと思う。
飯室
確かに、やりたいことを聞かれたら、何か立派なことを言わなきゃと思ってしまうかもしれないです。
ビジネスの場面だと特に。
バブリーさん
正直、「会社にいる時もギャルマインドを思い出してください」、「心にギャルを飼ってください」とか言われても、忘れちゃうよね。
だから、何か1個トリガーになるものを持つといいと思います。
私は江ノ島で買ったきらきらペンを持ってるんですけど、名刺入れとかスマホケースとか、派手な物じゃなくて好きなものを持ってみてください。
その積み重ねの先に、私たちで言うところの“心にギャルを飼う”が実現できるんじゃないかなって思う。
飯室
“心にギャルを飼う”っていうのは、自分軸に立ち戻るってことなんですね。
Lilyさん
思ったのが、「あんたのやりたいことなんなの?」よりも、「どんな自分でいたいの?」だね。
いざ選択する時に「これやってる自分は好きか、好きじゃないか」でいいと思う。
そういったところで自分を裏切らない。私は「私の気持ちを尊重しているよ」という姿を自分に見せたい。
ちっちこ🌟さん
肩書きとか役職がついちゃうと、人間はその役割を演じちゃうんだろうなと思うんだよね。
新入社員だったら新入社員っぽくしてみたり、上司は上司っぽくしてみたり。
毎日毎日演じていたら、いつしか自分軸は薄まっていって、その役割としての判断をするようになる。役職って、そもそも自分じゃないのにね。
本質すぎて、ぐうの音も出ない
バブリーさん
言えないパターンもあるよね。
上司は「若手はやりたいこともないし、会議で発言もない」って愚痴をこぼす一方で、部下は部下で「僕はまだ部下だし皆さんの方が実力もあるから、大きなこと言えないんです」って思ってたりもする、ちっちこ🌟が言った「演じる」ってそういうことなんだろうね。
想いがある人もいるし、まだわからない人もいるし、忘れちゃってる人もいる。
ビジネスでギャルマインドを生かすためには、会社という組織がギャルマインドを知ることも大事だし、やっぱり組織の硬直化をなんとかしないといけないなって、改めて思った。
ちっちこ🌟さん
最初に言っていた「生き方がギャル」みたいなビジネスパーソンでいうと、あえて偉くならないみたいな人いない?役職が上がっていくと責任が重くて自由に動けないから、逆に偉くならないとか。
それってすごくいいなと思うし、そういう人ってすごく輝いてる。
偉くなりたくて仕事やっているわけではないし、お金じゃない楽しさを会社で見出しているからなんだろうなって思う。
バブリーさん
会社の中でも自分を守ることって大事なのかもね。
自分が好きで、自分を大事にしたい。
ちっちこ🌟さん
やっぱり主語が自分なんだよね。会社にいるからやらなきゃ、じゃない。
組織って人が集まっている場所で、一人ひとりが自分の生き方を持っている。
お互いのコミュニケーションがダメだったら、不健康だよね。
だからこそ一人ひとりがウェルビーイングな状態になっていて、いきいきとしたコミュニケーションを大切にするって超大事なことだなと思った。
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