

“テンプレ”を求められる時代に、どう生きるか。
「今は“いい子”を求める世の中と、それを演じる若者しかいない」野村周平は脱線しても止まらない
新R25編集部
毎月新R25の “表紙”を飾る、「つきヌケ企画」。
若手時代のモヤモヤを乗り越えブレイクのきっかけをつかんだ方々に、「つきぬけた瞬間~ブレイクスルーポイント~」と題し、モヤモヤ期から抜け出した瞬間のお話をお聞きします!
10月号の表紙は、俳優・野村周平さん。
映画・ドラマでの活躍ぶりはもちろんのこと、バラエティ番組やSNSでも「いつでも本音」で語る“忖度なし”のユーモラスな役者としても注目を集めてきました。
SNSの普及によりかつてなく “いい子”を求められるようになった芸能界において、忖度せず本音を発信しつづける野村さんは、言わば“異端児”的存在とも言えます。
まわりに合わせて「いい子」にしているほうが楽のような気もするのですが、なぜ「自分らしく」つき抜けることにこだわったのか…?
〈聞き手=サノトモキ〉
【野村周平(のむら・しゅうへい)】1993年11月14日生まれ。兵庫県出身。2021年10月21日(木)夜10時よりスタートのABEMAオリジナルドラマの最新作『会社は学校じゃねぇんだよ 新世代逆襲編』に主演。コロナ禍で仕事への価値観が多様化しているなか、 仕事(人生)に熱狂する若者のリアルを描く完全オリジナルストーリーのドラマ作品で、ビジネスの厳しさを知り、苦悩しながらも一人のビジネスマンとして前向きに成長していく様を演じる
「今の日本は、いい子を求めるけど、“ちょっと違った”人が選ばれる」

サノ
今日のテーマは、「野村さんはなぜ“自分らしさ”を貫いたままつき抜けることができたのか」です。
いろいろとデカい壁にぶつかったとも思うのですが、そこを突破した瞬間について伺いたいと思います。

野村さん
まあ、壁というか悩みというか…
「自分のキャラクターを受け入れてもらえなかった」っていうのは、たしかにちょっとあったかな。

野村さん
今の日本って、本当に“いい子”が求められるじゃないですか。
「“いい子”のテンプレートにハマることを求める世の中」と、「テンプレートにハマることで安心する若者」で成立している。

野村さん
でも「みんなと同じ」を求めるわりに、「みんなと“ちょっとだけ”違う人」が好きなんですよね。
僕も昔はドラマのオーディションとかたくさん受けてましたけど、「~から来ました。◯◯です。今日はよろしくお願いいたします!」みたいな振る舞いよりも、「あっす。野村です。よろしくお願いします」みたいなテンションのほうが仕事もらえることもあって。

サノ
ああー…たしかに就活でも、「御社を希望したのは…」みたいな型通りの人より、なんだかんだ「ちゃんとしてるけど型にハマりきってない人」のほうが目を引くイメージがあるかもしれません。

野村さん
でしょう?
だからこそ、自分は“脱線”したんです。
脱線とな

野村さん
みんなは“いい子”というテンプレにのっとった新幹線に乗ってるけど、そこから“脱線”して自分でレール引くほうがいいと思えたんですよ。
“いい子”のレールに乗ることより、大事なことがあるんじゃないのって。
自分の「カッコいい」を突き詰める。野村周平の脱線先

サノ
野村さんは“いい子”のテンプレから脱線して、どういうレールを作っていったんですか?

野村さん
「自分の生き様」に集中するようにしました。

野村さん
どんだけ自分がカッコいいと思える生き方してるか。
その一点を突きつめることだけに集中しようと。
趣味で車やバイク、スケボー、BMXに熱中してるのも、「カッコいい生き方をしてたいから」なんですよ。ビンテージカーとかハーレーとかカッコいい車乗ってたら、ダサい生き方なんてできないわけで。

サノ
(同い年だけどいろいろ格の差を感じるな)

野村さん
そうしてると、芸能人としても「ダサいこと」はしないでおこうとか、そういうマインドになってくる。
それこそ芸能人って、六本木とか麻布十番で飲み歩いているイメージあるでしょ?

サノ
たしかに、華やかなイメージはありますね。

野村さん
僕も芸能界に入りたてのころに、そういうところへ行ってみたんですよ。でも、「うわあああ、本当にこんな世界あるんだねえ…!」ってなって。
「やっぱ俺には無理だ」と。
もしそこでそういう界隈の人らに合わせて遊びはじめてたら、本当に終わってたと思います。「中身も信念もないパッパラパー」になって落ちていく一方だったと思う。
「そんなの、カッコ悪いじゃないですか」

野村さん
だから、自分が「つき抜けた」なんて考えたこともなかったですけど…
強いて言えば、まわりに流されずに「自分が思う“カッコいい生き方”」を貫いたからなのかなと今は思うんですよね。
仕事って、最後はその人の「生き様」が決め手になると思うので。
「生き様」が仕事の決め手になる…?
仕事でつき抜けるために「本当に必要なモノ」とは

野村さん
仕事でつき抜けるために必要なのって、「生き様」だと思うんですよ。
これは、売れてる人たちを見ていて本当に思う。
みなさんとにかく、「生き様がカッコいい」んです。

野村さん
役者にしても、芝居が上手いやつなんて腐るほどいるし、顔が良ければ売れるっていう時代でもまずない。
僕も自分のことをそんなにイケメンだとは思ってないし。

サノ
いや、さすがに爆イケメンです。

野村さん
でも、そんな僕も今も役者として仕事しつづけてるわけで。
それは顔とかセンスとか以上に、仕事相手としての「人となり」を見てもらえてるからだと思うんですよ。
ぐっ…これ、すごくわかる気がする…

野村さん
でも…やっぱり今は、“いい子”でいることを求められるわけじゃないですか。

サノ
はい。

野村さん
だからこそ、どう突っ切るかですよね。
“いい子”のテンプレートを求められる時代に、どれだけ「自分」を出せるか。
その姿勢がより必要になってきてるのかなとは思います。

野村さん
もちろん、楽じゃないですよ。
それこそ僕も、芸能人だからって上っ面のことばっかじゃなく、誰とでもフランクに本音で話すようにしてるんですけど、その姿を見て「野村は礼儀知らずで生意気だ」みたいに言われちゃうこともありますし。
でも、それをわかってても、まわりから脱線して生きてこうって決めたんです。みんなが走ってないレール選んでるんだから、そりゃある意味つき抜けるよねっていう。

サノ
なるほど…!

野村さん
極論を言うと僕、「自分が思うカッコいい生き方」を貫けるなら、どんな仕事でも幸せに生きていけると思ってるんですよ。
結局、どう生きたかだと思うので。人生。

サノ
「自分が思うカッコいい生き方」ができていれば、どんな仕事でも幸せか…

野村さん
「自分が思うカッコいい生き方」を目標にしていれば、どんな仕事をしていても自然と“自分らしいつき抜け方”につながっていくと思うんですよね。テンプレの目標じゃなく。
10月21日から『会社は学校じゃねんだよ』って仕事に熱狂する若者を描いたドラマで主演するんですけど…
「テンプレは正解じゃねえんだよ」って言いたいですね、僕は!
今日はありがとうございました!
“いい子”のテンプレートが求められる時代に、いかに自分のキャラクターを「魅力」として出していくか。
野村さんが語る「つき抜け論」は、どんな世界であっても今を生きる若者にとって大切なメッセージだと感じました。
最後の最後、決め手になるのは「生き様」。
この言葉を胸に刻み、筆者も自分なりの「カッコいい生き方」を作っていこうと思います!
〈取材・文=サノトモキ(@mlby_sns)/編集=福田啄也(@fkd1111)/撮影=中澤真央(@_maonakazawa_)〉
野村周平さん主演の『会社は学校じゃねぇんだよ 新世代逆襲編』(ABEMA)が10/21に放送開始!
野村さんが主演を務める『会社は学校じゃねぇんだよ 新世代逆襲編』(ABEMA)が10/21に放送開始!
コロナ禍で仕事への価値観が多様化している中、仕事(人生)に熱狂する若者のリアルを描く完全オリジナルドラマ。制作陣には、前作「会社は学校じゃねぇんだよ」のスタッフが再集結し、『新聞記者』の藤井道人が今作でも監督を務めます。
野村さん演じる主人公・大学卒業後に起業し、仕事に奮闘・熱狂する鶴田祐介の“生き様”をとくとお楽しみください!
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