ビジネスパーソンインタビュー

キャリアの専門家が「仕事がツラい時の対処法」を解説。自分に合う転職先を見つけるには?

転職は「自分の持ち点」の配分を変える作業

キャリアの専門家が「仕事がツラい時の対処法」を解説。自分に合う転職先を見つけるには?

新R25編集部

2020/03/02

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転職が当たり前となりつつある昨今。一方で今の職場でくすぶりながらも、あと一歩が踏み出せない人は多いのではないでしょうか。

「仕事がツラいから転職したいけど、どうやって転職先を選べばいいかわからない…」と、自信がない人が転職に成功するにはどうすればいいのか。

4年間で500人の求職者を優良企業へと内定させてきたキャリアアドバイザーの魚津君明さんは、著書『人生を逆転させる転職術』のなかで、学歴や資格がなくても転職を成功させる「成功転職」の方法を説いています。

今回は同書から、「転職先選びに役立つ自己分析方法」について書かれた箇所を抜粋してお届けします。

【魚津君明(うおつ・きみあき)】1987年生まれ。青山学院大学経営学部卒業。株式会社キャリクリ代表取締役。大学時代に母親を亡くし、その後、父親の会社が倒産。弟は障害を抱え、家族を支えるためにサラリーマンとしてガムシャラに働く。困難を乗り越えてきた自分の経験を生かしてキャリアのアドバイスをしたいと思い、28歳で会社員を卒業し人材業界で独立。初年度から毎月100万円以上の収入を得られるようになり、父親が負っていた借金2000万円を20代で完済。3000社以上の企業とのパイプを持ち、毎月80名以上の求職者と面談し、年間100名以上の転職希望者を優良企業へ内定させている

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キャリアプランの精度を上げる自己分析法「ペンタゴンメソッド」

転職の成功率を飛躍的にアップさせるのに、大いに役立ってくれるツールが、「ペンタゴンメソッド」です。

これはペンタゴン(五角形)の頂点に任意の項目を置き、その5項目について5点満点で点数をつけていくものです。

最大25点になりますが、転職前の自分の現状を把握しようという場合、多くの人は10〜15点ぐらいの範囲に収まっています。

この点数は、求職者を数値化して優劣をつけるためのものではありません。あくまでも現状の把握と、自分が想定している未来像を数値化して理解しやすくするためのものです。

ですから「25点満点だから自分は素晴らしい!」と思うのは正しくなく、「5点しかないから自分はダメ人間だ…」と落ち込むのも間違いとなります。

「ペンタゴンメソッド」が示す合計点数は、自分が現在の状態に対して感じている「満足度」のようなものと考えてください。

点数が高ければ転職の緊急性が低く、点数が低ければ転職の緊急性が高い。そういうリトマス試験紙のようなものと考えてもいいかもしれません。

この「ペンタゴンメソッド」を、「現在の自分」と「自分が転職後に実現したい姿」の2パターン作成します。そのどちらの合計点数も等しくしなければなりません。

つまり現在と未来の点数の配分を変える作業をします。

この2つを並べて比べることによって、自分が思っていたこととは違う「本当の自分」と、本心から自分が望んでいる「未来の自分」が、ひと目で理解できます。そしてその比較から、目指すべき転職活動の方向性が見えてきます。

「ペンタゴンメソッド」を使えば、すぐに基本的な「自己分析」ができるうえに、今後の指針をわかりやすく提示してもらえるので、転職判断には欠かせないツールです。

ひとまず、私の周囲でよく用いられている項目5つを使ってみましょう。

「時間」「やりがい」「給与」「会社の知名度」「福利厚生」の5項目に対し、それぞれについて5点満点で考えたときの現在の自分の満足度を、上段の「ペンタゴンメソッド」に点数化してみてください。

続いて、自分が今から転職すると仮定して、下段の「ペンタゴンメソッド」に転職後の職場環境などに求めるレベルを点数化してみてください。

上段と同じ合計点数で各配分を変えて割り振っていきます。これが転職活動するときの重要なマイルストーンになるのです。

持ち点の配分を自覚すれば、転職先を選ぶ基準になる

転職は「自分の持ち点」の配分を変える作業です。

「未来のことだから、自分の希望に合わせて点数を増やせばいいのではないか?」という人は多いかもしれません。

しかし、何もせずに自分のことを勝手にグレードアップできるような“魔法”は、この世の中に存在しません。

必要な苦労を避けて「成功」だけをほしがるというのは、感心できる姿勢ではありません。そういう人は結局、何をしても点数の上乗せは望めないと思います。

ですから、冷静に現在の自分を受け入れて、「点数を上げたいところがあるなら、その分だけどこかを下げる」という持ち点は変えずに配分する作業に徹してください。

実は、私のもとに相談に来られる求職者に「ペンタゴンメソッド」を作成してもらうと、多くの人が、自分の“本当の姿”に多少なりとも驚きます。

「想像通りだった」などという人は、ほとんど見られません。

「自分では収入に満足しているように思ったけど、本当はそうでもないのか」「やりがいと収入のバランスはとれていると思い込んでいたけど、そうでもなかった」などというように、現実とのギャップに気づきます。

この作業をしていくと、自ずと、「現在の自分が転職に望んでいることの優先順位」がはっきりと見えてきます

それをベースにすれば、何を根拠にどのように転職先を絞っていけばいいのか、だんだんと進むべき道が見えてくるようになります。

転職に成功する人の共通点は、バランスがとれていること

「成功転職」経験者の人生から、ひとつの法則が見えてきます。それは、「バランスがとれていること」です。

よく「QOL(Qualityoflife)」などという言葉に接します。直訳すれば「人生の質」で、より満ち足りた心身の状態を維持しながら人生を送っていく、そのための方法や生き方、などを意味します。

政府主導で進められている「働き方改革」も、この思想に基づいています。この「QOL」を「働く」ことでアップさせる場合、おおよそ次の3パターンに集約されます。

・寸暇を惜しまず働いて、収入を大幅にアップさせて物質的な充足感を得る

・労働時間をできるだけ減らして、余暇などに費やす時間を増やす

・仕事内容などよりやりがいを重視して、職場を選び心の満足度を高める

この3つの共通点を探してみてください。「何かをマイナスする代わりにほしいと思う大きなプラスを得る」こんな共通の図式があることがわかります。

本当にほしいものを最大限のプラスで得るために、必要性が低いなどの少しのマイナスを差し出す。こうして自分に合わせて「バランスをとる」のです。

「成功転職」は、このバランスが絶妙に成立しています。ですから不満や不平から解放されて、達成感や充実感に包まれるのです。

転職に踏み出す前に読んでおきたい一冊

転職してキャリアアップできるのは特別な人だけなのではないか…と思ってしまいますが、そんな自信のない人におすすめしたい本書。

このほかにも、転職に踏み出すマインドセットや、自己分析の方法など、すぐに使えるノウハウが多数収録されています。

人生を逆転させるのは自分次第。転職で自分の市場価値を上げたいと思っているのであれば、まずは自分の意識改革をして、新しい人生への一歩を踏み出しましょう!

転職に興味のある方はこちらもどうぞ

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