企業インタビュー
社長はわかってる。でも現場に伝わらない。拡張期の“企業文化のズレ”を言葉にするカルチャーリーとは

社長はわかってる。でも現場に伝わらない。拡張期の“企業文化のズレ”を言葉にするカルチャーリーとは

“暗黙知”が、成長を鈍化させる。

新R25編集部

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「同じ話をしているはずなのに部門ごとに解釈がズレる」
「施策は打っているのになぜか現場に定着しない」

このような拡張期の企業で生じがちな“噛み合わなさ”を解消し、経営層と社員が同じ前提で話せる状態をつくるために、企業文化の言語化を支援するサービスがCulturally(カルチャーリー)です。

そもそも、拡張期にはなぜこのような解釈の“ズレ”が起きてしまうのか…?

株式会社カルチャーリーの代表取締役社長・金澤ジョーダンさんにお伺いしました。

〈聞き手=山田三奈(新R25編集部)〉

拡張期に企業文化の解釈がズレる理由

金澤さん

突然ですが…私は名前が「金澤」なので、日本人を想像されやすいんですよね。

 

でも実際に会うと、見た目とのギャップがあるでしょう?

山田

正直驚きました。言葉もとても自然ですしね。

オーストラリア生まれ → 北海道在住の金澤さん

金澤さん

ありがとうございます(笑)。

こういう「外から見ただけではわからないこと」って、じつは会社にもあると思うんです。

とくに“企業文化”は、あるのに言葉になっていないことが多いと感じていて。

山田

というと?

金澤さん

そもそも企業文化というのは、組織が経験から学んで共有してきた「正しい感じ方・考え方・行動」を方向づける、見えないルールや前提のことです。

企業文化を構成する3つの階層

金澤さん

たとえば「スピード感」「主体性」「オーナーシップ」が企業文化になっている会社では、社員も当事者意識を持ってすばやい意思決定をしやすくなります。

つまり、創業メンバーを中心に積み上げてきた「どう意思決定するか」「どこまで相談するか」「何をいい仕事とみなすか」といった文化的な前提が、全社員の判断・行動・コミュニケーションの土台になるということです。

それにもかかわらず、言語化されていなかったり、“きれいな言葉”のまま曖昧に運用されていたりする企業も少なくありません。

山田

企業文化って多くの会社が大事だと言うわりに、なぜここまで曖昧になりやすいのでしょうか?

金澤さん

大きな理由の一つは、“すでにあるもの”だからだと思っています。

制度のようにゼロから設計されたものではなく、日々の判断や会話、仕事の進め方の積み重ねでできているものなので、当事者ほど意識しづらいんですよね。

ずっとその環境にいると、それが普通になってしまう。だから、言葉にしなくても回ってしまうんです。

山田

“暗黙知”というやつですね。

金澤さん

はい。

創業初期であれば、同じ場で働いていれば空気で伝わるので、それでも成立します。ただ、問題はその先です。

組織が30人、50人、100人と拡張していくと、これまで暗黙知のままでも回っていた文化が、そのままでは伝わらなくなり、解釈の“ズレ”が生まれます。

山田

どのような“ズレ”が起きるのでしょうか?

金澤さん

たとえば「スピード感」という言葉ひとつ取っても、ある人にとっては即断即決かもしれないし、別の人にとっては必要な人に相談したうえで早く進めることかもしれません。

人が増え、部門が分かれ、中途入社者も増えると、このように同じ言葉でも意味がズレ始めます。

山田

たしかに…いろんな文化の人が混じり合うと解釈も変わりますよね。

金澤さん

おっしゃる通りです。

ほかにも、創業メンバーのなかでは共有されている判断基準が、中途入社の人には伝わっていなかったり、マネージャーごとにオンボーディングの伝え方が違ったりします。

 

そうすると、採用、定着、チーム連携、社内コミュニケーション、社外発信まで、全部に少しずつズレが出てくるんですよ。

 

その結果、コンプライアンス面での不安定さや、ブランドへの信頼の揺らぎ人材の離脱といったかたちで表面化することもあります。

山田

暗黙知にしておくリスクは計り知れないですね…

金澤さん

拡張期は、暗黙知のままの企業文化を放置しておくコストが一気に上がるフェーズです。

 

だから私は、文化が“ない”ことよりも、“あるのに言葉になっていないこと”のほうが問題だと考えています。

 

カルチャーリーは、拡張期の会社において、暗黙知のままになった企業文化を可視化・言語化し、社内外で使えるかたちに整えていく会社です。

 

組織の“ズレ”を丁寧に紐解き、現場で使える共通言語へと整えていきます

“暗黙知”の企業文化を言語化&表現化。カルチャーリー2つの支援

山田

具体的には、どのようなサポートをおこなっているのでしょうか?

金澤さん

2つのサービスで支援をおこなっています。

     ① Culturally Insights

金澤さん

まず中核のサービスがCulturally Insights/自社文化の可視化・言語化支援です。

拡張期の企業において、暗黙知のままになっている企業文化を可視化・言語化。組織のなかで共通言語として扱える状態をつくるための支援です。

 

単なる診断や調査ではなく、必要に応じて対話やワークも含めながら、以下のような項目を整理していきます。

・その会社らしさは何か

・何が暗黙知のまま残っているのか

・経営と現場の間でどこに認識差があるのか

・何を共通言語として整理すべきか

山田

まさに、解釈の“ズレ”から丁寧に紐解いていただけるんですね。

金澤さん

はい。

 

理念や理想像をきれいに整えることよりも、実際の判断・行動・コミュニケーションの土台になっている文化を言葉にすることを目指しています。

     ② Culturally Arc/制作支援

金澤さん

2つ目は、Culturally Arc/制作支援です。

 

Insightsで整理・言語化した企業文化を、採用・オンボーディング・社内共有・発信などの場面で実際に伝わるかたちへ翻訳・実装していきます。

・採用に関する表現設計

・会社紹介や事業紹介における文化の翻訳

・社内向けの共有資料やストーリー設計

・オンボーディングやカルチャー浸透に関わる発信物

・経営の考えや会社らしさを伝えるための文章・制作物

山田

制作までサポートしてくれるんですか! なぜそこまで支援の幅を広げているんですか?

金澤さん

このサービスは単なる制作代行というより、企業文化を表現に変える工程だと考えています。

 

企業文化って、可視化・言語化されたとしても、それだけではまだ十分に機能しないんですよね。

 

その言葉が、採用、オンボーディング、社内共有、社外発信みたいな場面で伝わるかたちになって初めて使えるようになる。

 

でも多くの会社では、そこがすごく難しいんですよ。

社内では理解しているはずなのに、外向きの発信になると、「挑戦」「自律」「風通しの良さ」といった無難な表現になってしまったりして。

山田

たしかに、採用広告でよく見かける表現ですね…

金澤さん

私はそこにすごくもったいなさを感じています。

 

たとえば採用でミスマッチや早期離職が起こると、一人あたり数百万円規模の“やり直しコスト”がかかる可能性があるんです。

 

ですが言語化した企業文化を採用広報や面接設計、オンボーディングに落とし込めれば、応募〜採用の精度が上がり、必要なコストだけに最適化できます。

© Culturally Inc.

山田

一般的な組織コンサルや採用広報支援とは、どこが違うのでしょうか?

金澤さん

もっとも大きいのは、出発点が違うことです。

採用広報だけを支援する場合だと、「どう魅力的に見せるか」から入ることが多くなりますが…

私たちは、「そもそも何がその会社らしさなのか」「何が暗黙知になっていて、どこで解釈のズレが起きているのか」から見ていきます。

 

また組織コンサルやカルチャーワークショップのようなものだと、対話や整理まではできても、その先の翻訳や実装までいきません。

 

私たちは、「文化っぽいきれいな言葉」をつくること自体を目的にしているわけではなく、文化が日々の判断や行動につながる状態をつくることのほうを重視しています。

「企業文化は会社が前に進むための土台」

山田

最終的に、カルチャーリーを通じて会社がどのように変わるのが理想ですか?

金澤さん

一番の理想は、その会社のなかで、企業文化が“なんとなくわかるもの”から“共通言語として使えるもの”に変わることです。

経営陣だけが理解しているのではなくて、現場や新しく入る人にも、その会社らしさや判断基準が伝わりやすくなる。採用やオンボーディングや社内共有や発信でも、一貫した言葉で語れるようになる。

そうすると、組織内の無駄なズレや誤読はかなり減ると思っています。

とくに相性がいいのは、以下のような拡張期の会社です。

・社員数が増え、創業初期の“空気で伝わっていた前提”が共有されにくくなってきた

・経営の考えや判断基準が、現場や中途入社メンバーに十分伝わっていないと感じる

・採用、オンボーディング、マネジメント、社内共有などに微妙なズレを感じている

・「うちらしさ」はあるが、それを言葉にしようとすると急に曖昧になる会社

・社外向けの発信が、実際の会社らしさよりも無難で一般的な表現になってしまう

金澤さん

企業文化って、飾るためにあるものではなくて、会社が前に進むための土台だと思うんです。

 

だからこそ成長著しい拡張期にある会社ほど、それを“空気任せ”にしないほうがいい。

 

カルチャーリーを通じて、暗黙知になっていた企業文化が言葉になって共有されて、必要に応じて社内外で使えるかたちに整っていく。

 

そういう会社を増やしていけたらと思っています。

経営・人事・現場で「なぜか話が噛み合わない」と感じる場面があるとしたら、それは企業文化が言語化されていないサインなのかも。

拡張期の企業こそ、カルチャーリーのサービスを通して企業文化の「現在地」を可視化し、共通言語をつくってみてはいかがでしょうか。

〈執筆=吉河未布/編集=山田三奈〉

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