申請するのにベストなタイミングは?
失業保険はもらわないほうがいい場合も!? 給付額や手続きについて弁護士に聞いてきた
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早くに転職を考えたり、思わぬタイミングで会社を辞めるR25世代も少なくありません。
そんなときの強い味方が「失業保険」。きちんと知っておけば、次の仕 事が決まるまで安心して過ごせるはず!
というわけで、“失業保険”でもらえる金額の計算方法や手続き、もらえる期間などについて、アディーレ法律事務所の弁護士、落合亮太さんに聞きました!
目次
退職後のキャリアを考えたいなら転職エージェントがおすすめ
2そもそも「失業保険」って何? 受給資格は?
3受給要件① 就職できる能力があり、かつハローワークで積極的に仕事を探していないといけない
4受給要件② 離職前に一定期間以上、雇用保険に入っていないといけない
5失業保険で給付される金額はおよそ前職の5〜8割くらい。 計算方法は?
6失業保険がもらえるのはいつから? 「退社理由」で給付タイミングや給付期間が変わる
7申請手続きから給付までの流れを解説! 定期的なハローワークへの訪問が必須⁉
8受給期間は延長できるの?
9すぐに再就職できそうなら、失業保険は受け取らないほうがよい⁉
10転職を考えている方はこちらもどうぞ
退職後のキャリアを考えたいなら転職エージェントがおすすめ
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そもそも「失業保険」って何? 受給資格は?
ライター・いちかわ
落合弁護士
これは失業中に安心して新しい仕事を探せるよう、お金を支給してもらえる制度です。そういう目的をもった制度なので、会社をやめた人がみんなお金をもらえるわけではありません。
ライター・いちかわ
受給要件① 就職できる能力があり、かつハローワークで積極的に仕事を探していないといけない
落合弁護士
1. ハローワークに来所し、求職の申込みを行い、就職しようとする積極的な意思があり、いつでも就職できる能力があるにもかかわらず、本人やハローワークの努力によっても、職業に就くことができない「失業の状態」にあること。
ライター・いちかわ
落合弁護士
たとえば、病気やケガのためすぐに仕事ができない人は「就職できる状態」ではないので、受給資格はありません。妊娠と出産のため会社を辞めた場合も同様です。
ライター・いちかわ
落合弁護士
ライター・いちかわ
落合弁護士
そのため、次の就職先が決まっている人も給付を受けられません。
ライター・いちかわ
落合弁護士
給付を受けるためには、辞めた会社からもらう「離職票」を提出する必要があり、ハローワークの窓口での面談もあります。自己申告が中心ですが、隠してもそこでバレてしまうと思いますよ。
もし、不正受給が発覚した場合、受給金額の3倍の金額の納付を命じられることもあります。
ライター・いちかわ
受給要件② 離職前に一定期間以上、雇用保険に入っていないといけない
離職の日以前2年間に、被保険者期間(※)が通算して12カ月以上あること。ただし、特定受給資格者又は特定理由離職者については、離職の日以前1年間に、被保険者期間が通算して6カ月以上ある場合でも可。
※ 被保険者期間とは、雇用保険の被保険者であった期間のうち、離職日から1カ月ごとに区切っていた期間に賃金支払いの基礎となった日数が11日以上ある月を1カ月と計算します。
落合弁護士
ただ、注意しないといけないのは期間の「計算方法」です。被保険者期間が1月を単位として考えるのですが、会社に従業員として所属していた、ではなく「1カ月のうち11日以上」働いていないと被保険者期間として計算されません。
そのため、病気等で休みが重なって出勤日数が11日以下の月は「被保険者期間」であるとはみなされないことになります。
ライター・いちかわ
落合弁護士
基本的には「2年間のうち1年以上働いていた」という認識で大丈夫ですが、退職前に確認はしたほうがいいでしょう。
ライター・いちかわ
落合弁護士
特定理由離職者 = 正当な理由(ケガ、妊娠など)ある自己都合による退職
特定受給資格者 = 会社都合(倒産、解雇など)による退職
ライター・いちかわ
落合弁護士
ざっくり言うと、会社都合や正当な理由ありきの退職であれば、雇用保険に入っていた期間がここ1年間のうち6カ月以上あればOK。
一方で、完全な自己都合による退職の場合、雇用保険に入って働いていた期間がここ2年間のうち1年以上はなければいけません。
ライター・いちかわ
✔ハローワークで積極的に仕事を探していて、就職できる能力があるのにもかかわらず失業中であること
✔自分の都合で退職する場合は直近で雇用保険に1年入っている必要がある。ケガや倒産などの理由で退職した場合は6カ月でOK
失業保険で給付される金額はおよそ前職の5〜8割くらい。 計算方法は?
ライター・いちかわ
落合弁護士
1日にもらえる金額(基本手当日額)の計算式は下記になります。
ライター・いちかわ
落合弁護士
失業保険がもらえるのはいつから? 「退社理由」で給付タイミングや給付期間が変わる
落合弁護士
そして、保険加入期間が1年以上だった場合は、「加入期間の長さ」によって給付の期間が変わります。
雇用保険に加入していた期間 | 基本手当の給付期間 |
1年未満 | - |
1年以上10年未満 | 90日 |
10年以上5年未満 | 120日 |
20年以上 | 150日 |
落合弁護士
自己都合の場合と違って、年齢によって給付期間に差があったり、最長180日の給付になっているのもポイントです。
雇用保険に加入していた期間 | 年齢 | 基本手当の給付期間 |
1年未満 | 全年齢 | 90日 |
1年以上5年未満 | 30歳未満 | 90日 |
1年以上5年未満 | 30歳以上35歳未満 | 120日 |
1年以上5年未満 | 35歳以上45歳未満 | 150日 |
5年以上年10年未満 | 30歳未満 | 120日 |
5年以上年10年未満 | 30歳以上35歳未満 | 180日 |
5年以上年10年未満 | 35歳以上45歳未満 | 180日 |
落合弁護士
ライター・いちかわ
なんとか会社都合にできる例はないんでしょうか?
落合弁護士
見落としがちなのは、こんな例です。
・パワハラ/セクハラがある
・初めに提示された労働条件が事実と著しく異なる
・給料の3分の1を超える額が支払期日までに支払われない
・残業が多すぎる(離職の直前6カ月間の残業が平均1カ月で80時間以上)
ライター・いちかわ
落合弁護士
専門家に聞くパワハラのリアルな定義と判断基準。上司の言動はどこからがパワハラ?|新R25 - シゴトも人生も、もっと楽し
申請手続きから給付までの流れを解説! 定期的なハローワークへの訪問が必須⁉
ライター・いちかわ
落合弁護士
①離職
②ハローワークで申請(受給資格の決定)
③ハローワークで雇用保険受給説明会
③ハローワークで求職活動
④ハローワークで失業認定
⑤受給
↓
継続する場合:毎月1回、失業認定日にハローワークへ
ライター・いちかわ
落合弁護士
だから、定期的にハローワークへ行って、その意思と就職できていない状況を認めてもらう必要があるんです。
ライター・いちかわ
落合弁護士
ただ、求職活動は必ずしもハローワークでなくても大丈夫です。民間のエージェントなどを使っても問題ありませんよ。ただし、転職エージェントとの面談や転職フェアへの参加だけでは「求職活動」とみなされない可能性もあるので、やはりハローワークにいって求職活動を行うほうが確実です。
受給期間は延長できるの?
ライター・いちかわ
落合弁護士
(2)病気やけがで働くことができない(健康保険の傷病手当、労災保険の休業補償を受給中の場合を含む)
(3)親族等の介護のため働くことができない。(6親等内の血族、配偶者及び3親等以内の姻族)
(4)事業主の命により海外勤務をする配偶者に同行
(5)青年海外協力隊等公的機関が行う海外技術指導による海外派遣
(6)60歳以上の定年等(60歳以上の定年後の継続雇用制度を利用し、被保険者として雇用され、その制度の終了により離職した方を含む)により離職し、しばらくの間休養する(船員であった方は年齢要件が異なります)
落合弁護士
ライター・いちかわ
落合弁護士
すぐに再就職できそうなら、失業保険は受け取らないほうがよい⁉
ライター・いちかわ
落合弁護士
ライター・いちかわ
落合弁護士
冒頭でお話した通り、雇用保険に加入していた年数は失業保険の受給額や受給期間に関わってきますから、長く保持しておいたほうが有利なんですよ。
ライター・いちかわ
落合弁護士
その場合、もしすぐに次の会社が見つかりそうなら、次の会社をやめざるを得なくなったときのためにとっておいたほうがいいでしょう。
ライター・いちかわ
落合弁護士
せっかく積み上げてきた雇用保険を無駄にしないためにも、今が申請するべきタイミングなのかどうか、よく考えて判断しましょう。
失業をしているにもかかわらずお金がもらえるシステムは、一見「おトク」なようにも見えますが、あくまで最低限の生活をサポートし、就職を後押しするためのもの。
ほとんどの場合は就職してから得られる収入のほうが多いので、失業保険は新しい環境にチャレンジするためのお守り程度に捉え、就職活動に励んでいきましょう!
〈取材・文=いちかわあかね(@ichi_0u0)/撮影・編集=いしかわゆき(@milkprincess17)〉
転職を考えている方はこちらもどうぞ
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