ビジネスパーソンインタビュー

“砂を売ってた”少女時代。箕輪厚介もツッコむしかないアナウンサー・奥井奈々の壮絶人生

極貧生活から、世界を目指す!

“砂を売ってた”少女時代。箕輪厚介もツッコむしかないアナウンサー・奥井奈々の壮絶人生

新R25編集部

連載

推薦! ワタシの逸メン

2019/08/29

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新R25では、これまで多くの著名人に取材してきました。

しかし一方で、「まだ世間に知られていない逸材」が、どこかにいるのではないか?という思いも常にあります。

そこで、さまざまなインフルエンサーに、最近注目している“埋もれ人”を推薦してもらうことに。

今回はどんな逸材が登場するのでしょうか?

…と思っていたタイミングで、人気凄腕編集者の箕輪厚介さんから「この人、絶対取材したほうがいいよ!」との連絡が。

【箕輪厚介(みのわ・こうすけ)】2010年に双葉社に入社。広告営業などを経て2014年より編集部に異動し、『たった一人の熱狂(見城徹)』『逆転の仕事論(堀江貴文)』などを担当。2015年幻冬舎に入社した後、NewsPicks Book編集長として『多動力(堀江貴文)』『人生の勝算(前田裕二)』『お金2.0(佐藤航陽)』などの話題作を生み出しつづけている

その人の名は、奥井奈々さん。

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モデルとして活動しつつ、ビジネスWebメディア『NewsPicks』では「プロアナ」という肩書で、討論番組の進行役などを務めています。

一見、ふつうにキレイなモデルさんという印象しかない(失礼)ですが…どんな魅力があるのか?

箕輪さんにインタビュアーを務めていただき、奥井さんの魅力を引き出してもらうことにしました

ほぼ詐欺!? 極貧すぎて「砂を売ってた」幼少時代

箕輪さん

奥井さんは『NewsPicks』がやってる番組『The UPDATE』でアナウンサーを務めてて、そこで会ったんですよね。

奥井さん

そうですね。箕輪さんのことは、会う前は「なんだこいつ」って思ってたんですよ。

箕輪? 何?って。

箕輪さん

口悪すぎない?

なんか爆笑してる…

箕輪さん

僕は、最初に奥井さんの生い立ちの話をちょっと聞いただけで「ヤバイ人じゃん」と思って

そこからくわしく聞かせてもらえますか?

奥井さん

私、出身が淡路島なんです。淡路島のなかでも、生活保護を受けてるような人がたくさんいる団地に住んでて…

うちも貧乏で家がめちゃくちゃボロくて。雨漏りはするわ、クーラーはないわ、っていう生活をしてました。

全然そう見えないな…

奥井さん

そのせいなのか、3歳ぐらいまでは自分から言わない限りは服を着ない生活でした。

保育園に入ってはじめて服を着る習慣ができましたね。

箕輪さん

え…(絶句)。すでにエピソードがヤバすぎるね…

奥井さん

貧乏だったので、子どものころから、自分でお金を稼ぐことに慣れてました。

庭に咲いてる花を首飾りみたいに編んで売ったり砂場の砂をきれいなビンに詰めて「星の砂」って売ったりしてましたね

箕輪さん

いや、それ詐欺じゃん!

「え?」

奥井さん

あと、私が子供のころ、モーニング娘。のプロマイド写真が流行ってたんですよ。

箕輪さん

あったねー、今も原宿とかで売ってるやつ。

奥井さん

淡路島でも人気で、当時150円で売られてたんです。

これもお金にならないかな…と思って、「写ルンです」でモーニング娘。が映ってるテレビの画面を撮って、1枚120円で売ってました

箕輪さん

それも完全アウトでしょ!めちゃくちゃすぎるって!

普段は型破りな狂犬・箕輪さんがツッコミにまわる一方である

福沢諭吉を読んで衝撃。「学ぶことで未来を変えることができる」

奥井さん

小学校の夏休みとかは、家にクーラーがないから1日中図書館に行ってて、そこで読書に目覚めたんです。

図書館にある本を片っぱしから読んで、福沢諭吉と渋沢栄一にハマったんですよ。

箕輪さん

いやどんな小学生?すごいね…

奥井さん

福沢諭吉の本には「人間は学習することで未来を自ら変えることができる」っていうことを学んで、衝撃を受けたんですよ。私のまわりでは「19歳でデキ婚して、一生島から出ない」っていう人生が当たり前だったので。

「一身独立して一国独立す。そして、立国は私なり、公に非ざるなり」っていう言葉もすごく覚えてる。一人一人が学んで独立することが、国が本当の意味で独立することにつながると。

あと、映画『GO』の「広い世界を見ろ」っていうセリフにもすごく感動して、「私も大学に行って、広い世界を見たい」「海外に留学してみたい」って思ったんです。

※『
GO
』…2001年に公開された映画作品。監督は行定勲、脚本は宮藤官九郎。主演は窪塚洋介。在日韓国人である主人公の苦悩を描く

そこから、交換留学プログラムのある関西外国語大学に進学したとのこと

箕輪さん

でも、砂売るほど貧乏だったんだよね? 大学の学費はどうしてたんですか?

奥井さん

ほぼ毎日バイトしてましたね。

昼は学校の受付、夜はガールズバー、深夜から朝までは漫画喫茶」って感じで。

箕輪さん

ガールズバー終わってから漫喫で働く人いる?

だいぶハードモードな学生だったんだね…!

奥井さん

ハードモードでしたね。ハハハ!

勉強も必死にやって、なんとか3年生からフロリダ大学(1853年設置。アメリカでも有数の名門大学)に留学できたんです。大学では成績が「B+」より下だと日本に強制送還されるので、そこでもハードに勉強して…

卒業してからはユニクロに就職しました。店舗で、リサイクルボックスに入った服を貧困地域に送る活動もしてて、私のやりたい活動に近い部分もあったので。

恵まれない境遇のなか、パワフルに進路を切り拓いていった奥井さん。すごい

モチベーションは高いが、解像度はめちゃくちゃ低い…!

奥井さん

あと、スリランカでヨガの先生になりたいと思って、クラウドファンディングでお金を集めたこともあるんですよ。

箕輪さん

へえ! なんでスリランカに?

奥井さん

え? 友達が「スリランカいいよ」って言ってたから

スリランカでビジネスをしてる友達がいて。

「そんな理由…?」(箕輪さん)

奥井さん

スリランカに行ったんですけど、2週間ぐらいで「君みたいな子が必要だ」って日本のコンサル会社の人に誘われて、帰国しました。

箕輪さん

2週間じゃ旅行じゃん!! 展開早いな…

会社はどうだったの?

奥井さん

完全にムリでしたね。そういう一般的な仕事が向いてなさ過ぎて、楽しくなくてびっくりした(笑)

私、「報連相」ができないんですよ。それで怒られまくって、研修期間の3カ月で辞めました。

そのあとは、「フリー」とかカッコいいこと言いながら、動画編集をやってましたね。

箕輪さん

また全然脈絡ない。なんで動画編集を始めたの?

奥井さん

え?「動画が来る」ってみんな言ってたから

そんなピュアな瞳で…

箕輪さん

奥井さんすごいね。『NewsPicks』見てる大学生みたいなことやってるね(笑)

「次は動画っしょ!」みたいなノリが「みの編」(=箕輪さんのオンラインサロン、箕輪編集室)にいるヤツみたい(笑)。

モチベーションと行動力がすごいのに、解像度がめちゃくちゃ低いところが超面白いね!

奥井さん

そうなのかなあ…

結局、「タッパあるからモデルでもいけんじゃね?」と思ってモデルの事務所に入って、今の仕事につながってますね。

志は高いのにノリが超軽い人

箕輪さんの考える「面白い人」の定義とは?

箕輪さん

奥井さん、せっかく面白い経歴があるんだから、絶対それ生かしたほうがいいよ! もったいなさすぎる。俺だったらすぐ「砂場の砂売ってました」ってアピールしてるよ!

内面をあんまり知らずに動画で見てると「お高くとまってる女が、遊びでアナウンサーやってるのかな?」みたいな印象じゃないですか。こんなに野性味があって面白い人だとは思ってなかった。

「そんなふうに見えますか!?」

奥井さん

でも、箕輪さんに面白いって言ってもらえるのはすごくうれしいですね…!

箕輪さんってどういう人を「面白い」と思うんですか?

箕輪さん

ひとつは、オリジナリティがあって、“作られていない”人

よくいるじゃん、プロダクション側がエピソードで売り出そうとしてて「ああ、仕上げてきてんな」っていうタレント。奥井さんは作り物じゃないからいいよね。

奥井さん

自分ではそんなにオリジナリティがあると思ってないから、「へえ、そうなんだ…」って感じですね。

箕輪さん

本物ってだいたい自分の面白さに気付かないのよ!

前田裕二(SHOWROOM代表)の「路上で弾き語りして金もらってた」っていうエピソードだって、我々からしたら「それは戦後の焼け野原でやってたの?」みたいな“時代が違うレベル”の話じゃん。

でも、前田裕二にせよ落合陽一にせよ“異常に突き抜けてる人”って、本人は「これってそんなに面白いですか?」みたいなノリなんだよね。

箕輪さん

もうひとつは、本業に打ち込んでて、成果出してる人

本業があいまいな感じのタレントだと「全番組でこのエピソード話してます」みたいになって、一周したら終わりじゃん。

やるべきことがある人って、本業で成果を出してれば“消費”されないんだよね。つまんなくならない。

SNSでファンをつくるには「ピンチの連続」になること

箕輪さん

奥井さん、ムリにフォロワー増やそうとする「ツイッター芸人」みたいになる必要はないけど、もっとSNSやったらいいと思うよ。

奥井さんみたいな人にはファンがつくし、ファンがつくと情報が集まって、人生のステージが変わりますから。

奥井さん

SNS、マジメなことしか書いてないですね(笑)。

何をやったら「ファンがつく」んですか?

箕輪さん

SNSって“リアリティショー”なのよ。『テラスハウス』観てるような感覚。

だから、「自分のショーのストーリー」をつくることだよね。ここまではみんなよく言うんだけど、「自分をショー化する」ってどうすればいいのかわかってる人は少ない

ストーリーとは何か?ときかれたら、イコール「ピンチ」のことなんですよ。

学びあることを言い始めた箕輪さん

箕輪さん

漫画とかドラマがなぜ面白いのか?っていえば、毎回「いったいどうなってしまうのか!?」で終わることを繰り返してるから

つまり、自分が今できる以上のことにチャレンジして、「ピンチの連続」という状況をつくっちゃえばいいんだよ。

まわりで見てる人は、それを面白がってファンになっていく。

奥井さん

なるほど…!

箕輪さん

それってけっこう理にかなってて、ピンチに直面するってことは、「成長すること」と同義なの。「今できないことをやる」って、自分のためにもなるんだよね。

だから、永遠に自分ができないことを繰り返していくといい。

「今できないことか…」

箕輪さん

奥井さん、これからやりたいこととかはあるの?

奥井さん

南アフリカに行きたいんですよ。

箕輪さん

また~!それも「なんとなく」みたいな超解像度低い理由で言ってるんじゃなくて?

奥井さん

違うんですよ!

南アフリカってアジア人女性がすごい少ないって聞いて。だったら広告モデルの仕事でも需要あるのかなと思ったんです…!

箕輪さん

なるほどね! じゃあ、1人で南アフリカ行って、「今日のごはん代をSNSで支援してください!」みたいに応援を募ろう!

奥井さんって、ピンチが好きな人でしょ?向いてると思うよ!

奥井奈々さんは、圧倒的なモチベーションと行動力、そして解像度の低さをあわせ持った、ヤバイ人でした

果たして彼女は今後、単身南アフリカに渡っていくのでしょうか!?

「ピンチの連続をつくれ」とアドバイスされたSNSとあわせて、今後も注目していきましょう!

〈取材・文・撮影=天野俊吉(@amanop)〉

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