段階ごとの活用法や選び方も伝授
転職エージェントの効果的な使い方とは? 転職支援のカリスマたちが徹底解説
「使ったほうがいいのかな…」と思いつつも、実際に利用しないとわからないことが多くて不安になりますよね。
そこで、有名企業での転職を繰り返してキャリアを積んできた田端信太郎さんと、リクルートで転職エージェントとしての累計売り上げが歴代トップの“カリスマ転職コンサルタント”、森本千賀子さんにご協力を依頼。
利用者と“中の人”という真逆の視点から、転職エージェントの賢い使い方や、転職エージェントを選ぶ際のコツを解説していただきました。
目次
そもそも転職サイトと転職エージェントの違いは?
2プロが語る、転職エージェントの上手な使い方
STEP1:まずは面談でスタンスを伝える
STEP2:心を開いてアドバイザーの力を引き出す
STEP3:候補の企業は自分でも調査する
STEP4:過去の選考情報を教えてもらって通過率を高める
STEP5:給与交渉を任せて年収を最大化する
3田端流・転職エージェントの効果的な使い方
4転職エージェントの選び方① 最初から1つに絞り込のはNG
5転職エージェントの選び方② 求人案件に対するアドバイザーの理解度を見る
6転職エージェントの選び方③ 総合型と特化型を組み合わせる
7おすすめの転職エージェント
8おすすめ転職エージェントをキーワードから探す
9転職エージェントの基礎知識
10転職エージェントを使った転職活動の流れ
11転職エージェントのよくあるQ&A
そもそも転職サイトと転職エージェントの違いは?
森本さん
森本さん
そんなときに出番となるのが、私のような転職エージェントです。
森本さん
転職希望者からすれば、タダでアドバイザーに相談して、本人では気がつけない“可能性を最大化できるような選択肢”を提示してもらえるのがメリットですね。
森
田端さん
特に年収1000万円を超えるようなハイクラス(ハイキャリア)の求人案件は、それ自体が機密情報になるので、転職サイトなどには公開されていないものが多い。
「そんな求人あったんだ」といい求人案件との出会いがあるのが強みですね。
森本さん
・転職サイトは求人案件を自分で探して応募できるので、希望が明確な人に向いている
・転職エージェントはアドバイザーに求人案件を提案してもらえるので、視野を広げたい人向き
プロが語る、転職エージェントの上手な使い方
STEP1:まずは面談でスタンスを伝える
森本さん
森本さん
すぐに転職したいのか、それとも1〜2年のうち転職したいのか。この認識がズレているとアドバイザーがよかれと思って提案していることがむしろ面倒になってしまうかもしれないので。
森
森本さん
今はたくさんの転職関連サービスがありますし、すぐに転職するつもりで希望が明確なら、転職サイトなどいろんなサービスを併用して自分で応募ができるはず。
つまり転職エージェントは、転職の潜在層にアプローチしないと成立しづらい時代になってきています。
田端さん
もしめちゃくちゃ相性のいい求人案件がきたとしたら、「すぐ転職したい!」と気が変わるかもしれないじゃないですか。
そういう縁をつくるために、たとえ意向度が低くても面談する機会自体を嫌がることは絶対にないです。
・すぐに転職するつもりがなくても、アドバイザーはちゃんと相談に乗ってくれる
STEP2:心を開いてアドバイザーの力を引き出す
森
田端さん
森本さん
アドバイザーはあくまで伴走者なので、転職希望者を見て相性がよさそうな求人案件を見つけたり、より高待遇が引き出せるように努力をするわけです。
そこにオーバートークが入っていると、最終的に困ることになってしまうかもしれません。
森
森本さん
もし自分の実力が本当は1000万円以下のレベルだったとしたら、その差分がもしかしたら自分を追い込み、大きなプレッシャーとなるかもしれません。
森
森本さん
場合によっては優先的に協力してあげたくなることもありますし、いろんな情報をくれると、それが求人案件の相性を考える材料になるんですよね。
想像もしてなかった角度から、いい求人案件を提案して企業との“化学反応”が起きることにもつながります。
田端さん
森本さん
そうやって転職希望者の可能性を広げることが、転職エージェントの価値だと思ってます。
・心を開いて話すと、優先的に対応してくれるかも
・提案がイマイチなら、それをフィードバックすれば精度が上がる
STEP3:候補の企業は自分でも調査する
田端さん
だからあの手この手で、候補の企業は自分で調査すべきだと思いますよ。
森
田端さん
さらに、もし可能なら直近で退職した人に会ってみて、自分の気になる仮説を当ててみるのもとても有効な方法だと思います。内情を把握したうえで正直に話してくれるはずですよ。
・IR情報や口コミサイトなど、公開情報は調べ尽くそう
STEP4:過去の選考情報を教えてもらって通過率を高める
森
森本さん
加えて、アドバイザーは職務経歴書だけだとわからないような情報を「推薦文」として応募時に添えています。
なのでイメージとしては、2割ぐらいは書類選考が通る確率は高くなるかなと思います。
森
森本さん
たとえば以前の面接ではどんな人が面接官として出てきたかとか、どういう質問をされたかなど、過去のケースを事前に仕入れておけば当日慌てずに選考を迎えられますよね。
もし要望があれば模擬面接をすることもあります。
森
森本さん
たとえば自分の上司になる人はどんな人なのか詳しく聞いてもらうとか。
転職に関して何か要望があったら相談してみると、意外と想像以上に対応してくれると思いますよ。
・過去の選考情報が知りたいなど、要望を相談してみると幅広く対応してくれる
STEP5:給与交渉を任せて年収を最大化する
森本さん
森
森本さん
転職エージェントは企業側の求職者への評価をある程度理解したうえで、どこまで交渉の余地があるのか温度感を探りながら動きます。
なので、企業側からネガティブに捉えられてしまうリスクを避けられます。
田端さん
なので個人的にはそこだけに執着して、無理に上げようとしないほうがいい気はしますね。
森本さん
既存社員とのギャップをあまりつくりたくないので意外と企業側が気にするのが、給与テーブルです。
とすれば、たとえばベースの給与ではなく、入社を決めたときに一時的にもらえる「サインアップボーナス(入社支度金)」をもらって入社時の年収を最大化するなど、報酬の受け取り方法を柔軟にしておけば、要望が通る可能性は高くなります。
・ただし、入社時の年収を上げることにこだわりすぎないほうがいいかも
森
森本さん
田端流・転職エージェントの効果的な使い方
田端さん
会社のなかだけだと井の中の蛙なので、担当アドバイザーからのフィードバックやもらえるオファーで、市場での自分の価値を知りたかったんです。
森
田端さん
中長期的にキャリアアップしていきたいなら、年に1回ぐらいは客観的に“診断”してくれる転職エージェントとコンタクトをとるべき。
そうやって自分の状態を把握しておくのは、ビジネスパーソンにとって必須だと思いますよ。
森本さん
世の中で自分にどれくらいの価値があるのか、そして今の会社での待遇はその価値に見合っているのかを確かめたい、と相談をもらうことはとても多いです。
森
田端さん
・転職エージェントに登録するのは、すぐ転職するつもりではない人のほうが多い
転職エージェントの選び方① 最初から1つに絞り込のはNG
森
森本さん
アドバイザーには、スキルや考え方のバラつきがあります。もし相性が悪い人が担当としてつくと、自分が意図しないような転職になってしまうリスクがあります。
田端さん
まずいくつかのサービスに登録していろんなアドバイザーに会ってみて、その人がイケてると思えるかで利用の判断をするっていうのが現実的な方法かなと。
・いろんなアドバイザーと会って、相性などで利用を判断しよう
転職エージェントの選び方② 求人案件に対するアドバイザーの理解度を見る
森
田端さん
森
森本さん
たとえばIT系の求人案件に対して、どういう業界の流れがあるのかだとか、その求人案件で募集されているポジションはどんな戦略のなかで必要とされているのか、とか。
こういう外に出ていない情報をきちんと語れる人なら、けっこう信頼できると思いますよ。
田端さん
・求人案件に対する理解度もチェックするといい
転職エージェントの選び方③ 総合型と特化型を組み合わせる
森
森本さん
さらに専門領域に特化している“特化型”も2〜3ぐらい登録してみてもよいでしょう。
そしてアドバイザーと面談してみて、相性などをもとに最終的には2〜3社に厳選しましょう。
森
森本さん
おすすめの転職エージェント
1位 | 2位 | 3位 | 4位 |
マイナビ ※マイナビのプロモーションを含みます | リクルート | パソナキャリア | doda |
4.6 ★★★★☆ | 4.4 ★★★★☆ | 4.3 ★★★★☆ | 4.2 ★★★★☆ |
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転職エージェントを使った転職活動の流れ
転職エージェントを利用した転職活動は、下記のような流れで進みます。詳しくは、解説記事をチェック!
転職エージェントに登録
まずは転職エージェントに登録するところから利用は始まります。どの転職エージェントも無料で登録できるうえに、アドバイザーとの相性がその後の転職を左右するので、複数に登録してから厳選するのがおすすめです。登録の際には、これまでの職歴や現職の職種/年収、転職の希望条件(年収/職種/タイミングなど)をあらかじめ入力するのが一般的です。こちらの情報をもとにキャリアアドバイザーとの面談がおこなわれるため、正確な情報を記入しましょう。情報の登録が完了したら、近日中に面談の日程調整の連絡がくるはずです。都合の良い日程で面談の予約をしましょう。
転職エージェントの担当者との面談
面談は各転職エージェントに所属するキャリアアドバイザー(または キャリアコンサルタント)とおこないます。最初の面談では登録した職歴や転職の希望条件に関するヒアリングがおこなわれます。おそらく初めての転職のときに特に役立つのがこの面談です。担当のキャリアアドバイザーは、転職市場の需要と照らし合わせてあなた自身が気づいていない強みやスキルを引き出してくれます。職歴や希望条件を整理したあとで、それらの条件に合う求人を提案してくれます。その場で応募を強制されるようなことはなく、考える時間を設けてくれるはず。提案された求人を検討しましょう。転職エージェントからの求人の提案は、良くも悪くも予想外のものが含まれる可能性があります。はじめは違和感があるような求人であっても、それがあなたにマッチすると考えての提案なはずなので、一度は真剣に検討してみるのがおすすめです。また、このタイミングで転職サイトにも登録して、自分でいろんな求人を眺めるのも良いでしょう。
転職先への応募書類の作成
転職希望先が決まったら、次は書類選考用の書類を用意することになります。ほとんどすべての作業を自分でこなさなければならない転職サイトとは違い、応募書類の準備についても転職エージェントによるサポートが受けられます。まずは履歴書や職務経歴書を自分で書いてみて、それを担当のキャラリアアドバイザーに確認してもらいましょう。選考をおこなう企業側の目線でフィードバックがもらえます。また、用意した応募書類と一緒に推薦状を用意してくれることが多いです。それらをセットにして選考通過の確率を上げてくれるのが、転職エージェントを活用する大きなメリットの1つです。
担当者と面接対策をおこなう
書類選考を通過したら、次は面接です。こちらのステップでも転職エージェントによるサポートが受けられます。過去に応募した方の情報をもとに想定質問を共有してくれたり、希望する方には模擬面接もおこなってくれたりします。特に初めての転職では勝手がわからないことが多いはずなので、何かしら困ったことがあれば担当のキャリアアドバイザーに遠慮せず言ってみましょう。きっと力になってくれるはずです。
内定後の手続き(給与交渉/退職準備)
転職エージェントによるサポートは、内定が出たあとにも続きます。まず複数の内定が出た際には、入社しない企業への辞退の連絡を転職エージェント経由でおこないます。そして入社を決めた企業とは最終的な条件を調整します。希望する年収や入社のタイミングなどを担当者に伝えると、できるだけ条件に合うように交渉をしてくれます。最後には現職の退職準備のサポートもしてくれます。数々の退職者を見てきたうえでのノウハウがあるので、細かいことでも遠慮せずに聞きましょう。これらが終わればあとは入社するだけ。新しい職場にスムーズに馴染めるように準備を進めましょう。
転職エージェントのよくあるQ&A
詳しい回答が気になる方は記事をご覧いただき、これからの転職活動に活かしてください。
Q
転職エージェントの利用がおすすめな理由は?
A
担当のアドバイザーがカウンセリングをもとに相性のよさそうな求人を提案してくれます。そのため良い意味で予想外の出会いが生まれやすいです。また、選考のサポートもしてもらえるので、初めての転職では特におすすめです。
Q
転職エージェントは無料?どうやって稼いでるの?
A
転職希望者は無料で使えます。 その理由は、採用が決まると企業から成果報酬がもらえるビジネスモデルだからです。
転職エージェントを使っても費用がかからない理由は?|新R25転職
Q
何社の転職エージェントを掛け持ちすべき?
A
違う強みを持つ転職エージェントを3社ほど掛け持ちするのがおすすめです。たとえば1つはリクルートエージェントなどの総合型の大手。2つ目は第二新卒向けなど自分の年齢に特化したもの。3つ目に希望の業界に特化したものなど。そうすることで、より希望する条件の転職が実現しやすくなるでしょう。
Q
中小の転職エージェントはイマイチ?
A
小さい転職エージェントの良さもあります。 たとえば特定の領域により特化していたり、あなたをより丁寧に扱ってくれたりするかもしれません。
Q
すぐ転職するつもりはなくても使っていいの?
A
キャリア相談するだけでも大丈夫です。そうやって使っている方も多くいます。また、まともな転職エージェントほど、転職意向度の低い方も相手にしてくれます。
転職エージェントの登録は、転職する気がなくてもOK?|新R25転職
Q
転職エージェントはいつ登録すべき?
A
転職活動が終わるまでにだいたい2〜3カ月ほどはかかります。なのでもし転職時期の希望があるなら、その3カ月前を目安に登録するのがおすすめです。また、すぐ転職するつもりがなくてもとりあえず登録しておいて、年に1回ほど健康診断のようなつもりでキャリア相談する使い方もおすすめです。
転職エージェントの活用法などをプロたちが伝授|新R25転職
Q
転職エージェンを使わないほうがいいケースもある?
A
結局は担当者との相性が重要なため、当たり外れは確かにあります。また、転職サイトを使って自分で転職活動を進めるなどの代替手段もあります。しかし非公開求人を紹介してもらえるなど、利用するメリットも大きいのであえて避ける必要はないかと思います。一方、あえて使わなくてもいい人を挙げるとすると、行きたい会社が決まっていて直接応募をすれば良いケースなどです。
Q
サポートを途中で断る方法は?
A
メールや電話で意思を伝えるだけでOKです。担当者がしつこいと感じたときや、「使えない」「むかつく」と感じたら、遠慮なくほかの転職エージェントを利用することをおすすめします。
転職エージェントの断り方/退会方法をプロが解説|新R25転職
Q
転職エージェントに面談を断られたらどうすべき?
A
そのほかの転職サービスを利用しましょう。 代表的なのは「リクナビNEXT」などの転職サイト。そのほかにもハローワークやサポステといった厚生労働が運営する就労支援サービスを利用しても良いかもしれません。
Q
転職エージェントの裏事情が知りたい
A
転職エージェントは企業から成果報酬をもらうビジネスモデルのため、企業側の意図で動いている部分もあります。詳しくは下記の記事をご覧ください。
転職エージェントの裏事情”をプロに聞いた|新R25転職
Q
転職サイトも一緒に利用すべきですか?
A
転職エージェントと転職サイトは併用するのがおすすめです。なぜなら転職エージェントよりも多くの求人を自分で眺められるので、より自分の視野を広げるのに役立ちます。また、大手の転職サイトだと初めての転職をサポートするノウハウ記事も充実しているため、それらを読むのも良いでしょう。
転職エージェントと転職サイトの使い分けをプロが解説|新R25転職