ビジネスパーソンインタビュー
転職の専門家が徹底解説
転職エージェントとの面談マニュアル。何を話す?服装、準備物は?
新R25編集部
転職エージェントは、希望に合った求人案件を紹介してくれたり、企業と求職者の間に立ってサポートしてくれたりする心強い存在です。
「使ってみたい!」と思っても、実際に利用するまではわからない部分も多く、不安ですよね。
特に謎が多いのが、登録するとまず最初におこなわれるという「面談」。面談って、なんのためにおこなわれるの?話すべきことは?持ち物は?
…などなど、面談に関する疑問を転職のプロにぶつけてみました。
今回、取材に協力してくださったのはこちらの方。
小林さん
人材コンサルタントの小林です。法律系人材を取り扱う外資系ヘッドハント会社を経て、人材紹介事業をおこなう会社を設立しました。
2013年から厚労省認定の講師として、人材紹介事業者に対する法定講習を2500社以上に対しおこなっています。
転職希望者や転職エージェント、人事とのやりとりをベースに、私の利用経験もふまえてお話します。
※詳細プロフィールは記事の下部に記載しています。
〈聞き手=SYO〉
転職エージェントとの面談が必須なワケ
小林さん
転職エージェントに登録すると、まず最初に、担当アドバイザーとの面談がおこなわれます。
SYO
その面談って、何のためにおこなわれるんですか?
小林さん
転職活動をスムーズに進めるための情報交換が主な目的です。
アドバイザーにとっては、希望に合った求人案件を提案できるよう、求職者のそれまでの経歴や転職先に求める条件をヒアリングする機会。
求職者にとっては、アドバイザーの提案力や知識量を見極めるための時間とも言えます。
SYO
なるほど。
小林さん
アドバイザーは転職活動の“伴走者”のようなもので、どんな人にサポートしてもらえるか次第で成否が分かれるとも言えます。
お互いの人柄や相性を見極めるためにも、面談は必要不可欠ですね。
SYO
面談は、どういう流れでセッティングに至るのでしょう?
小林さん
おおよそ2つのパターンがあります。
1つは、求職者自らが転職エージェントに登録するパターン。登録するとすぐに面談のお知らせが届きます。
もう1つは、転職サイトの「スカウト機能」を通じて、提携している転職エージェントからスカウトが来るパターンです。
転職サイトのスカウトは乗るべき?仕組みや良いスカウトの見分け方をプロが伝授|新R25転職
スルーしたほうがいい場合も!?
転職サイトのスカウト機能については、こちらの記事で詳しく解説しています。
面談では何を話す? 事前準備はどうすべき?
SYO
面談には、何を持っていけばいいんでしょうか?
小林さん
ほとんどの場合、必要なのは履歴書と職務経歴書です。
エージェントによっては独自のシートが用意され、希望する職種や条件などの記入を事前に求められる場合もあります。
事前の記入が必要ない場合でも、面談の前にある程度、転職の希望をクリアにしておいたほうがいいでしょう。
SYO
その「希望」は、どれくらい明確にするべきなんですか?
小林さん
この段階では、“やりたいことのイメージ”くらいでいいと思いますよ。
このエリアで働きたいとか、この業界に行きたいとか、何か1つ譲れないものを持っておいて、そこを貫くようにしましょう。
SYO
なるほど。最低限譲れない条件を決める感じですね。
小林さん
はい。特に若い求職者の場合、在職中の職場に不満があって転職を考えているケースがほとんど。
そのため、不満こそあれど、「こういうことをしたい」という希望があいまいな場合が多いのです。
SYO
たしかに…!
小林さん
とはいえ、あまりガチガチに決め込むと、かえって視野が狭くなる可能性も。エージェント側から見ても、あまりに条件が狭いと紹介できる求人案件が減ってしまいます。
求職者の話を聞いたうえで「こういう道もあるよ」と、あえて本人が思いつかないような求人案件を紹介するのも、アドバイザーの仕事の1つです。
ですので、可能性を狭めないためにも少し広めに構えておいた方がいいでしょう。
希望に合う求人案件にだけ応募すればOK
SYO
面談に行くと、その場で求人案件を紹介してもらえるんですよね。どのくらいの数の求人票を見せてもらえるんでしょうか?
小林さん
年齢が若いほどたくさん紹介してもらえるかと思います。大手転職エージェントの場合、多いと30社くらいの求人票を提示されることもありますよ。
ただ、そこで舞い上がってしまうのは危険です。家に帰って、興味があるものだけを吟味してから応募しましょう。
SYO
薦められたのに断ってしまっても大丈夫なんですか?
小林さん
もちろんです。転職活動の主導権は、あくまで求職者にありますから。
面談時の服装は私服で大丈夫?
小林さん
紹介された求人案件に応募する場合、アドバイザーが企業に向けて推薦状を書いてくれます。
とはいえ、転職エージェントは企業からの報酬があって成り立つシステムです。当然、信用できない求職者を企業に推薦するわけにはいきませんよね。
なので、アドバイザーは「自信を持って企業に紹介できる求職者なのか」をジャッジするつもりで面談をおこなっているとも言えます。
SYO
信頼できるかどうか、どうやって判断するんですか?
小林さん
やはり大きいのは、パッと見た時の雰囲気ですね。そして、面談した際の受け答えなどで、誠実そうなのかそうではないのかを見ています。
ですので、第一印象で損をしないように気を付けた方がよいかもしれません。
SYO
今のお話を聞いていて気になったのは、面談時の服装です。もしかして、スーツでかっちり決めたほうがいいんでしょうか?
小林さん
服装は、普段仕事をしているときと同じでかまいません。
特に、普段スーツを着ない職種の方は、面談のためにわざわざスーツを着なくても大丈夫ですよ。
SYO
そうなんですね! ちょっとホッとしました。
小林さん
会社帰りに面談に行く場合もあるかと思いますが、現職がカジュアルな会社の場合、突然スーツで出社すると「転職活動中だ」とバレてしまう可能性もありませうよね。
そういった無用のトラブルを避けるためにも、常識の範囲内の「普段通り」でいいでしょう。
面談は土日対応OKのところも多い
SYO
最後に、面談の所要時間を教えてください。
小林さん
だいたい30分~1時間です。大手の転職エージェントは、30分くらいのところが多いですね。軽くヒアリングをして、すぐ案件紹介に移ります。
SYO
意外とあっさりなんですね。面談って、何度も通わないといけないんでしょうか?
小林さん
いえ、面談自体は1回で終わることがほとんどです。以降は電話やメールなどでやり取りすることになります。
SYO
在職中だと面談の時間を捻出するのも大変そうですが…土日も対応してくれるのでしょうか?
小林さん
エージェントによって異なりますが、大手は土日でも対応してくれるところが多いです。
また、面談後でも、エージェントから電話がかかってくるのは急ぎの連絡があるときくらい。具体的には、面接の結果報告や、日程調整がそれに当たります。
それ以外で、仕事の邪魔になるような連絡をしてくることはあまりないかと思います。
土日対応可能なおすすめ転職エージェント10選。1128人とプロが評価したサービスとは?|新R25転職
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土日も対応可能な転職エージェントを知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
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この記事では、調査結果や過去におこなった専門家への取材をふまえて、特におすすめできる転職エージェントのみをご紹介します。
これ以外にも、詳細な評判やほかのおすすめサービスが知りたい方は、ぜひ下記の記事もご覧ください。
Embedly〈取材・文=SYO(@SyoCinema)、編集=石川みく(@newfang298)〉
精通者の詳細プロフィール
【小林毅(こばやし・たけし)】人材コンサルタント。外資系ヘッドハント会社を経て、2010年にホライズン・コンサルティング株式会社を設立。法務系人材を中心に約11年、延べ4400人の相談、サポートをおこない、日系大手企業、ベンチャー企業、外資系企業の採用支援にも従事。2013年より厚労省認定「職業紹介責任者講習」講師として、人材紹介事業者に対する法定講習を延べ2000社に対しおこない、不健全と言われる人材業界全体のボトムアップに尽力している。著書に『転職大全』(朝日新聞出版)、『成功する転職「5%」の法則』(自由国民社)がある
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