ビジネスパーソンインタビュー

人間として生まれた以上、関わらずに生きるのは不可能。ビジネス賢者に聞く「政治との向き合い方」

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人間として生まれた以上、関わらずに生きるのは不可能。ビジネス賢者に聞く「政治との向き合い方」

新R25編集部

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新R25ワイ土ショー

2020/08/07

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毎日SNSをチェックするのが当たり前になった今、ビジネスパーソンの情報感度は高まっています。

ただ、SNSで目にするトレンドや社会情勢に対して、「自分の持論」を持てている人は少ないのでは?

新R25が毎週土曜日にお届けする「新R25ワイ土ショー」では、各業界で活躍するビジネス賢者に、トレンドや社会情勢にまつわるさまざまな質問を投げかけ、各々の持論を展開してもらいます。

賢者たちの回答をきっかけに、ぜひ自分なりの意見を考えてみてください!

今回のテーマは「政治との向き合い方」。

身近で政治の話をする機会は少ないかもしれませんが、ニュースやSNSで政治の話題を目にしない日はありません。

社会人として生きている限り、決して避けて通れない政治の話。今回は、各業界で活躍するビジネス賢者7人に、以下の2つの質問を聞いてみます。

政治への関心度

ふだん、政治について話したり発信したりすることはあるのか? そのきっかけはなんだったのか?

SNS上での政治議論の向き合い方

SNS上の政治議論に対して、どのような視点を持つべきか?

幡野広志「もうちょっと協力していい方向に進められないかなぁ」

(C)Yukari Hatano

【幡野広志(はたの・ひろし)】写真家。1983年、東京生まれ。2004年、日本写真芸術専門学校中退。2010年から広告写真家・高崎勉氏に師事。同年「海上遺跡」で「Nikon Juna21」受賞。2011年、独立し結婚する。2012年、エプソンフォトグランプリ入賞。2016年に長男が誕生。2017年、多発性骨髄腫を発症し、現在に至る。著書に『ぼくが子どものころ、ほしかった親になる』(PHP研究所)、『写真集』(ほぼ日)、『ぼくたちが選べなかったことを、選びなおすために』(ポプラ社)がある

幡野広志に聞く「政治への関心度」

幡野さん

政治にはとても関心があるし、政治ニュースにもよく目を通します。

でも発信をすることはほとんどありません

きっと左の人からは右だと叩かれて、右の人からは左だと叩かれるだろうから面倒じゃないですか。

きっかけはいろいろです。

納税をしたり投資をしたり寄付をしたり、買い物をしたり海外旅行をしたり通院をしたり、日常のいろんなところで政治について考える機会はあります。

幡野広志に聞く「SNS上の政治議論への向き合い方」

幡野さん

これはSNSというよりも国会議員さんたちに言いたいことですけど、もうちょっと協力していい方向に進められないかなぁって思います。

野党だからなんでも反対、与党だからなんでも賛成ではなく、内容で判断することが大切だと思っています。

三崎優太「SNS上の議論は相手にしないべき。自分の意見を貫こう」

撮影=長谷英史

【三崎優太(みさき・ゆうた)】1989年生まれ、北海道北見市出身。株式会社メディアハーツ(現:ファビウス株式会社)創業者兼元代表取締役。メディアでは「青汁王子」と呼ばれる。現在も実業家として活動している

三崎優太に聞く「政治への関心度」

三崎さん

森友学園問題は、とても根深いと思っている。

税金を納める組織のトップが国民に嘘をついていたことが、なぜ許されるのか疑問しかない。

森友学園問題とは…学校法人「森友学園」の運営する塚本幼稚園幼児教育学園の教育、大阪府豊中市に設立予定だった瑞穂の國記念小學院の設置認可と国有財産払い下げについての議論。財務省理財局による決裁文書改ざん問題も発生している

三崎優太に聞く「SNS上の政治議論への向き合い方」

三崎さん

相手にしないべき

自分の意見を貫こう。

茂木健一郎「空気を吸うように自覚的であるべき」

撮影=長谷英史

【茂木健一郎(もぎ・けんいちろう)】1962年、東京都生まれ。脳科学者。脳科学を切り口にさまざまなメディアに出演している。著書多数

茂木健一郎に聞く「政治への関心度」

茂木さん

大学時代の友人が、「人間のすべての行動は政治的である」と言っていました。ぼくは大いに同意します。

政治的な話については、空気を吸うように自覚的であるべきだと思います。

それを言った彼は、家でしかご飯を食べず、外ではずっと空腹でいるという変わったやつでした。

空腹に政治は響きますね。

茂木健一郎に聞く「SNS上の政治議論への向き合い方」

茂木さん

ぼくは、SNSで政治について発信することは普通だと思っています。

ただ、できるだけユーモアを交えてやることを心がけています。

最近ツイッターのプロフィールに「コメディアン」と付け加えましたが、差別や偏見など、みんなが話しにくいことほど笑いでやわらかく議論する必要があると思います。

はあちゅう「人間として生まれた以上、まったく関わらずに生きることは不可能」

撮影=長谷英史

【はあちゅう】作家・ブロガー。慶應義塾大学法学部卒業後、電通、トレンダーズを経て独立。「人生全部コンテンツ」をモットーに、ネット時代の新たな作家の形を探り、媒体を横断した発信を続ける。2018年にAV男優の「しみけん」氏との事実婚を発表し、2019年9月に第一子を出産。著書に『「自分」を仕事にする生き方』(幻冬舎)、『旦那観察日記』(スクウェア・エニックス)など

はあちゅうに聞く「政治への関心度」

はあちゅうさん

私が普段発信することは、すべて政治に結びつく発言だと思っています。

印鑑・名刺文化への違和感、名字変更が嫌で事実婚を選んだこと、育児中の女性の働きづらさ、誹謗中傷問題、男女平等への願い…

すべての問題の根本的な解決は、制度を変えることでしか成立しません。

地球に人間として生まれた以上、政治とまったく関わらずに生きることは不可能です

はあちゅうに聞く「SNS上の政治議論への向き合い方」

はあちゅうさん

当事者でないことにはそんなに熱心になれないし詳しくもなれないので、「自分が関心のあることは考えてみて、自分のわかる範囲で発信する」というスタンスでいいんじゃないでしょうか。関わり方も自由だと思います!

ただ、SNSは政治家を叩くことが目的化されがちで、言葉の揚げ足取りが多い気がしています。

政治家の人のプライバシーを過度に侵害したり、度を超えた誹謗中傷はやめましょう。

相手も人間です。たまには間違えますし、知らないこともあります。

そしてそれは、政治的な発言をしている人も同じです。

別に政治に限ったことではないですが、最低限の相手への礼儀と意見を聞く態度がなければ議論は成り立ちません。

しみけん「何でも“ルールを変える側”に立たないといけない」

撮影=長谷英史

【しみけん】1979年生まれ。1998年に雑誌『Badi』でモデルデビュー。その後AV男優に。出演作品は1万本以上、経験人数も「1万人以上」とのこと。趣味はクイズと筋トレ

しみけんに聞く「政治への関心度」

しみけんさん

関心は大いにあります。

きっかけは知人の「でもルールを変える側に立たないと」の言葉。

しみけんに聞く「SNS上の政治議論への向き合い方」

しみけんさん

自分の本名と素性を公開して発言すべき

でないとその発言は“力”を持たない。

佐渡島庸平「SNSでの論戦は、目立つための勝負をしているだけ」

撮影=長谷英史

【佐渡島庸平(さどしま・ようへい)】株式会社コルク代表取締役。2002年講談社入社。週刊モーニング編集部にて、『ドラゴン桜』(三田紀房)、『働きマン』(安野モヨコ)、『宇宙兄弟』(小山宙哉)などの編集を担当する。2012年講談社退社後、クリエイターのエージェント会社、コルクを創業。著名作家陣とエージェント契約を結び、作品編集、著作権管理、ファンコミュニティ形成・運営などを行う。従来の出版流通の形の先にあるインターネット時代のエンターテイメントのモデル構築を目指している

佐渡島傭平に聞く「政治への関心度」

佐渡島さん

政治については、身の回りの人とは話し合いをよくします。

SNSでは、誤解を生むので発信しません。

はっきりと伝えたいことがあればブログに書くと思います。

佐渡島傭平に聞く「SNS上の政治議論への向き合い方」

佐渡島さん

SNSでの論戦は、目立つための勝負をしているだけだと思っているので、参考になるとは思っていません。

野次馬根性で読むときはありますが、基本スルーしてます。

くつざわ「『情報をどう捉えるべきか』を判断するために知識が必要」

撮影=池田博美

【くつざわ】1999年生まれ、千葉県出身。数々のバズ動画から急激なフォロワー増加を経て、SNSではインフルエンサーとして活動するかたわら、現在は主に法人向けにSNSでの施策設計や運営、地方創生事業に尽力する。学生でありながら自身でD2C開発や観光事業などの展開もしており、多方面で活動中

くつざわに聞く「政治への関心度」

くつざわさん

自分のアカウントで政治に関する個人の意見を出すことはまずないです。

意見に対する「いいね」も、「なぜあれにいいねしたのですか?」みたいなDMが結構来るのでしていません。

関心自体は意識的に持つようにしています。

SNSで、誇張されたものや切り取られた意見をよく見かけるので、そういったものを見たとき「この情報をどう捉えるべきか」を判断するために知識が必要だと思ったのがきっかけです。

情報からの保身ですね。

くつざわに聞く「SNS上の政治議論への向き合い方」

くつざわさん

政治的な論争の渦中にいたことがないので基本傍観者ですが、発端や言及している人物などは確認しています。

そうすると、どれが偏りすぎた意見で、どれが俯瞰した意見なのかを考えることでき、「無意識のうちに偏りすぎていないか」「持っている知識に誤りはないか」など自分自身のスタンスを見直すことができます。

そんな認識で論争を見ていると、勉強になるな〜ってプラス思考でいれますよね!

ほとんどの賢者が「政治に関心がある」と回答。日常生活だけではなく、仕事にも影響を及ぼしている政治に対して、しっかり理解をしておいたほうがよさそうですね。

新型コロナウイルス感染症の影響によって、あらゆる環境や情勢が変化する今こそ、政治に対する見方を培ってみてはいかがでしょうか。

〈構成・文=福田啄也(@fkd1111)〉

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