ビジネスパーソンインタビュー

99%の人は“やりたいこと”を探してさまよっている。「好きなこと」を見つける2つの方法

北野唯我著『転職の思考法』より

99%の人は“やりたいこと”を探してさまよっている。「好きなこと」を見つける2つの方法

新R25編集部

連載

変化の時代にこの一冊

2020/06/06

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新型コロナウイルスの登場によって、社会が大きく変化しています。

新R25が立ち上げた新連載「変化の時代にこの一冊」では、これまで多くの本に触れてきたビジネスインフルエンサーたちが「社会が大きく変化している今だからこそ読むべき一冊」をセレクト。

その内容の一部を抜粋して、時代の変化に追いつけるような気づきをお届けします。

もし興味のある本に出会ったら、ぜひ購入してこの機会にじっくり読んでみてください。

今回ご紹介するのは、未経験からエンジニアになる日本一のプログラミングスクールを運営し、自身のYouTubeチャンネルの登録者数が65万人越えの、“マコなり社長”こと真子就有さんが選んだ『転職の思考法』。

博報堂、ボストンコンサルティンググループ後、ワンキャリア最高戦略責任者取締役として活躍する北野唯我さんの著書です。

真子さんは自身のYouTubeチャンネルで「ビジネスマンなら全員必読の一冊。もしうっかり買い逃している人がいたら今すぐ購入してください」とまで語っている同書。

今後のキャリア選択の方法や、働くことへの考え方が180度変わる“転職の思考”について、一部抜粋してお届けします。

なお同書は、転職に関するあらゆる不安や葛藤を分かりやすく説明するために物語形式が採用されています。

転職に悩む主人公・青野に、実際の転職に必要なことを指南するコンサルタント・黒岩仁の言葉を抜粋しました。

これからは「好きなこと」をやっていない人間が消えていく時代

普通のサラリーマンにとって、お金を稼ぐというのは、お金に買われるということだ。

君の時間を差し出し、それを投資家や経営者に買ってもらっている。最も簡単な選択肢だ。

だが、これからの時代は完全に逆転する可能性がある。

嫌々ながら仕事をする人間の数は減っていく可能性が高いということだ。

好きなことを仕事にするのは、これからの時代、生存確率を高めるために必要なことなんだ。

好きなことをやっていない人間から先に消えていく可能性すらある。

重要なのは、どうしても譲れないくらい、「好きなこと」など、ほとんどの人間にはない、ということに気づくことなんだよ。

心から楽しめることなんて必要ないんだ。

むしろ必要なのは、心から楽しめる「状態」なんだ。

昔、私の師匠にあたる人が、成功している人間の使う言葉を分析したことがあった。

彼の分析の結果、仕事を楽しむ人間が使う言葉は2種類に分けられることがわかった。

to do(コト)に重きをおく人間…何をするのか、で物事を考える。明確な夢や目標を持っている。

being(状態)に重きをおく人間…どんな人でありたいか、どんな状態でありたいかを重視する

『転職の思考法』

まず、あるグループの人間たちは、仕事の楽しみを「to do(コト)」で語っていた。

たとえば、世の中に革新的な商品を残す、会社を大きくする、などだ。

一方で、仕事の楽しみを「being(状態)」で語る人間もいた。

たとえば、多くの尊敬できる人に囲まれている。世の中にこんな影響を与えている、のように。

つまり、仕事を楽しむための方法論はそれぞれ異なる。そこを混同するから複雑になるんだ。

実際のところ、99%の人間が君と同じ、being型なんだ。

そして、99%の人間は「心からやりたいこと」という幻想を探し求めて、彷徨うことが多い。

なぜなら、世の中に溢れている成功哲学は、たった1%しかいないto do型の人間が書いたものだからな。

彼らは言う。心からやりたいことを持てと。

だが、両者は成功するための方法論が違う。だから参考にしても、彷徨うだけだ。

好きなことがあるということは素晴らしいことだ。だが、ないからといって悲観する必要はまったくない。

なぜなら、「ある程度やりたいこと」は必ず見つかるからだ

ほとんどの人が該当するbeing型の人間は、それでいいんだ。

being型の人間は、ある程度の年齢になった時点から、どこまでいっても「心から楽しめること」は見つからない。

だが、それでまったく問題ない。

それは、何を重視するかという価値観の違いであって、妥協ではないからだ。

「好きなこと」を見つける方法2つ

being型の人間にとって、好きなことは、見つけるものではない。見失うものなのだ。

たとえば100人の子どもに夢を聞いてみろ。

多くの子どもが、何かしらの答えを出すだろう。

だが、同じ質問を100人のbeing型の大人たちにしてみろ。じつに多くの人が答えられないだろう。

つまり、夢とは、新たに見つけるようなものじゃない。ここに至るまでに、見失ってしまったものだ。ではどうすればいいか?

【being型の人間が、好きなことを見つける方法】

①他の人から上手だと言われるが「自分ではピンとこないもの」から探す方法

②普段の仕事の中で「まったくストレスを感じないこと」から探す方法

『転職の思考法』

人というのはおもしろいもので、できることより、できないことのほうに目が行きやすい。君もそうじゃないか?

自分ができることより、できないことのほうが気になる。

逆に君が他の人から褒められるが、ピンとこないことを意識して探すんだ。

自分が好きなことというのは、本人にとっては自然にできてしまう。

だから、自分ではその本当のすごさに気づかないものだ。

次は2つ目、普段の仕事の中で「ストレスを感じないこと」から探す方法だ。

他の人はストレスを感じるけど、本人はまったくストレスを感じないこと。それこそ、天職に近い。

自分が自然体になれる瞬間は、ある人にとってはアイデア出しの打ち合わせのときかもしれない。

あるいは、静かな場所でメールを一人、淡々と書いているときかもしれない。

大事なのは、仕事をしている上で、自分にとってまったくストレスを感じない瞬間はいつか?を考えることだ。

それは好きなことに通ずる可能性が高い。

自分に「ラベル」をつけると、仕事を選ぶ基準が見えてくる

好きなことがわかったら、それを自分の「ラベル」にしろ。

これからの時代にどんなやつが強いかわかるか?

それは個人として「ラベル」を持っているやつだ。

「ラベル」とは、自分だけのキャッチコピーのようなものだ。組織が、個人を守ってくれる時代は終わった。いつ会社から放り出されるかわからない。

そのときにひとつでもいいから個人としての「ラベル」を持っていないと、君はいくらでも替えがきく存在コモディティになる。

どんなニッチな領域でもいい。

まず、今の自分の「キャッチコピー」を考えろ。人に見せるものじゃないんだ。ダサくていいし、質にもこだわらなくていい。何枚つけてもかまわない。

新規開拓の鬼

既存顧客のニーズ汲み取りエース

プロジェクトのリスク掃除人

最初は嘘八百でいい。理想や憧れも大歓迎だ。

大事なのは、仮でもいいからそのラベルを自分でつけること。

そうすれば、やるべきこと、仕事を選ぶ基準が見えてくる。

たとえば君が自分を「新規開拓の鬼」だと定義したとしよう。

そうしたらそのラベルがより強固になるように仕事を選んでいけ。

今、君はひとつの判断軸を得たわけだ。それは「マーケットバリューの軸」とは違う。

もっと、心からワクワクするような軸だ。

キャリアとは結局、デザインだ。

デザインとは、ある判断軸に基づいてやるべきか、やらざるべきかを選ぶこと。

まずは、その軸を持つことからスタートするんだ。

好きなものを明確にしたうえで付けた「ラベル」は強い。

単なる得意なことと違って、好きなことは努力や勉強が苦にならないからな。

仕事や会社の選び方がガラッと変わる!最強「転職本」

同書で北野さんは「転職を考えることは、働き方だけでなく、生き方にも影響を与えます」と語っています。

転職は悪いことではなく、自分らしい人生を歩むためのきっかけのひとつなんですよね。

家で過ごす時間が増えた今、自分の生き方や働き方を見つめ直している人も多いでしょう。

ぜひ同書を手に取って、働くことが一層楽しくなる“思考”を取り入れてみてはいかがでしょうか。

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