北野唯我著『転職の思考法』より
出世したければ、会社の“エンジン”と自分の職種を一致させよ。転職を成功させる4つのコツ
新R25編集部
新型コロナウイルスの登場によって、社会が大きく変化しています。
新R25が立ち上げた新連載「変化の時代にこの一冊」では、これまで多くの本に触れてきたビジネスインフルエンサーたちが「社会が大きく変化している今だからこそ読むべき一冊」をセレクト。
その内容の一部を抜粋して、時代の変化に追いつけるような気づきをお届けします。
もし興味のある本に出会ったら、ぜひ購入してこの機会にじっくり読んでみてください。
今回ご紹介するのは、未経験からエンジニアになる日本一のプログラミングスクールを運営し、自身のYouTubeチャンネルの登録者数が65万人越えの、“マコなり社長”こと真子就有さんが選んだ『転職の思考法』。
博報堂、ボストンコンサルティンググループ後、ワンキャリア最高戦略責任者取締役として活躍する北野唯我さんの著書です。
真子さんは自身のYouTubeチャンネルで「ビジネスマンなら全員必読の一冊。もしうっかり買い逃している人がいたら今すぐ購入してください」とまで語っている同書。
今後のキャリア選択の方法や、働くことへの考え方が180度変わる“転職の思考”について、一部抜粋してお届けします。
なお同書は、転職に関するあらゆる不安や葛藤を分かりやすく説明するために物語形式が採用されています。
転職に悩む主人公・青野に、実際の転職に必要なことを指南するコンサルタント・黒岩仁の言葉を抜粋しました。
転職成功のコツ①会社選びを「転職エージェント」だけに任せるな
そもそも転職先を探すにはいくつかの方法がある。
『転職の思考法』①ヘッドハンティングを受ける
②転職エージェントに登録し紹介を受ける
③ダイレクトリクルーティング型のサービスを使う
④SNSなどマッチングサービスを使う
⑤直接応募、または友人から紹介してもらう
自分で採用をしたことがない人間には、すべて同じに見える。
だが、これらは採用する側から見ると、まったく違う。
まず、コストだ。ヘッドハンティングがいちばん採用単価が高く、直接応募や友人の紹介がいちばん安い。
たとえば年収1000万円の人を採ったとしよう。転職エージェントを通じての採用だと、1人300万円近くはかかる、一方で直接応募だと0円だ。
つまり300万円も違う。わかるか?1人採るだけで、だぞ。
ほっといても人が集まるようなポジションは、転職エージェントは使わない。お金を使わなくても集まるからな。
その代わり、ダイレクトリクルーティングやSNSサービスなどを使う。
一方で、普通の応募では採れない特殊な職種や、重要なポジションはヘッドハンティングや転職エージェントを使う。
転職エージェントは、成果報酬型であることがほとんど。
ほとんどの転職エージェントは短期的な視点でしか物事を見ておらず、加えて彼らのビジネスモデル上、1秒でも早く「企業との面接」をするように勧めてくる。
「紹介料」をもらうためだ。
つまり、私が言いたいことはこうだ。
転職エージェントで紹介される案件だけで、転職先を絞ってはいけない。
なぜなら、そこには本当に魅力的な求人が乗っていないことがあるからだ。
様々な手段で会社を探せ。
SNSのサービスや、直接応募、自分で求人を検索するという行為を絶対に忘れてはいけない。
転職成功のコツ②中途入社を重宝するカルチャーがあるか確認せよ
会社を選ぶ段階になったら見ないといけない点がある。
ひとつは「中途を重宝できるカルチャーがあるか」。
会社は普通、中途社員と新卒社員のバランスよくできている。
だが、中には明らかに「中途重視の会社」と「新卒重視の会社」がある。
そして後者の場合、中途の社員は、活躍できる範囲がかなり限定的になる。
転職してもし出世したければ、中途が活躍できるチャンスがあるかどうか?は見定めたほうがいい。
創業間もない会社は例外だが、創業10年~15年以上であれば、中途上がりの役員の割合を確かめろ。
それがそのまま「出世のしやすさ」だからな。
転職成功のコツ③自分の職種=会社の強みかどうか
もし裁量権を持ちたいなら、その会社の強みと自分の配属部署が一致しているいかどうか、見た方がいい。
会社には強みとなる「エンジン」がある。
いちばんパワーを持っている部署や組織はどこか。
営業、開発、マーケティング…新商品や事業はこのエンジンを元に、作られることが多い。
そしてこのエンジンと自分の職種が一致しているほうが、裁量権は持ちやすい。
たとえば、営業が強い会社で、営業のトップになったら、なんでもできる。
反対に開発部門が強い会社は、開発部門のトップの裁量権が大きい。
何を強みにする会社かは、サービスや商品に表れる。
たとえば同じECサイトだとしても、配達がスピーディなサイトと、品揃えが豊富なところ、割引やプロモーションが上手なところなどあるだろう。
配達がスピーディな会社は開発や管理部門が強い。品揃えがいい場合は、渉外や店舗開発、営業が強い。割引やプロモーションが上手な場合は、マーケティングや広告宣伝部が強いはずだ。
ベンチャーであれば、経営陣はどんな会社出身の人が多いのか。
その割合がほぼそのまま、エンジンと対応していることが大半だ。
転職成功のコツ④面接で3つの質問をして、働く姿が浮かぶか見極めろ
30代以降にとって、成長とは間違いなく自分の力で掴むものだ。
だからこそ、自分が活躍できるかどうかを厳しく見極めろ。
結局、成果を出しているやつにおもしろい仕事は来る。とくに30代以降はな。
具体的に言えば、面接の場では次の3つを聞くのがいい。
①どんな人物を求めていて、どんな活躍を期待しているのか?
②今いちばん社内で活躍し、評価されている人はどんな人物か?なぜ活躍しているのか?
③自分と同じ中途で入った人物で、今活躍している人はどんな部署を経て、どんな業務を担当しているのか?
この3つを聞いたうえで、自分が社内で活躍できるイメージを持てたらOK。
反対に持てなければ、活躍できる可能性は低く、結果的に転職に苦しむ可能性は高い。
覚悟が必要だ。
現場のメンバーと面談ができた場合、逆質問を自分から積極的にすること。
その質問に、現場のメンバーが的確に答えられれば、よい。
反対に的確に答えられなければ、経営陣は優秀であるが、現場はダメである可能性が高い。
転職は個人にとっても会社にとっても「善」
転職が悪だというのは、新たな選択肢を手に入れる努力を放棄した人間が発明した、姑息な言い訳にすぎない。
転職とはな、単に名刺の住所や給料が変わるだけのものじゃない。
世の中の人々に次のチャンスをもたらすものなんだよ。
今の会社では活躍できていなかったとしても、違う場所で輝ける可能性がある人は本当にたくさんいる。
それなのに、転職をタブー視して会社への忠誠という言葉で自分をごまかしている人間がどれだけ多いことか。
そんな人間が増えると、いずれ会社そのものが立ち行かなくなる。
そして人材の流動性が下がれば最終的には社会全体もダメになる。
人間には居場所を選ぶ権利がある。
転職は「善」なんだよ。個人にとっても、社会にとっても。
仕事や会社の選び方がガラッと変わる!最強「転職本」
同書で北野さんは「転職を考えることは、働き方だけでなく、生き方にも影響を与えます」と語っています。
転職は悪いことではなく、自分らしい人生を歩むためのきっかけのひとつなんですよね。
家で過ごす時間が増えた今、自分の生き方や働き方を見つめ直している人も多いでしょう。
ぜひ同書を手に取って、働くことが一層楽しくなる“思考”を取り入れてみてはいかがでしょうか。
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