ビジネスパーソンインタビュー

真のリア充ならアピールする努力は不要? 若者研究家に「リア充」の定義について聞いてきた

価値観や恋愛観もSNSによって変化している

真のリア充ならアピールする努力は不要? 若者研究家に「リア充」の定義について聞いてきた

新R25編集部

連載

リア充ポリス

Sponsored by キリンビール株式会社

2019/03/29

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“リア充”なヒトやコトに、距離を感じている人は少なくないと思います。

編集部を代表する卑屈キャラ、ワタクシ福田もそのひとり。ふだん口では「リア充なんて…」と言いつつも、SNSに投稿されるキラキラした日常を覗き見してしまいます。もういい加減、“リア充”を斜めから見るのも卒業したい…

ということで、特別連載「リア充ポリス」では、あえて編集部がリア充文化に切り込んだり、実際に体験してみたりすることで、読者のみなさまに“リア充”のリアルを身近に感じてもらいたいと考えています!

第4回のテーマは、「リア充の定義」について

え? いまさら?」と感じた人もいるかもしれません。

申し訳ありません。ただ、ワタクシ福田、これまで「オンライン飲み会」「Airbnb飲み会」などを体験してみたものの、そもそも「リア充」への理解が曖昧だったということに気がづきました。

リア充とは、いったい何なのか?

サイバーエージェント次世代生活研究所の所長として、若者研究を進めている原田曜平さんにズバッと回答してもらおうと思います!

【原田曜平(はらだ・ようへい)】1977年東京都生まれ。慶応義塾大学商学部卒後、博報堂入社。博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダーとして、『さとり世代』(角川新書)、『ヤンキー経済』(幻冬舎新書)などを上梓。2018年12月より、サイバーエージェント次世代生活研究所・所長に就任。次世代研では「若者研究」「次世代生活研究」「メディア研究」の3本柱で研究を行っている

「リア充」はSNSの発達と同時に若者に浸透した

福田

今日は原田さんに「リア充」とは一体なんなのか? ということを教えていただきたいです。

そもそも、この「リア充」という言葉はいつから出てきたんですか?

原田さん

ボクが初めて「リア充」という言葉を若者たちから聞いたのは2008年のことです。

ちょうど、『情報病-なぜ若者は欲望を喪失したのか?』(角川書店)という共著を書いていたとき早稲田大学の学生が使っていました。

当時はmixiが活発に使われており、若者にSNSが浸透しはじめたころですね。

福田

たしかにボクが高校生だったころ、みんなmixiで日記を書いたり、コミュニティを作ったりしていました。

原田さん

そう。SNSの発信がはじまり、みんな人の目を前提に生きるようになったんですよ

そして、この「リア充」という言葉ですが…

福田

はい。

原田さん

「自分とは違って人生を充実させている」と思った人を揶揄する言葉なんです。

福田

揶揄…

言われてみれば、「オレはリア充」と自分からアピールする人はいないですね。ほとんどの人がちょっと小バカにしたような意味合いで使っています。

原田さん

そう。それに、「リア充」の定義は曖昧なんです

彼女がいる」「仲間と楽しそうにしている」みたいな人を指すことが多いですが、その見方は人によってバラバラなんですよ。

若者の外出が減少したせいで「リア充」という言葉が目立つようになった

福田

では、なぜ「リア充」という言葉がここまで目立つようになってきたのでしょう?

原田さん

それは、今の若者がアクティブでなくなってきているからだと思います。

2015年に国土交通省が発表した「全国都市交通特性調査」では、20代の男性の外出率は51.1%。

つまり、約半数の男性が休日に1度も外出しなくなっているんですよ

福田

それは…どうしてなんでしょうか?

原田さん

だってスマホさえあれば、一日時間をつぶせるじゃないですか?

福田さんもそうでしょう?

福田

(ギクッ)たしかに、YouTubeをダラダラ見ていたら休日が終わっていた…なんて珍しくないです。

原田さん

そんな便利なものを持っていたら、人はアクティブな行動から離れていきますよ。

以前は刺激を求めて外出する若者が多かったのですが、今はスマホで満足できる。

若者の間で、「ネフリでチルってる(Netflixを見ながらダラダラする)」という言葉が生まれたんですけど、家から出ないでまったり過ごすというのがトレンドになりつつあるんです。

これは日本のみならず、世界の若者も同じようなライフスタイルになっていますね。

※「
チル
」とは、「くつろぐ」や「まったりする」「落ち着く」といった意味で、「チルってる」「チルする」という表現があります。

福田

そんな環境だからこそ、SNSで楽しく遊んでいる写真が目立って見えるんですね。

原田さん

そう。それに、基本的にSNSを見ているときって孤独じゃないですか。

そういうときにそんな楽しそうな写真を見ていると、嫉妬の感情が生まれたり、やっかみたくなったりするのも当然です。

この連載もきっとそんな感情から生まれたんでしょう?

福田

うっ…

図星を突かれて回答に困る

「縦社会が崩壊」「草食化」SNSが変えた若者の価値観

福田

「リア充」の登場以外にも、SNSによってボクらの価値観に変化は起きてるんでしょうか?

原田さん

体育会系な縦社会もSNSによって崩れつつあるんですよ。

福田

どうしてですか?

原田さん

SNSは、基本的に同世代で結びつく傾向があります。つまり、同世代のコミュニケーションは以前より活発になっていて、人の評判も筒抜けになっているんですよ

たとえばある学校で、先輩が後輩に「パン買ってこい」ってパシるとするじゃないですか。

すると、後輩世代の間でその理不尽な先輩の言動がすぐに広まり、先輩に近づく人もいなくなりますよね。

福田

なるほど…。情報網が広がったことで、上下関係を前面に押し出したコミュニケーションが成立しなくなっているんですね。

原田さん

そうです。

逆に「パンを買ってくれる優しい先輩」というのは、会ったこともない後輩から慕われたりします。

つまり、SNSが上下関係のパワーバランスを崩して、フラットな感覚を植え付けたんです

原田さん

それに、最近は若者の恋愛が草食化していると言いますけど、その原因のひとつもSNSだと思いますよ。

福田

それもなんだ…

原田さん

だって、好きな子のインスタを見たら、横にイケイケの男がいたとするじゃないですか。

それを見てしまったら、「この子にはオレは無理だな~」って思うじゃないですか。

福田

めちゃくちゃ思います。住む世界が違うんだろうな、と。

原田さん

昔はそんなことは可視化されてなかったから、積極的になれたんですよ。

でも、今は彼女のまわりの交友関係がよく見えるようになり、ほかの男に対してコンプレックスを抱く機会が増えてしまったんです。

それはちょっとわかるなあ~

「コンプレックスがない人」こそが真のリア充?

福田

ここまで話を聞いてきましたが、「リア充」の定義は人によってバラバラなんですよね。

原田さん

はい。ただ、ボクは「リア充」と呼ばれている人のなかには、「リア充アピール」をしている人も多いと思いますよ。

「実際の生活はそこまで輝いてはいないけれど、SNSではキラキラした写真や動画をアップしている人」のことですね。

SNSの発達で人から承認されるインフラが整ったので、それを利用して承認されようとしているんです。

福田

他者からの承認で、「キラキラした日常を送っている」と実感するタイプってことですね。

原田さん

最近は、インスタ映えするための写真をたくさん撮りにいく人もいるし、なかには「パンケーキを2つ頼んで、あたかも友だちと来ているかのように見せる」リア充偽装をする人もいます。

でも、真の「リア充」だったら、そんな努力は必要ないんじゃないでしょうか。

福田

真の「リア充」…とは?

原田さん

あえて特徴をあげるならば、「まわりにコンプレックスを抱いていない人」です。

極端な例ですが、友だちが多くて、収入も十分にある。その上、恋愛も遊びも充実している人って、まわりにコンプレックスを抱くことはないと思いますね。

福田

なるほど…

ちなみに、自分は友だちもそこまで多くないし、SNSで「リア充」を斜めに見てしまう人間なのですが、こんなボクでも真の「リア充」になれますか?

原田さん

斜めに見てしまう…ということは、その人たちに対してコンプレックスがあるってことですよね。

それを見て何がうらやましいのか?という理由を考えてみてください。

なるほど…(しばし沈黙)

福田

ボクは…もっと友だちとワイワイしたいです

Facebookに上がっている写真を見ていると、いまだに学生時代の友だちと定期的に会っている人はうらやましいと思いますし、イツメンみたいなつながりにも憧れます!!

最後に思いの丈をぶつけました

原田さん

そしたらそれを実行して、コンプレックスをなくしてみてください。自分に自信を持つことがその第一歩です。

自分が心から楽しい、充実しているんだ」と思えている人が真の「リア充」なんだと思いますよ。

これまでやった「オンライン飲み会」や「Airbnb飲み会」は、普段一緒に仕事をしているメンバーと、心から充実する時間を過ごせました。

こんな時間を当たり前に過ごせるのが、「リア充」なんだと思います。

また、肩肘張らずにまったりと過ごせる時間。これが原田さんの言う「チル」な空間なのでしょう。

そんなシーンでは、スッキリ甘く、飲みやすい味だけど、スタイリッシュなイメージで「チルっている」時間を邪魔しない「スミノフ アイス™(お酒)」がおすすめ。

今まで紹介した「一体感を持って盛り上がるとき」や「自分好みのフレーバーを楽しむとき」など、リア充なシーンにピッタリです!

「スミノフ アイス」を片手に、いつもの仲間と「チル」な体験をしてみてください!

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