ビジネスパーソンインタビュー
なぜそこまで売れてるの?
見た目は普通だし、室内も狭そうなのに… "日本一売れてる"日産「NOTE」にツッコンできた
新R25編集部
各社からさまざまな新商品が登場する現在。でも、その商品って本当にいいモノなんでしょうか?よく考えてみると、ちょっとツッコミどころもありませんか?
「新商品ポリス」(タイアップ募集中!)では、新R25編集部が企業にお邪魔して、商品やサービスに読者目線(?)で切り込みます。果たして担当者はツッコミを見事跳ね返し、商品の良さをアピールできるのか…。
第11回でツッコミに行ったのは、2018年に「日本一売れてた」らしいこちらのクルマ!
日産自動車のコンパクトカー「NOTE」。あまりコレといった特徴がないようにも見えるけど、なぜこのクルマが日本一売れてるんだろう…?
そんな素朴なギモンを、NOTEの担当者にぶつけてきました!
編集部の素朴…というか失礼なギモンに快く答えてくれた、日産自動車株式会社 日本マーケティング本部の池田浩司さん
ツッコミ1:「日本一売れてる」ってよく聞く気がするんですが…?
編集部・N
自動車大国の日本でこれだけ多くのクルマがあるなかで、NOTEは「日本一売れている」そうですね。
ただ、ほかにも「日本一」や「ナンバーワン」をうたっているクルマはありませんか?NOTEはどのジャンルで「日本一」なんでしょうか。
池田さん
NOTEは登録車のなかで、2018年1月から12月までの累計販売台数がナンバーワンなんですよ。
編集部・N
なるほど。人気のSUV(スポーツ用多目的車)やファミリーカーなども含んだ車種全般で、ということですか?
池田さん
そうです。NOTEはコンパクトカーに属するのですが、そのなかでの1位であると同時に、ミニバン、セダン、SUVを入れたすべてのジャンルでナンバーワンなんです。
「日本一」という偉業を淡々と語る池田さん
編集部・N
日本でナンバーワン! ホントにスゴイんですね。お見それしました…。販売数はどれくらいなんでしょうか?
池田さん
2018年の1年間で13万6324台です。単純計算ですが、1カ月に1万台以上売れていることになりますね。
編集部・N
そんなに売れると生産が追いつかないなんてことはないんですか?
池田さん
そこはお客様にご迷惑をかけることはできないので、大幅な納期遅れをしないよう、生産ラインをフル稼働で対応しています。
ツッコミ2:正直、見た目は普通な気も…
編集部・N
「日本一売れている」というのは素直にスゴイと思いますが、失礼ながら、正直見た目は普通な気もします。
クルマって見た目のカッコよさで選ばれることも多いと思うんですが、なぜそこまで売れていると思いますか?
池田さん
クルマを買うとき、デザインは重要なファクターだと思います。だからこそ多くの方々に受け入れられるデザインを追求すると、NOTEのようなシンプルさに行き着くわけです。
編集部・N
たしかに、洋服でも家具でもシンプルなデザインが長く支持されますもんね。
池田さん
ただし、NOTEの場合はそこに13色のカラーバリエーションを加えて「個性」も出せるように工夫しました。その甲斐もあって、年齢、性別を問わず、幅広いお客様にご購入いただいています。
編集部・N
カラーバリエーション13色って他社に比べてかなり多いですね。
池田さん
日本市場でのクルマ選びではカラーへのニーズが非常に高いので、それにこたえられるよう揃えた結果です。
さらに「もっと個性を出したい」というお客様のニーズにこたえて、黒をアクセントに加えた「ブラックアロー」というツートンカラーのバリエーションも10パターン用意しているんですよ!
編集部・N
13色+ツートン10パターンってすごい! しかし、バリエーションを増やして売れるなら他社もマネしてきそうですが…
池田さん
カラーバリエーションを増やすことは、コストや生産計画のむずかしさにつながります。ですので、そう簡単に追随できるものではないかなと思っています。
編集部・N
そこまでして市場ニーズにこたえようとしているとは…。カラバリを増やすのは思っているより簡単なことではないんですね。
ツッコミ3:見た目がコンパクトな分、やっぱり室内は狭いんでしょ?
編集部・N
デザインのシンプルさ、カラバリの豊富さに加えて、見た目もかなりコンパクトだなという印象です。ここまでコンパクトだと室内は狭かったりするんじゃないですか?
池田さん
そこも競合と差別化するために注力した部分で、室内スペースの広さはセダンに匹敵する快適空間を実現しています。
乗り比べていただけると、特に後席の足元まわりのゆったり感を実感していただけると思います。
編集部・N
実際、室内の広さに対してユーザーからも声はあがっていますか?
池田さん
はい。セダンに比べても広いという評価をいただくこともあります。脚の長い方がゆったりした姿勢でくつろげるくらいは広いですよ(笑)。
「脚が長い最近の若い方にピッタリですよ!」
編集部・N
室内の広さって、足元まわりで実感できるものなんですね。
池田さん
そうですね。特にクルマに乗る機会が多かったり、長時間乗ったりするとより実感できると思いますよ。
池田さん
さらに言うと、NOTEの特徴でもある次世代型のパワートレインを搭載すると、室内のスペースを圧迫する可能性があるんです。
しかし、NOTEでは大きさやレイアウトを工夫して開発したことで、従来モデルと変わらない室内空間の広さを実現しています。
ツッコミ4:ウリにしている「e-POWER」って何ですか?
池田さん
NOTEは2005年に販売開始して今年で14年目になりますが、最新のモデルではエンジンで発電してモーターで走行する「e-POWER」を搭載するなど、他社のハイブリッド車と差別化しながら走行性を高める改良に注力してきました。
編集部・N
そのウリにしている「e-POWER」について詳しく教えていただきたいです。「エンジンで発電してモーターで走行する」ってどういうことですか?
池田さん
分かりやすくいうと「充電のいらない電気自動車」のようなものです。
ガソリン車はガソリンを燃焼させて駆動力に、ハイブリッド車はガソリンエンジンと電気モーターなど2つ以上のエネルギーを駆動力に、電気自動車は電気を駆動力にしているのですが、「e-POWER」の場合はガソリンで発電し、その電力でモーターを駆動させている。
つまり、モーターから先だけでいうと電気自動車のようなものなんです。
「e-POWER」のレプリカで仕組みを解説してもらった
編集部・N
なるほど。「e-POWER」って電気自動車とガソリン車のいいとこ取りのシステムでなんですね!
池田さん
まさにそうですね! これまでのガソリン車技術に加え、「LEAF」という電気自動車で培ってきた技術がある日産だからこそ実現できた次世代型のシステムだと思います。
編集部・N
いいとこ取りとはいえ、「静かさ」では電気自動車ほどじゃないんじゃないですか? 「エンジンで発電」するって結構な音がしそうです。
池田さん
たしかに電気自動車ほどは静かではないですが、モータードライブならではの静かな走行音に加え、エンジンの最適制御と遮音対策で2クラス上の静粛性を実現しています。
これは乗っていただけるとかなり実感できると思います。
編集部・N
ちなみに、先ほど走行性を高めるために「e-POWER」を搭載したともおっしゃってましたよね?
クルマでよくアピールされる「走行性」って分かりづらいんですが、優位さを示す数字とかあるんですか?
池田さん
走行性能に関しては明確な定義も優位さを示す数値もないんですよ。
クルマは走行時の安定性、運動性、制動能力などトータルのバランスが重要で、それらを技術的に改良して高めていくことが「走行性を高める」ことになります。
編集部・N
なるほど。「e-POWER」の場合は走行性がどういいんですか?
池田さん
ガソリン車はアクセルを踏んでからトルク(タイヤを回す力)の立ち上がりにタイムラグがあるのですが、「e-POWER」だと電気自動車並みに瞬時に立ち上がるんです。
立ち上がりの速さはグラフでも一目瞭然(水色の曲線がe-POWER)
編集部・N
それが加速感の違いになって、スーッとスムースに発進できるんですね。
池田さん
NOTEには走行時、アクセルペダルだけで加速や減速のコントロールができる「e-POWER DRIVE」も搭載しています。
この機能によってブレーキペダルを踏む回数が少なくなり、運転が楽になるんです!
池田さん
さらに、アクセルをひと踏みするだけでスムースに発進するので、走り出しから本当に気持ちいい感覚を味わっていただけるんですよ!
2016年にe-POWER搭載NOTEを発売したときは「ひと踏み惚れ」というキャンペーンワードを採用していました。
編集部・N
それは運転するたびにワクワクしそうですね!
池田さん
まさに運転の楽しさを味わってもらえると思います。
コンパクトカーを選んでいただく方って、どうしても「走り」を妥協しがちなのですが、運転が楽しいコンパクトカーがあることを知ってもらいたかったんです。
日本一売れている日産「NOTE」の魅力は、飽きのこないシンプルなデザインと好みの多様性に対応した豊富なカラーバリエーション、見た目を裏切る室内の広さ、そして何より「技術の日産」ならではの走行性を高める「e-POWER」にあることが分かりました。
初めてのクルマを買いたいと思っている人やそろそろ買い替えたいと思っている人は、コンパクトカーなのに走りも抜群な「日本一売れてる」クルマを試乗してみるといいかも!
消費税が上がってしまう前にぜひ。
〈取材・文=新R25編集部/写真=オカダマコト〉
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