ビジネスパーソンインタビュー
企業と、働く人の悩みが一気に解決できる!?
副業人材の活用って効果あるの? セールス特化の副業マッチングサービス「Kasooku」に聞いた
新R25編集部
各社からさまざまな新商品が登場する現在。でも、その商品って本当にいいモノなんでしょうか?よく考えてみると、ちょっとツッコミどころもありませんか?
「新商品ポリス」(タイアップ募集中!)では、新R25編集部が企業にお邪魔して、商品やサービスに読者目線(?)で切り込みます。果たして担当者はツッコミを見事跳ね返し、商品の良さをアピールできるのか…。
今回ツッコミに行ったのは、5月にリリースされたばかりのこちらのサービス!
“セールス特化”の副業募集プラットフォーム「Kasooku」です。
2018年、働き方改革によって広まりつつある “副業”ですが、まだまだ片手間でやっている人が多そうですし…本当に、人材活用としての新たな選択肢になるんでしょうか?「セールス(営業)」に特化しているって、あまり聞いたことがないし…。
今回は「Kasooku」を運営する株式会社ドゥーファの代表・一戸健人さんと社長・岡本葵さんに、ぶっちゃけどうなのか聞いてきました。
【一戸健人/左】株式会社DYMでエグゼパート事業(顧問紹介事業)を立ち上げ、株式会社MCJ・DYMパートナーズ取締役社長としてスタートアップの資金調達の支援を行うなどし、2017年に株式会社ドゥーファを創業【岡本葵/右】株式会社リクルート、Kaizen Platformの創業に携わったのち、現職
ツッコミ1:副業って、みんなテキトーにやってるんじゃない?
宮内
副業って、 “本業の収入に不満があるから”とか、“ちょっとヒマだから”とか、本気でやっている人が少ないイメージがあるんですよね。
岡本さん
わかります。私もはじめはそういう人多いんじゃないかと思っていました。
いま、副業で働くって、ネガティブな印象を持たれがちですもんね。
「わかるわかる、この質問」という表情の岡本さん
岡本さん
でも、最近は、自社で仕事もバリバリできて、自走できるプロフェッショナルのような人材こそ副業をしてるんですよ。
宮内
そうなんですか?
一戸さん
副業者のボリュームゾーンは、20〜30代です。ちょうど彼ら世代の価値観だと、1社で定年まで勤め上げるというより、ステージにあわせて仕事を変えて、自分のキャリアを選んでいきたいと考える人が多いんですよね。
宮内
たしかに、私も新卒で入った会社にずっといるというイメージは持てていませんでしたね。
一戸さん
大企業が続々副業解禁していることも相まって、そういう世代がこれまでのスキルを活かしてほかの経験を積みたいというときに、副業という手段を検討しはじめているんです。
転職だと職歴がついてしまうので、挑戦することに慎重になってしまうけど、副業なら職歴をつけずにいろんな仕事を経験できるので。
岡本さん
ただ、これまで副業を探すとなると、「とにかくお金を稼ぎたい!」という人が使うようなサイトにいきあたることが多かったと思うんです。
お金目的ならそれでいいんですけど、「Kasooku」は個人のスキルを高められる新しい経験を提供したいと思って立ち上げたサービスなんです。
岡本さん
なので、「自社のSNSであなたのことをPRします!」のような、自社ならではの体験など金銭以外の報酬を設定している会社も出てきています。
一戸さん
実際に登録してくれている人の副業をはじめる動機を聞くと、「今の会社がイヤだから」というより、「本業のスキルを活かしつつ、新しい経験を積みたい」というポジティブなものが多いんですよ。
ツッコミ2:なんで「営業」に特化してるの?
宮内
ちなみに、Kasookはなぜ「営業」に特化してるんですか?
岡本さん
一戸も私も、過去に営業をやっていたんですが、営業っていろいろなタイプの商材やビジネスモデルを経験したほうが、キャリアとしてプラスになることが多いと思うんです。
その経験もあり、副業を営業としてのキャリアアップにしてほしいという想いでスタートさせました。
宮内
実際に、企業側からすると、営業の副業を活用することのメリットってどういうところなんですか?
岡本さん
1つは、顧客とのコミュニケーションが大事な場合。
いわゆる接客とか販売がからむ仕事とかってアルバイトだとちょっと不安みたいな声もあって、そういった点は現役で営業をしている人は不安は少ないですね。
岡本さん
もう1つは、初めから“営業”としての動き方に共通の理解がある点も大きいかもしれません。
会社に所属しながら副業をやっている人は、組織の一員として“数字を追う”という感覚を持っているので、そこのアドバンテージは大きいと思います。
宮内
営業に特化することで、そういった感覚をすり合わせるコストが削減できるんですね。
一戸さん
そうです。それに、副業をする側としても、本業と抱き合わせで副業の商品を売るということが可能になるので、営業の幅が広がるんですよ。
一戸さん
僕、もともと顧問紹介サービスの営業をしていたんですけど、当時なかなかアポが取れなかったんですよね。
でもそこから独立して、いろんな会社の営業代行をするようになったとき、「これを売る」という商材がなくなると、これまでアポが取れなかったお客さんでも受注できるようになったんです。
宮内
それはどうしてですか?
一戸さん
保険会社の人に会う時って「今から保険を売られるんだ」ってちょっと怖いところあるじゃないですか。
でもいくつも商材を持っている人とかになると、そもそも「◯◯を売られる」という恐怖心がないから、リラックスして会話ができるんです。
そのなかで課題が出てきたときに、それにマッチするものをきちんと提案できれば受注につながるんですよね。
岡本さん
「新R25の広告営業です!」と話してもアポが取れなかったところでも、違う商品をフックにアポを取った流れで新R25の良さを説明しちゃうとかもありえるんですよ。
宮内
本業と副業を掛け合わせることで、営業の武器が増えるんですね。
岡本さん
本業の競合の商品を取り扱うのはNGですが、隣接する商材を「あわせ売り」するのはアリだと思うんです。
たとえば、採用関係で営業をやっている人は、人事系のほかの商材もあわせ売るとか。
宮内
なるほど。それは効率的ですね。
岡本さん
統計上、日本って営業職に従事している人が800万人ほどいるんですが、この人数が「あわせ売り」をしだしたら、あっというまに労働生産性があがっていくんじゃないかと思ってますね。
ツッコミ3:とは言っても…そんなにうまくいくものなんですか?
宮内
ただ、本当にそんなにうまくいくものなんですかね…
岡本さん
そこはぶっちゃけると、「副業者をどう扱っていいかわからない」という話はあって、うまく成果につなげられず、お互いがフェードアウトしてしまうという事例はありますね。
宮内
ああ、やっぱり…
岡本さん
副業をする人も、「働ければなんでもいい」というわけではないので、企業側も副業人材にお願いするポイントをうまくやることは大事かなと思います。
これまで見てきたなかだと、新規の事業や施策に対して副業人材を活用している企業は成功率が高いと思います。
一戸さん
新しく事業を立ち上げたり施策を実行したりするフェーズって、スポットで経験者の力を借りたくなることや多くの仲間を集めたいことが多いと思うんです。
でも、専門の企業にお願いするとなると、どうしてもビジネスライクな関係になってしまうので「このアドバイスは本当に信頼していいのかな?」とわからなくなることもあると思うんですよね。
一戸さん
でも、副業という形で個人として協力してもらえると、その人がイチ関係者としてナレッジをそのまま活かして、新しい取り組みにうまく貢献できることが多いんです。
岡本さん
Kasookuの例で新規事業系だと、オンワードパーソナルスタイルさんが活用いただいていますね。
岡本さん
実際に「いい感じで色々な方とお会いできている」という声を頂いています。
ツッコミ4:副業である以上、当事者意識が希薄になりそう…
宮内
あと気になっていたのが、所属意識やコミュニケーションなど、スキル以外の部分です。
副業である以上、当事者意識が薄くなってしまうイメージがあるのですが…
一戸さん
いろんな企業を見ていてわかったのですが、それはもう答えがあるなと思っています。
宮内
というと…?
一戸さん
成果報酬ではなく、「固定報酬」をしっかりと払ってあげることです。
宮内
あれ…? 矛盾を発見してしまいました!
一番はじめのツッコミで「金目的」の人があまりいないと返していただいたような…?
一戸さん
その通りです。
固定給を払う目的はお金を渡すことではなく、「あなたに先行投資しています」という企業姿勢を副業者側に見せることなんです。
だから金額は、月1万円とかで設定している企業もあります。
岡本さん
新卒採用の場合だと初任給30万円なんてこともありますし、社員に先行投資していることって多いと思うんです。
そう考えると、副業で働いている人に投資しないっていうのもおかしい話じゃないですか。
一戸さん
わかりやすく考えると、月50万円もらっている営業マンと、月5万円もらっている副業の営業マン10人だったらどっちが売れるのか?ということです。
それに固定給をもらっていると、週1くらいならミーティングに行ってもいいかなという気持ちになるじゃないですか(笑)。
宮内
たしかに。ミーティングに参加する理由にもなりますし、そこでコミュニケーションもとれますね!
岡本さん
だから、成果報酬でゆるいつながりをたくさんつくるのではなく、ある程度数を絞って、その人たちに固定給をしっかり払う方法がうまくいくんじゃないかなと思っています。
よくみると桃屋のキャラクターに似ている岡本さん
岡本さん
そうやってお互い気持ちよく働ける環境をつくって一緒に事業回す感覚を共有していく方が、お互い満足度の高い結果につながると思いますよ。
“副業”の地位を向上させ、企業と働く人の悩みを解決する
一戸さん
僕は極論、副業によって企業の人手不足と、働く人のキャリアの悩みが一気に解決できると思ってるんです。
キャリア的には、割に合わないけどやってみたい仕事ってあると思うんですよね。それこそ、立ち上げ期のベンチャーとか、これからどうなるかわからない新規事業とか。
一戸さん
副業がもっと広まれば、そういう“事業としては魅力的だけど、今のキャリアを捨ててコミットする勇気はない”ことも、どんどんチャレンジできる世の中になるじゃないですか。
宮内
転職以外で、キャリアを積む選択肢になりそうですよね。
岡本さん
今って、本当に転職したほうがいいのかなぁって悩める人が転職しちゃうケースもあると思うんです。
転職するにしても、もうすこし本業で頑張ったほうがより良い条件で転職できるのに、どうしても「新しいキャリアがほしい」となって会社を辞めてしまったり。
でも、副業をうまく活用することで、会社にいながら個人の経験を最大化できるようになるといいなと思うんですよね。
一戸さん
今の会社で得られないスキルや経験を身に付けたいなら、まずは副業からはじめて、それが自分に本当に合っていると思ったタイミングで転職するのもひとつの選択肢だと思うんです。
宮内
Kasooku が目指しているのはまさに、最近よく言われる“複”業なんでしょうか?
※複数の本業を持つこと。副業のような片手間仕事としてではなく、生業として別の業種を2つ以上兼務すること。
岡本さん
副業とはいえ、全部全力でやるのが基本だと思っているので、その意味では“複”業なんですが、僕らはあまりその言葉を使っていないんです。
複業って、“副業”をネガティブと捉えたところから生まれた言葉なんじゃないかなと思うんですよ。
岡本さん
実際に、私もこうして事業として副業に向き合うまで、ネガティブな先入観を多少なりとも感じたことありました。
ただ、言葉を変えたとしても、その先入観って簡単には変わらないと思うんです。
だったら、“副業”というそのままの言葉のほうがわかりやすいと思って、あえて”副業”とストレートに表現しています。
宮内
なるほど…!
「本業」「副業」というすみ分けがあったとしても、相互にいい影響を及ぼすポジティブな働き方があるということですもんね。
私たちの世代ではもはや当たり前となった“転職”という選択も、昔は風当たりが厳しいものでした。
今、副業はまさにその転換期。
これからの選択肢に副業が入るか入らないか。それは、企業と私たち一人ひとりが“働くことにどう向き合うか”に委ねられているはず。
“副業セールス人材”の活用に興味がある企業はぜひ「Kasooku」を!
Kasookuでは今後、エンジニア向けのプランや成果報酬型のプランも出てくるそう。まずは登録してKasookuの様子を見てみては!
ちなみに、副業したい方の利用は無料なので、興味を持った方はどんな経験ができそうか、一度覗いてみてはいかがでしょうか?
〈取材・文=宮内麻希(@haribo1126)/撮影=福田啄也(@fkd1111)〉
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